版画を売って現金に換えたいと考えたとき、高額な金額で買い取って貰えるモノは色々とある。例えば、金やダイヤなど宝石やアクセサリー、ハイブランドの高級腕時計、骨董品、レトロな家電やオーディオ、書籍など高価な金額で買取されるものはあるだろう。
そのなかでも、高価買取が期待されるモノとして認知度が高いモノと言えば、やはり芸術品・美術品だろう。絵画などはオークションで数億円の価値がついたりするものでもあるし、たびたびメディアに取り上げられることも多い。
買取を考えたときに、絵画、造形作品などの美術・芸術品を売って現金に換えたいという人も多いだろう。ただ、査定などは知識や教養など、芸術などに関しての造詣が深くないとわからないものであり、判断も個人では難しいものと言えるだろう。
ここでは「版画」についての買取に焦点を絞り、紹介しておこう。版画など芸術・美術品などの買取については、ある程度の基本知識は押さえておかなければ損をしてしまう可能性がある。ぜひ参考にしておいて欲しい。

Woodcut / Menage a Moi
CONTENTS
版画を売るための手段
単に版画を現金化するといっても、さまざまな手段がある。版画を売ろうと考えている方は、それぞれのメリット・デメリットをきちんと理解して、その上で手段を選んでいただきたい。
そこで、「ネットオークション」「フリマアプリ」「専門の買取業者」の3つの手段のメリットとデメリットを挙げていく。
ネットオークションのメリット・デメリット
ネットオークションとは、インターネット上で一般人が物の売買をオークション形式で行えるサービスだ。日本の代表的なネットオークションサービスといえば、Yahoo! JAPANが運営している「ヤフオク!」。1999年にサービス提供を開始して以来、利用者が増え続けており、現在は常に5,200万個の商品が出品されている(2017年7月9日〜7月15日の実績)。
そんなネットオークションのメリットとして挙げられるのが、自分の好きな時間に好きな場所で商品を出品できる点だ。インターネット回線とインターネットを利用する端末さえあれば、夜中にだって海外にいたって商品が売れるのである。昼間仕事で買取店舗に行けない方や子育てで自宅を離れられない方などに特に便利なサービスだ。
一方、ネットオークションのデメリットは、出品作業に時間がかかる点だ。商品の出品が完了するまでに、ネットオークションサイトへの登録や商品の説明文入力、商品の写真撮影など、多くの作業が必要となってくる。そのため、ネットオークションに慣れていない初心者は、時間がかかってしまうのだ。
フリマアプリのメリット・デメリット
フリマアプリとは、インターネット上で商品を売りたい一般人と商品を買いたい一般人のマッチングができる、フリーマーケットのようなサービスだ。現在、フリマアプリの利用者が急増している。もはやフリマアプリが生活のインフラのようになっている利用者もいるほどだ。日本最大のフリマアプリ「メルカリ」は、2017年12月に日本でのダウンロード数が6,000万を超え、アメリカでもダウンロード数が3,000万を突破した。2013年7月にサービスを提供し始めたことを考えると、驚異的な伸び率であり、フリマアプリの人気の高さが伺える。
そんなフリマアプリのメリットとして挙げられるのが、ネットオークションと同じように、いつでもどこでも商品を出品できる点だ。自分の都合に合わせて出品作業を行えるため、時間の有効活用が可能。また、ネットオークションと違うのが、出品作業の簡単さである。多くのフリマアプリでは出品フォームが簡素化されているため、5分ほどで出品作業が完了するのだ。
一方、フリマアプリのデメリットと言えるのが、必ずしも売れるわけではない点。フリマアプリには日々多くの「商品を買いたい人」が集まっているが、その中に版画を求めている人がいるとは限らないのだ。もし、版画を買いたくてフリマアプリをのぞいている人がいたとしても、あなたの商品を気にいるとは限らない。
専門の買取業者のメリット・デメリット
専門の買取業者のメリットは、版画に詳しいプロが査定をしてくれる点にある。版画の価値を見極めるのは素人には難しいため、プロに査定をしてもらうことによって、版画本来の価値に見合う査定金額を提示してもらえるのだ。
一方、専門の買取業者のデメリットは、店舗が近くにあるとは限らない点が挙げられる。「専門」の買取業者のため、全国にそう多くはないのだ。店舗が近くにない方は、版画を持ちながら遠出しなければならない。そのため、そういう場合はメール査定などを実施している買取業者に依頼してみてはいかがだろうか。
版画は専門買取業者へ買取依頼をすると損をしない
版画を現金化するための手段はいくつかあるが、いざ版画の買取を考えたとき、どこで売ればいいのかわからない人も多いだろう。版画を売る場合、当然ではあるが美術品・芸術品を専門で買い取っている店舗や業者での買取査定のほうがいいだろう。
こういった専門での買取を行っているところであれば、市場の価値や相場などの情報にも詳しいため、損をするリスクは少ないと言える。また、版画を買取に出すまで、自分でも気がつかなかったような価値があるかもしれない。しっかりとした査定が出来るところで買取をするべきだろう。
ネットオークション・フリマアプリへの出品はどうか
版画を売りたいと考えたときに、ネットオークションやフリマアプリで売るほうがいいと思う人もいるだろう。前章でも述べた通り、ネットオークションやフリマアプリには、いつどんな場所にいても版画を出品できるからだ。忙しい現代人にとって、時間や場所に制限されないというメリットは大きい。
ただし、芸術作品に関しての知識や教養がしっかりとあり、市場価値や相場がわかっていないと損をしてしまう可能性もあるだろう。単純に購入金額と出来るだけ近い金額で売りたいと考えたときは、ネットオークションやフリマアプリを利用する場合が多い。
だが先述のとおり、売ろうとしている版画は、もしかしたら購入金額よりも高い金額の価値があるかもしれない。あまりないケースだと思うかもしれないが、その時の買取金額は非常に高い金額になるだろう。そういった場合には、知らない間に損をしていることとなるので注意が必要だ。
版画を高く売るためには「状態」が大事
買取を考えたとき、誰でも出来ることなら高い金額で買い取って貰いたいと思うだろう。出来るだけ高い金額での買取を希望するのであれば、買取査定で重要視されるポイントについては押さえておくべきだ。
では、どういった点が版画では重要視されるのか。これは版画だけに限らず、買取市場での基本的なポイントでもあるのだが、このような買取では現物の「状態」が非常に重要視されるのだ。
特に版画のような芸術作品での「状態」の善し悪しは、買取金額に大きく影響するものである。版画では、汚れ、シミ、ホコリ、破れなどがある版画であれば、確実にマイナス評価となるだろう。それだけ「状態」の善し悪しは、買取市場において大事なポイントなのである。
版画の種類も査定ポイント
版画の査定ポイントで最も大事なのは「状態」だろう。ただ、それ以外にも大事なポイントはある。それは版画の種類。この版画というものには、非常に様々な種類がある。
その版画の種類によって買取査定の金額も大きく変わるのだ。そこで、版画の種類だが、木版画、銅版画、リトグラフ、シルクスクリーンなどがある。こういった種類によって大きく買取金額は変わってくるものなのだ。
版画は創作した作家によっても金額は変わる
芸術・美術品は当たり前のことなのだが、誰が作ったのかというのも重要視され、買取金額に大きく影響する。例えば、ピカソ、ゴッホの版画などは、世界的な価値や需要度も高く、また版画であっても希少な版画であれば、高い金額となるだろう。作品によっても買取金額は変わるため、ある程度の知識は頭に入れておくべきだろう。
版画買取では付属品も大事
買取市場では、付属品を揃えると買取査定でプラス評価となり、買取金額も上がることも多いのだが、版画の買取においても同じである。版画の付属品といえば、箱や額縁などが付属品となる。付属品があるのであれば、忘れることなく持参したほうがいいだろう。
版画を出来るだけ高く売るために複数業者に一括査定を
版画を出来るだけ高く売りたいと考えるのであれば、複数の買取ショップや業者へ買取依頼を申し込むべきだろう。実は、各店舗やショップ、買取業者によって買取金額は違うのである。なかには、市場の相場よりも低く見積もった買取査定を行うところもあるようだ。あくまで稀なケースではあるだろうが。また、その逆で買取を強化している場合もある、ショップや業者によって常連や新規顧客の傾向に違いがあったりする。そういった違いから売れ行きなども変わってくるため、各ショップや業者で必要しているモノが違うのだ。
そうなると当然、買取金額にも差が出てくるだろう。買取金額がショップや業者毎で違うのであれば、いくつかのショップや業者へ買取依頼査定を依頼して査定金額を比較し、出来るだけ高い金額で買い取ってくれるところで売ればいいのである。こういったポイントも版画を高く売るためには大事なのだ。
版画の買取相場
版画の買取金額の相場に関しては、ピンからキリまでの買取金額がある。また、買取金額も非公開にされていることが多いため、買取相場はあくまで目安にしておいたほうがいいだろう。
いくつかのサイトや口コミなどでは、数千円〜10,000,000円などの買取実績があるようだが、もっと高い金額になる場合も版画であれば十分あるだろう。参考までにしておこう。
高価買取・強化買取をされている作家一覧
版画は中古市場でも高値で取引されるが、その中でも高価買取の期待が高い作家がいる。ただし、買取業者によって買取強化している作家は異なるので、気になった業者があれば公式サイトに強化している作家があるかチェックしてみよう。
【浮世絵】
鈴木春信、懐月堂安度、鳥居清長、渓斎英泉、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川広重、葛飾北斎、一勇斎国芳、月岡芳年、河鍋暁斎、その他(春画など)
【明治・大正期】
小林清親、井上安治、川瀬巴水、橋口五葉、竹久夢二、吉田博、伊東深水
【昭和~平成期】
加山又造、横山操、片岡球子、小倉遊亀、中島千波、千住博、上村淳之、東山魁夷、恩地孝四郎、藤巻義夫、谷中安規、斎藤清、清宮質文、日和崎尊夫、舟越桂、草間彌生、長谷川潔、棟方志功、駒井哲郎、浜口陽三、星襄一、牧野宗則、山中現、山本容子、李禹煥
【海外】
パブロ・ピカソ、アンリ・マチス、ジョルジュ・ブラック、マルク・シャガールルノアール、モジリアーニ、ブラマンク ユトリロ、サルバドル・ダリ、エドアール、ムンク・シャガール、ジョアン・ミロ、サム・フランシス、パウル・クレー、マーク・ロスコ、ジャスパー・ジョーンズ、ロイ・リキテンシュタイン、アンディ・ウォーホール、デビッド・ホックニー、ベン・ニコルソン、サイ・トゥオンブリー、ミシェル・バスキア、キース・ヘリング、フランシス・ベーコン
版画の買取を行っているショップや専門店を紹介
版画の鑑定をして貰うなら専門の業者に依頼しよう。以下に、おすすめのお店をまとめてみた。
毎日オークション
国内最大級の取り扱い点数を持ち、本格的な美術品オークションを行っている毎日オークションでは、手数料無料で買取を行っており、持ち込み、作品送付、出張訪問に対応している。さらに幅広いジャンルに対応しており他の売却方法と比べ取り扱い作品が多い”オークション出品”や、購入希望者に対して自社で直接販売を行う”プライベートセール”といった買取以外の売却方法で作品にとって最適な方法を提案してくれるのも魅力だ。本郷美術骨董館
多くのメディアで特集を組まれるほどの実績を持つ本郷美術骨董館では、経験豊富な専門家による鑑定・買取が魅力的。来店鑑定・宅配鑑定・出張鑑定に対応しており、様々な分野のスペシャリストによる査定が期待できる。さらに全国業者別売り上げランキング1位。写真鑑定だけでなく、電話による無料見積もりにも対応しているので気軽に依頼してみよう。
小川処堂
小川処堂は東海県下、最高クラスでの高価買取を実現。店頭買取・出張買取・宅配買取に対応している。もちろん送料や出張料は無料なので気軽に利用しやすいポイントの一つ。個人商店なので、目利きの店主による査定を受けることができる。
いわの美術株式会社
いわの美術では美術品・骨董品の買取実績が豊富。確かな眼を持つ鑑定士が10万件以上ものアイテムを買い取っている。全国対応の無料出張買取、ダンボールに入れて送るだけの無料宅配買取から依頼することができる。無料で見積もりにも対応しているので、気軽に依頼してみてはいかがだろうか。
ぎゃらりー彩
ぎゃらりー彩では幅広いジャンルの骨董品や美術品を買い取っている。関東圏を中心に無料の出張買取だけでなく、便利な宅配買取にも対応しているので、ライフスタイルに合わせて利用することができるのではないだろうか。高価買取を期待する人は一度査定へ出す価値あり。
八光堂
八光堂では、40年以上もの実績を持つ鑑定士が丁寧に査定を行ってくれる。さらに個人だけでなく法人買取にも対応しているのだ。大切にしてきた骨董品だからこそ、確かな目利きに依頼してみてはいかがだろう。
ギャラリーホープ
ギャラリーホープの査定は日本全国無料で対応してもらえる。親切な鑑定士が丁寧に査定してくれるので、買取り利用が初めての方でも気軽に依頼しやすい。1,000万円を超えるアイテムでも即現金買取可能なのも魅力的。
総合美術買取センター
総合美術買取センターには幅広い専門の鑑定士が在籍しており、専門性の高い査定を受けることができる。さらに急いでいる方にも真摯に対応。査定依頼を受けてから24時間以内に回答してくれるので、スピーディな対応を求める人にオススメ。
まとめ
ここでは版画を売るために知っておきたいことについて、紹介してきたが、高価買取をされている版画のポイントは押さえておくといいだろう。とにかく、版画を高く売るためには「状態」に関して最も気をつけておくべきポイントだ。また、自信でしっかり対策も出来るところでもあるので、きちんとした保存方法で管理しておくべきだろう。