「押し入れで眠っている」「引っ越しするので処分したい」「遺品として譲り受けた」などで不用品の買取を考えたとき、捨てるのではなく、現金化したいという人は多いだろう。ただ、どこに売ればいいのか、どうやって売ると得なのかがよくわからないという人もきっと多いはず。
何の下調べもしないで買取依頼に申し込んで売ってしまうと、大きく損をしてしまうリスクは高い。買取を考えたときは下調べをして、ある程度ポイントを押さえておくべきだろう。
そこで、買取における基本的な知識やポイントを紹介していくのだが、今回、取り上げるのは「工芸品」を売るときについて。工芸品を高く売るために必要なこととは、一体どんなことなのだろうか。工芸品を売りたいと考えるのなら、この機会にポイントは押さえておこう。
本記事のポイント
- 工芸品と美術品の違い
- 高額買取が期待できる作家一覧
- 工芸品はなぜ買取相場が明確に言いにくい状況にあるのか
CONTENTS
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工芸品は人気の骨董品として高値で売れるものが多い
まず、工芸品を買取依頼へ申し込む前に、「できるだけ高く売りたい」と考えているのであれば、買取市場における工芸品の価値を知っておくべきだろう。工芸品とは、基本的には生活で実用性の高い道具に、芸術的な工夫をこらし、機能性と芸術性を融合させた工作物のことをいう。芸術的な価値が高くなったモノの中には、実用面から離れたものもあるが、これは工芸品と呼ばず、美術品と分けることが多い。
ひとえに工芸品と言っても、漆、ガラス、金工、陶芸、装飾品、編み物、紙、皮、など様々な素材で作られている。また、茶碗、湯のみなどの陶器、衣服、古道具など種類は沢山ある。土産屋に行くと伝統工芸品を見かけることが多いが、これも法律で要件が定められている。
第二条 経済産業大臣は、産業構造審議会の意見を聴いて、工芸品であつて次の各号に掲げる要件に該当するものを伝統的工芸品として指定するものとする。
一 主として日常生活の用に供されるものであること。
二 その製造過程の主要部分が手工業的であること。
三 伝統的な技術又は技法により製造されるものであること。
四 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること。
五 一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること。
アート作品として作られている工芸品もあり、工芸品を作っている作家も多く存在している。美術品として扱われることが多い高価な工芸品であれば、金粉をあしらったモノや、翡翠などを使ったモノもあり、買取では数百万円で取引されるものもある。
工芸品を売る方法
「工芸品を売って現金化したい」と考えたときに取る方法はいくつかある。それぞれの方法でメリット・デメリットが存在するため、よく理解して検討した上で売ることをオススメする。
フリマアプリ
フリマアプリとは、インターネット上でフリーマーケットのような売買ができるアプリのこと。物を売りたい一般人と物を買いたい一般人のマッチングが可能なため、近年大きな勢いで普及している。国内最大のフリマアプリ「メルカリ」では、国内ダウンロード数が8,000万件を突破し、アメリカでのダウンロード数が2,500万件を超えた(2021年6月時点)。その勢いはとどまることを知らず、今もなお利用者は増え続けている。現在、フリマアプリでは工芸品が出品・購入されているが、このまま利用者が増加すれば、さらに工芸品が販売しやすくなるだろう。
メリット
そんなフリマアプリのメリットは、いつでもどこでも出品できる点である。「買取業者に持ち込む時間がない」「買取してくれる店舗が近くにない」「商品を外まで持っていくのは億劫だ」といった方にはぴったりのサービスだといえるだろう。利用するフリマアプリによっては宅配事業者が自宅まで集荷に来てくれるサービスも展開しているため、そういったサービスを利用することによって、出品から集荷作業までが自宅にいながら完結する。
また、出品作業が手軽に行えるのもメリットだ。フリマアプリの商品出品フォームは、誰でも商品を売りに出しやすいように簡素化されている。商品を撮影して説明文を入力しアップロードするまでの時間は、おおよそ5分。Tweetするような感覚で、商品を出品できるのだ。
デメリット
簡単に利用できるフリマアプリだが、デメリットも存在する。そのデメリットとは、高値で売れにくい点だ。フリマアプリに並んでいる商品は安価なものが多いため、高価な商品は売れにくい。商品の価値を知らない素人が多いのも、高値で売れにくい理由といえる。工芸品はプロでも価値を見極めるのが難しいため、フリマアプリでは価値が理解されにくい。
インターネットオークション
インターネットオークションは、一般人がインターネット上で物を売買できるサービスだ。代表的なものは、「Yahoo! JAPAN」が運営する「ヤフオク!」などが挙げられる。商品を値付けして出品すると、欲しいと思っている人が値段を更新していくため、最初に提示した金額と最終的な金額が異なる場合が多い。
メリット
インターネットオークションのメリットは、フリマアプリと同様に、場所や時間を問わずに出品できる点だ。出品したい商品を自分でフォームに打ち込んでいくため、夜中でもどのような場所にいても商品を販売することができる。
また、インターネットオークションは購入希望者が値段を上げていくため、ニーズが高い商品は高い値段がつきやすい。ただし、ニーズがないと安い値段どころか売れない場合もあるため、出品する際はニーズがあるのかを見極めた方がいいだろう。
デメリット
インターネットオークションのデメリットとして挙げられるのは、出品作業の手間がかかる点だ。出品フォームを簡素化しているオークションサイトもあるが、フリマアプリのように手軽には出品できない。時間がない方や自分で面倒な作業はしたくない方は、違う方法の検討をオススメする。
工芸品は骨董品・古美術品の専門業者で買取を
工芸品を現金化する方法としてフリマアプリとインターネットオークションを紹介したが、最もオススメしたいのが専門業者へ買取依頼を出すことだ。なぜなら、工芸品のような骨董品の価値はプロの目利きでさえも難しいからである。
ネットオークションやフリマアプリなどで出品した場合、工芸品の本当の価値がわからず、損をするリスクも高くなる可能性が高い。プロでさえ見極めるのが難しい骨董品、芸術作品の価値を量るには、膨大な知識・情報などが必要であり、また、経験もいるため工芸品の本当の価値は、素人にはわかりづらいものなのである。そのため、インターネットでの出品は避けて、専門の買取業者に依頼してみてはいかがだろうか。
そうはいっても、工芸品を買取依頼に出そうと思ったとき、どこで買取の査定をお願いするべきなのか、わからない人もいるだろう。工芸品のような骨董品を買取へ出す場合には、骨董品、芸術品、美術品を専門で買い取っている買取業者へ買取依頼を申し込んだほうがいいだろう。
工芸品の査定では「状態」が重要視される
そもそも、買取査定で重要視されるのは、現物の「状態」だ。これは、現物の「状態」がシビアに査定されるため、良い状態で買取へ出すほうがプラス評価となりやすく、工芸品の「状態」は、買取金額に大きく影響するポイントだ。例えば、工芸品の査定で、汚れ、ホコリ、欠け、割れ、破れなどがある。そのような状態が少しでも見つかれば、確実にマイナス評価となり、買取金額も減額となるだろう。
保管の状態は日頃から気を配り、買取依頼へ申し込む前には、キレイな状態で出せるよう、細かいところまで掃除をしたほうが買取査定で良い評価を得られるだろう。出来るだけ良い状態で買取査定へ出すように努めたい。
付属品は買取金額に影響するため、忘れずに
基本的に買取市場では、付属品が揃っていると買取金額も数万円上乗せになることが多い。逆に付属品が揃ってない場合、マイナス評価となり、買取金額は減額となる可能性が高いだろう。例えば、工芸品の付属品というと、箱、説明文などの書物がある。そういった付属品を買取依頼へ出す際には、忘れないよう持参すべきだ。
複数の店舗・ショップで買取査定を
出来るだけ高く売りたいと考えるのであれば、複数の買取ショップや専門業者へ買取依頼を申し込むべきだ。工芸品の目利きは非常に難しいことがあるため、買取金額も業者によって大きく違ってくる。業者によっては特定の工芸品の需要度が高く、買取強化している場合もあるだろう。そういったところでは、市場の相場よりも少し高い買取金額となることがある。ショップや業者によって、必要しているモノが違うため、買取金額も数万円、高額なものについては数十万レベルで変わる場合もあるようだ。出来るだけ多くの店舗やショップの買取査定で比較検討すべきと言える。
工芸品の買取金額相場は?
工芸品の買取金額の相場に関しては、ピンからキリまである。つまり明確な相場はないと言っていいだろう。また、買取金額に関しても非公開にされていることが多いため、ここで紹介するものは、あくまで目安にしておくほうがいい。
いくつかのサイトや口コミなどでは、数万円〜80万円くらいまでの買取実績があるようだ。ただ、希少で古い工芸品となると、歴史的な価値が付き、さらに高い金額になる場合もあるだろう。
一方、歴史的価値・美術的価値が高い工芸品(美術品)は、大まかな相場があります。しかし、価値の見極めが難しいため、美術品を専門としない買取業者では雑貨のような扱いで査定額が提示されてしまうことが多いでしょう。美術品を専門とする買取業者であっても、その工芸品に対する知見の度合いや持っている流通ルートによる期待値などの様々な要素から買取額が決定されるため、査定額に開きがあり明確にいくらで売れると言える状況ではありません。
高価買取されている工芸品の作家一例
高額買取されている陶芸家
- 赤塚自得
- 荒川豊蔵
- 石黒宗麿
- 板谷波山
- 大樋長左衛門
- 音丸耕堂
- 加藤唐九郎
- 加藤土師萌
- 金重陶陽
- 加守田章二
- 河井寛次郎
- 北大路魯山人
- 楠部弥一
- 黒田辰秋
- 近藤悠三
- 富本憲吉
- 浜田庄司
- 藤本能道
- 藤原啓
- 松田権六
- 三輪休和
- 八木一夫
- 楽吉左衛門
高額買取されているガラス工芸
- 岩田籐七
- 藤田喬平
- エミール・ガレ
- ナンシー・ドーム
- ミューラー
高額買取されているブランド
- マイセン
- アラビア
- リヤドロ
- セーブル
- リモージュ
- スージークーパー
- ヘレンド
- ミントン
- リチャードジノリ
- ローゼンタール
- オールドノリタケ
- 大倉陶園
- ウェッジウッド
- ジアン
- KPM
- ミッドウィンター
- ロイヤルコペンハーゲン
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金銀プラチナやブランド品の買取で有名な大手業者だが、大手ならではの査定の安心感がある。工芸品ももちろん扱っている。
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まとめ
ここまで、工芸品の買取で押さえておきたいポイントについて紹介してきた。フリマアプリやインターネットオークションなどのインターネットでの販売はリスクが高いため、高額が見込まれるのであれば専門の買取業者を利用していただきたい。
また、「本当の価値を理解して買い取って欲しい」と思うのであれば、工芸品のような骨董品の買取では、ある程度買取についてのポイントを掴んでおくべきだ。そうすることで、足元を見られるような取引を避けることができ、高額買取となる可能性が高くなり、大きく損をしてしまうリスクも高くなるだろう。基本を押さえておくことは、リスク回避にも繋がる。