在外銀行券とは、かつて日本の一部、もしくは勢力下にあった地域で発行された銀行券を指す。
対象としては、朝鮮、台湾、および中国東北部にあった満州国で、それぞれの地域にあった銀行が発行した銀行券を総称して在外銀行券と呼ばれる。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
在外銀行券って?
在外銀行券は、日本国内で流通した日本銀行兌換券とは明らかに異なるデザインとなっているが、額面と同額の日本銀行兌換券および金への兌換は保証されている。
在外銀行券を発行された理由は、もしこれらの地域が敵対国に占領され、そこにあった通貨が日本銀行兌換券で没収された場合、それらが日本国内に流入するために日本国内がインフレとなる恐れがあり、これを防ぐためである。
これらの地域の通貨をあえて日本銀行兌換券と違うデザインとすれば、敵対国に在外銀行券を没収されたとしても、在外銀行券と日本銀行兌換券との兌換を禁止すれば日本国内への流入は防ぐことができるのである。
在外銀行券の買取について
在外銀行券は比較的多く残っているものが多いため、他の古紙幣のよう買取価格が数百万円となるような希少価値が極めて高い紙幣はない。
しかし中には希少価値が高く、比較的高額で買取されるものもある。在外銀行券の買取について記載していく。
満洲中央銀行券
満州中央銀行は、1932年~1945年まで中国東北部に存在した満州国の中央銀行として設立された銀行で、満州国で流通する紙幣として満洲中央銀行券を発行していた。額面は百圓、十圓、五圓、一圓、五角で、後に、一角、五分が追加された。
その中でも比較的高額で買取されているのは改造券拾圓券で、状態にもよるが5万円かそれ以上で買取されている。
また、丙改券 百圓券も状態によるが、5万円かそれ以上で買取されているようだ。同じ百圓券の甲号券 百圓券も、状態にもよるが2万円かそれ以上で買取されている。
その他は状態にもよるが、千円~2万円程度で買取をされているようだ。
台湾銀行券
1897年に設立された台湾銀行が発行した銀行券。
なお、台湾銀行は現在も存在しているが、1945年の太平洋戦争終結後に一度清算されたので、1945年までの台湾銀行と1946年に新たに設立された台湾銀行は別物であり、ここでは1897年~1945年の日本統治時代の台湾銀行が発行した紙幣について記載する。
台湾銀行券は様々な種類があるが、希少価値としては極端に高いものはなく、紙幣の状態や発行枚数、残存数などで買取業者によって異なるが、数千円~数万円で買取されている。
台湾銀行券で比較的高額で買取されているものは、並支払手形である場合が多い。
買取業者が高額買取対象としてあげる古紙幣の中で、台湾銀行については「台湾銀行券並支払手形」とする場合がほとんどである。 台湾銀行券並支払手形 壱圓銀券で状態がよいものは数万円、未使用など状態が極めて良ければ10万円以上の価格がつくこともあるようだ。
朝鮮銀行券
朝鮮銀行券は、時期により第一銀行券、韓国銀行券、朝鮮銀行券の3種類に分けることが出来る
株式会社第一銀行券
1902年に、第一銀行(現みずほ銀行)が大韓帝国における公用紙幣を発行する権利を得て発行した紙幣が株式会社第一銀行券である。
株式会社第一銀行券は、額面が10円、5円、1円、50銭、20銭、10銭で、このうち10円、5円、1円は発行時期により旧、新、改造に分類される。
韓国銀行券
民間銀行である第一銀行が中央銀行のように公用紙幣を発行していることが問題視され、1909年に中央銀行として設立された韓国銀行が第一銀行から紙幣発行業務を引き継ぎ発行したのが、韓国銀行券である。
発行された韓国銀行券は、10円、5円、1円の3種類である。
朝鮮銀行券
1911年に韓国併合を受けて、韓国銀行が朝鮮銀行に改称された後に発行された紙幣。
額面は100円、10円、5円、1円、の4種類。発行された時期により、最初に発行されたもののほか、改造、甲、乙に分類される。
また、計画されながら発行が中止された額面が1000円の紙幣も存在する。
高価買取される朝鮮銀行券
朝鮮銀行券は希少価値が高く、高額で買取されている紙幣が多い。
株式会社第一銀行券、韓国銀行券、朝鮮銀行券があるうえに、複数回発行されたために種類が多いため、買取価格にばらつきはあるが10万円以上で取引されるものも少なくなく、中には20万円~30万円で取引されるものもある。
売却する前に実施すること
在外銀行券を買取業者に売却する際には、事前に複数の買取業者に見積を依頼して、その後で買取業者を選択して売却した方がいいだろう。
比較して高額買取をしてくれる業者を見つける
1社だけに見積を依頼すると、提示された見積が高いか安いか判断できない場合が多い。ほかの買取業者の見積がわからず比較できないためである。
また、万が一見積を依頼した買取業者が在外銀行券の本来の価値を見抜けなかったとしても、他の買取業者の見積がわからないので、それに気が付かずに相場より安い価格で売却してしまい、損をする可能性もある。
複数の買取業者に見積を依頼すれば、得られた見積を比較することで高額で買取する買取業者がわかる。その買取業者と交渉をすれば、高額で売却できる可能性が高くなるといえる。
買い叩かれるリスクも回避できる
それに加え、相場より安く見積する買取業者がいても、同様に他の買取業者の見積を比較することで、そのような買取業者を買取依頼対象から排除することができるので、相場より安く売却することを回避することも可能となる。
在外銀行券を売却するときは、事前に複数の買取業者に見積を依頼したほうがいいだろう。
買取業者の選択について
見積を依頼する買取業者についても、事前に確認したほうがよいポイントがある。
買取実績
まず、買取実績。在外銀行券など古紙幣の買取実績が多い買取業者のほうがいいだろう。
買取実績が多いということは、それだけ多くの所有者がその買取業者に売却をした、ということになり、優良な買取業者と考えられる。
所有者が売却する買取業者を選択する理由は様々あるが、多いのは買取価格が高いことであり、買取実績が多いということは、それだけ高価買取を期待できることになる。
サービス内容
次に、サービス内容だ。
買取業者はそれぞれ様々なサービスを実施しているが、サービス内容によっては満足する取引ができない場合も出てくる。
問い合わせなどユーザー対応が不十分だと取引が完了するまで時間がかかったり、トラブルに巻き込まれたりする可能性が高くなる。
また、手数料などが高額であれば、売却したことで得られる売却益が減ってしまうことになる。買取業者のサービス内容が充実していることも重要であると言える。