昭和の時代に活躍した堅山南風の掛け軸は、国内の買取市場において大変注目度の高い存在だ。保管や状態維持の難しい掛け軸には、額装の絵画作品と比べて査定額が下がりやすい難点がある。しかし日本画壇の巨匠・横山大観の内弟子だった堅山南風などの作品であれば、多少の経年劣化が生じていても知名度や歴史的価値により、高価買取に繋がる可能性が高いと捉えて良いだろう。
今回は、現在所有中の掛け軸の売却に悩む皆さんと一緒に、堅山南風の描いた作品の買取相場や査定ポイントを詳しくチェックしていきたい。
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堅山南風とは?
文化勲章の受賞実績もある堅山南風は、昭和時代を代表する日本画家だ。
堅山南風の経歴
両親の死などにより苦学を強いられた堅山南風は、若い頃から絵画の勉強を続け、23歳で自身と同じ熊本県出身の日本画家・高橋広湖の門下生となった。その後、1912年の文展で事実上の最優秀賞に輝いた彼は、巨匠・横山大観に師事しながら本格的に日本画を学ぶようになる。
横山大観とのエピソード
堅山南風ならではとも言える新感覚的画風の作品に注目した横山大観は、他の審査委員との間に生じた意見の食い違いによって、文展審査員を辞めることとなった。こうした形で横山大観の目に留まった堅山南風は、彼の内弟子として日本美術の発展に尽力する形となる。
日本美術院の再興
横山大観のもとで制作活動を行うようになった堅山南風は、1914年に岡倉天心の残した意志を引き継ぐ姿勢を見せ、約4年間に渡って解散状態だった日本美術院の再興を行う形となった。大観に師事していた南風は、再興日本美術院の中で多くの作品を発表していった。またその後は、日展審査員や日展参事といった要職や、文化功労者・文化勲章といった受賞もしているため、彼の再興日本美術院での活躍が国内の美術界のみならず、芸術文化の領域においても高く評価を受けていたと捉えて良いだろう。
堅山南風の作風
堅山南風が得意とするのは、写生をベースにしながら鯉や花鳥などを描く花鳥画が中心だったと言われている。また多彩で生気に富んだ南風独特の表現は、日本画コレクターや画廊の心を掴むエネルギーがあるようだ。こうした形で表現に関する特徴も高い堅山南風の作品は、昭和時代の日本画に詳しい査定士に見てもらうことで、正しい価値を付けられると言えるだろう。
堅山南風の掛け軸における買取相場
死没から37年ほどとなる堅山南風の作品は、セカンダリーマーケットにほとんど流通していない。また有名作品については、その大半が南風の地元である熊本県立美術館や昭和時代の美術に詳しい東京国立近代美術館などでの所蔵となっているため、なかなか美術品オークションなどの市場に流れてこないことにより、堅山南風は逆に希少性や価値の高まる要素の高い作家と捉えて良いかもしれない。
また物故作家の作品がセカンダリーマーケットに流れてくるまでには、20年~30年ほどの歳月がかかるという話もあるため、彼の掛け軸や日本画に生じる高い価値は、今後上昇する可能性も高いと言えるだろう。
ヤフオクにおける落札実績
こうした理由により古物市場で目にする機会の少ない堅山南風の作品も、人気のヤフオク内では、いくつかの出品・落札実績が存在している。例えば、シミ、日焼け、折れといったコンディションの低下が見られる「春色野禽」という掛け軸は、20,520円の落札額だった。これに対して構図や筆致のバランスが優れた掛け軸「猫」には、108件もの入札が入ったことにより201,000円もの値が付いていたようだ。
こうしたヤフオクの落札実績を見てみると、高く売れる堅山南風の作品には、誰もが魅了される芸術的価値も備わっていると捉えて良いだろう。
堅山南風の掛け軸を高価買取に繋げる査定ポイント
ここからは、実際に堅山南風の作品を売却した方々の話をもとに、買取業者利用時の査定ポイントを整理していこう。
掛け軸の保管や取扱いは難しい
表装用布と裏打ち用和紙で作られている掛け軸は、額装の絵画と比べて遥かに湿気の影響を受けやすい。こうした特徴を全く知らずに適当な方法で保管をしていると、想像以上のスピードで経年劣化が進んでしまう。また床の間に掛け軸を吊るしていた場合は、その前にある生花の花粉が付着することもあるため、収納だけでなく鑑賞時にもさまざま注意点があると言えるだろう。
掛け軸や絵画作品はコンディションも大事な査定基準となるため、購入や譲り受けの際には、扱い方についても前所有者にきちんと教えてもらうようにして欲しい。
問い合わせ前に実践すべきこと
電話やメールを使って買取店に問い合わせをする際には、買取相場の調査に欠かせない作品情報と掛け軸の写真を準備しておこう。例えば、掛け軸の作品名やサイズ、制作年代などの情報がわかれば、問い合わせを受けた査定士はスピーディーに買取額の返答ができる。また美術品の写真では、作家のサインや印、銘などをチェックするため、真贋や買取額の判断に使える構図で撮影をすることも欠かせないと言えるだろう。
近代日本画に詳しい業者の利用がおすすめ
堅山南風の掛け軸を手放すなら、明治~昭和の近代日本画に詳しい買取店を選ぶことが理想となる。このカテゴリの掛け軸や絵画買取に積極的な業者では、他店と比べて遥かに高い査定額の提示ができる。また高価買取が難しい場合についても依頼者を納得させられるだけの理由の返答ができるため、気持ちをスッキリさるといった意味でも買取業者の得意ジャンルは大変重要だと言えるだろう。
掛け軸買取に適した出張買取サービス
共箱に入れてもそれなりのボリュームとなる掛け軸は、依頼主が自身で買取店に持ち込むことが難しい美術品カテゴリだ。また今話題の宅配買取サービスを利用するにせよ、梱包や宅配業者の依頼といった部分で多くの不安要素が生じるため、こういったストレスを回避するためには出張買取を使った掛け軸の査定が最も適していると言えるだろう。出張買取のできる業者の比較検討をする時には、必ず「出張費を含めた手数料を、どこまで無料にしてくれるか?」といった部分を確認して欲しい。
堅山南風の掛け軸買取におすすめの業者 3選
最後に、堅山南風作品の買取実績が豊富なおすすめ業者を3つご紹介しておきたい。
総合美術買取センター
http://www.sbkart.net/artists/323/サイト内で堅山南風の経歴を紹介する総合美術買取センターは、大変おすすめ度の高い専門店だ。こうした形で作家情報を詳しく掲載しているショップには、堅山南風の作風などにも詳しい査定士が在籍する可能性が高い。また総合美術買取センターでは、依頼主の皆さんに負担のかからない出張買取サービスを全国無料で行っているため、自宅やオフィスの近くに売却先のない皆さんでも、気軽に利用のできる存在になることだろう。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
本郷美術骨董館
http://www.hongou.jp/japan/nanpuu/東大赤門前に本店のある本郷美術骨董館も、堅山南風の買取ができる専門店だ。この業者の買取方法は、写真鑑定、来店鑑定、宅配鑑定、出張鑑定の4方法となっている。また本店以外に世田谷、札幌、神戸芦屋、九州に支店を設けているため、店舗に直接掛け軸などの美術品を持ち込みたい人には、利用のしやすい業者と捉えて良いだろう。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ギャラリーボヤージュ
http://www.voyage-ginza.co.jp/artlist/no4/katayama_n.html企画展や貸しギャラリー、イベントスペースといったさまざまな催しを行うギャラリーボヤージュでも、堅山南風を取扱い作家に並べている。この専門店では、堅山南風などの物故作家だけでなく現存作家についても、日本画・洋画問わず買取を行っている。またギャラリーボヤージュでは、電話、メール、問い合わせフォーム以外に、FAXを使った資料写真の送付も受け付けているため、パソコンやスマートフォンを所有していない皆さんでも、気軽に査定士とのコミュニケーションができる業者と捉えて良いだろう。
買取価格
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