ルイヴィトン製品の名称として選ばれている地名には、イタリア・フランスのものが多い。しかし、ニューヨークやロンドンといった英語圏の地名にちなんでいるものも少なくない。ウェストミンスターもその1つであり、イギリスの地名が用いられている。すでに廃盤となったものの気品あふれるショルダーバッグとして人気だ。今回は、ウェストミンスターの買取相場・査定情報についてご紹介する。
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ルイヴィトン ウェストミンスターとは?
ウェストミンスターという言葉から察するにイギリスの女性をターゲットにしたのではないかと思われるが、実際どのような意図があってその名称をつけたのかは定かではない。はっきりと言えるのは、非常に使い勝手のよいショルダーバッグであり、カジュアルな取り回しが魅力のオールラウンダーであるということだ。
ウェストミンスターは観光スポット
ロンドンやイギリスが好きな人ならご存じだろうが、ウェストミンスターはロンドンの一地区である。古くはイギリスの政治的中心として機能しており、ウェストミンスター宮殿・バッキンガム宮殿といった建造物が立ち並ぶ。寺院・大聖堂といった宗教的シンボルもあり、現代ではロンドン有数の観光スポットとして人気がある。
議会・政治を意味する言葉として使用されることもあり、日本で言えば霞が関・永田町に相当するものと考えてよいだろう。このように説明すると、どちらかというと政治家たちが集まる場所なのかと誤解されがちだが公営住宅もあれば労働者階級が集まる区域もある。公的なものが存在しつつも、その空気感はカジュアルなのだ。
ショルダーバッグとしての機能満載
ウェストミンスターは決して奇抜ではない。あくまでもスタンダードの延長として製作されたショルダーバッグという印象だ。ルイヴィトンの個性を象徴する上質なレザープルやフェミニンな雰囲気をアピールするフロントのプリーツが目に留まる。ダブルファスナー開閉式で、スライダーを中央で止めるとリボンのようにも見える。
ショルダーストラップはついていないものの、ハンドルをそのまま肩にかけられるだけの余裕が十分にあるため、ショルダーバッグとして十分機能する。ウェストミンスターのラインは一種類でダミエのみ。
シックなデザインに可愛らしさを備えており、嫌味はなくカジュアルにどこでも使える。査定時におけるメリットとしては、奇をてらったラインでないことから、廃盤になっても価格が落ちにくい点が挙げられる。もともと定価が高めだったこともあって中古市場でもそこまで極端な値崩れは起きていないものと思われる。
サイズはPMとGMの2種類
ウェストミンスターのサイズはPM・GMの2種類で、間にあたるMMはない。それぞれで大きさの違いが目立つため、そのあたりが売値・買取価格に反映される。中古市場を見る限りは、GMの方が高値をつけやすいものの最終的には状態によりけりだ。
PM
PMは横34cm・高さ24cm・奥行15cmとなっていて、内ポケットは2つ。普段のお出かけに持ち歩くには丁度いい。どちらかというとデートやランチなどに向いているかもしれない。
GM
これに対してGMは横44cm・高さ27cm・奥行19cmと横幅がかなり広くなっている。A4サイズのファイルも収納可能となっており、ビジネスでも利用可能。こちらも内ポケットが2つ付いているため、中身を仕分けられて便利だ。
間の大きさがないため、持ち主目線で考えると選ぶ際に迷いそうだが、GMはプライベートで持ち歩くにしてもそこまで難儀する大きさではないため、GMが評価される(値段が高くつく)傾向にあると言えるかもしれない。
ウェストミンスターの買取相場
ウェストミンスターの基本的な情報が分かったところで、今度は買取相場について触れていこう。PM・GMともに参考定価に比べると安くなる傾向にあるもののバッグとしては決して安くはない。状態に応じて高値をつけることは十分可能だ。
PMとGMによって買取価格に差が生じる
ウェストミンスターには、中くらいのサイズがない。よって、ユーザーは大きいものと小さいもののどちらを選ぶのかにつき、普段の生活の範囲から検討しなければならない。ただ、日本人の体形や生活様式をかんがみ、ビジネスも含めて想定するとおそらくGMを求める女性が比較的多いのではないかと推察される。
結論から言えばPMの方が相対的に買取価格が安くなっているし、売値も安い。PMの参考定価を160,000円程度としたとき、新品同様では85,000円程度。およそ50~55%といった値段が相場だ。中古良品・中古品のランクになってくると状態に応じて30,000円~70,000円台がスタンダードに近い。もちろん、難ありならそれ以下だろう。
GMはPMより10,000円ほど高い
ウェストミンスターは、中古市場においてPMよりもGMを高く評価している。大は小を兼ねるとよく言われるが、日本人のニーズに合致しているのがGMのサイズ感なのだろう。GMの参考定価を170,000円程度としたとき、新品同様であれば95,000円近い値がつく。中古良品・中古品なら35,000円~80,000円台が相場だ。
PMと比較すると、およそ10,000円程度の差が生じている。実際に中古市場に出回っている品を見る限り、状態の悪いものが出品されている例は少ないものの、使用感に応じて価値も下がるのはPM・GMどちらも同じである。ただ、同程度ならGMに値がつく傾向がある点は否めないだろう。
ウェストミンスターは廃盤
ウェストミンスターは廃盤品のため、新品同様として評価されることはあっても、残念ながら未使用品=新品という扱いにはならない。買取店側は、状態だけでなく年式でも品物の価値を判断しているため、あまりに年式が古いものは評価されない。お店によって条件は違うが、新品状態かどうかを判断する基準としては、おおむね以下のようなものがある。
- ・正規店で販売されている商品を購入したこと
- ・製造年月日が1年以内(あるいは6~10ヶ月以内)
- ・使用されている形跡がなく、傷やヤケ、型崩れのような目に見えた劣化が確認できないこと
- ・保存袋や箱のような付属品を備え、購入当初の状態が維持できていること
多くのお店では上記の条件を全て満たすことで、ようやく新品と認められる。ウェストミンスターにとって致命的なのは製造年月日で、廃盤となって年数が経過していることから新品としての評価は望めない。
そのため、定価に近い金額で買い取られる可能性は、1度も使用していなくても0に近いものと考えてよいだろう。ちなみに新品として評価されないとしても、保存袋などは価値を高める要因にはなるので用意できるなら用意しておこう。
ウェストミンスターの査定基準とは
買取相場の説明についてある程度お伝えしたが、続いてはウェストミンスターの査定基準・査定における注意点などをご紹介する。買取相場の段で多少述べたが、製造年月日は評価につながらないため、ほぼ見た目や機能に関する部分にフォーカスされるだろう。
また、ラインも限定品があるわけではなく、しいて言えばサイズが値段を決める要素につながる。少しでも高い価格で買い取ってもらうためには基本が重要になりそうだ。
バッグの使用頻度に応じてランクが決まる
ウェストミンスターは、新品として評価されることはない。つまり、状態に応じて価格がつけられ、使用頻度に応じてランクが決まるものと考えておいた方が確実だ。ランク付けを状態に応じておこなうならば、新品同様→中古良品→中古品→難ありといった順番が妥当だろう。
新品同様
そして、使っている頻度が低ければ低いほど、より高い評価につながりやすくなる。新品同様はその名の通り、製造年月日こそ新品の基準を満たしていないが、その他は全て新品と同じ状態のものを指す。要するに買ってからほとんど使用していないバッグが該当する。
中古良品
中古良品は、持ち主が過去に存在していたことが分かるくらいの状態ではある。傷がわずかに見つかったり、取っ手部分などに色ヤケを発見したりなど、普段使用していればおそらく見つかるマイナス点だ。使用したことが分かっても、その形跡がわずかなものならば中古良品として評価される可能性は十分あるだろう。
中古
中古品は、使用にこそ支障ないものの型崩れや汚れ・大きな傷などが目立つと、そのように判定される傾向がある。ただ、目立つのが汚れだけなら、クリーニングすることで状態が改善する可能性はあるから、必要に応じてケアすることをおすすめする。問題は金具で、1度傷がついたらパーツを取り換えない限り修復がきかない。
難あり
ウェストミンスターにはファスナーがついているため、傷はともかく開閉に問題がある場合は、難ありとして評価される。1つの指針として、自分でどうにかなるレベルのマイナス点なら、そこまで深刻に考える必要はない。業者に修理を依頼しなければならないレベルのマイナス点は、評価に大きく響くことを覚悟しておいた方がショックは少ないだろう。
どこまでケアできるかが問題
現状、ウェストミンスターを使っているものの使用頻度が落ちてきたので売却を検討しているという人は、売ると決めたその時点から使用を控えるべきだ。なぜなら、型崩れや傷は、人間の身体と違って修復することはないからだ。業者に依頼すれば、当然リペアが可能な部分はあるだろうし、ハンドルなどは取り換えてしまえば新品同様だ。
しかし、自然に傷が癒えることはなく、傷や四隅のスレとは持ち続ける限り付き合っていかなければならない。新品の状態から使い始めるのであれば、保管状況や荷物の入れ方など、いろいろ気を遣える部分はあるだろう。ただ、型崩れや傷を気にしながらバッグを使うのは誰にとっても難しい。
自分がつけてしまった傷については、リペアによって価値を高めようとするよりも、これ以上価値を下げないよう利用頻度を下げる・保管するなどの対策が大切だ。
バッグの中のケアも大切に
バッグを売る際には、どうしても多くの人が外側だけにチェックを入れるものである。しかし、査定する側はバッグの内部にも目を光らせている。エンブレムの傷もそうだし、ポケット近くの汚れもそうだ。
また、意外と多くの人が気にしない要素として臭いがある。バッグは、自分が思っている以上に臭いを内部に溜め込みやすい。特に自分にとって好きな匂いのはずの香水も査定する側にとってはマイナスポイントとなる。
長い間保管している場合であれば、押し入れや収納棚の独特の臭いがつきやすい。厳しい言い方をすれば、いわゆるおばあちゃん家のタンスの臭いがついたバッグなど、誰も欲しいと思わないだろう。
消臭方法は人によりけりだが、一番経済的なのは重曹である。ホームセンターなどで売っている重曹を布袋に入れて、バッグの中に入れるだけでも臭いは軽減される。重曹をスプレーした布で革を拭くだけでも、ある程度の効果は見込めるので時間のあるときにでも試してみて欲しい。
高値で売却するためにできること
ここまでウェストミンスターにおける買取相場や査定情報につき、本体に関する情報を中心にまとめてきた。その上で、より高値でバッグを売るためにはどうすればよいか、いくつかの方法をご紹介する。買取業者対策としては、1つの業者にべったりせず、可能性のある店には1度必ず見せること。
要するに相見積もりを取ることが有効だ。業者の相場がある程度見えてきて、その金額に満足できなかったら、次は個人に売ることを考えてみよう。必ずしも業者の相場を超えるわけではないし、販売するにもテクニックが必要だが、場合によっては高額買取を実現することも不可能ではない。
バッグはできるだけ多くの業者に見せること
相見積もりを取る際の注意点としては、身近な地元の業者だけで終わらせないことだ。ネットを介して自分のバッグの情報を伝えることは決して難しいことではない。LINEを使っている人なら、LINEで写真を添付して査定を依頼することもできる。
モノを実際に段ボールにまとめて送って査定を依頼することもできる。地方と都市部では、ニーズの違い・査定実績の差がある。そもそもお店自体が少ない可能性もあり、十分な査定がおこなわれるかどうかは素人には不透明だ。
そのため、数をあたって平均を出す必要がある。業者に自分のバッグを見てもらう場合、身近な業者だけで完結するよりも、より取引が活発な地域・業者の目を通すことも大切だ。商品を紹介する際は、極力多くの人に査定してもらうことをおすすめする。
メルカリは出品数が少なく、高値での売却も
メルカリでウェストミンスターの出品をチェックしてみると全体的に数は少ないという印象だ。ただしSOLDの額をチェックする限り、金額は決して安くなく、むしろ新品同様レベルでの買取額も見られた。SOLD基準で考えるとおよそ60,000円~85,000円で取引されており、相場では新品同様とほぼ同じ金額で成約となったケースも見られる。
状態によって差が生じるのは否めないものの決して悪い条件ではない。確認できる範囲でもっとも高い85,000円という金額の詳細をチェックすると元の使用者は5回ほど使用したとのこと。袋については別料金でつけるとのメッセージがあり、これが相場を想定したものかどうかは定かではない。
実際に自分が出品する際に参考とすべきかどうかは意見が分かれるものの保存袋自体は一定の評価につながることが分かる。テクニックとしては、終了まで期限を設けていることが挙げられるだろう。個人取引では出品者の立場も比較的強いため、時間制限はある程度有効に働くのかもしれない。
ヤフオク!では即決が強い傾向に
ヤフオクにおけるウェストミンスターの落札相場をチェックしたところ、113,000円での落札が見られた。開始時点で113,000円だったため、1円スタートではなく即決価格を設けていたものと思われる。他のルイヴィトン製品にも見られる傾向だが、1円スタートだとそこまで値がつり上がらないようだ。
1円スタートからの最大値が72,000円ほどで、高額落札ほど即決価格が多い。買取業者がつけた値段には満足できないものの、自分ではどのくらいの値がつくのか分からないという人以外は、思い切って自分の希望額を即決価格に設定してみるのも一手だろう。もちろん、相場観から大きく外れるような金額はつけないように。
まとめ
ルイヴィトンのウェストミンスターは2種類のサイズがあって値段も若干違う。ラインはダミエのみで、ラインに関して言えば経年に伴い価値が下がるリスクは少ない。自分が持っているサイズで10,000円前後の差はあれど基本的に査定基準は大きく変わらない。基本に忠実に取り扱い・ケアをおこなっていれば、そこまでショックの大きい価格で買い取られることはないだろう。
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