日本刀の真贋判定・偽物の見分け方とは?

最終更新日:2018年12月27日
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日本刀はマニアが多く、国内でもさまざまな刀剣が高値で取引されている。有名な刀工の作品などは、査定でも破格の値段がつくこともある。価値ある品を正しく評価してもらうためにも、鑑定を依頼するお店は慎重に選びたい。刀剣は、たとえ銘がついていても偽物という可能性もあるのが厄介なところ。

ここでは、日本刀の真贋の見分け方を簡単にご紹介していく。本物か偽物かによって査定価格も大きく変わるため、査定に出す前には自分でもいくつかのポイントをチェックしておくと安心だ。


The Detective / paurian

「銘」をチェックする

日本刀の真贋を見分ける場合、ほとんどの鑑定士がチェックするのが銘があるかどうかだ。村正や相洲正宗といった有名な刀工の刀剣には、刀工の銘が刻まれていることが多い。制作された年月日なども刻印されている場合があるため、銘は刀剣の鑑定でも重要なチェックポイントになる。

銘は、刀の茎と呼ばれる部分に刻まれているのが一般的だ。ちなみに、茎は刀の柄の内側に入っている部分。偽物の刀剣の銘には次に挙げるようないくつかの特徴があり、鑑定でも見分けるときの参考にしている。

【偽物】筆跡がつたなく、刀のデザインと銘が釣り合わない

刀剣のデザインと明らかにミスマッチしているつたない銘は、偽物の可能性が高い。本来、銘は刀工が制作の最後の仕上げに入れるものであり、刻印からは刀工の筆跡がわかる

本物かどうか心配なときには、ヤフオクなどのオークションサイトや買取店のサイトなどで紹介されている銘の筆跡と比べてみるといいかもしれない。紹介されている筆跡と全く異なる場合は、偽物の可能性が高いだろう。

【偽物】刻印の仕方が雑

文字の刻み方にムラがあるなど、雑な印象を受ける銘も少し注意をしたほうがいいだろう。刀工は、銘をで刻むのが一般的なので、ほかの道具を使って刻印した文字は比較的判別しやすい。部分的に文字が薄かったり、文字のバランスが悪かったりする銘は、刀工でない素人が後から彫った可能性もある。

【偽物】本来銘がないはずなのに、刻印がある

有名な刀工が制作した刀剣のなかには、無銘のものも少なくない。例えば、越中(富山県富山)の刀工である郷義弘などは、銘を入れずに多くの刀を制作したことで知られている。こういった刀工の銘が見られるときには、慎重に真贋を判断したほうがいいだろう。銘の刀工の作風と刀剣が全く異なる場合も、偽物の可能性が高いため要注意だ。

「鑑定書」の有無は査定でも重視されるポイント

有名な刀工の刀剣には、鑑定書がついているのが常だ。鑑定書は、刀剣の査定でも価値を決める1つの基準になる。刀剣は登録証と一緒に売ることが必要だが、登録証だけでは正確に真贋を見分けることは難しい。しかるべき機関が発行した鑑定書があれば、査定もスムーズに進む可能性が高いだろう。

日本美術刀剣保存協会が発行した鑑定書

日本美術刀剣保存協会は、刀剣の審査を行っている専門機関。こちらの機関では、特別重要刀剣や重要刀剣といったいくつかのランクに刀剣を分けて鑑定書や指定書を発行している。刀剣博物館などを運営する日本美術刀剣保存協会は、プロの間でも評判が高い

いくらぐらいの価値があるか、といった刀剣の査定は行っていないが、価値がある品であるかどうかのチェックは受けられるので、査定に出す前に利用してみるのも1つの方法だ。会員になると、優待料金で審査を受けることも可能になっている。

古い鑑定書はあてにならない場合もある

刀剣の鑑定の基準は、時代によって少し違う場合がある。実際、日本美術刀剣保存協会が発行している鑑定書の場合も、時代が古いものに関しては慎重に判断することが必要だ。審査の合格基準や審査方法が異なると、鑑定の結果もやはり変わってくる。

内容が疑わしいときには、鑑定書刀剣一緒に査定にだして、鑑定士の判断に委ねよう。刀剣を買い取りしてもらう場合、鑑定書をつけたほうが査定価格が上がりやすくなることは言うまでもない。古い鑑定書でも査定の際の1つの参考になるので、刀剣と合わせて査定にだそう。

民間の団体や個人が発行する鑑定書もある

刀剣の鑑定書は、民間の団体や個人が発行するケースもある。例えば、岡山県の倉敷刀剣美術館などでは、希望者に有料で刀剣の鑑定書を発行している。こちらの施設の鑑定は、一般の人でも法人でも利用ができる。また、個人経営の刀剣のお店などでも鑑定書について相談することは可能だ。

「茎のデザイン」や「錆」の状態

刀の柄の部分に入っている刀剣のは、真贋を見分けるプロが必ずチェックしている部分だ。茎は銘を確認するときにもチェックされるが、刀剣の素材の状態も重要なチェックポイントになってくる。

偽物は製造するときのプロセスも本物と異なることが多いので、こういった細かい部分を見ると、思いのほかすぐに真贋がわかるケースもある。ちょっとした違いに注目するのが、プロの査定のやり方だ。

茎のデザインはバリエーションが豊富

刀剣の茎のデザインは、1種類だけではない。栗尻茎や振袖形茎、船型茎などのさまざまな種類があり、それぞれデザインに特徴がある。例えば、茎の基本形とも言える栗尻茎は、茎の先端部分が丸く整えられているのが特徴だ。

このタイプの場合、栗の形に似ていることから栗尻茎と呼ばれている。振袖形茎は、振袖の形のように素材がやや斜めにカッティングされているデザイン。また、先端がとがったデザインになっている船型茎は、名刀を数多く生み出した相洲伝の刀剣に多く見られる。刀工によって違いが見られることから、本物かどうかをチェックするときにも、茎はぜひ見ておきたい部分と言える。

錆の色合いから真贋がわかることも

古い刀剣には、錆が発生することもある。錆は刀剣の価値にも影響を与えるため、できれば発生させないほうがいい。ただ、真贋を見極めるときには、このような錆が1つの参考になることもある。

実際、茎の部分の錆を真贋を見分けるときのポイントにしている鑑定家は少なくない。人工的に発生させたような錆が見られる場合は、偽物の可能性が高いので注意をしよう。錆の色にムラがあったり、つき方が不自然だったりすると、偽物ではないか、と疑われるケースもあるかもしれない。

刀剣の錆は、ときに真贋を判断するポイントになるので、研ぎに出す際には鑑定に支障を与えないかどうかを専門家に相談してみたほうがいいだろう。

制作された時代を表す「柄のデザイン」

刀剣のは、刀が作られた時代を知る手がかりになることがある。日本刀の柄には鮫皮などを使っていることが多いが、デザインは多種多様だ。また、刀剣の柄の部分についている鍔は、バリエーションが豊富なことからコレクションをしている人も少なくない。実際、骨董品店ではこういった刀剣の鍔だけを買い取りしていることもある。

柄の素材やデザインが刀剣が作られた時代と一致しているか

刀剣が制作された時代と柄のデザインが合っているかどうかも、真贋をチェックするときのポイントになる。施されている目貫のデザインや使用されている金具の種類などは、プロの査定士が鑑定するときにも注目している部分だ。

また、柄と刀の部分を留めている目釘も1つのチェックポイントと言える。古い刀剣の目釘には主に金属が使われているが、後の時代の刀の目釘には竹が用いられていることが多い。こういった細かい点からも、本物、偽物を見分けるヒントが得られる。

鍔の素材も時代を知る手がかりになる

刀のの部分には、鉄や銅、銀などのさまざまな素材が使われている。鍔の素材には流行があるため、注意して見ておけば刀剣が制作された時代をイメージしやすくなるだろう。例えば、桃山時代には金を使った鍔が出回った歴史がある。また、戦国時代になると、革素材の鍔も登場するようになった。こういった各時代に流行した鍔の素材も考慮しながら、日本刀の鑑定は行われている。

高額査定を受けたい場合は、鑑定の障害になるような汚れほこりなどは取り除いておいたほうがいいだろう。汚れやほこりがついていると、実際の価値よりも低く査定されてしまうこともあるので注意が必要だ。

「茎の鑢目や刃文」の違いは重視される

日本刀の鑑定でとくに念入りにチェックされるのが、茎の鑢目や刃文だ。茎にはさまざまな鑢目が見られるが、鑢のかけ方は、流派刀工によって違うケースが多々ある。銘に刻印されている刀工の特徴と相違していないかどうかは、鑑定士も慎重にチェックしている。また、刃文も刀剣の特徴が現れる部分だ。有名な刀工の作品には独特の刃文が見られるケースも多く、鑑定でもチェックポイントになっている可能性が高い。

鑢目から刀工や時代を特定できることもある

例えば、勝手上りと呼ばれる鑢目は、左利きの刀工が制作した刀剣に多く見られる。江戸時代に活躍した刀工である堀川国安は、勝手上りの鑢目で知られる刀工だ。このような刀工は、比較的真贋をチェックしやすいと言える。

銘があっても鑢目が異なるときには、別人が制作した可能性がでてくるわけだ。また、江戸時代の刀剣に多く見られる化粧鑢も、制作された時代を知るときの参考になる。このほかにも、鑢目には鷹の羽や筋違、檜垣などがあり、鑑定でも見極めが行われている。

鑑定でも刃文の違いは重要ポイント

日本刀は、刃文と呼ばれる文様が見られるのが特徴になっている。刃文にも鑢目と同様にさまざまなバリエーションがあり、刀工や流派などによって異なるケースが多い。例えば相洲正宗の系統の刀剣には、緩やかな波型の湾れ刃が多く用いられている。

また、名刀として名高い村正の場合は、波型文様がない直刃が多いのが特徴だ。ちなみに、細かい波型文様が見られる刃文は乱刃と呼ばれている。植物の丁子をイメージさせる丁子刃などは、乱刃の代表的なパターンとして挙げられるだろう。

ヤフオクなどのオークションサイトを見ると、刀工や流派の特徴的な刃文がチェックできるかもしれない。所有している刀の刃文がわからないときには、このようなオークションサイトや刀剣の専門店のサイトで情報を得ておくと、買い取りに自信を持って臨めるようになるだろう。

まとめ

日本刀の真贋判定・偽物の見分け方についてお調べした。まとめてみると、真贋判定の目安となるチェックポイントはかなり多いのではないだろうか。しかしながら持ち主が日本刀に通じない素人の場合、なかなか難しいところかもしれない。

判断に困った際は、日本刀専門の買取業者や、信頼のおける骨董屋で無料査定してもらうと良い。複数の業者を探して依頼することで、手持ちの日本刀の真贋判定ならびに価値をしることができるのではないだろうか。

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