読者の方は、周りで「改造車」を見かけることはあるだろうか。改造車とは、一般的に市販車をカスタマイズして自分色に染められた車と考えて良いだろう。「カスタマイズカー」とも呼ばれ、走行に特化した改造車なんかは「チューニングカー」と呼ばれる。当然、日本には車検制度が存在し、あまりに無茶な改造は禁止されている。しかし、カスタマイズして車を楽しむ文化を日本では独自に育んできており、他国よりも盛んであると言ってよい。
古くは、トラック野郎シリーズに代表される「デコトラ」も改造車の一種であり、70年代から90年代に掛けては、スポーツコンパクトカー等をカスタマイズして走行を楽しむ人たちも多くいた。ちなみに、スーパーGTシリーズなんかは、こうした流れの延長線に、国内で一番人気のあるカーレースとなっているのかもしれない。
しかし、改造車文化は国内ではバブル崩壊以降、下火になっている感もあり、昔ほどは、こうした改造車を見かけなくなった。おそらく、こうした改造車は若者が作ってきた文化という側面があり、若者の車離れや市販車の全体的な高級化と関係がないとは言い切れないだろう。
VA Hot Rod & Custom Car Show and BBQ Competition / Mobilus In Mobili
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細分化する改造車の世界
では、この手の文化は消えつつあるのだろうか。実は、決してそんなことはない。この改造車文化は、更に細分化して進化していると言える。
最近、通常のカスタムカーに代わって見かけるようになったのが、「痛車」だ。アニメのキャラクター等をステッカーやロゴを貼付している車両のことを痛車と呼び、イタリア車のイタ車と掛けているとも言われている。車のカスタマイズ文化が秋葉原のアニメ文化と融合したものだろう。それだけではない。例えば、ミュージシャンの矢沢永吉や浜崎あゆみのロゴを車両に貼っている車も存在する。これも音楽好きとカスタマイズ好きの融合した結晶と言えるのではないだろうか。
そう、カスタマイズの世界はより細分化し、文化としてしっかりと根付いているのだ。それだけではない。日本のカスタマイズ文化は、世界にも広がっている。
世界へ広がる日本の改造車
読者の皆さんは、ハリウッド映画の「ワイルド・スピード」シリーズをご存知だろうか。超人気カーアクション映画であるが、もともとのコンセプトが、若者の中で流行っている日本車の改造車に関する映画を作ることであり、RX-7やインプレッサ、GT-R等の改造車が、それこそわんさか登場する。シリーズが重なるに連れて、当初のコンセプトが薄れ、日本車の数も減っていくが、日本人からすると非常に嬉しくなる作品だ。この映画を見れば解るように、北米の若者達の中では、日本の改造車は、とてもクールなものとして写っており、実際、非常に人気なのだ。
こうした動きは、香港でも存在する。日本の人気峠カーアクション漫画「イニシャルD」を実写映画化したのは香港だ。つまり、峠でドリフトするチューニングカーに対する憧れが、香港の若者の中にもあったことが想像される。実際、日本の改造車は、チューニングカーを中心にアジア圏でも人気である。日本の改造車は海を超え、若者の文化として拡大の一途を辿っているのだ。
改造車の処分は中古車買取専門店で
しかし、若者である間はいいが、家族を持つ等の環境の変化があると、改造車を所有し続けることは難しいのではないだろうか。こうした環境の変化で自分でカスタマイズし、自分色に染め上げてきた車を泣く泣く手放すという人は多いと思う。
一般的に改造車は、買い取ってもらうことは難しいと言われている。実際にメーカーの下取り等では、まったく高額買取りの見込みはないだろう。しかし、全てがそうとは言えない。確かにメーカーの下取り等ではあまりに個性の強すぎる改造車は扱いに困り、ほとんど値がつかないかもしれないが、その個性を欲している人は案外多く、改造車を中心に取り扱っている中古車買取専門店も非常に多いのだ。改造車の処分を考えている人は、絶対に中古車買取専門店で売却するべきだろう。
買取専門店の得手不得手を見極める
改造車にも種類がある
前述のとおり、改造車といっても色々な種類が存在する。スポーツタイプの車をさらに速くするために調整したチューニングカー、徹底的に豪華に高級車を改造したラグジュアリーカー、高級セダンを改造したVIPカー、バンやワゴンの外装を変化させたバニング等、趣味嗜好によって数多くの改造車がある。
買取業者の絞り込み
当然、中古車買取専門店でもその改造車の種類によって得意不得意がある。それ専門のパーツによって改造されているため、パーツの価値の判断は知識がないと難しいのだ。そのため、改造車の高額買取りを考える場合、中古車買取専門店に単純に査定を依頼すれば良いとはならない。そこで、複数の買取業者に一括簡易査定を依頼するサイトがあるので活用してみよう。これによって、交渉すべき買取専門店を絞ることができるので、その中から改造車が得意な業者を探してみよう。手間が大分省けるはずだ。
壊れた改造車の買取りは?
では、処分すべき改造車が故障している状態であったならば、買い取ってもらうことはできるのだろうか。場合によっては、十分に買い取ってもらえることができると言えよう。なぜなら、改造車の価値は、パーツによる部分が大きい。パーツに高額査定できる要素が大きければ、買い取ってもらえる可能性は高いのだ。
しかし、パーツを売るのであれば、パーツ専門の業者へ査定を依頼した方が良いのでは・・と考える方もいるだろう。確かにそれも一つの方法だが、取り外しの手間が発生する。仮に業者に取り外しを依頼すると料金が掛かる。しかし、改造車専門の業者であれば、取り外し費用が発生しないだけでなく、改造車とパーツのバランスも含めて査定をするため、プラス評価も出るかもしれない。できれば、中古車買取専門業者へ査定を依頼することを勧めたい。
売却時の注意点
最後に、改造車の売却時の注意点をいくつか挙げておきたい。まず、買取りを依頼する場合は、パーツは装着した状態にしたい。特にエアロパーツやホイール、マフラー等、外装品は車とのバランスで高額な買取りに繋がりやすく、特に有名メーカーのものであれば期待も大きくなる。他にも冬用タイヤや高級オーディオ、カーナビ等は当然価値のあるものだが、サスペンションやショックアブソーバー、エアサスペンション等もモノによっては高額に買い取ってもらえるパーツなので、事前に確認しておこう。
なお、取り外した純正品パーツがある場合は、査定時に一緒に見せられるようにしておこう。これも高評価に繋がるポイントだ。ただし、パーツで注意しなければならないのが、車検が通らない改造・パーツの取り付けだ。この場合、買取り不可になるのが一般的なので、車検に響くパーツは事前に取り外す方がよいかもしれない。勘違い等があってはいけないので、必ず車の査定を依頼する前に、改造車で引っかかりやすい車検のポイントを国土交通省のホームページ等で確認しておこう(マフラーの音量、ガラスの透過率、地面から車体までの高さ等)。
まとめ
今や日本の改造車は、一つの文化として北米やアジアにも中古車が輸出されている。こうした中古車買取専門店では、よっぽど個性的なカスタマイズを施していない限り、買取に前向きだろう。カスタマイズの内容によっては、同じ製造年の純正車より価値がある場合も多い。是非、こうした改造車が得意な中古車買取専門店を利用して、賢い処分に繋げよう。