映画「めめめのくらげ」の公開により話題性が高まる村上隆の現代アート作品は、国内外のセカンダリーマーケットで高額査定が狙える存在だ。
版画やポスターといった絵画カテゴリの買取実績を調べてみると、現代アート作品の売買に不向きとも言われるヤフオクでも、それなりに高い額で取引されている実態が見えてくる。また画廊や美術館といった現代アートのプロが集う美術品オークションや買取市場では更なる高額査定が見込める。そのため、村上隆は鑑賞だけでなく売却や投資といった部分でもコレクターにメリットをもたらす作家と位置付けて良いだろう。
今回は、村上隆のプロフィールや彼の作品に世界的な価値が高まる理由を確認しながら、これから売却に臨む皆さんに向けた査定ポイントや買取相場の紹介を行っていきたい。
本記事のポイント
- 村上隆は、世界における現代美術との橋渡し役と認識されている
- LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)とコラボした商品などは高い値段がつく
- 約16億円の値段がついた作品もある!
CONTENTS
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村上隆とは?
村上隆は、国内外の現代美術をリードするポップアーティストだ。東京藝術大学大学院美術研究科を修了した彼は、修了制作において首席ではなく次席になってしまったことで、日本画家への道を断念する形となり、その3年後に開催した個展「TAKASHI, TAMIYA」をきっかけに現代美術家としてのデビューを果たす形となった。また1993年には「美術における「意味の無意味の意味」をめぐって」と題した博士論文により、東京藝術大学日本画科において初の博士号取得者となっている。
日本美術の再解釈と海外への紹介
村上隆に世界的な評価の集まる理由のひとつに、日本が生み出したアニメやマンガといったオタク文化や日本自体の肯定的な解釈を前提とした上で、クールジャパンの観点や日本人作家による西洋アート界への体現といったことを世界に紹介する活動が注目されている。日本の美を独自に編集した上で、それを現代と外国の言葉や概念を使って世界に発信する彼の動きは、時に現代アートの翻訳と呼ばわれることもあるようだ。
こうした形で日本美術の発信だけでなく、世界における現代美術との橋渡し役になる村上隆は、この業界に大きな影響をもたらすアーティストであると言えるだろう。
村上隆の作風
日本のアニメやマンガといったテーマに着目する村上隆は、アニメポップな作品を生み出している。しかし作品の構成要素の中には、日本画の琳派や浮世絵などに影響されている部分も多く見受けられるため、外国と日本だけでなく、現代アートと日本の伝統的な技法を組み合わせる視点も持ち合わせていると捉えて良いだろう。
また自身のイメージ作りにピカソやウォーホールといった芸術家のマネジメントなども参考にしている村上隆は、多彩な要素が組み合わさることで生じるバランスが彼らしいデザインに繋がっていると言えそうだ。
幅広いブランドや企業とのコラボレーション
起業家でもありプロデューサーでもある村上隆は、多彩なアーティストや企業、ブランドとのコラボレーションや営業力でも高い評価を受けている現代美術家だ。例えば、世界的な人気ハイブランド・LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)とコラボした「モノグラム・マルチカラー」や「モノグラム・チェリーブラッサム」といったシリーズは、発表から13年以上経った現在でもブランドバッグの買取市場で高値の付く存在となっている。
そんな村上隆のコラボ作品は、パートナー企業のデザインを潰さないバランスの良さでも定評があるため、単純な組み合わせの域にはおさまらない絶妙なセンスが詰まったところが世界的な注目や高評価に繋がっていると言えるだろう。
また、特徴的なのは、「希望の花」や「太陽の花」と呼ばれている、笑顔のお花たちではないだろうか。村上隆は、このお花たちで、たくさんのコラボをしてきている。例えば、supreme(シュプリーム)では、このお花たちをモチーフにTシャツなどを出している。ユニクロでは、ドラえもんのコラボも手掛けており、こちらはぬいぐるみや日常使いのできるグッズも多くある。そのほか、『シン・ゴジラ』の公開を記念した「ゴジラ対エヴァンゲリオン」のコラボである複製原画も大きな話題となった。
さまざまな受賞実績
現代美術に限らず幅広い分野で活躍する村上隆は、その受賞実績にも際立つものがある。例えば、2008年には世界の経営者や政治家、社会活動家が名を連ねる、「世界で最も影響力のある100人」に選出されている。また2006年開催のリトルボーイ展では、キュレーターに送られる世界唯一の賞だったニューヨーク美術館の最優秀テーマ展覧会賞も受賞しているため、現代美術家の域を遥かに超える村上隆の活動は、美術界以外からも高く評価されていると捉えて良いだろう。
物議や批判、話題性の高さ
世界にもファンに愛されるオタクカルチャーを取り扱う村上隆の作品には、美術評論家などからの批判も非常にたくさんある。また2010年には、フランスベルサイユ宮殿で行われた「Murakami Versailles」において、宮殿のイメージに彼の作品が合わないと批判するフランス国内の団体によって抗議デモが行われた。
こうした少し特殊な形でニュースメディアに取り上げられる村上隆は、その挑戦や方法が斬新なものであっても世界的に注目を集める存在であることは間違いないと言えるだろう。
そしてこの注目度の高さが、彼の作品の買取相場に繋がっていると言えそうだ。
村上隆の現代アートや絵画作品における買取相場
村上隆の絵画や現代アートは、取引される市場や作品によって買取額や落札額に大きな開きが生じる傾向がある。
そして、それから、、、AndThen DOB
大変長いタイトルが付いている「そして、それから、、、。。。」シリーズは、買取業者だけでなくヤフオクでも買取実績のある人気作品だ。買取相場については、50,000円~130,000円ほどとなっている。300枚ほど限定数となる作品の場合は、希少性が低いことによって査定も下がりやすくなるため、コンディションを落とさない保管方法や扱いが必要だと言えるだろう。
ComplexCon Mr DOB Figure By BAIT SWITCH Collectibles original edition
このフィギュアには、ヤフオクで146,000円の落札額がついた実績がある。40もの入札件数に繋がったこの作品は世界限定750の販売となるため、希少性の高さが高値に繋がった好事例と捉えて良いだろう。また世界限定250のみの発売となる同シリーズのゴールドについては、ヤフオクで390,000円もの価額がついた実績がある。
映画「めめめのくらげ」記念商品×味覚糖コラボレーション
2013年4月に公開された映画「めめめのくらげ」の記念商品は、翌年1月に国内の美術品オークションに出品されている。一般的な絵画や美術品とは少し異なるこの商品については、話題性と希少性の両方によって1,265,000円もの落札額で取引が行われたようだ。
赤いフラワーボール
村上隆らしい「お花」をテーマにした赤いフラワーボールは、国内の美術品オークションにて何度か出品されている。2枚1セットでの出品となったこの絵画作品には、885,500円~954,500円もの落札額が付いている。
こうした形で国内セカンダリーマーケットの買取相場を見ていると、その多くが1点100,000円~400,000円ほどの価格帯となることがわかるだろう。
Miss Ko2
美術業者や海洋堂と共同制作した「Miss Ko2」は、世界を代表するオークションハウス・サザビーズで約5,800万円もの高額で落札された等身大美少女フィギュアだ。
1990年代には存在していなかった等身大フィギュアを考案したのは、村上隆だとも言われている。こうした彼の斬新な取り組みは、オタクカルチャーを知らない世界のコレクターにも受け入れられていると言えそうだ。
My Lonesome CowBoy
白い液体を放出する裸の青年を形作った「My Lonesome CowBoy」(マイ・ロンサム・カウボーイ)も、世界のニュースメディアで取り上げられた村上隆の代表作品だ。同じくサザビーズのオークションに出品されたこのフィギュアには、なんと約16億円もの落札額がついた。
こういった作品の買取理由の中には、「女性の美意識」や「性的な要素」といった少し特殊なキーワードも見受けられるため、日本人アーティストが考えもしなかった彼の取り組みが、意外な富裕層の心を刺激しているとも考えて良いだろう。
村上隆の現代アートや絵画作品を高く売る査定ポイント
最後に、話題のポップアーティスト・村上隆の作品を高価買取に繋げる上で欠かせないポイントを2つご紹介しておこう。
ヤフオクより買取業者
世界のコレクターから人気の高い村上隆の作品は、一般ユーザが大半となるヤフオクよりも販売ルートが豊富な買取業者で売却するのがおすすめとなる。特に日本の現代美術家が世界から注目される近頃では、こういったカテゴリの買取を強化する専門店も増えているため、高額査定を狙う皆さんにとって嬉しい状況が生まれつつあると言えそうだ。
LINE査定に対応している買取業者
美術品・絵画買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
美術品・絵画買取センターは、毎月自社オークションを開催しているため、美術品の相場をリアルタイムで把握できるのが強み。24時間以内のお急ぎ対応をしており、査定額の回答が早いのも特徴だ。
村上隆の作品の買取実績が豊富で、最近では「ドラえもん ありがとう」「DOB 2020 Light PINK」「Field of Flowers」「Multicolor Double Face: Black」といった作品の買取り例がある。
LINE査定以外にもパソコンや携帯を使って査定フォームの利用が可能で、出張費無料の買取訪問にも、全国対応している。
翠波画廊
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
日本人の若手画家の育成や日本であまり知られていない作家を紹介するなど、アート文化の推進にも力をいれている翠波画廊。自社店舗だけではなく百貨店の展示販売会などで、顧客から買取りをした美術品を含めて年1000点余りの絵画を販売しているため、積極的に高価買取をおこなっているそうだ。
村上隆については、翠波画廊の買取強化作家の一人で、ブランドキャラクターとのコラボ、DOBくんなどは特に高価買取りを実施。簡単LINE査定はもちろんのこと、Web査定・宅配買取り・店頭ての買取も可能だ。出張買取りは、基本的に関東圏内となっているが、相談内容によってはそれ以外の地域も対応してもらえる場合がある。
出張買取に対応している買取業者
北岡技芳堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
テレビにも多数出演している北岡技芳堂では、様々なジャンルの美術品・骨董品を取り扱っている。個人だけではなく、法人、弁護士、会計士からの相談実績も豊富なのが特徴だ。
Acupuncture Painting、ぽんこたんの花は特に人気があり、高価買取りが期待できるそう。愛知・岐阜・三重を中心に東海三県の出張買取りを強化しているが、名古屋から全国出張買取を受け付けている。
古美術 八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
関東・関西をメインに活動をする古美術八光堂は、美術品買取専門店満足度調査において、査定額満足度・第一位に輝いている業者とのこと。複数の古物をまとめて査定することで金額がアップする「おまとめ査定」や頻繁に買取査定額アップのキャンペーンをおこなっているのも、買取額の満足度が高くなるポイントだそうだ。
八光堂の買取相場例として上がっているのは、And then,And then,And then,And then,And then/GargleGlopで、約20万円。関東・関西をメインに活動している八光堂だが、店舗のない地域でも出張買取に応じている。
大きなフィギュアやオブジェには出張買取がおすすめ
取扱いや梱包の難しい村上隆の現代アート作品を売却するなら、出張買取サービスを行う買取店を利用してみて欲しい。こういった業者のお世話になれば、持ち運びなどの難しいフィギュアやオブジェなどでも簡単に現金化に繋げられる。
また村上隆の絵画や現代アート作品の買取を強化する専門店では、地方都市などでも出張買取にかかる交通費などの実費請求を行わないため、作品所有者が自らショップに持ち込むよりも遥かに効率的なサービスへと発展しつつあると言えるだろう。出張買取業者の比較検討で悩んだ時には、無料サービスの範囲について確認してみることをおすすめする。