倉庫や物置などに眠っている不要な絵画は、画材の質が落ちないうちに買取業者に査定依頼をするのが理想的となる。また絵画の中には予想外に高い値段で買い取ってもらえるケースもあるため、「要らないから」という単純な理由で捨てる前に、必ず鑑定や査定をしてもらった方が良いと言えるだろう。絵画の価値は素人にはわかりにくいものであるため、プロに任せることが重要となる。また高い値段での買取を希望するならば気をつけておきたいポイントがいくつかある。それらを紹介していきたい。
今回は、絵画を高い値段で買い取ってもらうためのポイントや、査定基準などを詳しく解説していく。
本記事のポイント
- 少しでも高く売るためにできることとは?
- 高額で売るために重要な絵画の保管方法
CONTENTS
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絵画の査定・鑑定基準は特殊
絵画の査定基準は「有名作家による作品か、無名作家による作品か?というラインによって大きく分かれる。無名作家の場合は購入価格の1/30~1/50ぐらいまで価値が下がると言われているが、有名・無名の判断は買取店側で行うため、どんな作品でも必ず持ち込む姿勢が非常に重要となる。また所有者が無名だと思い込んでいた作品の中にも、意外な有名作品が隠れていることもあるため、不要な絵画を捨てる前に査定をしてもらうべきだと言えるだろう。有名作家の活躍以前の作品が眠っていた、というようなこともありうる。
絵画を高い値段で買い取ってもらう方法
絵画を高い値段で買い取ってもらうためには、下記14個のポイントを押さえる必要がある。
1.購入時に絵画の詳細情報を教えてもらう
画商やギャラリーなどで絵画を購入する際には、作品の詳細情報を教えてもらった方が良い。特に作家名や絵画が完成した時期、使っている画材や技法などの情報は、オンライン査定などにも活用できるため、将来的に買取に出す予定がなくても必ず詳細を教えてもらう習慣を付けておいた方が良いと言える。また自分が好む作品の詳細を語れる人は、画商やコレクターに対して絵画に対する情熱をアピールできるメリットもあると言えるだろう。このアピールで値段が変わってくる可能性も出てくる。サインの有無や位置、版画の場合にはエディションナンバーなど、査定において重要なポイントを押さえておくことも大切だ。
2.絵画の状態を良くする
絵具や紙を使って描かれる絵画は、高温多湿や紫外線によってシミや劣化、カビなどのトラブルが生じることがあるため、普段から保管方法に気を付ける必要がある。絵画の保管やお手入れ方法は画廊などのサイトに掲載してあるため、大事な作品の状態を保持するためにも、ある程度の知識を習得しておいた方が良い。状態の良い有名作家の作品は、高値が期待できる。
3.劣化していても買取店に持ち込んでみる
自分の所有作品に対して「劣化しているからダメだ」「こんなボロボロな作品は誰も買い取ってくれない」と勝手な判断をせずに、どんな状態でも「とりあえず査定をしてもらう」という姿勢の方が良い。特に有名作家が描いた作品の場合は、多少の劣化があっても、その価値が正しく評価される。古美術品の中には、一般の人が見たら驚くほどボロボロな作品も多く見受けられるため、「恥ずかしがらないこと」も高値査定に繋がるポイントだと考えると良いだろう。
4.無理に清掃しない
汚く見えると買取額が下がることを恐れて、清掃してからモノを売る人は少なくないだろう。しかし、絵画の場合には素人の清掃が難しいケースが多く、専門の業者も存在する。無理に清掃することで、かえって価値を下げる可能性があることは念頭に置きたい。
5.付属品は全て持っていく
絵画は木箱などの付属品が付いていることが多い。付属品は真作の判断材料になるだけでなく、全て揃っていることでコレクターからの需要などが高まる側面もある。付属品も持っていくことで、査定にプラスがつく可能性が高いと言える。
6.無理に自分で運ばない
ひとりで運ぶことが難しい巨大な絵画は、出張査定やオンライン査定のサービスを使った方が良いことが多い。無理に自分で持ち込みをしてしまうと、運搬途中に壁などにぶつけてしまう可能性が想定されるため、せっかくの作品価値が下がってしまうこともある。絵画の買取を行っている業者は運搬方法などのアドバイスもしてくれるため、巨大な作品を持っている場合は相談することから行動を起こしてみると良いだろう。出張買取は必ずしも手数料や出張料が無料なわけではないため、負担がある場合には、「それでも他の買取業者よりも多く手元に入ってくるか」計算したい。
7.画廊や古美術商などを探す
絵画の買取査定を狙うためには、作品の鑑定や評価を正しくできる画廊や古美術商などの利用がおすすめだ。絵画の査定は、一般の買取業者やリサイクルショップなどでも可能である。しかしこれらの業者には、絵画を専門とするスタッフが常駐していないため、せっかくの作品に正しい判断が行われないケースも非常に多い実情がある。買取におけるトラブルを避けるためにも、絵画の場合は画廊や古美術商に査定依頼をする必要があると言えるだろう。
8.美術オークションも視野に入れる
高額作家や人気作家の場合に、予想よりも需要が上回ることがある。買取業者に依頼するよりも、美術オークションに出した方が高値がつくケースは少なくない。ヤフオクなど、絵画を専門としないオークションでは真作のつもりで出して贋作だった、価値がわかる人が少なくて思う落札にならなかった、などのトラブルが少なくない。美術専門のオークションに出すことをお勧めする。また、必ずしも高値がつくわけではないが、オークションという性質上、換金に時間がかかるのも注意点だ。
9.まとめ売りで高値査定を狙う
自宅にたくさんの絵画が眠っている場合は、複数品目の持ち込みを行って査定額の優遇などを狙うと良い。また多くの絵画を持ち込める人は、買取店からすればお得意様になる傾向が高いため、今後の付き合いに繋がる優遇で高値査定が期待できる。
10.なるべく多くの買取業者を比較する
自分が所有する作品の価値を正しく判断するためにも、なるべく多くの買取業者に査定依頼をするのが理想となる。特に近年では、買取査定を無料で行う業者が急増しているため、気軽に立ち寄って作品の価値を判断してもらうと良いだろう。複数業者に査定をしてもらっていると、絵画の意外な価値が発見できるようになる。高い値段で買取を希望するなら比較検討が重要なポイントとなる。
11.財力がある買取業者や買取強化している買取業者に売る
高額が見込まれる作品の場合に、財力があまりない買取業者へ依頼すると、買取額があまり高く出せないことがあるだけでなく、換金までに時間を要することがある。あらかじめ財力がありそうな買取業者を選ぶのも一考だろう。買取強化作家としてあらゆる作家の広告を出している買取業者は多いが、その中でも本当に「この作家を求めている」と限定的に探している印象のある買取業者を探すと、他よりも高く買い取ってくれることがあるだろう。
12.需要がある場所で売る
難しいことが多いかもしれないが、高額査定を狙うなら需要がある場所で売る方法がある。例えば、日本全国ではあまり知名度がない画家でも、その人の地方では人気があり高額で売買されていることがある。また、最近は中国人による中国美術の買い戻しが盛んなように、求めている国やそこに販売ルートを持つ買取業者へ売ると、他と比べて高額になる傾向がある。
13.コレクターと繋がりがある場で売る
画商や美術商の中には、コレクターと繋がりがある人もいる。その作家を求めているコレクター(宛て)があれば、すぐに売れる見込みがあるため、多少高く買い取ってくれることがある。売る側は、コレクターと繋がっているか見えにくいが、サイトなどに記載されているケースも見られる。ただし、どの作家に対してもそう言っている買取業者もいるため、注意したい。
14.場合により鑑定依頼も
鑑定料は数万円かかることが多いが、高額買取が見込まれる作家の場合には、真作である証明として鑑定書を出してもらうと、買取業者が安心して買い取ったり、査定にかかる手間分を上乗せしてくれたりすることがある。公的資格の鑑定士は存在しないが、鑑定士を名乗っている人は少なくない。権威のない鑑定士に依頼すると、「本当にその真贋鑑定はあっているのか」と疑問を持たれ、売却の際に再度鑑定をされることがあるため、鑑定先は吟味したい。
絵画のお手入れや保管方法
絵画は劣化が激しいアイテムである。お手入れや保管には注意しよう。
日本画や洋画を保管する上で適切な温度や湿度、環境とは
日本画も洋画も湿気と紫外線には注意しよう。高温多湿な日本の気候では、密閉空間が絵画にとって非常に悪い環境となってしまう。大体の目安で、温度18から20度で、湿度50から60程度を保つようにしてほしい。また、劣化や退色の原因になるため、直射日光や紫外線を避け、こまめに換気をしながら保存箱などを用いて保管しよう。冬場に絵画のある部屋で加湿器を使用すると、絵画にカビが生えてしまったりするため要注意だ。カビは発生すると非常に取り除きにくく、買取の際にもマイナスポイントとなってしまう。
放置しすぎているとカビが発生したり、シミが発生したりする場合があるため、こまめにチェックしたほうがよい。他にも、平積みで保管すると重みで潰れてしまうことがあるため注意したい。
額の取り扱い方法とは
額縁の扱いにも注意したい。額縁も含めて絵画としての価値があるため、気にせず適当に掃除をして傷つけてしまったり、塗装が剥げてしまったりということのないようにしよう。また、額縁にはホコリがたまりやすいため、柔らかい乾いた布で軽く拭いて手入れをするとよい。こまめに手入れすることで状態よく保つことができる。
モノを整理するなら絵画の売り時
絵画の売り時は、倉庫や物置の整理や引越しなどが多い。特に引越しの場合は、「新居のデザインに合わないから」という理由で不要な絵画が出てくるケースが多いため、転居の準備と併せて絵画買取業者の情報収集をしておくのが理想と言えるだろう。また近年の買取業者では、出張査定サービスを実施しているところも多いため、倉庫や物置の断捨離の際に全ての絵画をチェックしてもらうのもおすすめである。物も一掃することができて、もしかしたら予想外の収入があるかもしれない。
LINE査定に対応している買取業者
価値のある絵画を最高買取価格で買い取ってもらうには、目利きのプロに任せるのが一番。以下では選りすぐりのおすすめ業者を複数社紹介するため、買取業者選びの参考にしてみてほしい。
美術品・絵画買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
美術品・絵画買取センターでは、30年ものアート売買の実績を誇る目利きの店主による査定が魅力的だ。油彩、日本画、版画等の絵画、美術品を無料で査定してもらうことができる。
また、高額作品の引き取りについては、東京近郊だけでなく遠方でも対応可能だ。「大切な絵画だからこそきちんと引き取ってほしい」と思っている人におすすめの買取業者である。
総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
絵画や骨董品などの美術品専門の買取業者である「総合美術買取センター」は、絵画・美術品の買取相場の高さがピカイチである。当サイトではベスト3に入る人気店で、おすすめの鑑定業者である。絵画を高い金額で売りたいならば総合美術買取センターの無料見積もりを依頼してみてはどうだろうか。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取協会は、美術品の買取に力を入れている。絵画以外にも取り扱っているが、絵画の買取に一番力を入れているようだ。取り扱い作家一覧では許可買取作家のコーナーを設けており、積極的に買取を行っている。日本画、日本人作家の洋画、外国人作家の洋画、現代アート、具体美術、中国美術、インテリアアートなど様々なジャンルの買取を行っているため、複数作品を所有しているなら一度見積もりを出してもらうといいだろう。
出張買取に対応している買取業者
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
八光堂は様々な美術品を取り扱っており、それぞれに専門の鑑定士がいる。絵画専門の鑑定士が査定を行うため、非常に精度の高い鑑定を誇っている。日本画、西洋画、油絵、水彩画など全般的な買取を行っている。「マルク シャガール」「加山又造」「福田平八郎」など多くの作家の作品を買い取っている。ホームページでは高い値段での買取だったものの事例も掲載しているが200万円や400万円といった非常に高額な作品の買取の事例も存在している。
なんぼや
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
なんぼやのメインはブランド物の買取だが、絵画や骨董品にも力を入れてきている。全国展開しているので、売りやすいという利点がある。ホームページでは他社との買取価格の比較を掲載しており、他社よりも高く買い取るということを全面に打ち出している。店頭買取、出張買取ともに査定料金が無料なのも魅力的である。ホームページには高額買取の事例が出ているので一度見てみるといいだろう。鑑定士の紹介も掲載されているので、そこもチェックしておきたい。
ギャラリーホープ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
絵画の高額買取を押し出しているギャラリーホープ。オークションのデータベースを元に独自の査定基準で相場より高い買取を行っている。海外作品も得意としている。無料査定を行っており、全国にも無料で出張買取を行っている。どんなに買取が高額になっても現金買取を行っている。
まとめ
素人には判断が難しい絵画も、画廊や古美術商などに持ち込むことで意外な価値が生まれることもある。また使わない絵画を放置しておくメリットは「ない」と断言できるため、価値が下がらないうちに、査定をしてもらうのが理想的と言えるだろう。なかなか時間が取れないという場合でも、webでの査定や、LINEを利用した査定を行っている買取業者もあるので、チェックしてほしい。宅配での買取や出張での買取など、様々なニーズに合わせた買取があるので、それも検討してみるべきだろう。絵画を手放す時は、買取比較サイトのヒカカク!にある絵画買取業者一覧で比較してみよう。