買取を考える上で、お宝のような価値が期待されるものと言えば、骨董品や絵画、古い書物などをイメージするだろう。実際に、有名な作家が描いた絵画、歴史的な書物、古い骨董などには、驚くようなお宝的な価値がつくこともある。ただし、このようなお宝的な価値を持つ美術品や骨董品、また絵画などの買取は難しく、騙されることだって少くない。
そこで、本コラムでは、近年その価値が高騰し続けている「中国美術」にテーマを絞って、中国美術の買取事情について紹介していこう。

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中国美術とはどんなものなのか
本コラムでは、中国美術の買取相場や査定情報など、買取において重要なポイントを紹介していく。だが、その前に中国美術がどのようなもので、どのような価値があるのか、基本的な知識を紹介していこう。特に、骨董品や美術品の買取では、知識や情報を身につけておかなければ損をしてしまう可能性が多い。
そのため、この機会にぜひ中国美術の基礎知識をしっかりと押さえておくといいだろう。
中国美術の歴史は長く、中国美術のジャンルも多い
ではまず、中国美術とはどのようなものかを紹介していく。
長い歴史を持ち、ジャンルが多い
この中国美術は、中国の歴史同様に非常に長い歴史のある分野で、焼物や書画、古道具と美術品のジャンルが非常に多い。そして世界的にも評価が高く、中国の文化のなかで作られた美術品、芸術品は独特な作風や感性を持っており、非常に高い値がつく作品が数多く存在する。歴史が古く芸術性の高い作品の数々には、日本国内にもコレクターが多く存在している。
また時計や切手、酒なども人気があり、押し入れや蔵などに眠っている古い中国の品物がびっくりするような価格がつく場合も珍しくはないのだ。
中国の富裕層の激増と比例し、高騰した価値
また、近年ではこの中国美術が再評価されて中国美術の価値が高騰した。現在でも中国美術のバブルは続いているが、終焉は近いと言われている。だが、高価買取されるものがまだまだ多いのが現状だ。
中国美術の価値が高騰している最大の理由は、以前の日本のように高度経済成長を遂げたため、中国富裕層が激増し、中国美術の買い戻しが行われたのが、最大理由と言われている。そのため価値が一気に高騰したのだ。ただ、もともと中国美術の美術品や芸術作品は丁寧な作風で非常に緻密な技術を要したものが多く、芸術性も高いものであるため、コレクターも多い分野なのである。
特に日本から出てくる中国の美術品は質が高いとの評価が定着し、多くの美術商や収集家が日本を訪れるようにもなった。また、日本へ出稼ぎに来ていた范曽などの画家たちの評価も急上昇し、当時の販売価格の10倍以上の値が付く画家も珍しくない。
中国では美術品に規制がある
また、中国では国家文物局の取り決めによって、骨董品の海外持ち出しの制限が行われている。
入手が難しくなっている中国美術品
1911年以前の文物(骨董品)を海外へ持ち出すことは禁止されている。また、1949年以前の作家作品や1966年以前の少数民族の文化財産なども持ち出し禁止となっている。
中国美術は、このような制限が設けられているために、中国美術品の入手は非常に難しくなっているのが現状である。
いつ購入したかも重要なポイントに
現在、日本国内にある物については問題ないが、オークションなどを使って中国から購入したものであれば、この制度が適用される。そのため、近年中国へ行って骨董市・美術館で買ったものなどであれば、このような規制があるためにそこまで価値の高い査定はされないだろう。いつ購入した中国美術品なのかも、買取市場では大事になってくるだろう。
逆に20年以上前に、日本・中国で入手した中国美術品は、当時購入された価格よりも高い価格で買取されるケースも多い。
買取価格が高い可能性のあるものとして例をあげれば、40年以上前から家にあった古い品や、祖父や曾祖父が中国で仕事をしていたときの品、 祖父や曾祖父の時代に日本に留学していた中国の著名人との交流で譲られた品や書簡など。こういったものがあるのであれば、1度査定に出してみることをオススメする。
美術品の買いが先行しており、価値が高騰
そして、中国美術の価値が高騰したことを受けて、高く売れるという市場のイメージがひろがり、中国の持つ歴史に畏敬の念を持つ人たちが多く、よくわからないままに購入してしまっているというケースも少くない。
上記で説明したように、現在中国は作品の買い戻しを進めている。一度中国国内に戻ってしまうと、海外に流出することはほとんどなくなってしまうのだ。そのため、もう少しこの中国美術の価格高騰は続くと予想されている。
中国美術のジャンルとは
では、その中国美術にはどのような種類の美術品があるのか、ここで大まかに分けられているジャンルについて紹介しておこう。
中国美術の種類だが、書画、絵画、古文書、書道具、印材、陶磁器、中国家具、古銭・切手、その他の骨董品などの種類がある。
また、歴史的な価値がある発掘物も価値が高いものがあるので、覚えておくといいだろう。
中国美術は時代別のジャンルも
また、この中国美術は、時代や年代によってもジャンル分けされている。これは中国文化の発展における過程で、西洋の技術など諸外国の文化が入ってきたことにより、その時代や年代で製造されたものも多く存在しているためである。さらに、中国の歴史は王朝が変わっていくなかで、伝統芸術の破壊も多くされていったため、その時々の時代の芸術品・美術品は希少価値が極めて高いという歴史的な背景もある。
その時代がどのように分けられているのかだが、殷・周(戦国時代)、秦・漢、魏晋南北朝、隋・唐、五代十国・宋、元、明、清、近代、現代という風に分けられている。
中国美術は偽物や模倣品が多いことでも有名
中国美術は価値があるため、非常に多くの贋作がある。これも中国美術の特徴だと言えるだろう。
もちろん、どの国の美術品であっても模倣品や贋作も多いが、そのなかでも中国美術はプロの真贋も騙すような偽物も多く、市場にもたくさん出回っている。そのため、中国美術では本物と偽物の価格差が非常に大きいことでも有名で、査定も厳しい。
中国国内では贋作や模倣品が販売されている店がたくさんあるわけだが、特に観光地などは日本人をはじめとする骨董愛好家だけでなく、一般観光客をターゲットにしてこのような贋作や模倣作品が販売されている。
中国美術の査定情報
上記で説明したように、中国美術は文化や歴史の違いがあるため、本物を見極めるにはしっかりとした眼が必要になる。そのためには、まず中国美術の種類はもちろん、その特徴や年代、作家などの基本的な情報を知っておくことが大切だ。
このような基本情報をしっかり持と合わせた上で、高く買取してもらうためのポイントや贋作と本物の見極め方、値打ちの根拠などをしっかりと押さえておくべきだろう。
中国美術として売れるものとは
では最初に、査定のポイントとして、どのような中国の美術品が買い取られているのかについて述べていく。
中国美術品は非常に多くの種類があるため、価値のある美術品、つまり売れる可能性の高い美術品を押さえておくといいだろう。
中国美術品の取扱対象品目になることの多い中国美術品を下記に記載する。
【書画 】
掛軸、絵画、書、画帳、古文書
【やきもの】
青花(元染・萬暦・大明年製)、五彩、粉彩、青磁、白磁、辰砂、七宝、琺瑯、釉裡紅、景徳鎮、官窯、龍泉窯、磁州窯、釣窯、哥窯、徳化窯、汝窯
【文房具】
硯、端渓、古墨、筆、印材、田黄、白玉、鶏血石
【文物品】
堆朱、翡翠、玉、珊瑚、犀角、金瓶、銀瓶、鉄瓶、秦蔵六、象牙、鼻煙壷、麻雀牌、硯屏、紫砂、竹彫、鍍金仏、金銅仏、箪笥、如意、紅木、紫檀、黄花梨、青銅器、景泰藍など【生活品 】
古家具、古書、中国古銭、中国切手、中国酒、衣服
上記が、主に中国美術品が買い取られているものである。
なかに中国切手や中国酒というのがあるが、この中国切手や中国酒も希少価値が高い古いものになると、デザイン性や芸術性で骨董品的な価値がつくものもあるのだ。
人気のある中国美術品は
中国美術で人気のものには、書画や絵画、古文書、書道具などがよくあげられる。これらの美術品は高価買取となりやすいので、押さえておこう。
億単位落札されることもある書画・絵画
特にそのなかでも、中国の書画や絵画は非常に歴史が古く、書を基盤として発達した中国美術をけん引してきた分野であることは間違いない。古い年代のもので、名のある作家が書いたものとなると、オークションなどでは億単位で落札されることもあるくらい、中国書画や絵画は価値がある。そこまでの金額のものはあまりないだろうが、書画や絵画は人気が高い。
保存状態がよく、作家や時代がわかれば高価買取に
また古文書、書道具も人気の美術品である。古文書は長い歴史のある中国では、史実としての価値が高いだろう。そして書画などで独自の文化を育んできた書道具の人気も非常に高いのだ。したがって、作家名や時代がはっきりしていて保存状態のよいものは大変な高値がつくだろう。
中国美術は状態の良さには厳しい
ただし、古くからある美術品も多く、これら中国美術品は保存が難しく状態が良くない物が多い。よって、状態の良さは通常の美術品に比べて、シビアに査定される。特に、中国で状態の良いものを見つけるのは困難を極める。それに比べて日本にある中国美術品はキレイな状態のものが多いため、コレクターにも日本にある中国美術品は評価が高く、高価な買取金額になりやすい。
とはいえ、一部破れていたり、欠けていたりしても査定をしてもらえば買取金額がつくことも多いもの。中国美術の中には古く希少価値の高いものもあるので、まずは査定をしてもらうことが重要だ。下手に自分で修復したりしようとはせず、そのままの状態で1度査定してもらうと良いだろう。
中国美術の買取相場
ここまで、中国美術の基本知識や買取相場について紹介してきた。
中国美術品の買取では、情報や知識は非常に重要なポイントになるので、ある程度、どのような価値があり、どれくらい金額で売れるものなのかを知っておくべきだ。
そこで最後に、中国美術品の買取金額についてリサーチしたので紹介しておこう。
【買取金額 8,500円~20,000円】
- ●寿山石 芙蓉石 急須 茶道具…8,500円
- ●墨 鑑賞墨 丹桂五芳 大清光緒年製…10,000円
- ●墨 鑑賞墨 献寿図 乾隆年胡開文製…15,800円
- ●中国切手…20,000円
【買取金額 30,000円~45,000円】
- ●青磁瓶…30,000円
- ●「花鳥文」飾大瓶…30,000円
- ●寿山石 印材 田黄石 書道具…32,000円
- ●中国古董 明時代 五彩 大皿…45,000円
【買取金額 100,000円~150,000円】
- ●玉製獅子彫刻三脚香炉(翡翠)…100,000円
- ●象牙 彫刻香炉…100,000円
- ●大明宣徳年製 宣徳銅器 獣耳香炉…124,000円
- ●印材…150,000円
【買取金額 240,000円~400,000円】
- ●中国骨董 蝙蝠文小物入…240,000円
- ●韓美林 書画「猿」…300,000円
- ●曼荼羅図 タンカ…300,000円
- ●中国骨董 青釉双耳花瓶…400,000円
しかしここで紹介した相場は、あくまで目安にすぎない。今回紹介した価格以上に高額になる有名作家の作品もあるだろうし、作家がわからないにも関わらず、古く希少価値の高いものであると判断し、思ったよりも高く売れることもある。
中国美術を高く売るコツ
買取査定は複数店舗で依頼し、比較する
中国美術は、同じものがいくつもあるわけではなく、ほとんどが1点ものだ。そして買取店によって買取金額は大きく異なるので、安易に1店舗目で売却を決めてしてしまうのは避けた方が良いだろう。まずは、必ず2店舗以上の店で査定をしてもらうことが大切だ。複数の店でみてもらうほど、満足のいく買取金額での売却が成立するだろう。
汚れは落とせる範囲でキレイにしておく
上記したように、美術品の買取査定において状態は非常にシビアに査定されることになる。とはいえ、美術品はあまり力を加えて汚れを落とすことはできない。特殊な液体をつけて掃除をしたり、力を込めて掃除をすると破損の恐れもあるため、慎重に扱わなければならない。今保管している美術品は、査定まで大切に扱うことも心がけておこう。汚れは軽く、落とせる範囲で行うことが高価買取のコツだ。
付属品も一緒に査定してもらう
中国美術品を査定してもらう際は、付属していたものも一緒に査定に出すようにしよう。元々入っていた箱やサイン、説明書など、迷ったものはすべて査定へ出すように。これらの付属品があるのと無いのとでは、査定額に大きな差が出ることもあるのだ。損をしてしまわないためにも、思い当たる付属品は買取に備えて用意しておくことをオススメする。
骨董品買取を行う時の注意点
梱包方法は工夫をする
宅配買取は、買取方法の中でもメジャーでオススメできるだろう。しかし、一番注意しておきたいことといえば、美術品の梱包方法だ。最近の買取店は、配送保険に入っているお店がほとんどではあるが、それでも発送途中の破損は避けて査定をしてもらいたいもの。梱包時には、美術品をしっかり保護できるような梱包を心がける必要があるだろう。エアーパッキン(プチプチ)で包んだり、隙間には丸めた新聞紙を入れ、箱の中で動かないようホールドするなど、安全に発送する方法を工夫すると良いだろう。
査定金額の受け取り方法
買取店によっては、査定金額が10万円を超えたあたりから、現金受け渡しではなく振込になる場合がある。店頭買取、出張買取、宅配買取といずれの買取方法を選択した場合であっても、銀行口座は事前に用意しておくと取引はスムーズに行えるだろう。
まとめ
本コラムではここまで、中国美術の基礎知識や買取相場、また査定ポイントなど紹介してきた。
買い戻しが積極的に行われている中国美術
ここでの紹介でもわかるように、中国美術の種類は多くあり、買取市場において価値もピンからキリまである。世界的にみても中国美術の価値は高騰しており、現在では中国富裕層などに買い戻しされている状況だ。この買い戻しも、もうすぐ落ち着いてくるだろうと予想はされているが、明確にいつぐらいになるかはわからない。
中国美術の買取では、情報や知識は身につけておくべき
そのため、今でも中国美術の価値は高いままなのである。価値が高騰すればするほど、偽物や模倣品は増えていき、より深い知識や真贋の目が要求される。
この中国美術品の買取を考えてるのなら、ここで紹介した基礎知識や査定情報、相場などは頭にいれ、その上でどのような業者で売るのかを、慎重に比較検討した方がいいだろう。それだけ、中国美術の買取は難しいということを肝に命じておこう。
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