ジャン・コクトーは20世紀に活躍した画家である。画家としてだけではなく、劇作家、映画監督、評論家、詩人などさまざまな分野で才能を発揮したことでも知られる。当記事ではジャン・コクトー絵画の価値や買取相場などについてまとめてみた。
参考にしていただければ幸いである。
Jean Cocteau smoking / 50 Watts
本記事のポイント
- ジャン・コクトーは、ピカソらと交流を深めた人物
- 線にこだわりがあり、下絵を100枚は描くというエピソードが残っている
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
ジャン・コクトーの略歴と作品の特徴
ジャン・コクトーの絵画は、線を重視したドローイングが多い。前衛的なスタイルでユニークなことから、現代日本においても高い人気がある。
ジャン・コクトーの略歴
ジャン・コクトーはフランスで1889年に生まれた。文学界を志し20歳になった1909年に、詩集『アラジンのランプ』出版。天才詩人と大絶賛され、芸術家らが集うサロンはじめ社交界に出入りするようになる。
その日々においてはココ・シャネル、ピカソらとも交流を深めながら、独自性の高い芸術活動を展開していくことになる。 絵画においてはドローイング、油彩画、パステル画、版画などを残しており、ピカソらと影響し合ったといわれている。ジャン・コクトーは画家としてだけではなく、詩人、作家、映画監督、評論家などさまざまな顔があったことも特筆すべき点だろう。
さまざまな分野で多彩な才能を発揮したことで芸術のデパートとも称されていた。小説では1929年に小説『恐るべき子供たち』がヒット。映画では1945年公開された『美女と野獣』では映画監督をつとめた。同作品は日本でもアニメとしてリメイクされたので知っている方も多いだろう。それらの功績が認められ、1955年にはアカデミーフランセーズ・ベルギー王立アカデミー会員に選出されている。
ジャン・コクトー絵画作品の特徴
ジャン・コクトー作品の特徴は線にこだわりがあることだ。特にドローイングは、一見すると、一筆書きで簡単に仕上げているように見えるシンプルな作品が多い。しかし、1枚のドローイングを完成させるために下絵を100枚は描くというエピソードが残っているほど、時間をかけていた。
ジャン・コクトーが描く線は有機的で、生気が宿っているようだとも評された。紙にペンやパステルを使ってユーモアに溢れる作風が中心で、そのアヴァンギャルドなスタイルは日本の作家にも大きな影響を与えた。
ジャン・コクトー作品の価値と買取相場
ジャン・コクトーはさまざまな分野で功績を残したが、絵画作品においても高く評価されている作家だ。例えば2009年、パリのオテル・ドゥルオーで、1952年制作のジャン・コクトーの自画像がオークションに出品された。この作品は3万5,000ユーロ(日本円で約455万円)で落札されている。そのほか、「ペレアスとメリザンド」42万円(ザ・コノサーズ)での落札や、「Pelleas et Melisande」25万円開始で入札なし(アンシャンテ)、「Details」が11.5万円での落札(SBIオークション)といったように、数十万円での取引事例が多い。保存状態がよく、作り込まれた作品の方が高い価格がつく傾向にある。
ジャン・コクトーに関する美術作品にはリトグラフなど版画もあるが数万円が買取相場になっている。なお、リトグラフとは、水と油の反発作用を応用した版画の技法である。
美術品の買取業者に売却する方法と注意点
絵画作品の値段をつけることは難しい。時代によって作家の人気も変動するし、希少性の有無も変わってくるからだ。その点を考えたとき、美術品の専門業者に買取を依頼するのが確実な方法だ。
買取業者にも色々あるが、絵画を主に扱っている画廊や骨董品店など専門の鑑定士が在籍している店舗を選ぶのが望ましい。買取業者に買取を依頼するとき、出張買取、宅配買取、店頭買取の中から買取方法を選べるようになっていることが多い。ここではそれぞれの買取方法の流れと注意点について説明してみたいと思う。
出張買取の流れと注意点
美術品の買取を買取業者に依頼するとき、出張買取と呼ばれる方法で買取をお願いできることが多い。出張買取は買取業者のスタッフが自宅や会社に来て、美術品をその場で鑑定してくれるというスタイルの買取方法である。美術品が相当大きい場合、美術品が梱包しにくい場合、あるいは大量にある場合などにも便利だ。
また、何より美術品が持ち運びしなくてよいことから破損してしまうリスクを回避できるのもありがたい。まずは電話やインターネット上のWEBフォームで買取業者に連絡をおこなうことからはじめるとよいだろう。そこでは作家名や作品の大きさ、作品の表現方法などを伝えると、仮査定額を教えてもらえる。その仮査定額を元に出張に来てもらうかを判断する。日時を合わせたら買取業者のスタッフが車で自宅または会社に来てその場で作品を手に取って鑑定してくれ、最終的な査定額はその場で伝えられる。
その額に納得すれば取引が成立ということで、売却しその代金を受け取るというのが簡単な流れである。なお、査定してもらうときには身分証が必要であり、取引成立後は印鑑も必要となることがあるため準備しておこう。
なお、査定時には鑑定書など付属品も用意しておきたい。買取業者によっては付属品の有無によっても査定額が大きく変わってくるからだ。
最終的な査定額を聞いてその金額で納得できないという場合はキャンセルするのも自由だ。注意点としては、出張買取はあらゆる買取業者が対応しているとは限らないことだ。例えば、ある神奈川県にあるとある買取業者の場合、首都圏及びその近郊エリアという風に出張買取の対応エリアが限定されている。だからもし出張買取を検討している場合は、居住地域が出張買取に対応しているのかどうかを調べ、買取業者を絞り込んでおく必要がある。
また、出張買取は利用者との間でトラブルが多い買取方法でもある。売るはずのなかったものまで買い取りたいと言われて根負けして売ってしまったり、「この程度の買取では困る」と、出張費の負担を言い出し、仕方なくいくつか売ってしまうといった悩みは、口コミでも散見される。出張買取を任せても良い買取業社か、あらかじめ吟味する必要があるだろう。
宅配買取の流れと注意点
美術品の買取業者に買取をしてもらう方法の2つ目は、宅配買取である。宅配買取は美術品を買取業者に郵送しておこなう買取方法のことである。美術品が買取業者に到着したら鑑定士が査定にあたり、査定額を電話かメールで通知してくれる。
その金額に納得いけば取引成立ということで査定額が指定の銀行口座に振り込まれる。宅配買取を依頼する場合、注意すべき点が2点ある。ひとつ目は、美術作品の破損に気を付けるべきということだ。美術品は紙や木でできたデリケートなものであるため、何かと振動や圧迫に弱い。
高価な美術品であっても運送時に壊れてしまえばその値打ちも大幅に下がってしまうことは言うまでもない。だから、壊れないようにダンボールに緩衝素材などを使って丁寧に梱包するようにしたい。買取業社によっては、梱包に必要な素材一式を宅配キットという形で無料で準備してくれる買取業者も中にもあるため、確認してみるとよいかもしれない。
注意点の2つ目は送料の問題である。発送時の送料は基本的には買取業者が負担してくれる。しかし、仮にキャンセルした場合、返送料は買取業者は負担してくれないケースも少なくない。
美術品の場合、通常の商品と違って、保険などの問題もあって割高になる。だからその点、事前に買取業者に確認しておくのがよいだろう。
店頭買取の流れと注意点
美術品を買取業者に買い取ってもらうための手段の一つとして店頭買取という手段もある。こちらは買取業者の店舗に直接、美術品を持ち込む方法だ。その場で鑑定士が査定をして現金化できるため、非常にスピード感のある買取方法だと言えるだろう。
店頭買取についても宅配買取と同じく、自宅から美術品を持ち運ぶ道中で破損しないようくれぐれも細心の注意を払っておきたいところである。また、近くに高額で買い取ってくれる買取業社がいない可能性もある。
LINE査定に対応している買取業社
ジャン・コクトーの美術作品は前衛芸術としての評価も高く、積極的に買取をおこなっている業者も多い。以下、海外作家の作品買取もおこなっている買取業者の一例を紹介しておこう。
総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
LINE査定はもちろん、さまざまな買取方法で日本全国対応している総合美術買取センター。クーリングオフ制度にも対応している。営業拠点は東京に1点集中させ運営コストを抑えることで高価買取を実現。現代版画家の河内成幸も当然ながら高価買取が期待される。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取協会は絵画、骨董品など美術品を広範に取り扱っている業者だ。買取方法には店頭買取、出張買取、宅配買取の3種類がある。出張買取については、本社のある名古屋近郊エリアおよび東京や大阪近郊エリアに対応していて、それ以外の地域は応相談。
出張買取に対応している買取業社
ギャラリーホープ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ギャラリーホープは有名作家から知名度の低い作家まで広範に美術作品を取り扱っている美術専門の買取業者である。店頭買取、出張買取、宅配買取に対応。出張買取は基本的には全国対応している。
翠波画廊
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
翠波画廊は銀座に画廊を構えている。美術品に詳しいスタッフが鑑定にあたり、海外鑑定家とも連携しているのが特徴だ。店頭買取、宅配買取のほか出張買取は関東近郊エリアに対応。ジャン・コクトーについてはデッサンやリトグラフなどの買取実績がある。
査定額アップのためのポイント
美術品を買取業者に買い取ってもらう場合、まずは査定をしてもらうことになる。その査定額が高ければそれに越したことがないだろう。ここでは査定額を少しでもアップするためのポイントについて述べてみたいと思う。
付属品をそろえて査定に出す
美術品を鑑定するとき、鑑定士はさまざまな要素から査定額を導き出す。その要素のひとつは、鑑定書など付属品の有無である。特に高額な美術作品の場合、作品の真偽を確かめるためにも付属品は重要な資料となる。だから美術作品を査定に出す場合、付属品も一式そろえた状態で査定してもらうのがよいだろう。
適した環境で作品を保管する
美術品は 紙や木材などの素材でできている大変デリケートなものである。だから家に作品を飾る場合でもその保管方法には細心の注意を払っておきたい。まず湿気のある場所は厳禁だ。水分があれば紙にカビが生えてしまって作品そのものの価値が大きく損なわれてしまう可能性があるからだ。かといって、乾燥しすぎていてもヒビ割れなどの危険がある。50〜60%くらいの環境で保管しよう。また、直射日光が当たる場所や極度に乾燥しているという場所も展示場所としてはふさわしくない。 直射日光は紙を劣化させてしまうし乾燥した場所は木材を変質させてしまう恐れがあるからだ。
掃除をしておく
絵画作品など美術作品の場合、長年に渡って保管していたという人も多いだろう。すると、どうしてもほこりが積もってしまったり、汚れがついてしまったというケースもあるかもしれない。 そういったほこりや汚れについては、やわらかい布などを使ってできる範囲で取り除いておく方が鑑定士の印象も良くなるだろう。ただ、くれぐれも作品の表面を傷つけないように注意して、無理のない掃除をすることが肝心である。
美術作品の情報はできるだけ多く
買取業者の鑑定士は美術作品のさまざまな情報をもとに査定額を決定する。つまり、情報は多ければ多いほど鑑定の精度が高まるうえ、不安材料が減ることで査定額のアップにも繋がりやすいというわけだ。 どのような手法で表現された作品なのか、大きさはどれぐらいなのか、 鑑定書など付属品はどれだけそろっているかなど、美術品にまつわる情報を事前に伝えておくのがよいということだ。
また絵画の場合は、作家のサインがあるかどうか調べたい。版画の場合はエディションナンバーと呼ばれる、刷った枚数を示す番号があるかどうかも査定額に大きく影響する。買取業者によっては仮査定の段階でWebフォームに作品の写真を添付できるようになっているため、上記したようなことを踏まえて情報を的確に伝えると良いだろう。
2か所以上の買取業者に査定してもらう
買取業者に査定をしてもらうとき、その査定額は買取業者によって違いが生じる。それは業者によって査定の基準も違うし評価のポイントも違っていたりするからである。とりわけ絵画作品の場合、時代によって作家の人気の度合いも変わるため、査定額には差が生まれやすい。
だから 査定してもらう買取業者は1社に絞るのではなく、2社以上の候補を考えておくことを推奨したい。可能であれば、5社くらいに見積もると相場が見えやすいだろう。そして一番高い査定額を提示してくれた買取業者に売却したい。
オークションで売却する方法
美術作品の売却は、買取業者に買取依頼をするというのがもっともお手軽な方法だ。一方でオークションに出品するという手段も考えられる。ここでは公開オークションと個人で出品するネットオークションについて簡単に述べておきたい。
美術品の公開オークションに出す場合
巨匠の作品をはじめ、美術作品は美術品専門の公開オークションでも定期的に売買されている。シンワアートオークションなどはそうだが、個人が委託する形で美術作品をオークションに出品もできる。オークションには美術のコレクターや専門業者たちが競り合い、一番高い値段をつけた人が落札者となる。
もちろん入札がなければ売ることはできないが、競合が起きたとき、驚くほど高い値段で落札されることもある。落札されたら、落札額から委託手数料と諸経費が差し引いた金額を受け取ることができる。
ネットオークションを活用して売る
美術品はインターネットを活用すれば個人でも売買ができる。例えばネットオークションの代表格であるヤフーオークションに出品するのも一案だ。ジャン・コクトーは「芸術のデパート」と称されているが、さまざまな芸術分野で作品を残している。
実際のところ、ヤフーオークションにはジャン・コクトーのリトグラフ、音楽ジャケット、挿絵本、童話、詩集、皿などが日々出品され取引されている。例えば1956年に製作されたジャン・コクトー作品のリトグラフは4万1000円で落札された。ネットオークションは梱包したり落札者とやりとりしたりといろいろ手間がかかるが、意外と高く売れることもある。パソコンやスマホの操作が得意な人なら取り組んでみてもよいかもしれない。
まとめ
ジャン・ コクトーは、画家、評論家、映画監督、詩人、劇作家ほかさまざまな分野で活躍し多くの作品を世に残した。絵画においてはドローイングをはじめ日本でも人気が高く積極的に買取をおこなっている買取業者も多くある。まずは問い合わせをしてみることから始めたい。