スマートフォンやタブレットといったガジェットとあまり関係ない話にはなるが、日々物事の最先端を見渡すガジェット男子のみなさん、ガジェット女子のみなさんが常日頃アンテナを張っているのは知っている。何か新しいものを見つければ、ソーシャル上でシェアし、人に話す。そんなみなさんに今回は新しい話をしよう。月の土地が2700円ポッキリから買えるのである。
Lunar Activities During the Apollo 15 Mission / George Eastman House
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
2700円で買える月の土地とは
そのまんまなのだが、ルナエンバシ―ジャパンという会社が販売している「月の土地」という商品のことだ。これは、実際に月に存在する土地の権利書を貰えるというもの。別に嘘ではない。以下のものがセットになっている。
- ・月の土地権利書/月の憲法/月の地図
- ・月の土地権利書(和訳・A4)/月の憲法(和訳・A4)
- ・土地所有権の宣言書コピー(英文)
- ・オリジナル封筒
カードセットなどのギフト用や、アルミフレームセットなどの観賞用などといった様々な「月の土地」が売られている。地球儀になぞらえた月球儀という商品も販売している。しかしながら、全体的に非常に安い。土地なのにこんなに安くていいのだろうか?と真面目であれば考える。
買っておけば将来的に値上がりするかもしれないし、プレゼントで月の土地をあげるなんてロマンチックじゃないか。しかし、よく考えてみると月に行けるようになるまでにまだ長い年月がかかるだろう。よって、持っていてもあまり意味は無いような・・・。でも、月を持ってるなんてちょっとカッコいいんじゃなかろうか。
月の土地はヨーロッパでよく売れている模様。ルーマニアでは、ルナエンバシー社が推奨しているように、バレンタインデーの贈り物として人気を集めたこともあるようだ。マーケティングセンスが良いかは微妙な所だが、日本でもギフトとして買うことを奨励するプロモーションが展開されている。
なぜ月の土地を売ることができるのか
これは結論から言えば、誰も月の所有権について定められない、という論理を捻じ曲げたトリックに近い。そもそも地球の人間が月の所有権について決めてしまうというのも横暴な話だ。しかし、世の中にとんでもないことを考える人はいるものである。その人こそ月を販売するルナエンバシー(米国の本社)を創業したデニス・ホープだ。
彼は「月は誰のものか?」とある時、疑問に思い、所有権について調べてみたところ、当時宇宙に関する法律は宇宙条約だけだったという。この宇宙条約においては、国家が所有することを禁止していたが、個人の所有について特に決められたことは無かったのだ。そこで、彼は「月の土地を取得すれば販売できるのではないか」と考え、1980年にサンフランシスコで月の所有権の申し立てた。すると申し立てが受理されてしまったという。
これにとどまらず彼は更に「月の権利宣言書」を作成し、国際連合、アメリカ合衆国および当時のソビエト連邦の各政府に提出したところ、異議が無かった。非常に行動力があるが、やっていることは非常にずるいような気もする。そして彼はルナエンバシーを設立し、月の土地を販売し始めたのだ。そして現在は火星や金星、土星など好き勝手売っているようだ。中々にアグレッシブだ。
月は誰のものなのか
the moon on the thirteenth night of a lunar month. 十三夜 / T.Kiya
実は「月にある天然資源を個人などが所有できない」とする「月協定」なるものが事後的に制定された。月の土地を買ったとしても、この資源については所有ができないことに今ではなっている。とはいえ、資源以外の部分について、まさに土地についても所有することも販売することも合法だというから驚きだ。いつから月は地球の所有物になったのだろうか。
おわりに
気になってしまった人は、月の土地をとりあえず買ってみよう。もうすぐバレンタインデーだし、ホワイトデーも2か月以内にやってくる。そこでキメてみてはどうだろうか。正直、安いものだと思う。購入は月の土地公式サイトからできる。尚、このコラムを書いた筆者は特に買う予定がない。