お金を借りる方法にはいろいろなものがある。一般的にはキャッシングやカードローンなどがよく知られている方法になるが、質屋でお金を借りるという方法もあるのだ。特に、若い世代の人は知らないだろう。
ここでは、質屋でお金を借りる際の注意点、金利と返済期限についてご紹介していきたいと思う。
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質屋でお金を借りる際に注意すべきこと
質屋でお金を借りるとなると、質預かりをしてもらうことになる。質預かりと聞いてもパッと理解できないかもしれないため、まずは質預かりの説明をしよう。
そもそも質預かりとは
質屋からお金を借りるという仕組みにピンと来ない若者のために、“質預かり”とは何か?について説明する。
所有している、質物(金属類、呉服、絵画など価値の高いもの)を担保として質屋に預け、その価値を査定してもらい、その査定額を上限としてお金を貸してもらえる仕組みのことを質預かりという。
質預かりは、「質屋営業法」にもとづく金融業とされており、昔ながらの金融取引方法で、お金を融通する融資と言える。
若者の場合、そういった高価なものを所持していないことや、消費者金融などが身近に存在することが、知らない理由かもしれないが、実は古くから日本の慣習としてあった金融取引である。
質屋に預けてお金を借りるメリット
では、質預かりのメリットはどこにあるのか。他のサービスを利用する場合との違いに焦点をあて、メリットを伝えたい。
通常、銀行にお金を借りる場合などは、現在の借り入れ状況や、過去の貸し倒れなどの信用情報をもとに、貸すかどうかの審査が入る。
しかし、質屋はそれらを問題にすることなく、お金を貸してくれる点が最大のメリットである。個人の信用情報よりも、預けるものの価値に対して、貸してもらえる金額が決まるため、人ではなく、物自体の価値がすべてということだ。
住宅ローンや、クレジットカードなどの過去の履歴を気にすることなく、借りれるため気楽であると言える。
預けられるのはどんな商品か
まずは、どのようなものが質預かりに値するのかということを把握しておきたい。というのも、やはり価値のあるものでなければ質預かりでお金を借りることはできないのだ。
基本的には、貴金属や高級時計、高級な呉服、楽器、古美術品、絵画といった一般的に見ても価値のあるものでなければ、質預かりはしてもらえない。最近では、カメラやパソコンといった家電製品なども質預かりの対象となっていることもある。
基本的に質屋が物品と引き換えに貸してくれる額は少ない。物にもよるが、実際に融資してくれるのは、そのものの定価の2〜3割であることもある。
例えば、1万円相当のものだと、2,000〜3,000円にしかならないため、安価なものを出しても少額にしかならないので、借りる意味があまりないと言える。最低でも10万円を目安に質預かりにするかどうか決めるのかいいだろう。
借入金額の算出方法
借り入れ金額は、基本的に質預かりをしてもらう商品の査定額以下の借り入れとなるのだ。
例えば、査定金額が20万円だった場合、20万円までなら借り入れができるということになる。10万円だろうが、15万円だろうがそれは借り入れする本人次第になる。しかし、先ほども説明した通り、物品が価値のあるものでなければ、同額に近づきもしない(2〜3割)ので、注意が必要だ。
そして、返済する場合には、借り入れ金額に金利をプラスして返済する。完済すれば、質預かりしてもらっていた商品を返してもらうことができる。
お金を借りる際の金利は1~10%
質屋以外でお金を借りたことのある人であればお分かりになるだろうが、一般的な借り入れの場合には金利は年利で表示されることになる。しかしながら、質屋での借り入れの際には基本的に年利ではなく、月利になる。
当然、年利と比べると短期間で金利が大きく増えることになる。どのような借り入れの際にもその金利について注意しておきたいものだが、質屋での借り入れというのは特に注意が必要になってくるのである。
<@>質屋での金利は、借り入れ額によって異なってくる。たいだい1%から10%といったところが多いようだが、短期間で金利が増えることを考えれば決して油断はできないのである。
また、借り入れした期間がたった1日であっても一月分の金利が必要になってくるため、その点も注意が必要になってくる。質預かりに限らず、借り入れの際には金利について十分に理解しておきたいものである。
当然、お金を借りるわけだから、借りた分だけ返せばいいという問題ではないのだ。金利を払う点については、銀行などのそのほか金融機関に借りる場合と同じである。
気になる返済期限は3ヶ月が基本
質屋でお金を借りる際の返済期限についてだが、基本的には3ヶ月である。もちろん、質屋にもいろいろなものがあるため、それぞれの質屋によって返済期限というのは異なってくるだろう。
ただ、質屋でお金を借り入れするとなった場合には、3ヶ月の設定にしているところが多いのだ。
なぜ3ヶ月なのか
なぜ返済期限が3ヶ月になるのかというと、3ヶ月経ったら質預かりしている商品を売りに出すことになるからだ。つまり、言い方を変えれば、質預かりに出した商品を取り戻すまでのタイムリミットが3ヶ月なのである。
3か月以内にお金を返せる目処がたっていないのであればそもそも質預かりで借りるのはやめておいた方が良いと言える。
商品として他の人に売られてしまっても問題ないものであれば売られたとしてもダメージは少ないだろうが、もし泣く泣く大切なものを質預かりにしているということであれば、3ヶ月以内に借り入れした金額に金利をプラスして完済する必要がある。
大切なものを質預かりにしているのであれば、預ける前に返済期限の確認はしておきたいところである。
もっと短いケースにも注意
3ヶ月という期間が一般的な返済期限にはなっているが、場合によっては3ヶ月よりも短い期間を設定している可能性もある。質預かりで質屋から借り入れをする際には、返済期限についてもしっかりと確認をしておこう。
質流れの意味
また、質流れ(しちながれ)という言葉を聞いたことがあるだろうか。質流れは、質屋に借りたお金の返済をせずに期限が切れて、質物の所有権が質屋に移ることをいう。自分のものではなくなることをいう。
質流れにならないように、預ける際に質屋に期限を確認するだけでなく、返済の日程についてもきちんと把握しておきたい。できるだけ、余裕を持って返済するようにしよう。
まとめ
お金を借りる方法として、自分の所有物である物品と引き換えにお金を借りることができる質預かりについて説明した。質預かりの特徴としては、過去の債務の履歴を確認されることなく貸してもらえるが、貸してもらえる額はそのものの価格よりも低額になることもある。
また、金利を払う点では他の融資の方法と変わらない。貸してもらえる期間は、一般的に3か月が標準のようだ。あらかじめ、期間については確認しておかないと、お金と引き換えに預けていたものの所有権がなくなってしまうことになるので注意したい。
もし、価値あるものを所有しており、3か月以内に返せる見込みがあるのであれば、質預かりは、借りる方法として良いと言えるだろう。
お金が必要なときに、ブランド品や骨董品をそのまま売るのではなく、将来的に収入があるのであれば、売ってしまわず、質屋に預けるという選択肢も良いのではないだろうか。どうしても手放したくない場合には得策と言える。