「なんぼや」といえば、ブランド品を高く買い取ってくれると評判のリユースショップであり、自宅にあるいらなくなったブランド品を売却したという人も多いだろう。 「なんぼや」は、同じくブランド品買取ショップである「ブランドコンシェル(BRAND CONCIER」と共に全国に54店舗展開していることで知られているが、共に株式会社SOU(そう)が運営している。
株式会社SOUといえば、2018年3月にマザーズ市場で上場を果たしたことで話題となったが、SOUを率いるのが社長の嵜本晋輔氏である。元Jリーガーであるので異色の経営者として注目を集めたが、今では年商200億円を叩きだすグループのトップである。 ここでは、株式会社SOU 嵜本晋輔社長にスポットを当てて、どのような人物なのか、今後SOUをどのように展開していくつもりなのかお伝えしたい。
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株式会社SOU 嵜本晋輔社長の経歴
株式会社SOUを率いる嵜本晋輔社長は大阪府出身で、2018年現在で36歳の若手社長として注目されている。さらに元Jリーガーということで話題となった人物であるが、どのような経歴を持っているのかお伝えしておこう。
高校サッカー部からJリーガーへ
嵜本晋輔氏は大阪府堺市で生まれ育ち、高校は関西大学第一高校に進学している。関西大学第一高校はサッカーの強豪であり、平成21年度には全国高校サッカー選手権大会で第3位、平成22年度にはベスト8に入るような高校である。 もともとサッカー少年だった嵜本氏は、高校1年生のときに既にJリーグであるガンバ大阪のスカウトから注目されるような存在であった。2001年の高校卒業と同時にガンバ大阪に入団し、アタッカーとして活躍することを期待されていたのだ。
ガンバ大阪に所属していた頃はミッドフィールダーとして3年間活躍しており、2001年にはリーグ戦2試合、天皇杯1試合の計3試合に出場、2003年にはリーグ杯1試合に出場し、Jリーグの公式戦としては4試合出場している。 なかなかガンバ大阪では出場機会に恵まれず、2003年に退団。そのまま佐川急便大阪SCに所属し、午前中に仕事に従事、午後からサッカーの練習という生活を1年経験している。ただそこでも華々しい活躍はなく、1年で退団している。
本人はサッカーが好きであったが、自分自身を客観的にみてトップレベルの選手と力の差は歴然であったらしい。そのためダラダラ続けるよりは、つぎの人生にかけてみたいと感じたようだ。その考えが、現在の企業精神に繋がっていく。
Jリーガーを諦めてリユース業界へ
お伝えしたとおり、嵜本氏は期待されてガンバ大阪に入団したものの、出場機会に恵まれないままサッカー選手としての引退を迎えている。 この事実について「通用しないということを悟った」と後述している。選手として衰退していくよりもきっぱりと諦めてビジネスの世界に飛び込むことを決意したのだ。
ではなぜリユース業界に飛び込むことになったのか。 それは嵜本の父親が当時経営していたのがリサイクルショップであった。Jリーグでの活躍を諦めたときには父と兄がこのリサイクルショップを運営しており、この事業にたずさわっていくことにしたのだ。
これが現在の株式会社SOUの前身となるものには違いないのだが、上場企業になるとは誰しも考えられない街中のどこにでもあるリサイクルショップだったのだ。しかも当時はブランド品の扱いはそれほど多くなく、家電や厨房機器などを中心に扱っていたようだ。 ただ嵜本にとってここでの経験は、今後の躍進に間違いなく役に立ったと言わざるを得ない。どのようにブランド市場に参入していくことになったのかお伝えしよう。
目を付けた「ブランド品」~上場企業への躍進
前述した通り、もともと嵜本の父親が経営していたリサイクルショップは家電や厨房機器を中心に取り扱いを行うショップであり、もともとブランド品を強く扱っていたわけではない。
しかし嵜本氏はこのリサイクルショップを手伝う中で、次のような疑問が湧いてくる。
- 「家電や厨房機器のストックに必要な土地は何とかならないだろうか」
- 「家電や厨房機器は単価が低く利益率が低いが何とかならないだろうか」
つまり大きくて利益の低いものばかりを取り扱いしていたために、どれだけ忙しくなっても、どれだけ売りさばいても、それほど大きな利益とならなかったのだ。しかも家電や厨房機器の在庫を保管しておく広い倉庫が必要となり、販売効率が悪いことがリサイクルショップでのネックとなっていたのだ。
そこで嵜本が目を付けたのが「ブランド品」。当時、リサイクルショップでブランド品に特化して取り扱うショップがそれほどなく、ブルーオーシャンであることに気がついたのだ。ブランド品は単価が高い。しかも中古市場でも人気が高く、しかも国内だけではなく海外でも注目している人は多い。また取り扱うための土地や倉庫はそれほど必要にならない。高く仕入れても高く売却できるので、販売効率はとてもいいのだ。その考えを元にして大阪で2007年に始めたのがきっかけとなり、現在の躍進に繋がっていくのである。
嵜本晋輔社長が運営する「株式会社SOU」とは
株式会社SOUは社長の嵜本氏が率いて、2018年3月にマザーズ市場で上場を果たしたことで話題となった。ここでは株式会社SOUがどのような企業であるのか、どのように利益を上げているのか、また今度どのような展開を考えているのかお伝えしていこう。
「株式会社SOU」とは
「株式会社SOU」とは、「そうきたか!をつくる。」との企業理念を掲げ、「世界中のプライスをもっとオープンにし、売買をスマートにする」というヴィジョンに向かって走り続けている企業である。 運営する「なんぼや」「ブランドコンシェル(BRAND CONCIER)」を見れば分かるように、ブランド・貴金属・骨董品等の買取・販売を手がけることで上場するに至ったのだ。
東京都港区に本社を持っているが、「なんぼや」「ブランドコンシェル」においては北は北海道、南は九州にまで店舗展開しており、「株式会社SOU」というよりは「なんぼや」のネーミングが有名な企業であるといえるだろう。 株式会社SOUの前身となった企業は大阪で2007年に創業されているが、株式会社SOUは2011年に創業した企業である。
株式会社SOUはどのように利益をあげているのか
「なんぼや」「ブランドコンシェル(BRAND CONCIER)」を見れば、どちらもブランド品買取専門ショップであるので、どのように利益を上げているのか気になるだろう。 次の章において株式会社SOUが運営するグループについて紹介するが、その中には海外に販売する経路を持つショップであったり、業者だけが参加できるという業者オークションについても運営を行っている。
もともと社長の嵜本は、買い取ったブランド品を他社の運営するオークションサイトで売却していることもあった。しかしこれでは販売効率が悪いと感じたこともあり、業者に対して販売していくことを考えたのだ。 つまり一般消費者から買取ったブランド品を、業者に売却して利益を上げているのが株式会社SOUのスタイルなのだ。
株式会社SOUのマザーズ上場について
株式会社SOUがマザーズ上場したのは、2018年3月のことである。2018年12月現在においての時価総額約432億円となっている。 ただしもともと業績が良かったわけではなく、創業の2011年から2年を経過した2013年11月期の売上高を見ると約63億5000万円、それが現在の2018年8月期においては約315億円まで増収していることが分かる。営業利益においても約64%増という高い伸びを示しているのだ。
ここまで高い伸びに繋がった理由として、一般消費者から買取ったブランド品をそのまま消費者に販売するのではなく、BtoBとして他社に販売する経路を確立したことにある。創業時点の出来高は2億4000万ほどだったが、現在ではわずか4日間で約15億円となっていることをみると、いかに効率よくブランド品の売買ができていることが分かるだろう。
嵜本晋輔社長が考える今後の営業戦略とは
嵜本氏が株式会社SOUにおいて取り組む経営形態は、「CtoBtoB」であり、消費者から買取ったブランド品を、業者に販売しているというものだ。今までは、一般消費者から買い取った商品は、メンテナンスをした後に再度消費者に向けて販売するというものが主であった。ここが他社と違うところであることは間違いない。
店舗を利用
嵜本氏が考えるに、高額のブランド品についてはヤフオクやメルカリなどのオークションを利用するのではなく、店舗を利用して売却する人が多い。 だからリアルな店舗こそ高額商品を仕入れることができるのだ。 これらのビジネスモデルについては、今度海外においても展開できるものだと考えている。買取力を高めていくことで、まだまだ市場を開発できるからだ。
スマホアプリを利用
買取力を高めていくための一つの戦略として「マイニー(miney)」がある。一般消費者が所有しているブランド品を登録するだけでその市場価値がわかるというスマホアプリである。自分の所有しているブランド品を資産として管理することができ、 価格を確認しながら売却することも可能なのだ。
嵜本氏は、「買取」に特化しながら、事業拡大することを目論んでいる。どのように拡大していくかについては目を離すことができない。
株式会社SOUが運営するグループとその特徴
嵜本氏が率いる株式会社SOUが運営するグループについて紹介しておこう。「買取」に特化し、BtoB事業にこだわる姿を確認できるだろう。
なんぼや
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
「なんぼや」とは、「ブランド品の高価買取」をモットーとし、全国に54店舗を展開しているリユースショップである。関根勤をイメージキャラクターにしていることが特徴的であり、ショップでは買取を専門にしており販売は行っていない。
ブランド品の買取は、年間査定数83万点と市場ではトップレベルであることは間違いない。このような人気となっているのには、買取時の丁寧さであると嵜本は語っている。 通常の買取ショップであればカウンターごしに買取依頼を行うのが普通であるが、「なんぼや」ではすべて個室対応となっている。買取依頼したユーザーも、気持ちよく売却できるだろう。
ブランドコンシェル(BRAND CONCIER)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
「ブランドコンシェル」は「なんぼや」と共に展開するリユースショップである。経営の方向性としては「なんぼや」と全く一緒であり、ブランド品の買取に特化したショップである。 ただ「なんぼや」と違う点は、より丁寧な対応を行うことで差別化を図っているといえる。
買取ショップであるにも関わらず「予約可能」としているのは、このショップが高級志向を目指しているからだといえる。つまり「なんぼや」とはターゲット層が全く違うのだ。 当然ながら個室対応となっていることは間違いない。
マイニー(miney)
「マイニー」は、いま嵜本が力を入れているスマホアプリであり、自分自身が持っているブランド品を登録するだけで市場価値を知ることができるという優れたものだ。 無料でアプリをダウンロードし、そのアプリ内においてブランド品を写真に収めると自動的に登録でき、市場で買取られている金額の相場を知ることができるのだ。 当然ながらブランド品の市場価値は時期によって変化するが、その変化についてもグラフで把握できる。
つまりそのグラフを確認していれば、自分自身の所有しているブランド品を一番高い時期に販売することも可能なのだ。 登録しているブランド品の相場が変わるとお知らせしてくれる機能もついており、自分自身の所有しているブランド品の総額を総資産額として管理できるのだ。
また売却する際には、そのまま「なんぼや」「ブランドコンシェル」にて売却できるようになっている。 今まで積み重ねてきた買取実績を、全てこのアプリ内で発揮できるようになっている。このアプリはますます利用が増えていくことだろう。
スターバイヤーズオークション(STAR BUYERS AUCTION)
「スターバイヤーズオークション」は東京で開催している業者オークションである。「なんぼや」「ブランドコンシェル」で買取られた商品は、ここで業者に向けて売却されることが多い。 ブランド品や貴金属など取り扱いされている商品数が1万点を超えるといわれており、それだけ業者からの注目度も高い。
ブランドリセールショー ZIPANG(ジパング)
「ZIPANG」は、大阪府泉佐野市にあるりんくうタウンの中にあるブランド販売店である。株式会社SOUが運営しているショップの中では珍しい一般消費者向けの店舗である。 りんくうタウンにはほかにもアウトレットショップが多数並んでいる場所であり、多くの人で連日賑わっている。ブランド品を求めて、ジパングに訪れる人も多い。
ヴィンテージセレクトショップ ALLU (アリュー)
「アリュー」は、東京・銀座に店舗がある一般消費者向けのヴィンテージセレクトショップである。 近年はここから海外に向けて販売することに力を入れている。中国消費者向け越境ECショッピングアプリ「豌豆公主 (ワンドウ)」への出品、販売を本格化させるなど、動きも活発化している。
嵜本氏は海外での展開もかなり考えているために、この動きは今後も目が離せない存在となっている。
古美術八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
「古美術八光堂」はもともと40年もの買取実績を持っている古美術商であったが、2017年にSOUが株式を取得し、子会社化している。 古美術においては「なんぼや」などにおいても積極的に買取を行っているのだが、その買取での経験に加えて「古美術八光堂」の実績が重なり、相乗効果となっているのだ。
まとめ
嵜本晋輔社長の経歴・プロフィールから、株式会社SOUについて詳しくお伝えした。嵜本氏はもともとプロサッカー選手で元ガンバ大阪でミッドフィールダーとして活躍していた選手である。それだけに話題性にもあふれているが、さらに注目されているのは株式会社SOUの経営モデルである。
それまでにあった消費者から消費者に販売するCtoCモデルではなく、一般消費者から買取った商品を業者に売却するというCtoBtoBという新しいモデルをつくり出したのだ。 つまり一般消費者からの「買取」に特化し、業績を拡大してきた企業であるといえる。
今後は国内だけではなく、海外での買取にも力を入れていくことになるだろう。ブランド品については海外でもかなり注目されている商品であるために、株式会社SOU、また社長の嵜本晋輔はますます活躍の場が増えていくだろう。