別名色温度計とも呼ばれるカラーメーターは、写真のクオリティをあげるために欠かせない機材である。一般にはあまり使われないが、プロのカメラマンともなると誰もが所持している。しかし、カラーメーターは処分に困る道具でもある。
というのも、高額なカラーメーターともなると1つ100,000円以上にもなるため、捨てるのがもったいなく感じられてしまうからだ。かといって、一般的なリサイクルショップに持ち込んでも用途が限られているため、買い取ってもらえないことがある。かりに買い取ってもらえたとしても、捨て値同然の査定価格が提示されてしまうことも少なくない。
この記事では、そんなカラーメーターの中古買取相場と査定情報について解説する。カラーメーターを売却したい方は、ぜひこの記事の内容を参考にしてほしい。
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カラーメーターとは
カラーメーターとは、簡単に言ってしまえば色を測定するための機械である。主に被写体の色を調べて、適切なフィルターを選ぶために使われる。カラーメーターがあれば、1度撮影した写真の色を正確に再現することも可能だ。
カラーメーターの仕組み
例えば、高温で熱せられた鉄を想像してみよう。刀鍛冶職人は熱せられた鉄を槌で打つことによって、刀を鍛えあげていく。このとき、鉄の温度が高すぎたり低すぎたりすると組織にムラができてしまい、きちんと鍛えあげられなくなってしまう。
そのため、鉄の温度には細心の注意を払わなくてはいけないのだが、実は刀鍛冶職人は熱せられた鉄の色を見て温度を判別しているのである。このことからもわかるとおり、色は温度によって微妙に変化するのだ。この温度によって色を計測するのがカラーメーターである。
カラーメーターでは、色温度と呼ばれる指標が用いられている。色温度の単位はK(ケルビン)によって表され、光の三原色である赤、青、緑、3つの色光の強さから色温度を算出する。カラーメーターの感度は、フィルムの感度に合うように設計されているため、写真の色が再現できるのだ。
露出計や照度計との違い
カラーメーターと似たような機材に、照度計や露出計と呼ばれるものがある。これらは、メーカーでも区別をつけていないことが多く、またカメラの知識がないと混同してしまいがちなので注意が必要だ。
露出計とは
露出計とは、光の強度によって露出値を設定するための機材である。露出とはフィルム面に適切な強さの光を与えることだ。この露出があっていないと写真がボケてしまったり、目で見たものと違う写真が出来あがってしまう。そのため、逆光を活かす撮影がしたい場合は、露出計が必須である。
つまり、露出計は本来カラーメーターとは何ら関係がない。たしかに、色は光によって色味が変わってくるが、あくまで露出計は白(光)と黒(影)の境であるグレーを目で見たものと同じように再現するために使われる。
照度計とは
照度計は、別名光度計とも呼ばれており、主に被写体の明るさを測定するために使われる。明るさというとライトのような光源を思い浮べる方もいるかもしれないが、例えば肌に反射する光も立派な明かりである。この照度計は、カメラ用品としてだけでなく工場やオフィスなどでも使われる。
というのも厚生労働省が定めた労働安全衛生規則によって、部屋の中の明るさの最低値が決まっているからだ。一方でカメラ用品としては、主に1度撮影した写真と同じ明るさを再現するために使われる。そのため、こちらもカラーメーターとは一切関係がない。
しかし、照度計の中には色彩照度計というものがあり、これがカラーメーターとの混同を生んでしまっている。この色彩照度計も色温度やフィルター指数を計測する機材であるが、こちらは厳密にはカメラ用ではなく照明用である。そのため、色彩照度計とカラーメーターで同じ被写体の色温度を計測するとまったく異なる数値が表示されてしまうことがある。
カラーメーターの有名メーカー
カラーメーターの有名メーカーにはミノルタ、ケンコー、セコニック、ゴッセンなどが挙げられる。これのメーカーの特徴について具体的に見ていこう。
ミノルタ
ミノルタは、カメラや複写機を中心に販売しているメーカーだ。光学機器メーカーのなかでは、コニカの次いで2番目の歴史をもっているが、2003年とそのコニカと合併し、現在はコニカミノルタへと社名を変更している。ミノルタの特徴はスタイリッシュであること、製品の操作性が高いこと、消費電力が少ないこと、品質が非常に優れていることだ。
とくにコピー用品は大手企業のほかにも、中小企業や個人事業主の間でも使われており、その製品は度々グッドデザイン賞を受賞している。しかし、実はミノルタではカラーメーター名義の商品は販売されていない。販売されているのは色彩照度計や色彩色差計、カラーリーダーだ。このなかで、色彩照度計がカラーメーターとして扱われているようである。
そんなミノルタが販売している色彩照度計がCL-200Aである。こちらは過去には供給数量不足にもなったことがある人気商品だ。しかし、メーカー希望小売価格は330,000円(税抜)と非常に高価であるため、中古買取市場ではほとんど出回っていない。
ケンコー
ケンコーは、創業60年以上にもなる老舗の写真用品メーカーだ。とくにレンズフィルターの製造や販売に関しては国内最大手である。コニカミノルタが製造しているカメラのアフターサービスもおこなっており、2011年には光学機器メーカーだったトキナーと合併している。
ケンコーの特徴は、商品の値段が安価であること、ラインナップが非常に豊富であることだ。レンズフィルターのほかにも望遠鏡やルーペ、撮影補助用品なども販売しており、その人気は非常に高い。
そんなケンコーで販売されているのが、KCM-3100である。KCM-3100は、ケンコーで販売されている唯一のカラーメーターで、定常光とフラッシュ光の両方を測定できる商品である。メーカー希望小売価格は170,000円(税抜)だ。
KCM-3100は、カラーメーターとしては非常に人気が高い。また値段が高いこともあって、中古買取市場では100,000円以上の高値で取引されていることもある。そのため、ケンコー製のカラーメーターは高価買取がかなり期待できる商品だと言えよう。
セコニック
セコニックは、東京都に本社を置いている精密機器メーカーだ。写真用の露出計に強く、1951年の創業以来、高いシェアを誇っている。実は中古買取市場で流通しているカラメーターの多くは、このセコニック製である。
セコニックの特徴は、精度が高いこと、省電力で耐久性に優れていること、視認性が高いことだ。とくに無機ELの性能は素晴らしく、世界初の立体成形ELを開発している。最近では看板照明としての需要が高いようだ。
そんなセコニックで販売されているカラーメーターが、スペクトロマスターである。スペクトロマスターは、世界初の単体でフラッシュ光測定を可能にしたC-700、4種の演色評価指数を搭載したC-800、C-700を産業用に特化させたC-7000などがラインアップされている。メーカー希望小売価格は、C-700が170,000円、C-800が180,000円(税抜)、C-7000が250,000円(税抜)である。
しかし、スペクトロマスターは市場への流通量が多いため、査定額があがりにくい傾向にある。実際にカラーメータの買取業者である測定器・計測器買取ドットコムでは、過去にC-700の美品を31,620円で買い取っている。
ゴッセン
ゴッセンは、ドイツに本社を置く露出計メーカーだ。多くのカメラメーカーに自社の露出計を提供しており、カメラマンの間での人気度は極めて高い。
ゴッセンの特徴は、機能性に優れていること、製品の小型化に力を入れていることだ。とくにデジシックスシリーズは、コンパクトな見た目と安価な値段にそぐわないほどの機能性を有している。
そんなゴッセンで販売されているカラーメーターが、カラーマスター3Fである。カラーマスター3Fは、ゴッセンで販売されている唯一のカラーメーターで、定常光とフラッシュ両方の光域を高い精度で測定できるという特徴をもっている。メーカー希望小売価格は168,000円(税抜)だ。
カラーメーターの買取相場
ここではカラーメーターの買取相場について解説していく。カラーメーターを売却する場合の手段としてはヤフオク、メルカリ、買取業者の3つが考えられる。これらの違いについて具体的に確認していこう。
ヤフオク
2019年6月現在、ヤフオクでのカラーメーターの落札件数は直近4ヶ月で507件であった。落札相場は平均で7,971円、最高落札価格は128,000円である。この最高落札価格の商品は、セコニックのスペクトロマスターC-7000であった。
次点で中古未使用品のスペクトロマスターC-700に107,800円という高値がつけられている。この128,000円という額は買取業者でもなかなかつけられない額であるといえよう。ただし、ヤフオクに出品されているカラーメーターの多くは落札価格が10,000円を下回ってしまっている。つまり、最高落札価格に気を取られて出品をすると痛い目を見る可能性がある。
このことからヤフオクは、出品に慣れている人や買取業者で買い取ってもらえない商品を売りたい人が取るべき手段であると捉えるべきだろう。とくに、取引する相手とのトラブルを避けたい方にはあまりおすすめできない方法だ。
メルカリ
メルカリでのカラーメーターの買取件数は累計で82件であった。落札相場は平均で約3,000円、最高買取価格は99,900円である。この最高買取価格の商品はセコニックのスペクトロマスターC-700であった。次点でミノルタのCL-200Aに38,000円という価格がつけられている。
メルカリとヤフオクを比較すると、メルカリの方は販売実績が少なく、また販売価格も大幅に下回っていると言えよう。そのため、カラーメーターを売却する際は、なるべくメルカリを使わないようにしよう。
買取業者
ここでは買取業者のなかでも、カラーメーターの買取に力を注いでいるマップカメラを例にとって解説する。2019年6月現在、マップカメラではカラーメーターの査定価格を公開している。
例えば、ケンコーが販売しているKCM-3100の買取価格は33,000円である。セコニックのスペクトロマスターC-700は49,500円だ。残念ながらミノルタとゴッセンの買取価格は公開していない。しかし、この2商品の買取価格が業者での買取相場だといえる。
ヤフオクでの売却価格と比較すると、どうしても見劣りするように思えるかもしれないが、写真撮影や紹介文の作成などの手間が省けるメリットは大きいだろう。また、相手は買取の専門家であることを考えると取引における安心感も極めて高い。
カラーメーターのおすすめ買取業者
最後に、カラメーターのおすすめ買取業者について解説していく。買取業者を選ぶうえで重要なのは、査定価格を公開していることだ。よってここでは、カラーメーターの査定価格を公開している業者のみピックアップした。これを参考に、高価買取を目指してほしい。
カメラのキタムラ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カメラのキタムラは、日本全国に1,000店舗以上展開している大手買取業者だ。家電を取り扱わないかわりにカメラや携帯電話などを専門的に販売しており、ヒカカク内のレビューでも高い評価が寄せられている。
そんなカメラのキタムラでは、セコニックのスペクトロマスターC-700を47,700円で買い取っている。ケンコーのKCM-3100は、4,500円である。こうしてみるとケンコー製の買取価格はあまりにも低いが、セコニック製の買取価格は買取業者の中でも高水準である。
マップカメラ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
マップカメラは、日本最大級のカメラ通販サイトだ。デジタルカメラから中古レンズまでさまざまなカメラ用品を取り扱っており、その信頼性は高い。日頃からカメラを使う人なら必ずといっていいほど利用したことがあるだろう。
先ほども紹介したとおり、マップカメラではセコニックのスペクトロマスターC-700を49,500円、ケンコーのKCM-3100を33,000円で買い取っている。
カメラのキタムラと比較すると、いずれの製品も高額査定が狙えると言えるだろう。そのため、カラーメーターを買取業者で売却した方は、マップカメラを利用するのがおすすめである。
まとめ
この記事では、カラーメーターの中古買取相場と査定情報について解説した。カラーメーターを売却したい人はヤフオクを利用すると高値での売却が狙える。しかし、ヤフオクは取引でのトラブルなどリスクも高いので注意が必要だ。
リスクを避けたい方は買取業者を利用するのがおすすめだ。そのなかでも、マップカメラならカラーメーターを高値で買い取ってくれるだろう。カラーメーターを売却したい方は、ぜひこの記事の内容を参考に高価売却を目指してほしい。