彫刻や絵画などの美術品が壊れたとき、あなたならどうするだろうか?破損の程度により廃棄せざるを得ない場合もあるが、買い取り業者に売却したりオークションなどに出品することで、少しでも利益を得ることができるかもしれない。ここでは、壊れた美術品の対処方法について説明したい。
Broken and Whole Roman Faces / allisonmeier
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美術品とは
美術品とは、「芸術のための芸術」とも言われるもので、用途としての目的を持たない、主に観賞用として制作された芸術品のことを指す。製作段階でほとんど制約を受けず、作家ですらふたつと同じものを作ることができないような1点ものであることが多い。また、制作過程やモノの価値が過去と現代で変わることもあまりない。
工芸品との違い
これに対して工芸品は、人に使われることを前提としてつくられた芸術品である。用途がはっきりしているため、かたちや大きさにはある程度の制限が生まれる。さらには、人が使うにあたり害のない素材であること、あるいは有害な素材が外に出てこないようにガラスで覆わなければならないなどの制限がある。
また、工芸品は美術品と違って大量生産されることもある。オリジナルは1点しかないにしても、それを基に機械や他人の手で同じものが生産されて市場に流通するのである。そして使い勝手の良いように、時代の変遷とともに改良されることもあり、過去に作られた工芸品と現代に作られた工芸品の価値に差が生まれるのである。
破損箇所と程度を確認する
まず最初にすべきことは、破損した部位と破損の程度を把握することである。
例えば彫刻が少し欠けていたり、絵画に少しばかりのシミや汚れが付いている程度であれば買い手がつく可能性はあるが、飾ったときに目立つ箇所に明らかな欠損が生じている場合は、残念ながら大きなマイナス査定を覚悟するか、売却自体を諦めたほうがよいだろう。
また、破損箇所がほかにもないか、くまなく見ることも忘れないようにしたい。著名な作品はそれだけで価値はあるが、綺麗に保管された美品であればさらに価値は上がる。
破損箇所を自ら修復してはならない
破損箇所がわずかで、少しの手直しで修復できると判断できる場合でも、自ら修復することはやめておいたほうがよい。日ごろから手入れを欠かさないことももちろん重要ではあるが、彫刻に接着剤を用いたり絵画をレタッチするというのは、作品そのものの価値を下げてしまいかねない。
特に買い取り業者への売却を考えている場合は、見かけ上修復したように取り繕うことができたとしても、プロの査定人が見ればひと目で見抜かれ、マイナス査定となる可能性が高い。 美術品は芸術家の魂の宿るもの。第三者が手を加えたことにより世界観が壊れてしまった、ということは絶対に避けるべきである。
落札・買取相場をリサーチする
作品の現金化を考えている場合、買い取り業者での販売額やオークションの出品額をリサーチしておくことも重要だ。
同じ作家のものが売られていたり出品されていると、値付けのベースとしやすいので、売却を考えているようならまず流通価格を調査してみよう。ちなみに、美術品は価格が付けにくいもののひとつである。ひとつのリサイクルショップで付けられている値段が平均的なものとは限らないので、リサイクルショップだけでなく美術品や骨董品などアンティークを取り扱うショップも見て回ることをおすすめしたい。
リサイクルショップではなく専門店に相談
さて、実際に売却するとなるとどの業者がベストなのか。
多彩なジャンルを取り扱う大黒屋やおたからやなど大手リサイクルショップでも、美術品や骨董品などの買い取りにも対応している。しかし、あくまでリサイクルショップ目線の査定となるので、なかなか作品の価値を認めてもらうのは難しい。ここはやはり美術品の買い取りを専門に取り扱う業者に相談したほうが無難だろう。専門店であれば、売りたい人買いたい人双方の立場を深く理解し、相談に乗ってもらえることが多い。
リサイクルショップに売却することも方法のひとつではあるが、作品の持つ価値を理解してもらい1円でも高く売却するためには労を惜しまず、親身になって鑑定してもらえる目利きを探すことを心がけよう。
一括査定する・相見積もりを取ることも忘れずに
美術品の買い取りを強みとしている業者はインターネット上でも多く見つけることができる。その中で大手といえるのがNANBOYA(なんぼや)だろう。美術品から絵画、骨董品など対応しているフィールドも広く、査定も丁寧と評判だ。ほかにも圧倒的な品数を誇る日晃堂、出張買取、宅配買取にも対応している満学屋など、きめ細かなサービスをモットーとしている業者が並ぶ。
取り扱っている品物の性質上、出張買取に店名を伏せた車で来てもらえるなど、利用者のプライバシーに最大限配慮した業者も多数存在するので、複数の業者に気軽に見積もりを申し込んでみることをおすすめしたい。
オークションでの出品は難易度高め
複数の業者に査定を依頼し、それでも残念ながら値段が付かなかった場合、残された方法は廃棄かオークションやフリマを利用して売却するしかないだろう。
しかし、正直なところオークションで美術品を売却するのは至難の業であるといわざるを得ない。
例えば国内最大規模の「ヤフオク!」には、個人だけでなく骨董品や美術品を多く取り扱う業者が出品している。美術品のカテゴリーにはそれらの品物が多く並び、素人の出品物はとても目立ちにくいうえ、価格の面でも太刀打ちできないだろう。また、素人が一品だけ出品したところで、本物かどうかという疑念を払拭することも難しい。
オークションでは高望みしない
ではオークションで買い手が現れるようにするにはどうすればよいか。 まずは破損していることを大々的に知らせるため、「ジャンク」「B級品」と正直にタイトルに記載し、開始価格もなるべく低く設定する。
また、全体の画像に加えて閲覧者が判別できるよう、破損部位のアップ画像があると親切だろう。あとは大きさがわかるような画像や、鑑定書がある場合は鑑定書の写真などがあると万全だ。また、閲覧者の大半はコレクターや業者となるので、コレクター向けのアピールポイントなどを掲載しても面白いかもしれない。 とにかく閲覧者の目を引かせるために、可能な限り多くの情報量を提供することが、1円でも高く売る大きなカギとなる。
海外オークションサイトも狙い目
オークションやフリマサイトは、近年増加の一途をたどっているが、美術品を出品する場合は、やはり多くの年齢層が利用しているサイトを利用するのが無難だと言えるだろう。国内で出品するなら、まず「ヤフオク!」が第一候補となるだろう。利用年代も幅広く、美術品や骨董品の出品数も多い。楽天オークションも業者と同じフィールドで出品できるので目に着きやすいと言える。
また、日本の美術品であればeBayなどの海外オークションに出品するのもひとつの方法だ。たとえジャンク品であっても、日本文化を愛する外国人に買い付けてもらえるチャンスがあるかもしれない。
写真の腕やタイトルの付け方も落札率や価格に影響する
ヤフオクで美術品を高値落札に繋げるためには、多くのユーザの目を惹きつける写真撮影や、商品紹介のテクニックも必要となる。こうした技術や知識の全くない初心者が、スマホで撮った簡易的な写真で出品をすれば、商品情報から美術品の価値判断ができないことで、高く売れるはずの作品に1人も落札者が現れない可能性も出てくるのだ。
説明文を書くだけの作品知識も必要
多くのユーザに興味を持ってもらうためには、美術品のサイズや制作年代、作家、希少性といった情報を多く伝える必要もある。また情報が少ない場合は質問が上がってくることもあるため、自分の所有物に対してある程度の説明ができない人は、ヤフオク利用で高値落札に繋げにくいと言えるだろう。
評価は高い方が良い
美術品のように贋作である疑いのある品物を売る場合は、多くのユーザが評価を重視することも頭に入れておくべきだ。例えば1つ数万円する骨董品や古美術品の出品を評価ゼロのユーザが行った場合は、詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクによって、出品者と同レベルのヤフオク初心者しか興味を示さないと捉えて良いだろう。また「非常に悪い」もしくは「悪い」の評価が多い場合も、入札数は少なくなるため、さまざまな商品を出品しながら評価という信頼性を高める心掛けも必要だと言えそうだ。
迅速な現金化には不向き
落札者があらわれる保証のないヤフオクは、確実かつ迅速に現金化を考える人にとっては、適さないサービスだ。誰もが簡単に落札できる即決価格を設定し、さまざまなオプションによって出品商品を目立たせれば、2~3日で落札価格があらわれることもあるかもしれない。しかしこの方法で大事な骨董品を二束三文で手放すことを考えると、無理な価格でオークション出品をするより、買取業者に売却した方が、確実に現金化ができると言えるだろう。
トラブルも多い
さまざまな人が利用するヤフオクは、競売方式オークションのような厳しい参加資格がない分、トラブルに巻き込まれるリスクが高いと考えられる。ヤフオクでは未着・未入金トラブルお見舞い制度を用意しているようだが、こうしたサービスを利用するまでに規約に合った対応を求められることを考えると、1度のトラブルでたくさんの労力を使うこともあると捉えた方が良いだろう。
また、トラブルが解決するまでの間は入金完了しない可能性もあるため、急な入用などによって切羽詰まった状態の皆さんにも、おすすめ度は低いサービスと言えるかもしれない。
まとめ
美術品を売却する場合は、やはり買取実績が豊富な専門業者に任せるというのが無難な方法だろう。価値のわかる鑑定人に鑑定してもらえれば、値段が付けられるものなのか廃棄しか方法がないのかが一度に判明する。いち早く処分をしたいなどの理由がない限りは、じっくりと時間をかけて価値を理解してもらえる業者を見極めることが大切だ。
東京都品川区にある「総合美術買取センター」では、絵画の額が壊れていたり額の状態が悪くても査定額には一切関係なく、買取をしてもらえる。また、箱は基本的に必要だが、箱がなくても買取できるものもあるため一度問い合わせて確認してみると良いだろう。総合美術買取センターは、当サイト・ヒカカク!でもトップ3に入る人気の買取業者なので、美術品を高い金額で売りたいならば総合美術買取センターの無料見積もりを依頼してみてはいかがだろうか。
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