スコットランドで生まれたスコッチウイスキーのオールド・パー。厳選された原酒を混ぜ合わせたブレンデッドウイスキーだ。シングルモルトのウイスキーに匹敵する高級さで、日本では古くから著名人に親しまれている。重厚な木箱、特徴的なボトル、深い味わい、誰もが唸るその味。そんなオールド・パーのシリーズでも最も熟成年数の長い30年などの買取相場・査定情報についてまとめてみた。
自宅に眠っているオールド・パーはあるだろうか。もしあるならば、買取でいくらぐらいの値段がつくのか知っておいて損はない。この機会にぜひチェックしておこう。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
スコッチウイスキーとは
日本、アメリカ、スコットランド、カナダ、アイルランド。この5つの国でつくられているウイスキーは、世界の5大ウイスキーと呼ばれる。地域によってさまざまな特徴があるか、スコットランドでは豊かな自然とその気候を活かし、ビート(泥炭)の香りが強いウイスキーがつくられるのが特徴だ。そのスモーキーな味わいに、日本人もファンが多い。
ウイスキーといえばスコッチと呼ばれている。なぜならウイスキーの歴史はスコットランドから始まっているからだ。日本のウイスキーの父と呼ばれるニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝がウイスキーを学ぶために研修に行った先が、スコットランドだ。日本でウイスキーがつくられるようになったのは竹鶴政孝の帰国後、1923年(大正12年)に山崎蒸留所を建設したのが始まりだが、それよりも昔、なんと600年以上も前からスコットランドではウイスキーがつくられている。
オールドパーとは
オールド・パーとは、もともとは英国史上最長寿と呼ばれた伝説の人物であるトーマス・パーの愛称だ。イギリスで農夫をしていたトーマス・パーはなんと15世紀から17世紀にかけて実に152歳という長寿記録をたたき出した。1世紀半も生きていたのだ。
そのトーマス・パーの長寿にあやかり、”ウイスキーを愛する人たちの間で長く生き続けるものをつくりたい”との思いを込め、オールド・パーがつくられた。
トーマス・パーの亡骸はイギリス・ロンドンにあるウエストミンスター寺院に埋葬されている。ボトルにはバロック派を代表する画家のルーベンスによってトーマス・パーの自画像が描かれている。オールド・パー30年では木箱に自画像が描かれているので手元にある人はチェックしてみよう。
政治家や経営者を中心に愛飲
明治時代に日本にやってきたオールド・パー。明治時代の政治家・岩倉具視が1873年に欧米使節団(視察)とともに日本にオールド・パーを持ち帰ったことで広まった。
実はオールドパーのボトルは斜めに傾けても自立するタイプのもので、それが日本人の中で”右肩上がり”、”決して倒れない”といわれてきた。ゲン担ぎが好きな日本人の間であっという間に浸透していき、当時の政治家や経営者を中心にオールド・パーが愛飲された。
岩倉視察団が持ち帰ってきたオールド・パーは明治天皇に献上されたり、昭和時代の総理大臣である吉田茂や田中角栄にも愛飲者がいたという。味もさることながら、ボトルにも日本のトップパーソンが惚れ込んだオールド・パー30年。
オールド・パー30年
オールド・パーのマスターブレンダー、モーリン・ロビンソンが、30年以上熟成した秘蔵の原酒を厳選し、特別にブレンドしたもの。熟れた柑橘系のフルーツのような甘みが特徴だ。
エリザベス女王一世の即位450周年を記念してつくられた特別品であるオールドボトル。証明書が付属されており、そこには製造番号が記載されている。ボトルはクリスタルデキャンタ。このクリスタルデキャンタには、現行の他のオールド・パーと同じく、トーマス・パーの肖像画が刻印されている。
オールドパーの種類と買取相場
オールド・パーには、今回買取相場を紹介する30年以外にもいくつかシリーズがある。現行のものは以下の4つだ。
オールド・パー シルバー
クレーム・ブリュレやバニラなど、デザートな香りにフルーティーな余韻のシルバー。ソーダで割ってハイボールで飲むのがおすすめ。アルコール40度。
オールド・パー 12年
オレンジなどの柑橘のさわやかさの中に蜂蜜のほのかな香り。スモーキーな余韻の12年。ストレート、ロック、水やソーダで割るなど、どんな飲み方でも。アルコール40度。
オールド・パー クラシック18年
陶器のボトルが雰囲気を醸し出すクラシック18年。レーズンやチェリーなどのベリー系の香りにほのかなチョコレートやアーモンドなどの重厚な香り。アルコール46度。
オールド・パー スーペリア
上質を意味するスーペリア。その名にふさわしく厳選された貴重な原酒をブレンドした究極の一品。水を足すとスモーキーさがより一層際立つ。アルコール43度。
終売になっているシリーズ
そして、オールドパー30年と同じく終売になっているシリーズは以下となる。
- ・オールド・パー12年デラックス
- ・オールド・パー12年エクストラリッチ
- ・オールドパー 12年陶器ボトル
- ・オールドパー500周年記念ボトル
- ・オールド・パー15年
- ・オールド・パー15年1871
- ・オールド・パー18年スペリオール
- ・オールド・パースペリオール
- ・オールド・パートリビュート
- ・オールド・パーデラックスティンキャップボトル
- ・オールドパーシーズンズサマー
- ・オールドパーシーズンズウィンター
- ・オールドパーシーズンズオータム
オールドパー30年の買取相場
それでは実際のオールド・パー30年の査定額を見ていこう。ちなみに現在の販売価格だが、楽天市場では94,286円(+税)という値段で販売されている。Amazonでも以前取り扱いがあったようだが、現在では在庫切れとなっていた。
それでは、実際の買取相場をチェックしていく。
酒買取業者
酒専門の買取業者では、値段こそ明記していないものの、オールドパーを買取強化している業者も多い。オールドパーの他のシリーズ、シルバー、12年、クラシック18年、スーペリアや終売シリーズの買取実績がある業者なら、快く見積もりを出してくれるだろう。
ちなみに酒買取専門店のレッドバッカスはオールドパー30年の買取価格の記載がなかったが、他のシリーズでは詳細に買取価格が提示されていた。最高査定額はオールド・パーデラックスディンキャップボトルの7,500~8,500円だった。
酒買取専門店ではないが、リサイクルショップ フクロウではオールド・パー30年の買取参考価格は75,800円と提示されている。
また同じくリサイクルショップのエコスタイル銀座本店では80,000円で買取された実績がある。ただし2013年の情報なので、それから5年以上経過している現在ではさらに高価格になっているかもしれない。
フリマアプリ
スマホで気軽に出品&購入ができて、匿名取引もできるフリマアプリのメルカリにはオールドパー30年の出品がいくつか確認できた。
まずは購入済みのもので、オールドパー30年 木箱付き 750ml 43%が送料込み110,000円で取引終了していた。メルカリでは出品手数料が10%引かれるので、99,000円が手元に入ることになる。そこから送料などの必要経費を差し引いても98,000円くらいだ。
ちなみに同じ価格でもう1品、全く同じものが出品されていた。つまり執筆時まででメルカリ上でオールドパー30年が2回取引がおこなわれていたことになる。
さらに、オールドパー30年そのものだけではなく、木箱のみ、空き瓶のみの出品もあった。木箱は2,500円、3,999円、空き瓶は18,000円で出品されていた。
ヤフオク
ネットオークションといえばヤフオクだ。執筆時のヤフオクの出品状況を見てみると、オールドパー30年は出品数がゼロだった。1件のみ、11本まとめ売りのうちの1本として出品されているものがあった。
高額買取のコツと売るときのポイント
オールド・パー30年を少しでも高く買い取ってもらえるためのコツを抑えておこう。今すぐ手放さなくても、将来的にもう少し査定額が上がるであろうタイミングまで適切に保管しておきたい人も、ぜひ参考にしていただきたい。ポイントは5つだ。
状態は購入時のままに近いか
オールド・パー30年に限らず、どんな商品もそうだが購入時の状態に近いほうが高値で売れやすい。
もしボトルや箱に汚れがついてしまっている場合はできる限り取り除いてから査定に出そう。
付属品はそろっているか
限定ボトルなど、もともと高価格帯のウイスキーには木箱や栓、テイスティングノートなどの付属品がセットになっているものもある。オールド・パー30年であれば、木箱が付属する。これらはそろっていたほうが査定額の評価が高くなりやすい。
もう捨ててしまって手元になくそろっていなくても、酒買取業者ならよろこんで買い取ってくれることが多いので、売りたい場合は一度問い合わせをしてみると良いだろう。
場合によってはフリマアプリやメルカリなどで箱だけが売っている場合があるので、そういったものを買い取ってそろえても良いだろう。逆に「探してます」の掲示板に書き込むのも良いかもしれない。
液面低下はしていないか
未開封のまま保存していても、実はアルコール分が揮発してしまう恐れがあるので、年数が経っているというだけでも内容量が減ってしまっていることもあるのだ。アルコールの揮発を防ぐためには、直射日光のあたらない、涼しい場所に保管するのがベターである。
温度、湿度、紫外線に気を配れば、ウイスキーそのものはもちろん、ラベルや箱などの付属品の劣化も防ぐことができる。
他にも売れるウイスキーがあるかどうか
多くの酒買取業者では、大口取引で査定額をプラスしてくれるところがある。
オールド・パー30年以外にもウイスキーがあればぜひ一緒に査定額に出してみよう。もちろん、ウイスキーだけではなく日本酒、ワインなどのお酒でも構わない。だができれば業者が買取強化しているブランドのものが望ましい。
無料一括査定をする
保管状態などに自信があっても、思いの他高く買い取ってもらえなかったということは絶対に避けたい。そのためには1社のみならず、複数の業者に見積もりを依頼することが必要だ。
最近ではネットでも複数の業者に対して無料一括査定をおこなうことができる。ウイスキーの銘柄がわかればボタン一つでチェックできるので、これを利用しない手はない。
また、1社1社に問い合わせをする手間を省けるので、忙しい人にも便利なサービスだ。まとめて査定をしてもらって、一番高い査定額を提示してきたところにアクションしよう。
まとめ
オールドパーのボトルは斜めにしても倒れないということから縁起がいいといわれているウイスキーだ。その中でも今回ご紹介したオールドパー30年は、クリスタルデキャンタの美しい品だ。楽天などネット通販では20〜30万円で売られていることからも、買取にはかなりの高価格がつけられるに違いない。