岡田三郎助は多くの傑作を生み出し、日本の洋画界に大きな足跡を残した洋画家である。そのため、査定でも数千万円の値段がつくことがある画家だ。中でも女性像の評価は高いと言える。
高い査定が期待できる岡田三郎助(おかだ さぶろうすけ)の略歴や作品の価値・評価、買取のポイントや実際についたことがある買取額、鑑定に関する情報を本記事ではまとめていく。当然、これほど人気ともなれば贋作も存在するため、ポイントを押さえて安全に取引をおこなっていきたいところである。
本記事のポイント
- 岡田三郎助は、第1回文化勲章を受章し、日本の洋画界に大きな足跡を残した
- 高い値段がつきやすい技法や査定額例とは?
- 岡田三郎助に詳しい真贋鑑定を行っているところとは?
CONTENTS
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岡田三郎助とは
略歴
岡田三郎助は、明治から昭和にかけて活躍した洋画家である。代表作は「矢調べ」、「ダイヤモンドの女」など。1869年(明治2年)に肥前佐賀藩(今の佐賀県)の藩士の家に生まれた岡田三郎助は、洋画家・曽山幸彦の画塾に入門し洋画を学んだ。その後、ヨーロッパに留学し外光派の技術を日本にもたらした洋画家の黒田清輝の指導をうけて才能を開花させた。
日本の女性を洋画の技法で表現した女性像の評価が高く、東京勧業博覧会で1等賞を受賞した「婦人像(某婦人の肖像)」など多くの傑作を制作した。また、東京美術学校の教授に就任し後進の指導を行い、さらに様々な洋画の団体の立ち上げに携わるなど、日本における洋画の普及に貢献し、第1回文化勲章を受章し、日本の洋画界に大きな足跡を残した作家である。
彼の「婦人像」、「あやめの衣」などは、切手にも使われており、コレクターにも人気である。小説家・劇作家である八千代を妻に持ち、いわさきちひろ、森田元子、三岸節子等を師事したことでも知られている。
有名作品
彼の作品の中では、「矢調べ」、「あやめの衣」、「水浴の前」、「楊柳」などが有名である。また、「丹霞郷」は、岡田三郎助の「まるで丹あかい霞がたなびいているようだ」との発言から名付けられたそうだ。短編の怪談小説「白い蝶」は、青空書院で読むことができるため、一度読んでみてはどうだろう。
岡田三郎助の作品の価値は
明治から昭和にかけて活躍し、独特の表現で描いた婦人画など岡田三郎助の作品は、人気が高く高額で取引されることも多い。岡田三郎助の作品としては、油彩、デッサン、パステル、鉛筆画などの技法で描かれている。彼の作品は技法や図柄、絵画の状態により、数十万円から1千万円程度で取引されており、人気作ともなると数千万円で取引されたこともある。
岡田三郎助の作品の価値を決めるポイントについて
明治から昭和にかけて活躍し、人気作の取引価格は数千万円になることもある岡田三郎助の作品であるが、作品の価値は様々なポイントにより決まる。したがって、作品の中に価値がマイナスとなるものがあれば評価は下がり、それに伴い取引価格も下がる可能性が高い。
ここに、岡田三郎助の作品の価値を決めるポイントについて簡単に記載していく。
技法は油彩の作品の価値が高い
岡田三郎助の作品の技法としては、油彩、デッサン、パステル、鉛筆画などがあるが、その中では油彩の価値が高い。油彩の取引価格は、デッサン、パステル、鉛筆画などそれ以外の技法の作品の取引価格より数十倍から数百倍高くなることもある。技法により取引価格がある程度が決まっている場合もあるので、所有している岡田三郎助の作品の技法を把握しておいたほうがいいだろう。
例えば、2019年「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系)に出された岡田三郎助の油絵は、本人評価額を大きく超える600万円の評価を得た。
作品中に岡田三郎助のサインがある場合は需要が高くなる
作品中に岡田三郎助のサインがある場合は、ない作品より需要が高くなる傾向にあり、それに伴い取引価格も高くなる可能性がある。サインは、作品が完成した後に入れるものであるが、作品によってはサインがない作品がある。ただ、作品が完成していれば、サインがなくても作品の価値に影響することはない。
しかし、前述のようにサインは作品が完成した後に入れるものであり、「サインがあることで作品は完成する」という考え方をすることもできる。絵画を収集するコレクターは、そのように考える人が多いことから、コレクターはサインのある作品を好む傾向にある。そのため、サインがある作品の需要が高くなり、取引価格も高額となるのである。
所有している岡田三郎助の作品にサインがあるか確認をしたほうがいいだろう。洋画の場合は、作品の裏にサインがある場合があることから、作品の裏も確認をしたほうがいい。
状態が悪い作品は作品の価値が下がる
高額で取引されることも多い岡田三郎助の作品であるが、作品の状態が悪い場合は、作品としての価値が下がるため、それに伴い取引価格も下がる可能性が高い。作品の状態は作品の価値に大きな影響を与えるためである。
状態が悪い場合としては、温度変化などが原因で発生する絵具の剥離、作品の破けや折れ、作品の一部が無くなる欠損、湿気などにより発生するシミやカビ、日光などがあたることにより色あせが発生する日焼けなどがある。
状態が悪化する原因としては、作品が制作されてから長い年月が経過したことにより劣化する経年劣化もあるが、作品を保管する環境や作品の取扱いが悪いことなどもある。そのため、作品を保管する場合は、状態を悪化させて作品の価値を下げないためにも、保管する環境や作品の取扱いには十分に注意したほうがいいだろう。
鑑定証は取引の際には必要となる
高額で取引されるような有名な作家となると、その作家が制作したと偽った作品、いわゆる贋作が出回ることがある。前述のように高額で取引されることも多い岡田三郎助も例外ではなく、贋作が存在する可能性は否定できない。
贋作は、その作品の出来不出来に関係なく、その作家の贋作として存在することで、作品の価値は限りなく低くなり、取引の際に贋作と判明した場合はその取引が中止となるほどである。もし、贋作を偽物であることがわからずに岡田三郎助の作品として取引した場合、取引に費やした費用はそのまま無駄になってしまうだろう。
そのため、そのような事態を避けるために、取引の際には、鑑定証が必要となる場合が多い。鑑定証は、岡田三郎助の作品の鑑定を担う所定の鑑定機関により、岡田三郎助が手掛けた作品と鑑定された証拠となる。作品と一緒に鑑定証があれば、本物の岡田三郎助の作品として、安心して取引ができるといえる。
所有している岡田三郎助の作品の鑑定証について確認をしたほうがいいだろう。鑑定証は、前述の鑑定機関に依頼すれば取得できるが、手続きなどが複雑なため一般人には困難であることから、鑑定証の取得代行を行っている業者に依頼したほうがいいだろう。
LINE査定に対応している買取業者
アート買取協会
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ウイルス
対策
アート買取協会は、年間取引3万点以上の実績があり、幅広いジャンルの美術品を取り扱っている買取り業者だ。遺品整理や終活・生前整理のためにアート買取協会を利用しているケースもあり、資産売却や管財、相続案件を得意としているため、法人・弁護士の利用者も多いのが特徴となる。
岡田三郎助の作品では、絵画「ばら」や彫刻「チマブエ像」などの買取り実績がある。また、売却契約後に本物か贋作かを判別するために、岡田三郎助の会・東美鑑定評価機構の鑑定を取ることも可能だそうだ。LINE査定の他に、出張買取や宅配買取、店頭買取などもおこなっている。
古美術永澤
買取価格
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対策
毎年50万店以上の買取りをおこなう古美術永澤は、買取専門の美術商として創業25年になる骨董品買取業者だ。買取専門としてスタートしただけあり、その信頼性からリピーターが多く、美術展などにも所蔵美術品の貸し出しをおこなっている。
また、古美術永澤では岡田三郎助の作品を買取強化中。これまでにも岡田三郎助の風景画、水彩画の買取実績がある。LINEで写真を送るだけで簡単に査定が可能だが、出張・宅配・持ち込みによる査定、買取の依頼も可能。持ち込み買取の場合は、毎月2回、土曜日のみの開催となっているため注意が必要だ。
出張買取に対応している買取業者
古美術やかた
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対策
古美術やかたは、日本一の古美術・骨董品街と言われている京都祇園に昭和56年に開業した歴史ある古美術商だ。これまでNHKの取材を受けるなど、メディア出演があり、国内だけではなく海外からの訪れる人が多いのが特徴。
岡田三郎助の額装やキャンバス作品の場合は、鑑定書がなくても、古美術やかたで無料の真贋判断が可能。出張買取を依頼する場合には、京都またはその周辺エリアが中心だが、東北や九州、北海道など遠方の出張買取りは、要相談という形で全国対応している。
おいだ美術
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ウイルス
対策
1993年、銀座マロニエ通りにて開廊したおいだ美術は、様々な作家の個展を主催していることでも有名だ。これまでに岡田三郎助の作品を多数買取ってきた実績があり、買取り作品には、例えば油彩のばらや風景などが掲載されている。
基本的に東京を中心として出張買取りをおこなっているが、北は北海道、南は沖縄まで出張買取りの実績があるため、まずは電話で問い合わせをしてみよう。
岡田三郎助の作品の売却する場合について
岡田三郎助の作品を売却する場合についてだが、高額で取引されることも多く貴重な作品も多くあるので、できるだけ専門家に依頼した方がいいだろう。買取業者であれば、岡田三郎助のような明治から昭和にかけて活躍した作家の作品の取引実績が豊富な業者、オークションであれば、専門家が対応するアートオークション、もしくは、オークションへの出品を代行してくれるオークション出品代行業者などである。
美術品を取引する場合は、煩雑な手続きやトラブル対応などにおいて、美術品の取引に対する豊富な経験や美術品に対する深い知識が必要なことが多く、それらがない一般人では、スムーズに対応するのは困難である。そのため、岡田三郎助の作品の売却する場合については、できるだけ専門家に依頼した方がよい、となるのである。