宅配買取サービス「ヤフー買取」のビジネスモデル

【注意】ヤフー買取は、2016年3月31日をもってサービスが終了しておりましたが、改めてブックオフオンライン、高く売れるドットコムと再度提携して2020年10月21日現在稼働しているようです。本コラムの内容は2016年のサービス終了前のヤフー買取の解説記事となります。

今回は、スマホから家電、ブランド品や本までカバー、基本的に何でも買取をしているヤフー買取に迫る。ヤフーといえば、大手ポータルサイトを運営しており、検索エンジンとしても有名だ。ディレクトリ型エンジンはGoogleのロボット型エンジンに軍配を上げてしまったが、未だに豊富なサービス群を備え、日本での人気は根強い。飛ぶ鳥を落とす勢いのソフトバンク傘下にあることも影響し、ヤフーの認知度は高く、小学生でも知っているだろう。そんなヤフーが運営するヤフー買取に迫ってみよう。

返送料が無料！しかも最短2日で現金化！

ヤフー！買取が行っているのは、店舗買取ではなく、宅配買取。これが何か知らない人のために一応説明しておくと、インターネットで買取を申込み、そうすると家に宅配便がやってくる。そこで品物を渡し、送付、その後査定結果がヤフー！から送られてくるといった流れだ。自宅に居ながら、モノを売ることができる。

送料はもちろん無料だが、返送料もなんと無料。数多くの買取サービスを見ているが、これはなかなか珍しい。本やゲームなど単価の低い商材については一部自己負担となるが、基本的には無料で返送してくれるとのこと。査定額を知ってから安心して取引したい人におすすめ。別の自己負担を強いる買取サービスでは返送料をとられることを考えてしまう。「安くても売ってしまえ」と不満を抱え買取同意するケースもよくある。ヤフー！買取はユーザーに親切なのだ。また、現金化まで2日とのこと。スピーディ。

何でも買取してくれる器の大きさ

さすがヤフー！。ブランド品買取、ゲーム買取、スマートフォン買取、パソコン買取、楽器買取と何でもカバーしている。洗濯機や電子レンジなど家電まで出張買取しているのも凄い。家にあるものを全て売ってしまうことも可能か。サバイバル用品の買取というメニューがトップページに掲示されているのは笑ってしまう。

Project Crosman 1377 / Podknox

ソフマップやネットオフ、ブランディアといった大手買取業者と提携

ただのインターネット企業であるヤフーが（ただのインターネット企業であるかどうかは賛否両論あるところだが）なぜこれほど幅広い商材を扱えるのだろうか。スマホ買取やパソコン買取といえばソフマップ、ブランド品買取といえばブランディア、本やゲームの買取といえばネットオフが有名であろう。

ヤフー買取の裏側に実はそういった大手買取業者の存在がある。すなわち、ヤフー買取というヤフーの持つ窓口を通じて、実体としては大手買取業者が査定、買取を行っているのだ。ヤフーという集客力を活かして、大手買取業者に「卸している」イメージに近い。彼らの販売力を後ろ盾として、高額買取を実現しているのだ。買取して転売する際に得られる利益をレベニューシェアとしていると推測される。

ヤフー！ウォレットで買取代金を還元

ヤフー買取で買取して貰った場合、買い取り代金が1000円未満だとTポイントの還元、1000円以上の場合はヤフー！ウォレットというヤフーの口座への振込となる。通常の銀行口座に振り込んでもらえないというデメリットはあるが、そのように他のサービスと組み合わせることで、ユーザーへの還元率を高める仕組みを構築している。ユーザーからすると多少面倒だと感じることもあるかもしれないが、査定額がその分アップするのであれば嬉しい施策でもある。

買取の流れを分解し、最大限の付加価値を生む仕組み

買取に重要な集客の部分をヤフー！お得意のサイトづくりで担い、その後の査定や買取のフローは大手買取業者に委託する。そして、現金化・還元の際にヤフーのサービスを使わせるといううまいビジネスモデルだ。それによって、利幅を上げることができるので、高い買取価格も実現できる。実際にヒカカク！に寄せられたレビューを見てみても、他より高いらしい。ユーザーからしてもありがたい買取サービスであるし、要らないものはとりあえずヤフー買取で売ってみては？