空き家が住宅総数の13.5%を占める社会問題を受け、政府では2016年2月に中古住宅売買契約に関する宅地建物取引業法の一部改正を行う法案を閣議決定した。この法改正が施行されれば、古い住宅を購入するユーザが不安となる「質の悪さ」や「保証期間の短さ」といった問題が解消される。またこの制度改正は不動産売買業者にとっても高いメリットがあるため、売り手・買い手相互の好循環によってさまざまな地域に溢れる空き家の減少が促進すると考えて良さそうだ。今回は国土交通省が打ち出した法改正を踏まえて、住宅を手放す方法である「売却」と「買取」のメリット・デメリットなどを徹底比較していきたい。
House / srqpix
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宅地建物取引法の改正は「売却」を変える
今回閣議決定した宅地建物取引法改正は、媒介契約を必要とする「売却」に関わるものである。媒介契約を行わず業者との直接交渉で住宅を手放す「買取」には、基本的に大きな影響がないと考えて良さそうだ。しかしこの動向により買取業者側でも更なるサービスの拡充を行うことが想定されるため、制度改正対象の「売却」と「買取」の間に更なる競争による好循環が生まれると考えて良いだろう。
宅地建物取引法の改正で「売却」は一体どのように変わる?
まずは、「売却が今後どう変わるか?」といった観点から、この方法に潜む問題を紹介していきたい。
住宅診断の斡旋が行われる
この制度改正における最大のポイントは、媒介契約締結時に「仲介業者がインスペクション業者の斡旋を行うようになること」である。ホームインスペクターと良ばれるプロに住宅の診断を行なってもらうと、欠損の有無や劣化といった建物全体のコンディション把握により、結果として売り手、仲介業者、買い手の三者に良き信頼関係が生まれると考えて良いだろう。
瑕疵担保責任トラブルが起こりにくくなる
また重要事項説明時には、不動産仲介業者側でインスペクション結果を丁寧に説明した上で売買契約の成立へと進むため、従来の住宅売却の問題とされていた「瑕疵担保責任」に関するトラブルも従来と比べて遥かに起こりにくくなる。このように古い住宅物件だからこそ生まれる売り主も知らない経年劣化などを住宅診断士という第三者が客観的に調べるこの制度改正は、「個人に対して売却するリスク」の解消により住宅の売買市場全体に好循環をもたらすと考えて良さそうだ。
住宅の「売却」には他にもメリットはあるのか?
仲介業者を使って住宅を手放す「売却」には、他の方法と比べて高い相場で売買契約ができるメリットがある。特に近年流行っているリノベーションを通して若い人々でも心地良く住めるレベルに再生された住宅は、昭和の時代に建てられた古民家であってもかなり高い価格で売却可能となるのだ。
また売却の場合は、売り手の設定した金額で広告などの宣伝活動が行われるため、絶対に売れる自信のある物件なら、売却を使った方法でも「早く高く手放すこと」が可能と考えて良いだろう。
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人によって捉え方が異なる!住宅の「売却」のデメリット
宅地建物取引法の法改正によってさまざまなメリットが生まれる売却にも、売り手を悩ますいくつかのデメリットが存在する。また難点の多さといった部分で比較すると、「売却よりも買取の方が良い」といった意見も多く見受けられるため、これから紹介するポイントについて「自分の住宅の場合は該当するのか?」といったイメージをすることもより効率的に不動産物件を手放すコツと考えて良さそうだ。
現金化まで時間がかかる
売却で住宅を手放す際には、最初に仲介業者との媒介契約を行う必要がある。また住宅診断士によるインスペクションを行う場合は、各種調査を行なった上での重要事項説明へと移るため、従来からの問題だった「売約までの時間」の部分では更に長期化することも予想できると言えそうだ。
さまざまな手間がかかる
即完売するような住宅物件は、基本的に売り手によってリフォームやリノベーションが施されている。これに対してなかなか買い手がつかない不動産の場合は、壁紙の剥がれや黄ばみといった購入者を不安にさせるような要素が多い特徴があるのだ。
このような実情から考察すると、中古の住宅をより早く高値で売るためには、購入希望者に対して好印象を与えるさまざまな準備や対応が必要になると言えるだろう。特に現在生活している物件の内見時には売り手が自ら対応することも多いため、間取りなどの説明だけでなく部屋の掃除や片付けといった手間もかかる。
周囲にバレることもある
一戸建て住宅などの物件は、フリーペーパーやホームページなどの広告媒体を使って宣伝活動が行われる傾向が高い。媒介契約を締結した仲介業者は、物件情報に対して「なるべく多くの人の目に触れること」を重視するため、売却予定の事実をクローズドにしたい人にはこの方法は適さないと考えられているのである。
また離婚や転職、転勤といったライフイベントで住宅売却する場合は、不動産広告を通して周囲に私生活の状況がバレることもあるため、「こっそり内緒で住宅を手放したい」という人にはおすすめ度の低い方法と捉えて良いかもしれない。
デメリットの少ない住宅の「買取」
これまで紹介した売却と比較されることの多い「買取」は、住宅だけでなくどんな不動産物件を手放す際にも「デメリットが少なく、メリットが非常に多い」と考えられる大人気の売り方である。買取におけるデメリットは、参考買取相場と比べて売値が20%~40%減になることだけである。しかし中古住宅買取に積極的な業者と価格交渉を行えば、この難点を解消することもできる。
また近頃では、数多くの買取業者が競い合う一括査定サイトの存在により、「買取=低価格」といったネガティブなイメージが一掃されつつあるため、売り手の頑張り次第ではこの方法におけるデメリットを解消することも可能と考えて良いだろう。
住宅「買取」のメリットとは?
買取のメリットは、安全かつ確実に住宅を売りたい人たちに嬉しい内容ばかりである。
現金化までのスピードがとにかく早い
買取業者との直接交渉だけで成約の有無が決まる「買取」は、媒介契約の締結、重要事項説明、売買契約とたくさんのステップを要する「売却」と比べて遥かに早く現金化が可能である。また売却の場合はこの他に、広告の掲載や購入希望者の内見といったさまざまな手順が必要となるため、どんなに仲介業者が努力をしても「買取よりも早く住宅を売ること」はかなり厳しいと考えて良いだろう。
後々のトラブルが生じにくい
住宅買取のプロを相手にする「買取」は、過去に自殺や殺人があった事故物件であっても堂々と交渉ができる。また不動産業者に物件売却をした場合は、瑕疵担保責任を問われることもないため、売り手も全てを把握できないほどの経年劣化や損傷を抱えた住宅には「買取」の方が遥かに安全性に長けていると断言できるのだ。
精神的負担が少ない
古い住宅の「買取」に積極的な業者は、成約までの手続きだけでなく相続や税金を含めたさまざまな相談に乗ってくれる。これに対して個人を相手に交渉や手続きを進める「売却」の場合は、想定外の質問や支払いに関する問題が生じることもあるため、無事にお金が振り込まれるまで売り手にとってさまざまな気苦労が起こりやすい売り方と考えて良いだろう。特に借金の支払いなどでスピーディーな現金化に迫られているユーザにとっては、資金力の高い「買取業者」の利用がおすすめと言えそうだ。
まとめ
2016年2月に閣議決定した宅地建物取引法の改正案により、難点が多かった「売却」もユーザにとって使いやすいサービスに変わると言われている。しかし現段階では「買取」の方が遥かにメリットが高いと考えられるため、問題のある住宅を手放す際にはストレスの少ない買取業者への問い合わせから行動を起こすことが理想と言えるだろう。住宅買取業者探しが難航した時には、物件の種類から評判の良い不動産会社を見つけられる当サイト・ヒカカク!も利用してみて欲しい。