血を売るのは違法?献血買取が無くなった理由と世界の事情

現在日本では、多くの場所で献血が行われているため、一度は献血に行って自分の血液を提供する、なんてことを経験した人も多いだろう。

また、現在の日本では血液が足りていないため、献血を促すキャンペーンや、献血をお願いする看板なども至るところにある。


Injection, Inject / Joe The Goat Farmer

血液の買取

そこで、次のようなことを思う人もいるだろう。この献血になぜ買取がないのか、もしくはそんな血液が足りないのなら、血の買取を行えばもっと多くの血が集まるのではないか。そんな風に考える人も多いはずだ。

では、なぜ血の買取を行っていないのだろうか。今回は、献血の買取について述べていこう。はたして、献血に買取がない理由とは一体どういったことなのだろうか。

現在、血の買取制度はどうなっているの?

では、血の買取がなぜ行われていないのかについて述べていく。その前に、現在、血の買取が行われているのか、行われていないのかを述べておく。まず、そこを押さえておくことが先決だ。

現在、国内では血の買取制度は廃止され、行われていない

現在、血の買取制度が行われているのかという有無について述べていこう。現在、日本国内において血の買取はされておらず、献血の無償提供が主流となっている。

しかし、昔から血の買取が無かったのかというとそうではなく、血の買取は行われていた。血を売ること売血といい、血を売ってその対価として金銭を受け取るという制度はあったが、その制度は廃止され、現在では血の買取は行われていない。

無償提供であっても、採血された血液は医療期間に売られているのでは?

血の買取がされていないと述べると、「でも、採血された血液は医療機関に売られている」と思う人もいるだろう。確かに無料で血液を提供できるわけがないと思う人が大半だろう。だが、あくまで名目上は、無料で提供しているのだ。

医療機関からの費用提供によって成り立つ献血

血を売っているように思うかもしれないが、採血センターなどの施設を継続したり、血を輸送したりする費用になるものはあくまで、医療機関から提供してもらっているのである。

また、そういった費用を医療機関からもらわなければ、ここまで長い間、献血センターを運営することはできないだろう。また、それだけ、医療において血液は非常に重要なものなのである。

昔、日本で血液の買取がされていたって本当なのか?

上記では、現在、血の買取が行われているかどうかについて述べてきた。そのなかで少し触れたが、血の買取制度を廃止したことにより、売血はなくなったと説明した。ということは、昔は血の買取が行われていたということになる。次は、その点について触れていこう。

昔は、民間商業血液銀行なるものがあり、血は売ることができた

日本赤十字社が、血液銀行(現・赤十字血液センター)を1952年前後日本各地に設立して、献血した者に対して、血を買い取ったとして金銭が支払われていた。当時無償での献血制度はあったが、そのような民間商業血液銀行で血液が売れるため、無償での献血は急激に減っていったのである。

昔は生活費を稼ぐために、血を売っていた人も多かった

やがて、売血制度は廃止されていくことになるのだが、昔はライフスタイルの中に売血という選択肢がごくごく普通にあったようだ。

医療で血液が必要なのは間違いなく、今の医療においても血液は欠かすことができないものとされている。だが、昔は血が足りないから自分の血を使ってくださいという善意から来るものではなく、生活費を稼ぐために売血を行う者も多かった。そして、その売血を行う人に多かったのが、低所得の肉体労働者だった。

このように、売血者は多く存在し、献血の頻度も決められた期間を開けず、売血で金銭を手にする者もいたようだ。

では、なぜ血の買取が廃止されたのか?

昔は、血の買取が頻繁にされていたのに、なぜ、血の買取制度が廃止されていったのかという点について述べていこう。そこにどういった理由があるのだろうか。

頻繁の売血を行うこと生じるで、黄色い血が問題に

上記で述べたように、血液の買取は低所得の肉体労働者が主流となって行われていたのだが、やはり、血の買取を行っていくと生活費を目当てに血を売る者が増え、非常に不衛生な血を採血していくこととなる。

当時の血液銀行、また売血者にはモラルが薄かったと言われており、金銭目的のため、短期間で採血を行うことで、赤血球の回復がされないままの血に胆が混じり、血液が黄色になるといった血液・黄色い血が問題視されだしたのだ。

売血による肝炎ウイルス感染が広がっていった

なぜ、このような黄色い血が出てくるのかということだが、それは売血を頻繁に行うことだけではなく、当時の肉体労働者の多くは、覚せい剤を使用していたためである。現代では考えられないことだが、昔は、覚せい剤は現代のように法規制がされていなかった。その覚せい剤こそ「ヒロポン」なのである。

注射針によるウイルス感染の拡大

今は覚せい剤として当然違法ではあるが、当時は栄養剤のようなカタチで市販されていたのである。錠剤では効くまでに時間がかかってしまうので、注射器で打っていたのである。その注射針による肝炎ウイルス感染が広がっていってしまった。そういった感染した者が売血を行っていたのである。

また、本人の意思には反した売血もあった

さらに、この売血制度には血を売るわけなので、利益を主体として売血を促すようなことも頻繁に行われていた。

本人の意思には反して、反強制的に売血をさせて金銭を得るような事例は多く、そういった金銭は、当時の暴力団の財源となっていったとも言われている。

売血制度廃止のきっかけとなったのが、ライシャワー事件

血の買取を行っていった結果、大きな事件が売血の危うさを露呈させる事件が起きてしまう。それが、売血制度廃止のきっかけとなった「ライシャワー事件」だ。どういった事件なのか簡単にだが、ここで紹介しよう。

1964年にエドウィン・O・ライシャワーが、アメリカ大使館の門前で、何者かにナイフで、太ももを刺され重傷を負った事件である。このとき輸血用の血液で治療が行われてたが、この輸血が原因で肝炎になってしまう。

この事件がきっかけで、売血された血の輸血の危険性が再認識されることになり、売血制度は終焉を迎えることになるのである。

だが、まだ世界で、この売血制度なくなっていない

上記では、日本の売血の歴史に関して、簡単に述べてきた。国内の売血制度はシフトされて、今は無償提供が主流となっている。

では、世界に目を向けたとき、この売血制度はないのかと調べると、世界では現在も売血制度が行われている国があるのだ。

ヨーロッパ諸国、アメリカ、中国などは今でも売血制度がある

世界に目を向けると、この売血の制度はなくなっておらず、問題視もされている。上記で説明したように、血液の買取を行うと金銭メインでの取引となっていくため、なかなか良い状態での血液を採血しづらくなるのが現状だ。

ウイルス感染が問題視されながらも、大国で行われる売血

さらに現在では、エイズなどの感染症を蔓延させるのではないかという問題もある。昔ほど高い金額での買取額ではないだろうが、現在でも売血がある国は多くある。例えば、ヨーロッパ諸国、アメリカ、中国などが挙げられる。

そのなかでも、中国は売血大国と言われている、そこで起きた事件

売血制度は、まだまだ世界には多く存在する制度なのだが、そのなかでも中国は売血大国と言われている。さらにそういった売血制度がもたらした事件というのも起きている。

中国、新興国のニュースなどを紹介するサイト「kinbricksnow」では、売血がもたらした犯罪のニュースを取り上げている。

(蹴る殴るで中高生に売血を強要、チンピラグループと採血所副所長を起訴―中国(高口))こういった犯罪が行われているのは、稀であっては欲しいが、こういった問題が売血制度にはあるようだ。

だが、このような血液事業がなくならない背景にあるもの

だが、売血がなくならないのは、やはりそれなりに意味がある。血液を買うところがあるということなのだ。

では、どういったところが血液を買うのかということだが、それは血を必要としているところ、もしくは国なのだ。その血を欲しがっている国こそ「日本」なのである。

血液の輸入大国・日本

現在、輸血用血液が足らない現状が日本にはある。なぜ、足りないのか?それには日本医療の考え方なども問題にあげている人もいるが、大きな要因は若者の献血離れなのである。また、そこに輪をかけて少子化問題も重なってくる。そういった理由もあり、日本は血液を大量に輸入しているのである。

【まとめ】血の買取は、ずさんな取引が行われる可能性が高く廃止された

ここまで、なぜ血の買取はないのかということを説明してきた。実際、昔は血の買取という売血は行われていた。さらに、その売血は生活費を捻出するために、頻繁に行われていたのである。

金銭メインの取引はずさんな血の取引を生む

そういった売血を行うことにより、金銭メイン利益重視の取引となり、いつの間にかずさんな血の取引が行われるようになり、それが原因となり、肝炎を引き起こし、感染症を蔓延させる結果になった。

不衛生に取引される血液が問題

そのことから、売血制度は廃止されたが、現在の日本では輸血用血液は献血では足りないため、輸入に頼ってしまっている。そういった背景も関係し、世界では売血事業がまだまだ多く存在する。だが、売血自体が悪いのではなく、モラルなく不衛生に取引される血液が問題なのである。

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