ジャズやブラスバンドで演奏されることの多いサックスは、数ある木管楽器の中でも最も人気の高い楽器だ。学生時代に吹奏楽部で吹いていたという方や、ジャズ演奏に憧れて始めたという方も多いのではないだろうか。しかしそのようなサックスも卒業して使わなくなったり、モデルチェンジやパートチェンジによりいらなくなることもあるだろう。
高価な楽器であるサックスは、中古売却でも比較的高く売れる。修理なしでリユースできるサックスの場合は10万円以上といった高い値段での買取も期待できる。そのため、使わなくなったサックスは当ページで紹介するポイントを抑えて買取を検討してみて欲しい。
今回は、愛用のサックスを高価買取に繋げるポイントを紹介する。

Sax verde! / Vito Manzari
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サックスは一体どのような査定基準で買い取られるのだろうか?
人気のある木管楽器であるサックスは、下記3つのポイントを基準として査定が行われている。
ポイントその1:サックスのメーカー
ジャンル問わず多くの品がそうであるように、サックスもメーカーによる人気の差がある。そのため、査定の際にはメーカーの確認が必要となるだろう。サックスにおけるメーカーの確認は、本体の朝顔管(ベル)にあるロゴでできるので見ておこう。
また、メーカー名は本体以外にマウスピースやリガチャーなどでも行うことができる。しかし本体の買い替えができない演奏家はリガチャーやマウスピースにこだわって買い物をしている。そのため、ひとつのサックスの中に本体、リガチャー、マウスピースの3つものメーカーが混在していることがほとんどなのだ。本体のメーカーは本体で、パーツのメーカーはパーツで確認するよう注意が必要となる。
ポイントその2:サックスの仕様
各サックスの仕様は買取時の査定基準としてかなり重要となってくる。その中でも重要なのがサックスの表面の仕立て上げられ方にある。仕立て方には大きくメッキ、アンラッカー、ラッカーの3つの種類がある。それぞれで見た目はもちろん、使用感、音色までもが異なってくるため購入時から気をつけて見ておきたいポイントだ。
ラッカー仕立てのものの方がメッキやアンラッカーのものに比べ外観に廃れを出さないため、人気と言われている。塗っている塗装によって音色が代わり、もちろん見た目の印象もガラッと変わるため、自分にあったもの選びをしよう。
また、ラッカーの中にもいくつか色があり、ゴールドラッカー(GL)仕上げのサックスはクリアラッカー(CL)と比べて良質な音色を奏でる特徴がある。そのため、周囲を納得させる楽器を手に入れるためには表面仕上げにもこだわって買い物をするべきと言えるだろう。他にも主流なものではないが、女性に人気のあるピンクゴールドラッカーや、個性的な見た目と音色を兼ねそなえるブラックラッカー(BL)なども存在する。
ポイントその3:サックスの見た目の状態、臭い
落下による凹みや管内部の悪臭、カビなどが生えているサックスは、ネガティブな印象を与える。それによって査定見積金額が大幅に減額されてしまうこともある。そのままでは需要が低く、買い取ったサックスの見た目を直す修理や調整が必要となるからだ。
これに対し、きちんと掃除やメンテナンスが行き届いていて見た目の良いサックスは、相場価格よりも高い値段で買い取られることもある。そのため、普段からしっかりとメンテナンスを行うべきだと言えるのだ。
ポイントその4:サックスの音色
楽器であるサックスを持つ目的は、基本的には演奏することだろう。サックスの査定では、外観の美しさ以上に「綺麗な音色が出るのか?」というポイントが重視されている。
タンポの劣化などによって上手く音が出ないサックスの場合は、「補修をしてもどこまで美しい音色が出るかわからない」という判断となる。そのため、査定見積金額の減額は避けられなくなってしまうのだ。やはり日々のメンテナンスが必要だと言えるだろう。
愛用のサックスを高い値段で買取してもらうためにするべきこと
サックスを高い値段で買取してもらいたいのであれば、買い物や普段の手入れにもこだわってみて欲しい。ここでいくつかできることを紹介するので参考にしてみて欲しい。
人気メーカーの良質なサックスを買う
YANAGISAWA、YAMAHA、Selmerといった楽器メーカーは「サックスの御三家」とも呼ばれるほどの人気を誇る。これらのメーカーや、CannonBallなどの人気メーカーのサックスを購入すると、買取時に高い値段での買取が狙える。またそれ以外にも、演奏時に「演奏していて気分が良い」というメリットを得ることができる。
またYANAGISAWAなどの一流サックスの中には、「中古の中古」という形で複数ユーザに使われているものもある。そのため、「中古だから」と言って気を抜かずにしっかりと商品選びをしてみて欲しい。
こういった人気メーカー選びはのちの売却時に大きく影響するのだから、気持ち良く演奏し、高価買取が期待できるサックスを購入しておくことをオススメする。
日々のメンテナンスを丁寧に行う
やはり大事にしたいのは日々のメンテナンス。ある日突然メンテナンスしたって、新品のように綺麗にはならない。演奏が終わったら、さっさとボックスに収納するのではなく、スワブやクリーニングクロスなどを使ってしっかり水分を除去するべきである。
「今は忙しいから後で!」という形で手入れを後回しにしてしまうと、大事なサックスにカビや錆びなどが生じる。せっかくのサックスなのだから、毎回少しでもいいから時間を費やす必要がある。
ラッカー仕立てのサックスはメッキのもに比べて耐久性があるためメンテナンスは比較的楽だ。しかし長年使用しているとなると、汗などの水分に反応してラッカーが剥がれてきたり、ラッカーが変色していってしまうこともある。そのため、いくら耐久性のあるラッカーであったとしてもメンテナンスは欠かせない。
基本的には乾拭きで大丈夫だが、あまりにも汚れが落とせない場合はラッカー専用のクリーナーを利用してメンテナンスを行おう。この他にも週に一度程度はキイの間など細部の汚れも拭き取るようにし、2、3ヶ月に一度はキイオイルをさしておくと、サックスを綺麗に保てるだろう。
半年に1回、定期点検に出す
革製品で出来ているサックスのタンポなどのパーツは、どんなに大事に使っていても消耗するものである。このような劣化や消耗を放置しておくと他のパーツへの負担がかかってしまう。そのため、半年~1年に1度のペースで楽器屋さんに点検をしてもらおう。定期点検は面倒だし、お金もかかるし…と後回しにしていると後々問題が生じ、よりメンテナンス料もかかってしまうことも考えられる。「壊れたところは早めに直しておくこと」が良い状態を保つ秘訣になると言えるだろう。
湿気からサックスの本体を守る
サックスは、「リードは乾燥が大敵であり、本体は湿気が大敵である」という非常に保管が難しい特性を持つ楽器である。
数ヵ月に渡って使わない楽器を所有することもあるだろう。本体には必ずエンドプラグをつけて保管しよう。リードは専用のケースを使い、定期的にボックスを開けて風通しを良くすることも大事な楽器を良質に保つポイントと言えそうだ。週に一度程度はこのような対策をとって欲しい。
付属品は必ず一緒に売る
サックスはいくつものパーツからなる楽器であり、新品購入時には本体以外にもマウスピースやネックなどが同封されてきたはずだ。さらにそれらはケースに入れられていただろう。このような付属品は全て一緒に売却する方がベターだ。全て揃った状態であれば、より新品に近い状態となり、価値も高まるため高価買取に繋がりやすい。
ショップの買取実績をチェックする
人気楽器のサックスは、多くの買取店で高い値段での査定が狙える品目である。自信のあるショップではサイトのトップページなどで買取実績や相場表を公開している。インターネットを上手に活用して比較検討を行ってみて欲しい。
また、サックスを売却する際には業者から「メーカー」「モデル名」「シリアルナンバー」を聞かれることが多い。これらの情報はサックスの価値を表しているものだ。したがって、売却する前にあらかじめ確認しておくと業者とスムーズにやりとりできるだろう。以下のコラムはサックスのモデル名とシリアルナンバーについてまとめたものなので、そちらもぜひ参考にしてみてほしい。

サックスを買取してもらう最適な時期とはいつなのか?
サックスを高い値段で買取してもらうためには、「使わなくなった時にすぐ査定に出すこと」を徹底して欲しい。「いつか使うかも?」という期待により自宅内でサックスを眠らせておくと、洋服などと同じようにカビが生えてきてしまうこともある。自分で演奏することも、売ることもできずといった事態に陥ってしまうため、放っておくのは一番避けたい。
また、サックスに付着した臭いも査定見積金額の減額に直結してしまう。このことからもやはり、演奏の機会が激減した時点で買取してもらうということが理想的と言えるだろう。
サックスの買取価格相場
メーカー関係なくサックスの相場というとなると安いもので40000円、高いもので200000円くらいの値段で買取してもらうことができるようだ。ではメーカーごとの買取相場はどうだろうか。
イオ
最安値が最も高い値段のサックスを製造しているメーカーは、多ジャンルの音楽に馴染みやすいサックスを取り扱っているイオである。ここのサックスは安くても80000円ほどの値段がつく。ただし高くても10数万円と比較的安い値段での買取になってしまう。
イオのモデル例
- ・BNS Series テナー・サクソフォン TS1085BNS
- ・GL Series バリトン・サクソフォン BS1091GL
- ・IO ソプラノサックス PS1045BNS
- ・テナーサックス TS-1085GL
- ・ソプラノサックスPS1045BNS
セルマー
セルマーは最安値が40000円と比較的安い値段での買取となっている。しかし最高値が200000万円ほどの高額査定を誇る。そのため、状態のいいものであれば高い値段での買取が期待できるであろう。
セルマーのモデル例
- ・Jubilee SERIE II
- ・Alto SERIE III Jubilee
- ・アルトサックス SA80 SERIE II Jubilee
- ・ピン ゴールド ピューター Selmer Mark VI ALTO Sax Pin 566
- ・130th Anniversary Limited Edition
YAMAHA
最も有名な楽器メーカーとして知られるYAMAHA(ヤマハ)のサックスは安い値段で買い取られてしまうと思われがちだ。しかし48000円〜184000円と、最安値という訳でもなく、比較的高い値段での取引ができそうだと言えるだろう。
ヤマハのモデル例
- ・アルトサクソフォン スタンダード YAS-280
- ・カスタムアルトサクソフォン YAS-875EX
- ・アルトサクソフォン スタンダード YAS-480
- ・カスタムZアルトサクソフォン YAS-82Z
- ・バリトンサクソフォン YBS-41II (バリトン)
サックス買取オススメ業者
上記の買取相場は買取市場やモデル、メーカーによって買取価格が変わっていく。また、業者によっても買取価格は異なる。そのため、手持ちのサックスをより高い値段で買取してくれる業者を探すことが大切であると言えるだろう。以下でオススメの買取業者を紹介するので、ぜひ参考にして欲しい。
【PR】トイズキング
トイズキングは、おもちゃやフィギュアの買取で知られているが、楽器の買取も専門としていて、サックス買取に関しては専用のページまであるほど力を入れている。幅広い種類のサックスを買取しており、マウスピースやハードケースなどの備品も買取可能だ。頻繁に期間限定の買取額アップキャンペーンも実施していて、宅配、出張買取にかかる費用や手数料も完全無料なので、一度査定申し込みをしてみてはいかがだろうか。
ガクヤ楽器買取ネット
ガクヤ楽器買取ネットはギター、ベース、フルート、トランペットなどの買取をおこなっている楽器専門の買取ショップだ。スタッフは楽器製作の専門校を卒業しているため、専門知識を持ったスタッフによる適正価格での買取が期待できる。また、こちらは宅配送料・振込手数料・キャンセル料などが無料なので、買取額に満足しなかった場合でもキャンセルしやすい。
楽器の買取屋さん
楽器の買取屋さんでは宅配買取、出張買取、店舗買取の3つのサービスを展開している。また、全国展開していることもあり、遠方にお住いの方でも利用することができる。楽器買取専門店だからこそ実現できる値段での買取もあるため、一度チェックしてみよう。他店による査定額を掲示すれば、その金額から10パーセント上乗せして買取してもらえるようなので、他を当たってからこちらに査定依頼することをおすすめする。
みんなの楽器市場
楽器を高値買取をしてくれると評判のみんなの楽器市場。モデルごとの買取価格はホームページに記載がある。こちらは販売ルートをネットに注力して買取を行なっているので、人件費や広告費の分を買取額に還元してくれるのだ。買取方法は店頭・宅配・出張の3通りあるので、一人一人利用しやすい方法を選ぶことができる。
クロサワ楽器
クロサワ楽器はギター、ベース、金管楽器から電子機器まで幅広い楽器の買取を行なっている買取ショップである。こちらは楽器専門店ならではの熟練の鑑定士がしっかり楽器を査定してくれる。そのため他社よりも買取額が高くなる可能性が高いようだ。自社の修理工房があるため、多少修理が必要なサックスでもマイナス査定にならずに済むとのことだ。
中古楽器堂
中古楽器堂は全国に展開している楽器の買取業者だ。値段は載っていないものの、今までの買取実績がホームページに載せられているので、お持ちのものが対象かどうか確認してみて欲しい。買取方法は店頭・宅配・出張の3通りで、見積もり代がかからないのため気軽に利用できるのも嬉しいポイントとなっている。こちらは非常にスピーディに対応してくれるので、今すぐ楽器をお金に換えたいという方にぜひおすすめだ。
愛用のサックスをできるだけ高い値段で買取してもらうためには
質の良い音色を奏でるサックスは、「普段のメンテナンスが行き届いていることが想定できる」という理由でかなりの高確率で高い価格での買取が狙える。
また中古の木管楽器は吹奏楽部に所属する学生などから人気の高いカテゴリーの楽器となる。そのため、使う機会が激減したものがあれば早い段階で買取をしてもらうことがリユースによる社会貢献に繋がると言えるだろう。
まとめ
今回は愛用しているサックスを高値で売却する方法を紹介した。人気メーカーのサックスは高額買取の対象になりやすく、日々メンテナンスが行き届いているとなお良い。また、選ぶ業者によって査定は変わるので、買取業者選びは重要となる。
売却先に迷ったら、当サイト、ヒカカク!を参考にして欲しい。