幼い頃から使ってきたグランドピアノが、今では年月が立って埃をかぶったままになっている家は多い。もちろん、そのまま思い出の品として置いておくのも良いが、やはりかなり場所を取るものなので処分したいと考える人も少なくないだろう。
しかし、中には売れるものも多くあり、そのようなものまで処分してしまうのは勿体無い。そこで、当コラムではグランドピアノの査定基準や売り方について解説していきたい。
Palazzo Seneca / andryn2006
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中古グランドピアノが売れる理由
近年において国内の中古ピアノ市場などは決して活況ではない。それではなぜピアノ買取の宣伝がなされていたり、売れるのか疑問に思うこともあるだろう。
日本国内で買い取られた中古ピアノは調整や見た目のリフレッシュを経たのちに海外へ売られていくことが多い。というのも、海外に目を向けてみれば、欧米やアジアなど各国に旺盛な需要があるのである。
そのため、中古であってもリフレッシュして状態のいいものであれば、新品で買うよりも安く、十分使えるためそれなりの値がつく。もちろん、国内でもいい状態で有名メーカーのものは当然需要がある。
このような需要があるため、国内では買取が盛んに行われているというわけだ。
処分費用
処分費用は捨てるピアノの種類と処分の依頼先によって異なるが、グランドピアノは不用品業者に出した場合40000〜50000円程度かかってしまう(自治体の処分は対象外)。高額な処分費用のため、買取に出した方がいいと言える。
また、ネットオークションや地元の人同士で不用品を受け渡せるアプリを利用すれば無料で引き取りもしてもらえる。自分でピアノを運送、または郵送をするので処分業者に依頼する費用が不要になる。
- ネットオークションサイト:ヤフオク、メルカリ
- 近所の人に不用品を譲れるアプリ:ジモティ
気になる査定基準
まずグランドピアノの査定基準だが、ほとんどがモデルと製造年などで決まると言っても過言ではない。
というのも、調律などは買い取って運んだ後に必ず行われる上に、生活キズと呼ばれる小傷なども表面の再加工なしで売ることはないため、業者としては特に気にしていないと思っていい。
そして、そのモデルと基準だが、大別すると4カテゴリになる。
- ・ヤマハ・カワイの新しいモデル
- ・ヤマハ・カワイの古めのモデル
- ・2代メーカー以外の新しいモデル
- ・2代メーカー以外の古めのモデル
これらは基本的には上から順に価値が下がってくるが、買取業者によって売り先がそれぞれ異なる。そして、売り先によって売れ筋も違うためそれを見極めずに売ってしまうと、本来売れる最高値がつかずに損をしてしまう結果となるだろう。
そのため、売りたいグランドピアノがどこに属していて、それらを得意としているのはどの業者かという事を見極める必要がある。そこに関しては一括見積もりで各社から見積もりが取れるサイトが複数あるので、そこで比較して最も高く売れるところを選ぶといいだろう。
減額になる原因
先述のようにグランドピアノの査定では状態はあまり重視されない。しかし、特に査定から減額される原因となるものをあげるとすれば、ピアノの裏側がネズミや害虫によって傷になっていたり、湿気や雨漏りなどで水没と思わしき痕跡が見られる場合などがある。
このような激しい破損や使用不能なほどの不調があれば別だが、そうでない小傷程度や少々の汚れは気にすることはないということだ。
とはいえ、査定する相手も人間なので、あまりに汚らしい状態だと印象は決して良くない。そのため、事前にある程度綺麗にしておくことは当然やっておくほうがいいだろう。
悪質な業者などに注意
前述のように、グランドピアノの細かな状態はそれほど重視されない事は重ねて説明したとおりだ。
しかし中には、調律不足や小傷を理由に価格をつけなかったり、逆に引取料をとっていく場合がある。もちろんひどい汚損や保存状態があまりに悪いなどであれば、そのようなケースも致し方ないが、売り手の知識不足につけこんで、値がつくにも関わらず格安か料金を取って引き取ろうとする業者が存在する。その点には非常に気をつけたい。
参考買取相場
あくまで参考だがおおよその買取相場をピックアップしてみる。是非参考にして欲しい。
ヤマハ・カワイの新しいモデル
- YAMAHA C2 ¥530000
- KAWAII RX7A ¥600000
型番やモデルなどによって違いはあるがおよそ平均して20万~60万の間ぐらいが相場になっている。
ヤマハ・カワイの古めのモデル
- YAMAHA G1B ¥300000
- KAWAI KG1E ¥180000
こちらもモデルによって相違があるが5万~30万程度が相場になる。
それ以外のメーカーについては千差万別のため割愛するが、おおよそ上記の半額かそれ以下程度の相場になることが多いだろう。
年式別
- 10年前 50万円 〜 60万円
- 20年前 30万円 〜 40万円
- 30年前 20万円 〜 30万円
- 40年前 5万円 〜 15万円
買取前の準備
買取を行う前に、必要な情報をメモなどに書き留めておくと査定をスムーズに進めることができるだろう。よく聞かれる情報は「ブランド名・機種名・製造番号・ペダルの歩数・ピアノの設置状況」。
調べ方がわからない場合は電話で買取業者に尋ねると丁寧に教えてくれる。電話やインターネットで買取業者の査定を無料で受けることができる。
高額買取が狙えるコツ
以下のコツを使えば高く査定してもらえる可能性が上がる。
査定前に、ピアノをなるべく綺麗にしておく
査定時に印象が変わり高く買い取ってもらう可能性が上がるので、なるべく掃除、お手入れをしておくことがオススメである。
鍵盤のお手入れ
ピアノの鍵盤の掃除であれば、柔らかい布やクロスで指紋などをまずふき取るようにしよう。しかし、鍵盤は人によっては汚い手で触れていたなどの理由でこびりついた汚れがある人もいるだろう。そういった場合は水や石鹸水を布に染み込ませ、硬く絞った柔らかい布で拭くと取れることも多いだろう。この時布を硬く絞ることを忘れないようにしよう。また、濡れた布で吹いた後は乾いた布で乾拭きすることも忘れないようにして欲しい。
しかし、ここで注意して欲しい点が、水や石鹸水以外の市販の洗剤やアルコール、ベンジンは使用しないようにして欲しい点である。ピアノにしようできない薬品を使うことでピアノの鍵盤のひび割れにつながってしまう。ひび割れしてしまえば、せっかく良かれと思って掃除したのにもかかわらずマイナス査定となってしまう。そういった事態にならないように、もし薬品を使いたいのであれば、必ずピアノ専用のものなどを使用し、案内に従って掃除するようにしよう。
塗装面のお手入れ
また、塗装面のお手入れでは、長年使っていないことで被ってしまったホコリをふき取ることになるだろう。この際、乾いた柔らかい布やピアノ用の羽毛で優しくふき取るようにして欲しい。布を使用する際は、鍵盤で使用した布とは違う布を使用するのが望ましいだろう。また、優しくふき取ることがポイントである。ここで、しっかり綺麗にしようとゴシゴシと力を入れて拭いてしまう人もいるかと思う。ゴシゴシと拭いてしまうと、もし布に小さいゴミが挟まっていた場合、力を入れることでピアノに傷をつけてしまう可能性がある。損になってしまうため優しく引き取るようにしよう。
もし塗装面のホコリ取りのみでなく、鏡面艶出し塗装のピアノで艶を出したい場合はユニコンで丁寧に拭くと良いだろう。鏡面艶出し塗装でない場合は、ユニコンは使用できないため、柔らかい布でなるべく綺麗にしよう。
ホコリもなく、艶のある綺麗な見た目のピアノであれば、印象も良くなり高額査定につながるだろう。是非綺麗にして印象を良くするようにしよう。
付属品を保管する
ピアノには様々な付属品が付いている。中にはそれがないとピアノを演奏することができない。特に最低限必要となるのがピアノ用の椅子である。必ず一緒に査定に出すようにしよう。さらに、トップカバー、鍵盤の上に載せる布があると、買取側も気持ち良く譲り受けることができる。高額買取に結びつくとは限らないが査定時の印象も良くなる。
また、ここで忘れがちとなるのがピアノ購入時についていた説明書と保証書である。これらも付属品であり、意外と重要であるため、もしどこに保管していたか忘れたという場合はできる限り探し出して一緒に査定に出すようにしよう。
調律の影響
メンテナンスや調律を長期間行ってない場合は査定に影響することもある。ピアノは本来定期的に調律を行う必要のある楽器である。弾いていないとしても後からメンテナンスが大変にならないように、1年に一回は調律するようにし、長持ちさせる工夫をしていると減額を防ぐことができるだろう。
傷や割れ
日常生活で起こりうる傷なら査定額に影響することはあまりないが、外板が割れていたり、水没によるサビつき、というような大きな破損がある場合は、査定額に響く可能性がある。
また、リビングにあった場合などは温度や湿度の管理がされていなく、良い状態でない可能性もある。タバコなどは本来近くで吸わないようにして欲しい。
多くの買取業者に査定をしてもらう
多くの買取業者に査定をしてもらうことは高額買取の秘訣の中でかなり重要なポイントである。以上で述べたように、買取業者はそれぞれ需要が異なるため、それぞれ買い取りたいブランドが異なる。そのため、査定の際は価格に差が出てしまう。多くの企業に査定の依頼をし、最も高い査定額を出した業者に決めることがオススメである。
いくつもの買取業者に査定を依頼するのは面倒だが、必要な情報があらかじめメモしてあれば、インターネットでフォームを記入するタイプの査定はすぐにできる。
また、もし複数の業者を探すことも依頼することも面倒で、時間もないという場合はピアノの無料一括査定サービスを使えば効率的に多くの買取業者の査定額を一発でわかることができる。しかし、デメリットとしては複数の業者に依頼しているため、電話やメールで営業をされてしまう点が挙げられる。これはほとんどの無料一括査定サイトでは仕方のないことだが、サイトによっては連絡方法を選ぶことができるため、そこでメールのみにすれば日中うるさく電話がかかってくることは避けられるだろう。
無料一括査定サービスであれば、引越し侍がおすすめだ。引っ越し侍のピアノ一括査定サービスは最高額を見つけることができ、入力がとても簡単になっていて無料で利用することができる。
人気買取業者ランキング
ここで人気の買取業者を紹介していこう。複数の業者に査定依頼をする際に参考にして欲しい。
島村楽器
全国展開を行っている総合楽器店。ピアノ買取の専用サイト「ピアノコンシェルジュ」があり、鍵盤楽器公正取引協議会の会員で安全に取引ができる。無料査定はメールまたは電話で行うことができる。買取実績多数のため、現金化までスムーズに行える。また、満足度やスタッフ対応の評判が高い。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
三木楽器
大阪を拠点とする楽器通販。ピアノ買取専用ウェブサイトがあり、ピアノの買取対象は全国となっている。大阪に住んでいなくても買取が可能である。無料査定はメールまたは電話で行うことができる。ウェブサイトでピアノ工房でのピアノ再生の様子を公開していて、安心して取引を行うことができる。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ピアノリサイクルシステム
神奈川県横浜市を拠点とするピアノ買取専門店。無料査定はインターネットフォームで簡単に行うことができ、急ぎで電話での査定も対応している。『安心の責任買取』を一番にピアノ買取を行っていて、買取の流れなどをウェブサイトで公開している。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
買取秋田.com
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
売り時はあるか
基本的には年間を通して、あまり買取金額がそこまで動く商品ではないため、これといった売り時はない。
しいて言えば、国内向けに再販売するところに売る際には、在庫が不足気味の業者は少々高く買取る可能性がある。特にその可能性が高くなるのは、日本では一番は新生活や新入学などの春だろう。そのため、それ以前の12月~2月までは業者によって買取価格が上がる可能性があるので注意深く見てみるのもいいだろう。
まとめ
このようにグランドピアノは適切な業者に買取を依頼することで、処分費用がかかるどころかそれなりの資産になることが多い。自身のピアノに合わせて最適な業者を選んで査定してみるのがいいだろう。