今、密かにお酒の買取業者が増えてきている。友人や知人などから贈答品として高価なお酒をもらう機会は、歳を重ねるにつれて意外と増えてくるものだ。しかし、お酒を飲まない人や、あまりこだわりがない人は、そのお酒の価値に気付かず、忘れてずっと保管したままホコリをかぶらせてしまうこともよくあるだろう。そんな個人宅で眠ってしまっている高級なお酒にスポットを当てたのがお酒の買い取りビジネスだ。多くの業者が「自宅で眠っているお酒がお金に変わる」、ということを謳って事業展開を行なっている。お酒の買い取りビジネスは、言ってしまえばリサイクル事業の一つ。中古商品を買い取り、それを転売する。その売買時の差益が収益となるビジネスモデルだ。
今次々と独立・開業するならお酒やワインの買取をしようという事業者が増えているのである。携帯買取で名を馳せたワールドモバイルがジョイラボという買取サービスを大阪中心に多店舗で始めているのもその走りの一つだ。他にも、宅配買取に強いファイブニーズという買取業者も有名になってきているし、新宿にあるストックラボもお酒買取を中心に毛皮買取や靴買取事業を手掛けている。本コラムではお酒買取がビジネスとして流行している3つの大きな理由について解説しよう。
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買取ビジネスの仕組み
まずは買取ビジネスがどのような仕組みで成り立っているのかについて、簡単に触れておく。
買取業者は、来店者が持ち込んだ商品を買い取る。この時、もちろん利益が出なければ商売が成り立たなくなってしまうため、買い取った商品の再度販売する際の価格から、何割かを引いた金額を提示し、取引を成立させる。そして買い取った商品は、店舗で再販する場合と専門業者に買い取ってもらう場合の2種類のルートに分けられる。店舗に販売機能を持たせていない業者の場合、自分が買い取った商品を、別の専門業者に買い取ってもらうという二重の構造を設け、ビジネスを成立させていることになる。
では、なぜ買取ビジネスが今盛り上がっているのか。その理由を以下で見ていこう。
リユース市場の成長
近年、リユース市場は右肩上がりの成長を続けており、1兆円規模とも言われてる。2008年のリーマンショック以降、日本の景気は大きな打撃を受けた。こうした状況下において消費者の志向とリユース市場がぴったりとマッチし、大きな人気を博していったのだ。近年では特にネットオークションで個人間の取引が盛んになっており、業界全体の成長はまだまだ続いているとも言える。
近年の日本を取り巻く経済状況は、決して順調とは言い難いだろう。物価は高騰し、人々の財布のひもも固くなってしまいがちである。こうした要因に加えて、近年はエネルギーの使用法が地球全体で見直される傾向にある。「モノが溢れていることが豊か」という成金趣味は古い価値観とされ、「無駄な消費を抑えて一人ひとりがリサイクルに貢献する」という価値観が、スマートで洗練された現代人の常識ともなりつつあると言えるだろう。「家の中で眠っている贅沢品を換金という形で断捨離する」。若い世代が、そんな選択をどんどん実践していくのが、これからの日本のスタイルになりつつある。
リユース市場では、すでに流通した商品を再利用することで利益を生み出していく。このため「資金が潤沢に用意できないため、商品開発が滞る」「人件費を削減しなくてはならないため、生産率が落ちる」など、不景気に伴う他業界のさまざまな停滞とは無関係でいられることが大きな特徴だと言える。またリユース市場であれば、消費者は定価よりも安く商品を購入することができる(プレミア商品を除く)。景気が悪化するに従い、利用者は拡大していき、商品を買取に持ち込む人の数も増えることになるだろう。買取ビジネスは、不景気がむしろビジネスチャンスにつながる稀有な業界なのだ。
お酒買取がビジネスとして流行している3つの理由
では、以下ではその中でもお酒買取がビジネスとして流行している理由について、3つのポイントから見ていこう。
1.買取価格の単価が高い
買取ビジネスを始めるうえで見落としがちなのがオペレーションコストだ。1回の買取を取引として完結するためには、売り手への対応や入金のフローなどコストがかかっていることになる。そのため、どうせなら出来るだけ単価の高いビジネスを手掛けたいはず。お酒は日本酒やワインを中心に高級な商品が多く、その買取単価は数万円〜数百万円にも上る。特に、ワインセラーごと売却してくれる場合や飲食店が廃業し保管しているお酒を全て処分する場合、また個人でもコレクターの人が亡くなった場合など大量のお酒が買取依頼の品として査定可能なケースがある。
▲山崎 50年は幻のお酒と言われており、買取価格が500万円を超える
2.査定が簡単
基本的には新品・未開封の品を査定することになるので外装におかしい所が無いかを判断したり、買取相場をヤフオクなどで検索するだけで査定は完了する。中古品を査定する際の「状態が良い/悪い」という微妙な判断・評価をする必要が他の商材に比べて無いというわけだ。新品だけを買取・再販売しているため、査定に手間がかからないと言えよう。
お酒は、中古でも開封してなければ”新古品”扱いとなる。腐らないというのが最大のポイントなのだ。そのため開封さえしていなければ品質が大きく落ちないので新品同様に扱うことができるし、新品価格で買うよりも少しでも安くなるこの“新古品”のニーズがあることは間違いないだろう。
3.酒販免許が必要で、参入障壁が高い
これはお酒を買取商品として取り扱うことが難しいことを意味している。お酒を買取するためには、店頭やオークションでの再販売を前提とする場合、酒販免許や酒類卸売業免許が必要となる。尚、いわゆる免許業者(酒類販売業者や酒類製造業者)に酒類を納入するには、「酒類卸売業免許」が必要である。お酒買取業者間で法人取引を行うためには、この酒類卸売業免許が必要となる(逆に、こちらには小売業免許が含まれるわけではなく、一般消費者や飲食店には販売できない点が注意)。
個人から買取を行い、飲食店に売却する分には酒販小売業免許だけで問題はない。酒類小売業免許は大きく以下の三つに分かれている。①一般酒類小売業免許、②通信販売 酒類小売業免許、③特殊酒類小売業免許という区分になっている。尚、小ネタであるが酒類販売業以外の免許もあり、酒類販売媒介業免許、酒類販売代理業免許などがある。
販売先によって取得する免許の区分が変わるなど非常に複雑で、たくさんの要件を満たさなければ免許が貰えない。このように参入障壁があることはネガティブにとらえられる可能性もあるが、苦労してとることができれば競争に巻き込まれにくいことを意味している。それだけ粗利を確保できる転売ビジネスであると言えるだろう。
売りたい人が集まるヒカカク!
希少品であれば驚くような高値がつく酒類は、売り手も買取価格や売却先のサービス内容をインターネットなどを通じてチェックしている。
多数の免許を取得できたとしても、実際に酒類の買取依頼が多く舞い込んでくるかはわからない。店舗の知名度や特色をアピールする広告活動は、開業時の重要なポイントになるといえるだろう。
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