気になるミュージシャンのチケットを取ってみたものの、急遽仕事が入って行けなくなった、友達の都合が悪くなった、またまたデートで行こうと思っていたら別れてしまった……。など、ライブチケットにはこのようなトラブルがつきものだ。譲るあてのある友人が身近にいればよいが、いつもそうはいかない。そこでライブチケットの転売について、違法性があるのか、無いのか、違法性がない場合はどんな場合なのか紹介していこう。チケットキャンプ、チケットストリート、チケジャム、Twitterなど様々な場所で販売が行われて来ているが、現在の法的整理はどのようになっているのだろうか。2019年にチケット不正転売禁止法が整理され、チケット転売の事情はさらに厳しくなっているので注意して欲しい。
Great gigs of our time... Xiu Xiu at Electric Circus / StartAgain
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横行する高額転売
2016年の夏に、ある意見広告が出された。「私たちは音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します」という、多くの有名アーティストやバンドの連名で出されたものである。このような意見広告が出された背景には、人気アーティストのライブチケットを大量に購入し、それを高価で転売する行為が横行している現状がある。
高額転売によって、数千円のライブチケットを数十万円で購入するような事態、またチケットが完売しているのにライブ当日は客席の半分以上が空席、という事もあった。
だが、本当に行くつもりでチケットを購入したのに急な用事が入っていけなくなった、ということもある。そんな時、転売すればチケット代が無駄にならないし、限られたライブの席を空席にする事もないというメリットがある。
そこで、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリ、オークションサイトでのチケット転売の可否や注意点、どうやってチケットを売ればよいのか。売買の際の注意点を含め、以下にチケット転売の方法についてまとめてみた。
そもそもチケットを売っても違法ではないのか
2016年9月、ライブチケットの転売で香川県の女性が古物営業法違反の疑いで北海道警察に逮捕された。また、2017年5月には20代の男性が東京都迷惑防止条例違反容疑で逮捕されている。この2件のケースでは、チケットの転売で1千万円以上の利益を得ていたのだそう。それでは、チケットの転売は違法なのだろうか。
ダフ屋とは?
ライブ会場に行くと、チケットを片手に歩き回っている人々に出会うことがある。人気アイドルや有名ミュージシャンになるとその数は顕著に増えるであろう。彼らは「ダフ屋」(チケット=“ふだ”の隠語から由来する)と呼ばれる。転売目的でチケットを買い、定価以上の金額で売って利益を得る。
公共の場所で営利目的に行われる転売は、多くの都道府県において迷惑防止条例として禁止されており、違法行為である。
ダフ屋でなければ法律違反では無い
ただ単に、行けなくなってしまったライブチケットを転売する事は違法ではない。違法かどうかの境目は、その転売が営利目的だったかという点にある。始めからライブに行くつもりがないのにチケットを購入し、それを高額で転売した場合は違法になるのだ。いわゆる転売ヤーであり、本来ライブに行きたい人が適正な価格で行けなくなってしまうということからもアーティスト側やファンから嫌われる存在だ。好きなアーティストやアイドルグループのライブであればいくら払ってでも行きたいという気持ちに付け込んだ商売なのである。だからこそ儲かってしまう。ライブチケットを何十枚も大量に購入した場合は、ライブに行くつもりだったというのは無理があり、こういったケースでは違法になる。
しかし、行くつもりで買ったチケットを転売することは営利目的ではないとされ、条例違反にはあたらない。また値段の設定に関しても双方の合意が得られ、かつ常識的な範囲の金額であれば問題はないのだという。なので毎回行きたいアーティストのライブや友人が行きたがっているライブに応募し、抽選に当たった後に行けなくなってしまった際、誰かしらに販売するぐらいで違法性は問われないと言える。
したがって、このようなケースに関しては安心して転売を行っても良いといえる。要は限度を超えているのかどうかなのだ。警察も度が過ぎた人に対して見せしめの意味も込めて逮捕という動き方になることがあるが、そのようなレベルで稼ぎ出しているかどうかが論点とも言える。
見落としがちな注意点
いくつか注意しておきたいのが、プレイガイドや興業者側の規定である。
ダフ屋対策として、近年では入場の際に本人確認書類を厳しくチェックしたり、購入の際に顔写真の提出を求めたりするケースも増えてきている。そのため、本人確認があるチケットの譲渡は難しいかもしれない。また、迷惑防止条例に引っかからずとも、販売側の規定として“いかなる”転売行為も禁止”されている場合がある。
このため、ファンクラブを通じて購入したチケットの転売行為が発覚した際には、退会措置などが取られる可能性も残念ながらゼロではない。これらを念頭に置いた上で、自己責任の下での転売をお願いしたい。
高額転売は全て違法なの?
実際にライブに行くつもりだったのに行けなくなってしまったので、オークションサイトに出品したところ、定価よりも高い値段で落札された、という場合もあるだろう。この場合、利益を得ている以上、営利目的となるのだ。
チケットの購入動機には問題ないが、結果的に儲けているのだから営利目的だ、という考え方もある。今のところ、チケット一枚の転売で逮捕されたというケースはないが、今後は違法とみなされてしまう場合があるかもしれない。つまり、買った値段で売る程度であれば違法にはならないがたった1回でも利益を出すような売り方をしていれば違法性があると考えておいた方が良いだろう。例えば人気アーティストのライブが当たって、友人10名ほどにいくらまで出せるか聞き、一番高かった人に売るような取引方法だと問題があるだろう。メルカリなどのフリマアプリで自分で金額を設定して転売すれば、儲けてしまう心配もあるかもしれない。値段設定には注意しよう。
2019年には嵐のファンが逮捕される事件も
チケット不正転売禁止法違反容疑で大阪府在住のファンが摘発された。1月以降、嵐などの10公演、17人分のチケットを高額で転売していたとみられ、府警は法施行後の6月と9月の2公演で、3人の女性に対して定価の約8~15倍での転売を立件。最も高値で9千円のチケットを13万3千円で転売し、計約42万円を得ていた。これまでの事件に比べると規模の小さな転売行為ではあるが、違法性が認められたことになる。
チケット不正転売禁止法は2020年東京五輪・パラリンピックをにらんだ転売対策として6月に施行されたものである。興行主(主催者)の同意を得ずに定価を超える価格で繰り返し売ったり、転売目的で買ったりしてしまうと、1年以下の懲役か100万円以下の罰金、または両方が科せられることになる法律だ。
フリマアプリでライブチケットを転売する際の注意点
行けなくなったライブチケットをフリマアプリなどを使って定価で転売する事は違法ではない。しかし、ここで注意しなければいけない事がある。それは、アーティスト側が転売対策をしている場合だ。
本人確認が必要なチケットは転売しても使えない
対策として、チケット購入時に入力した情報と同じ本人確認書類がなければ入場できないというものや、事前に登録している顔を認証する事で入場を許可するといったものがある。
このような場合は、転売チケットを購入した人は会場に入れないためトラブルになるだろう。転売する際には、そのチケットが有効に使えるかどうかの確認も必要になってくる。
利益が不当に奪われる高額転売
定価5千円のライブチケットを2万円で購入したため、そのアーティストのCDやグッズが買えなくなってしまったとしたら、本来アーティストが音楽を生み出す源となるはずだった1万5千円が、転売者の懐に入ってしまう事になる。だから、高額転売は「音楽の未来を奪う」ものだと言われているのだ。
しかし、本当に転売を厳格に禁止してしまうと、用事で行けなくなってしまった場合、転売はおろか友人に譲る事も出来なくなり、そこを空席にするしかなくなってしまう。今後は、こういった問題点を解決する対策が望まれる。
チケットの転売方法
チケットの転売方法は様々な方法がある。ここでは安心して売却することのできる方法をいくつか紹介していくので、ぜひ参考にしてほしい
チケットボードでの転売
人気ミュージシャンのファンサイトの多くには、チケットボードが設置されている。単なるBBS形式のものから、売買のプラットフォームがきちんと構築されているものまで、その種類は様々であり、基本的に“チケボ”での取引は個人間で行われる。取引の方法は双方に委ねられるため、自由度は高い。
筆者が以前チケボを利用した際は、多くの買い手から購入希望のメッセージが届き、その中から手渡しで譲ることのできる希望者を選びチケットを譲った。
対面で取引するのに抵抗があるときには郵送での取引を行うこともできるが、この場合、お金とチケットを受け取る時点にタイムラグがあるため、取引評価制度を備えたチケボを利用し、信頼できる取引相手を選ぶのが賢明であるといえよう。
オークションでの転売
ヤフオクや楽天オークションに代表されるオークションサイトのチケットカテゴリをのぞくと、かなりの高額で取引されていることがわかるだろう。しかし、これらの出品者の多くが利益目当てにチケットを売り出すダフ屋である。規制の一環として、座席番号がわかる形で出品されたチケットはコンサート当日に無効とされてしまうこともあるという。
オークションは営利目的の転売でないにしても、出品者、購入者双方にある程度リスクのある取引方法である。ニーズに見合った金額で売却できるメリットがある一方で、オークション事情について深く理解をしておかなければならないため、オークションを利用しての転売は、細心の注意を払う必要がある。
チケット売買サイトでの転売
チケット売買サイトの大手としては、チケットビス、チケットストリート、チケジャム、チケットキャンプ(現在はすでに閉鎖)、メルカリ、ラクマなどが挙げられる。これらのサイトは譲りたい人と買いたい人の仲介業者として存在し、譲り手は一旦チケットを仲介業者に送り、ここできちんと確認を得たうえで買い手のもとに届けられる。
出品者評価や個人情報も業者によって管理され、送付方法や注意点などに関しても詳細に説明されているので利用者の利便性は一番高いといえる。しかし、ある程度の仲介手数料がかかることを覚悟しておかなければならない。
金券ショップで買取してもらう
各地に店舗を構える金券ショップに行けば、直接コンサートチケットを売ることができる。対面で値段の交渉をしたり、金額に納得がいかなければ取引をやめたりすることも可能だ。
しかし、人気があったり開催日まで余裕があったりと、売れる可能性のあるチケットでなければ買取してもらうことは難しい。また相当なプレミア価値のあるコンサートでなければ、定価以下の取引を覚悟したほうがよいであろう。
チケッティ
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ポリシー
ウイルス
対策
チケッティは東京都内に6店舗を構える金券・チケットショップだ。店頭買取のほか、郵送買取に対応している。郵送買取はオンラインで簡単に手続きできるので、忙しい方には特におすすめだ。
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チケット売買サービスや金券ショップなど、ライブチケットを買い取ってもらう手段をいくつか紹介してきたが、売却先によって換金率は異なってくる。そのため、できるだけ損をしないためには複数の転売先に見積もりを出してもらい、査定額を比較する必要がある。しかし、このような手間暇をかける余裕がないという人も多いはずだ。
そんなときは「ヒカカク!」の買取業者一括査定依頼サービスを利用しよう。一度に複数のチケット買取業者に査定を依頼できるので、どこの業者の換金率が最も高いかがすぐに分かる。無料で気軽に申し込めるので、ぜひこちらから試してみてほしい。
まとめ
個人による転売にはさまざまな方法があり、どれも一長一短がある。
今までに転売の経験がなく取引に不安がある際には、売買サイトや金券ショップなど第三者による仲介のある売り方をおすすめする。いずれにせよ、ライブという非日常をより多くの人に楽しんでもらうためにも、チケットとお金を無駄にしない選択が重要だ。