昨今は中古車買取業界は一般的になっているが、初まりの1960年代はメジャーではなく、零細企業がディーラーから依頼されて行っていたとされている。今回はその中古車買取の歴史を見ていく。
Blu / Giacomo Carena
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中古車オークションと中古車買取事業の誕生
1970年代に入ると中古車のオークションが行われるようになった。これは個人というより業者同士のオークションであり、これによって全国各地で業者間の取引が行われるようになった。ちなみにオークション自体は現在でも行われている。これについては後述する。
そして1980年代中古車オークション業者が誕生したことにより、大規模な中古車買取が行われるようになった。企業向けオークションを代表する会社の一つとして株式会社ユー・エス・エスが挙げられる。
全国に展開されたオークション会場を衛星通信を活用することで結び合わせる手法を採択し、急速に市場に浸透した。これによってオークションの回数も増え、衛星通信を利用したネットオークションも可能になった。中古車の流通システムが整備され、大量の売却が可能になったとされている。この大きな流通の流れが発展へと繋がる。
これらを背景として1990年代になると、中古車買取の雄、ガリバーインターナショナル株式会社が誕生する。現在でも中古車買取実績No.1を謳っているガリバーであるが、中古車販売専門の業者として発展してきた歴史は、車買取業界の歴史を作ってきた一端を担っていると考えておかしくないだろう。
ガリバーが発展した要因の一つは、展示会場での中古車販売を一切行わず、購入から10日以内にオークション会場で売るという斬新なビジネスモデルにあったとされている。これによって、ローコストオペレーションが可能になった。大規模な企業系オークションは中古車業界を活性化させ、市場は大きく拡大するに至ったのだ。
中古車買取業界と社会情勢の変化
また、インターネットの普及によって、中古車買取業界はさらなる発展を遂げることのなる。ちょうどこの頃、バブル経済が崩壊したという社会的背景も関係してくる。
インターネット普及により中古自動車専門の買取サイトが充実してきたことで、個人が簡単に取引を進められるようになり、ディーラーに下取りしてもらうだけでなく、個人が車を売るという選択肢が生まれた為市場が賑わったのである。
2000年代以降は、インターネット上で一括見積もりをできるシステムが始まり、より簡単に取引が進められるようになった。個人で取引がしやすいことで、買取業界はさらに繁栄することになる。市場に出回る台数も増え、個人においても、下取りだけでなく、中古車を売るという方法を簡単に選択できるようになった為である。情報のやり取りが大きくかかわる買い取り業界において、インターネットの普及は革命といっていいだろう。企業と個人がつながることによって更なる市場の拡大が起きたのだ。
トヨタの業界参入、検索情報サイトの発達
この頃、トヨタ自動車が中古車買取業界に参入してきたことも印象的な出来事であったと言えるかもしれない。T-UPである。自動車最大手のトヨタが中古車情報網や宣伝など全面的にバックアップする形が取られた。それまで、中古車の8割は専業業者に流れていると言われていたが、系列ディーラーが良質の中古車を入手できる体制を整えたとされている。
CMでメジャーであるから、名前を知っている方も多いかもしれない。さらにこの頃になると、インターネット活用の幅が広がってくる。一般的に新車を販売した場合の粗利は10~15%、対して中古車の場合は販売価格の30~40%と言われている。
その為、中古車業者からすれば、買い取った車をオークションを介さずに直接消費者に売ったほうが利益が出るのである。その手段として活用されているのがインターネットである。これを使えば消費者との直接取引が可能である為、情報サイトを充実させることで、取引に活用する業者が増えてきた。個人客とのやり取りは多くの利益を生んだ。
それは業界の発展にも寄与してきた側面を持っている。中古車検索サイトといえば、先駆的な存在はカーセンサーであると言われている。登録台数は2006年時点ですでに18万台以上存在し、業界ニュースなども充実させている。
このような検索サイトで比較的簡単に個人が情報を入手できる体制が整っていることも、中古車買取業界の発展には欠かせなかったと言えるかもしれない。
広がる販路、中古車販売業界のこれから
そして現在では販路は海外まで広がっている。日本車が海外で高値で取引されるケースが増えてきたことで、中古車の輸出において積極的な企業が増えてきた為である。
そもそも日本の中古車は10年10万kmと、数十年車を使うことがメジャーな海外においては、かなりよい状態で中古車市場に流れてくる。その為、海外のディーラーは日本の中古車を買いたいと考えている人が少なくないのである。
東南アジア、最近ではミャンマーなどで特に人気が高い。最近では、海外で売ることを視野にいれて買取額を提示する業者も増えてきているので、海外販売を視野に入れた中古車買取ビジネスは今後も発展していく可能性があると言える。
ただし、国内を見ると、そもそも車の購入に積極的でない若い世代が増えてきたことから、中古車業界が伸び悩んでいるという見方もある。少子高齢化社会や、身近に迫った消費税10%への懸念なども、業界に影響する可能性があると言われている。今後は海外取引している買い取り業者を選ぶ傾向が増えていくだろう。
業者
中古車買い取り市場の歴史を語るうえで出てきた業者の詳細をお伝えしておく。
USS
中古車オークションを行うオートオークション市場のリーディング・カンパニー。以前は手ゼリで行われていたオークションにいち早く情報技術を導入することで公正かつ効率的なオートオークションを形成した。日本最大規模の中古車オークションを提供している。
会場は全国17か所。USS札幌、USS東北、USS新潟、USS群馬、USS東京、USS埼玉、USS横浜、USS静岡、USS北陸、USS名古屋、USS-R名古屋、USS大阪、USS神戸、USS岡山、USS四国、USS福岡、USS九州。USS鹿児島はサイトでの運営となっている。
USSは出品台数、情報量と他を圧倒しており、多くの会員が参加する大規模なオークションが売りとなっている。また、情報検索から車両輸送まですべてスピーディーに行われていることも人気のポイントだ。
ガリバー
中古車買い取りで実績ナンバーワンを誇っている買い取り業者。2001年から2014年までの主要買い取り専門店7社における中古車買い取り台数ナンバーワンで14年連続ナンバーワンという安心感を持っている。また、販売実績は2014年度主要10社における中古車販売台数、小売り・卸売り合算値でもナンバーワンを獲得しており、これらが高額買い取りへとつながっている。
全国に約520店舗を持ち、豊富な販売経路とプラス査定、適正査定額が人気の秘密だ。オプションやアクセサリをプラスに評価してくれるのは買い取り業者ならではで、下取りではないサービスとなっている。また、直接販売店舗とオークション会場、海外店舗といって大きな販売網を持つことによって中間業者を挟まないことでマージンカットを行い、在庫期間を短縮することで土地の賃貸料や在庫管理コストをおさえて買い取り価格に還元している。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
T-UP
トヨタ自動車が運営する車買取。中古車買い取りネットワークで店舗数ナンバーワンを誇っている。トヨタの店で車買取が行えるという強みを活かし、全国に店舗を構えているのだ。
トヨタ車だけでなく全メーカーの車を買い取りしている。仲介業者を挟まないことによって、マージンカットを行い、その分を買い取り価格に反映させて高額買い取りを可能にしている。
また、オートオークション相場に基づいた価格の算出で、公正で適正な取引基準を設けている。全国で買い取り価格の変動がないように行っている。買い取られた車は全国のトヨタの中古車の店で直接販売され、販売経路の確保も申し分ない。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カーセンサー
リクルートが運営する買い取り業者。中古車、輸入車、カタログ、中古車販売店、カー用品通販、保険やローン、車検、車買取と様々な車に関するシーンに登場する業者である。国産車から輸入車、ボディタイプに関わらず取り扱いを行っていることが魅力のひとつだ。
販売店の口コミや車の口コミをホームページで公開するなど、満足度に対しての自信を持っており、車生活をサポートしてくれることが強みとなっている。
スマートフォンアプリやSNSなどを駆使してサービスを行っており、積極的に関連サービスも強めている。