2006年まで活躍した金山明は、世界の美術品オークション市場で注目度の高い具体美術の作家だ。アジアの現代アートと呼ばれる具体美術は、海外の富裕層が集うサザビーズやクリスティーズといったオークションハウスでも大歓迎されている。また日本国内の買い取り市場でも高い人気があるため、金山明の絵画作品を所有しているなら、市場の活況が続く今が売り時と捉えて良いだろう。今回は、金山明というアーティストのプロフィールなどを見ながら、彼の絵画作品の価値や買取相場、査定のポイントなどを徹底解説していきたい。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
金山明と彼の絵画作品の特徴とは?
金山明は、戦後の関西地方を拠点に活躍していた芸術家だ。大阪市美術研究所で学んでいた彼は、1952年に仲間たちと0会を結成した後、吉原治良を中心とする具体美術協会のメンバーとなる。この協会の退会以降も積極的な活動を続けた金山明の作品は、日本全国さまざまなところで収蔵や展覧会が開催される人気作家となった。
具体美術とは?
1954年8月頃に結成された具体美術協会は「人の真似をするな、今までに無いものを作れ」という想いで活動していた団体だ。この集団自体がなくなり、1960年〜1970年代のアーティストが注目されるようになった近頃では、GUTAI、具体、具体美術といった美術品カテゴリも設けられている。また具体美術協会の活動期間は、1954年〜1972年のわずか18年間となるため、作品の現存数や希少性といった意味でも世界のコレクターが注目する要因が多いと捉えて良いだろう。
具体美術で金山明はどんな作品を作っていたの?
知的かつ構成的な作品を多く作る金山明は、具体メンバーの中で異質な存在だったと言われている。また金山明は、見えないものへの関心によって作品の自律性を保とうと努めており、身体的・個人的要素を極力排除した作品が、美術業界の中でも高く評価されている。
具体美術にはどんなメンバーが参加していたの?
1954年の創設当初は、リーダーである吉原治良を中心に15人のメンバーで活動が行われていた。新制作協会に所属していた金山明などの4人は、翌年から合流していたようだ。具体美術協会の中で電球を使った斬新なパフォーマンスを行っていた田中敦子については、後に金山明の妻となっている。
世界的に評価が高まる具体美術
モダンアートの観念を遥かに超える具体美術は、世界的な注目が高まる日本美術のムーブメントだ。アートにおける社会を巻き込むパワーと新たな方法論は、現代アートにも引けを取らない魅力があると言われている。また美術品オークション会社の2大トップとも言えるクリスティーズやサザビーズが取り扱っている実態を考えると、具体美術というカテゴリである限り、その価値や買取相場には無限の可能性があると捉えて良いだろう。
具体美術解散後における金山明の活動
具体美術協会が解散した後、金山明はしばらく絵画作品の発表活動を休止している。しかし1990年頃から再び活動をスタートさせた彼は、地球と太陽、銀河などの相関や、音楽の視覚化にチャレンジする平面シリーズの絵画を作っていたようだ。表現方法の中には記号や図式、アンフォルメルといったさまざまな形式があったようだが、具体美術のテーマとも言える「今までに無いもの」という考え方は金山明などによって引き継がれ続けたと捉えて良いだろう。
金山明作品の収蔵場所と展覧会
具体メンバーとして日本美術界に大きな影響をもたらした金山明の作品は、東京都現代美術館、豊田市美術館、滋賀県近代美術館などに収蔵されている。また没後の2007年には、豊田市美術館にて金山明展が行われているため、日本人の美術愛好家にとって彼の作品に触れられる場所は意外と多いと捉えて良いだろう。
金山明の絵画作品と具体美術の買取相場
希少性の高い金山明の絵画作品は、残念ながら参考買取価格や買取相場などの情報が公開されていない。また日本でも人気の高いヤフオクなどにも出品されていないため、金山明の作品は具体美術の扱いに慣れている専門店もしくは美術品オークションでしかお目にかかれないと捉えて良いかもしれない。
ここでは買取価格に関する情報が著しく少ない金山明の代わりに、世界的な美術品オークションなどにも出品されている吉原治良や白髪一雄、嶋本昭三などの買取相場を見ていきたい。
吉原治良
そのほとんどが美術館に収蔵されている吉原治良の絵画作品は、サザビーズ香港のオークションをきっかけに世界的に知られるようになった。美術品メディアの記事を見てみると、出品作品の中で最も大きい120号サイズの油彩には、3,200万円〜4,800万円もの落札予想価格が付いたと言われている。また吉原治良の絵画作品は、エストウエストオークションなどのカタログにも掲載されているため、日本における美術品オークション市場であっても十分に高値が付く存在と捉えて良いだろう。
白髪一雄
裸足で作品を仕上げていく白髪一雄は、具体美術の中で最も注目度の高い作家だ。彼の描いた絵画作品の中には、5億円を超える高値で落札されたものも存在している。また白髪一雄の絵画はヤフオクにて100,000円〜1,500,000円ほどで出品されることもあるため、中には一般の皆さんでも購入しやすい作品も存在すると捉えて良いだろう。白髪一雄の場合はダイナミックなキャンバスを使う特徴もあるため、その価格はサイズによっても大きく異なると捉えて良いだろう。
嶋本昭三
具体美術以外にもさまざまな活動を行っていた嶋本昭三も、作品によってその価格にかなりの開きのある作家だ。例えば、9.5cm×12.5cmという比較的小さなキャンバスに描かれた「赤」は、ヤフオクにて22,000円で出品されている。これに対して国内大手の毎日オークションでは、嶋本昭三のアクリル作品に50〜70万円もの落札予想価格を付けているため、この作家についても美術品オークションで十分な需要があると捉えて良いだろう。
金山明の絵画作品における買取・査定ポイント
最後に、金山明を含めた具体美術の絵画作品を所有する皆さんに、高額査定に繋がるポイントをご紹介していきたい。
流通量の少ない金山明の絵画作品
美術館などへの収蔵によって市場流通量が少ない金山明の絵画作品は、自信を持って買取店に持ち込むことで、確実に高値で売れる存在と考えられる。また小さな絵画であっても金山明という作家名がプラスされれば、想定外の価格に繋がる可能性も出てくるため、一般人が集うヤフオク出品するよりはその価値判断のできる業者のお世話になるのが理想と言えるだろう。
金山明の絵画作品はどんな画廊でも買取可能?
金山明などの具体美術を売るなら、このカテゴリに詳しい業者に売却をしなければならない。また世界の富裕層が注目する具体美術の場合は、作品によっては数百万円〜数億円の価値が付くことも珍しくないため、これだけの絵画を転売できる販売ルートの豊富さと資金力も欠かせないチェックポイントだと捉えて良いだろう。
金山明の買取が得意なショップを判断する基準とは?
金山明の作品を歓迎する専門店では、サイトの作家名の中に彼の名前を並べていたり、具体美術に関するコラム記事などを掲載する傾向がある。こうした形で具体美術を歓迎する買取業者は、このカテゴリの販売ルートも豊富と判断できる。また超高額作品に適正な買値を付ける自信と資金力もあるため、納得の取引に繋がる要素が多い存在と捉えて良いだろう。
金山明の査定依頼をする場合に心掛けるべきこととは?
電話やメール、LINEなどを使って問い合わせをする場合は、金山明という作家名、作品名、油彩や水彩といった作品の種類、額を除いたサイズ、技法などの情報をきちんと伝える必要がある。こうした内容を詳しく査定士に伝えられると、比較的スピーディーに買取価格の提示が行われる。またオンライン査定では作品の写真も重要な判断材料と位置付けているため、作家のサインやコンディションがわかるように撮影をする心掛けも、査定士とのコミュニケーションを円滑にすると言えるだろう。
スピーディーな現金化を求める人に適した方法とは?
スピーディーな現金化を希望する人には、査定士が自ら自宅に来てくれる出張買取の利用がおすすめとなる。このサービスを使えば、金山明作品の持ち出しをする際にぶつける・傷つけるといったリスクもなくなる。また出張買取を利用すれば商品の梱包〜買取業者に届くまでの時間も短縮できるため、迅速な対応を求める人こそ査定士に自宅に来てもらうべきだと言えるだろう。
高額査定を狙うならコンディションにも注意が必要
世界のコレクターが注目する具体美術であっても、高額査定を狙うためにはコンディションの維持も大事な要素となる。特に日本の家ならではとも言える湿気などによってカビや経年劣化が生じる可能性を考えると、コンディションが落ちないうちに絵画作品を手放すのが理想と言えるだろう。また金山明を中心とした具体美術は現在世界的に人気となっているため、この時期に査定依頼をすれば多くのショップで良心的な対応をしてくれると言えそうだ。