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なんでも鑑定団は偽物を本物と間違えることがある?

読了目安:10分
更新日:2019/06/27
公開日:2019/05/29
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「開運 なんでも鑑定団」は、テレビ東京のなかでも屈指の人気番組だといえるだろう。テレビ離れが加速し、有名番組が軒並み放送終了となっている昨今において、なんでも鑑定団は20年以上放送を続けている。

しかし、長いこと番組が放送されていると少なからず黒い噂がつきまとうものである。なんでも鑑定団の場合は、石坂浩二へのパワハラ疑惑がそれにあたる。島田紳助との名タッグが有名であるが、島田が引退してしまったこともあって、それを見ることはもう叶わない。

しかし、なんでも鑑定団にはもう1つ疑惑がある。それこそが世に有名な真贋疑惑である。そこで記事では、なんでも鑑定団は偽物を本物と間違えることがあるのかについて解説していく。この記事を読めば、一体どのような経緯でそれが起こったのか、詳らかになるだろう。

なんでも鑑定団は偽物を本物と間違えることがある?

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なんでも鑑定団とは

開運なんでも鑑定団とは、1994年4月19日からテレビ東京で放送されている人気バラエティ番組である。視聴者がもっている古美術品や骨董品を専門家が鑑定し、査定額をつけるというコンセプトで制作されている。

鑑定を依頼されるものは多岐に渡るが、いずれも先代から受け継いだり、借金のカタとしてもらったり、古美術店で偶然手にいれたりと人それぞれに独自のストーリーがあって非常に面白い。

また、偽物と思われていたものが実は本物であったり、高額であると思われていたものが実は安物であったりするという意外性も番組の魅力だといえるといえるだろう。鑑定人によるうんちくにも感心するばかりだ。

番組内の企画も面白いものが多い。なかでも出張なんでも鑑定団は、全国各地の劇場やホールに出向き、その地域に住む人たちのお宝を鑑定するという企画だ。視聴者は、鑑定額に一喜一憂する依頼人たちの姿に共感を覚えるのである。

なんでも鑑定団の魅力

なんでも鑑定団の魅力とは、すなわちロマンである。それまでは何ら価値がないと思っていたガラクタが、ある日を境にお宝へと変わる。言い方は悪いが、これは宝くじに当選するかのような感覚だといえよう。

あるいはもしかしたら、幼き日の昆虫採集にも似ているかもしれない。多くの少年たちは力強いカブトムシやクワガタに憧れを見出していたが、なかには美しいタマムシやルリボシカミキリに惹かれる男の子もいた。なんでも鑑定団に依頼する人たちとは、カブトムシやクワガタといったありきたりのものを見つけたいのではなく、タマムシやルリボシカミキリを見つけたい人たちなのだ。

しかし、彼らにそれを見極める知識や鑑定眼はない。だからこそ、それを誰かに保証してもらいたいのだ。なんでも鑑定団の魅力はここにあるといっていいだろう。今風にいってしまえば、掘り出し物という一言で片づけられてしまうが、そこには、多くの大人たちを童心に帰らせる魔力があるのだ。

古美術ブームの火付け役に

なんでも鑑定団の放送開始以降、世間では空前の骨董品ブームが起きた。しかし、学術的価値がある骨董品でさえも金銭に換算してしまうこと、また視聴者を煽るかのようなパフォーマンス性に苦言を呈する美術関係者も少なくなかった。

しかし、なんでも鑑定団による功績は決して無視できない。たとえば、画家兼随筆家である牧野義雄はこの番組によって、世間一般に広く知れ渡るようになったのだ。つまり、なんでも鑑定団は芸術家の知名度に大きく寄与しているのである。

なんでも鑑定団の視聴率

開運なんでも鑑定団は放送開始当初、視聴率がまったくといっていいほど振るわなかったものの、その半年後には18%程度にまで上昇した。さらに1995~1996年にかけては、テレビ東京では異例ともいえる視聴率20%超えをほぼ毎週記録している。

しかし、2004年10月に番組MCである島田紳助が不祥事を起こし、視聴率が低迷。当時の平均視聴率は12%前後にまで落ち込んでしまった。その後、平均視聴率15%前後までに回復したものの、2017年のパワハラ騒動を機に再び低迷。2018年の平均視聴率は9%前後になっている。

とはいえ、放送が開始されてから20年以上経過しているものの、番組が終わるかのような気配はまったくない。それどころか、同テレビ局でもっとも長く続いている出没アド街ック天国に並ぶ長寿番組として、その地位を確立している。

なんでも鑑定団で鑑定してもらえるもの

なんでも鑑定団では、骨董品古美術品の鑑定をおこなっている。具体的にいえば、絵画や掛け軸、壺、皿、茶道具、花瓶、彫刻、西洋アンティーク、古民具、楽器などである。また最近では、レトロなおもちゃ看板などの変わり種も増えてきている。

これらに共通しているの、その価値を判断するのに専門的な知識が必要だということだろう。何しろ、古物商から安値で譲ってもらったものに、高額な値段がつけられることもあるのだ。つまり、古物商ほどの知識や鑑定眼でも価値の判断がつけられないのである。

当然こうなってしまっては、リサイクルショップや買取業者すら信頼できない。下手をすれば、足元を見られてしまうことさえあるだろう。なんでも鑑定団は、そういった不安を抱える人たちの拠り所でもあるのだ。

なんでも鑑定団は偽物を本物と間違えることがある?

番組の概要を説明し終えたところで本題に移ろう。果たして、なんでも鑑定団は偽物を本物と間違えることがあるのだろうか。結論からいってしまうと、なんでも鑑定団は過去に偽物を本物と間違えてしまったことがある

しかし、誤解しないでいただきたいのだが、これはあくまで真贋騒動である。つまり偽物を本物と間違えてしまったと確定しているわけではないのだ。ただし、番組制作サイドの対応は非常に悪かった。結果的にこの問題はいつまでも燻ぶり続け、番組の信用に大きな傷を残してしまったのである。それでは、その内容や経緯について、具体的に見ていこう。

騒動の発端は2016年12月

騒動の発端は、2016年12月20日にさかのぼる。この日、番組では1つの茶碗が鑑定にだされた。依頼人は徳島県でラーメン店を経営している男性である。依頼人の曽祖父は大工を営んでおり、ある日戦国武将である三好長慶の子孫が暮らす屋敷の移築を請け負った。

その際、買い取った古美術品のなかに依頼品である茶碗があったというのだ。番組ではしきりに、これは曜変天目茶碗ではないかというナレーションがはいっており、鑑定の焦点はしだいに、それが本物であるのかどうかへと移り変わっていった。

この天目茶碗とは、中国浙江省にある天目山一帯の寺院で用いられた茶道具である。12~13世紀ごろ、天目山に留学した禅僧が日本に持ち帰ったことから、この名がつけられた。そのなかでも、この曜変天目茶碗は最上級であるとされている。

曜変天目茶碗は、世界で3つしか現存しておらず、番組では4つ目の曜変天目茶碗ではないかと大いに騒がれた。依頼人が提示した自己評価額は100万円。スタジオのボルテージが最高潮になるなか、ついに2,500万円という鑑定結果が下されたのである。

鑑定人である中島誠之助は、開運なんでも鑑定団始まって以来最大の発見と述べ、曜変天目茶碗に間違いないと評した。そしてこの鑑定結果を受けて、徳島県の教育委員会は茶碗の文化財指定に向けて動きだしたのだ。以上が、この騒動の始まりである。

鑑定額に有名陶芸家が猛抗議

放送終了後、新聞各紙は4つ目の国宝発見と大々的に報じた。文化財指定も時間の問題と思われていたが、ことはそう単純に進まなかった。陶芸関係者や大学教授が鑑定結果に疑問を投げかけたのである。そのなかの代表的な人物が、曜変天目茶碗の再現を目指す陶芸家、九代目長江惣吉である。

彼の主張によると、茶碗はおそらく18世紀以降のヨーロッパで開発されたスピネル顔料を塗り付けて発色させている。時代からみても宋代の作品ではない。このような茶碗は福建省の倣製品工房で大量に作られており、2000~3000円で購入できる。とのことだった。

九代目長江惣吉の舌鋒は凄まじかった。番組を見ていて思わず絶句した、どう見ても中国の商店街で売っている紛い物にしか見えないとまで、彼は主張したのである。この真贋論争は白熱を極め、結局、徳島県の教育委員会は計画していた茶碗の調査を中止してしまったのだ。

奈良大学の分析により評価が一転

しかし、この九代目長江惣吉の主張は、奈良大学の分析により否定されることとなる。2017年2月22日、茶碗の所有者から依頼を請けた魚島純一教授が、茶碗表面の成分分析を実施した。

すると、たしかに茶碗表面には化学顔料に使われる元素が含まれていたのだが、それらは発色に影響を与えない程度のわずかな量しか検出されなかったのだ。これに対し、九代目長江惣吉は反論。奈良大学の機器では正確な結果が出ないと主張した。奈良大学側はこの指摘を認めながらも、陶器が偽物だと断定できなくなった結果に変わりはないと回答している。

しかし、この成分分析結果は、厳密には九代目長江惣吉の推測を否定するものでしかない。つまり、この茶碗が本物であるということを保証するものではなく、九代目長江惣吉の推測が否定されたところで偽物としての疑惑は未だ残り続けているということだ。

2017年3月2日、九代目長江惣吉は放送倫理・番組向上機構に審議を申し立てをおこなった、その際、番組での鑑定の根拠を示し、再鑑定の実施を求めるよう申請している。しかしこれに対し、放送倫理・番組向上機構は審議対象としないことを明らかにしている。また、番組のほうもこの問題に関しては黙秘を貫いており、真贋騒動は真実を闇の中に隠したまま収束に向かい始めた、かに見えた。

2018年1月に疑念が再浮上

2018年1月17日、TBSの情報バラエティ番組であるビビットに、ある女性が取り上げられた。この女性は、李欣紅という名前の中国福建省の陶芸家だ。驚くべきことに彼女は、曜変天目茶碗と鑑定された陶器は自分が作ったものだと主張しているのである。

彼女いわく、この陶器はお土産品として制作したものであり、当時1400円で売っていたとのこと。また、陶器の文様は筆で描きだしており、底にある供御という刻印はアルバイトに彫ってもらったとまでいっているのだ。

彼女の登場に誰よりも頭を痛めたのは、なんでも鑑定団の番組関係者であろう。これを機に曜変天目茶碗の真贋騒動は再燃し、なんでも鑑定団は、その評価に大きな傷を残すことになってしまった。

なぜなんでも鑑定団の信用度はさがったのか

なんでも鑑定団の信用度がさがった要因として、一番大きいのは当然真贋騒動が起きてしまたからである。しかし、神ならぬ人間たるもの、誰だって過ちやミスは犯す。そういった意味では、なんでも鑑定団の真贋騒動は起こるべくして起こったともいえよう。

また、真贋騒動が起きた際、適切なケアをおこなっていれば、番組が受けるダメージを最小限におさえられたはずだ。つまり、なんでも鑑定団の信用度がさがってしまったのは、真贋騒動のみが原因なのではなく、事後処理の問題も絡んでいるのである。

たとえば今回の問題に関して、テレビ東京や鑑定人である中島誠之助は、公式に鑑定ミスを認めていない。それどころか、真贋騒動に関する声明すら発表していないのだ。要するに黙秘、あるいは無視を続けているのである。

また、非を認めていないにもかかわらず、該当回の再放送がされていないのも極めて印象が悪いといえるだろう。間違ったことをしていないと思っているのならば、堂々と再放送すればいいだけの話だからである。

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まとめ

この記事では、なんでも鑑定団は偽物を本物と間違えることがあるのかについて解説した。なんでも鑑定団は、偽物を本物と間違えたことがあると確定しているわけではないが、真贋騒動のせいで多くの視聴者に疑念を与えてしまったのは事実である。

また、なんでも鑑定団の信用がさがってしまった本当の理由は真贋騒動ではなく、その事後処理にある。人間は間違いを犯す生き物だからこそ、自分たちのミスを認め、次の機会に活かすことが重要だ。これは実にあたり前の主張である。

もちろん、なんでも鑑定団の鑑定は正しかったという可能性は未だ残されている。しかし、多くの視聴者は番組への不信感を募らせている。それは視聴率の低迷からも明らかなことだ。今、なんでも鑑定団に必要なことは、誠意ある姿を見せること以外にない。

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運営会社

会社名
株式会社ジラフ/ Jiraffe Inc.
設立
2014年10月29日
資本金
11.6億円(資本金・資本準備金含む)
株主
East Ventures、TLM、アドウェイズ、ドリームインキュベータ、アナグラム、ポケラボ創業者 佐々木俊介、アイ・マーキュリーキャピタル、GREE、アドベンチャー、メルカリ、hey代表取締役 佐藤裕介、Amazon Japan創業者 西野伸一郎、DGベンチャーズなど
E-mail
info@jiraffe.co.jp
代表者
代表取締役社長 麻生輝明
所在地
〒164-0001
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ218号
企業理念
2030年のスタンダードをつくる
事業内容
インターネットサービスの企画、開発、運営
従業員数
40名
古物商許可番号
東京都公安委員会 第303311606477号
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