月岡芳年は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師で、有名番組では作品の1つに1,000万円の価格が付けられた。今回は1,000万円の作品を作り出した月岡芳年についてと作品の買取相場をまとめていくので、売却や収集を考えている場合はぜひ参考にしていただきたい。
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月岡芳年について
月岡芳年は歌川派に属して多くの作品を残しており、浮世絵師として活躍した33年間の間に1万点以上の作品を制作したと考えられている。作品以外にも新聞社で挿絵を描いていることからはっきりとした作品の数はわかっていない。
月岡芳年の描いた数多くの作品に影響を受けている芸術家も存在しており、江戸川乱歩は月岡芳年の無惨絵の作品には、恐怖と美があると絶賛をしている。死んでもなお芸術家に影響を与えて続けているのだ。
月岡芳年の制作活動
月岡芳年は1839年に江戸新橋に生まれた。11歳頃に歌川国芳の門下に入り浮世絵師としての道を歩み始める。月岡芳年のデビュー作となったのは、15歳のときに手掛けた画本実語教童子教余師で吉岡芳年という名で挿絵を描いた。
1867年には落合芳幾と共作で英名二十八衆句を制作。この英名二十八衆句は歌舞伎の残虐な場面を描写したもので、月岡芳年が制作した作品の中でも最もグロテスクな表現が多くある作品だ。
1868年に明治維新が起こり、従来の生活に基盤を置いていた画家たちの需要がなくなっていくなか、新聞の挿絵を描いていた。失業していく浮世絵師がいる中で、成功した浮世絵師として月岡芳年は最後の浮世絵師と呼ばれるようになった。
月岡芳年の作画
月岡芳年は歴史絵や美人画、役者絵、風俗画、古典画、合戦絵などさまざまな浮世絵を描いている。評論家から高い評価を得ている絵師だったが、手掛けている作品の中には無惨で刺激的な絵が存在したため一般人にはあまり好かれておらず、血まみれ芳年という名で呼ばれていた。
日本の伝統的な浮世絵の中に西洋画の明暗や遠近法が混ぜ込まれている作品は、見るものを惹きつける。激しい時代変化の中で浮世絵師として名を残すことができたのは、月岡芳年独自の作画方法があったからだ。
月岡芳年の代表作
月岡芳年の名前が出たとき、無惨絵と同じく名前が挙がる作品がある。それは風俗三十二相と月百姿だ。風俗三十二相は美人画の連作で32枚続の作品、月百姿は月を題材とした全部で100枚続の作品である。
風俗三十二相
風俗三十二相は寛政から明治時代にかけて作成された作品で、さまざまな女性が描かれている。32枚の作品すべてに女性の年代と身分の説明が書かれており、江戸時代の女性が23作、明治時代の女性が9作だ。
風俗三十二相はただ姿を描いた肖像画ではなく、その時代を生き抜いた女性たちの心理も描写されているのだ。地域や身分の違う女性が描かれているため、風俗史の史料としても大変貴重な作品だ。
月百姿
自身の名前もあってか月には思入れが強くあった月岡芳年は、月百姿以外でも作品の中に月が登場することが多々あった。その中でも月を題材として書いた作品の中では1番の連作で、月百姿は8年もの年月をかけて作成された。
月が題材になっていながら、100枚の中には月が描かれていない作品も存在している。あえて月を描かないことで鑑賞者に月をイメージさせ、作品に奥行きを感じられるようになっているのだ。
月百姿は連作で描かれたものだが画題は決まっておらず、歴史絵や美人画など人物を画題にしたものから動物や架空の人物、伝説、風景などを画題にしたものもある。月岡芳年はさまざまな浮世絵を描いていることで知られているが、その作風を代表するかのような作品だ。
月岡芳年 浮世絵作品の買取相場
月岡芳年の作品は、100年以上経った今でも人気がある浮世絵だ。月岡芳年の作品は、同じテーマに沿って作られていることが多く、月百姿は100枚に及ぶ作品が存在しており、有名な作品は博物館や美術館が所有しているが完品状態でない場合が多い。
月岡芳年の作品の買取相場を紹介したいところだが浮世絵は作品の状態によって大きく価格が変動し、1点物の作品が多いことから確かな買取金額を紹介することができない。買取金額の紹介はできないが、月岡芳年の作品の販売価格やオークションでの取引価格を紹介していきたいと思う。販売価格なので参考程度にしかならないと思うが売却の際に役立てていただきたい。
月岡芳年 浮世絵作品 ぎゃらりーおおのの価格
買取価格
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対策
ぎゃらりーおおのは浮世絵や版画作品の買取・販売をおこなっており、月岡芳年の他にもさまざまな作者の作品を取りそろえている。買取価格の記載はないため、月岡芳年の販売価格を掲載しておこう。
作品名:勝頼於天目山遂討死図
- ・制作年:慶応2年
- ・状態:良・小補修あり
- ・価格:120,000円
作品名:舵桜の月 平清経
- ・制作年:明治20年
- ・状態:優良・裏打ちあり
- ・価格:60,000円
作品名:英名二十八衆句 妲己の於百
- ・制作年:慶応2年
- ・状態:優良・小補修
- ・価格:100,000円
作品名:大日本名将鑑 北条泰時
- ・制作年:明治12年
- ・状態:優良
- ・価格:20,000円
作品名:大日本史略図會 第九十四代 後醍醐天皇
- ・制作年:明治13年
- ・構図:3枚続
- ・状態:良・小補修
- ・価格:50,000円
作品名:大日本名将鑑 平惟茂(戸隠山の悪鬼)
- ・制作年:明治12年
- ・状態:優良
- ・価格:45,000円
作品名:英名二十八衆句 古手屋八郎兵衛
- ・制作年:慶応2年
- ・状態:優良
- ・価格:100,000円
作品名:新形三十六怪撰 藤原実方の執心雀となるの図
- ・制作年:明治24年
- ・状態:優良
- ・価格:80,000円
作品名:月百姿 月下の斥候 斎藤利三
- ・制作年:明治18年
- ・状態:優良
- ・価格:90,000円
作品名:大日本名将鑑 臣鎌足 中大兄皇子 蘇我入鹿
- ・制作年:明治12年
- ・状態:優良・小汚れ
- ・価格:35,000円
ここで紹介した作品以外にも多くの作品があるので気になる方は、ぎゃらりーおおののホームページで検索をすれば価格を調べることができる。
月岡芳年 浮世絵作品 オークションの価格
毎年1回、日本浮世絵商協同組合が浮世絵のオークションを開催している。2018年にも29回目となるオークションが開催され、出品された浮世絵の中に月岡芳年の作品も出品されていたので金額を紹介しておこう。
作品名:中村芝翫の大高主殿
- ・制作年:文久3年
- ・価格:50,000円
作品名:武勇雪月花之内 吉野の雪
- ・制作年:慶応3年
- ・構図:3枚続
- ・価格:160,000円
作品名:誠忠義心伝
- ・制作年:明治元年
- ・構図:13枚続
- ・価格:2,500,000円
作品名:義士退屯図
- ・制作年:明治2年
- ・構図:3枚続
- ・価格:120,000円
作品名:義経記五條橋絵之図
- ・制作年:明治14年
- ・構図:3枚続
- ・価格:130,000円
作品名:風俗三十二相 あいたさう
- ・制作年:明治21年
- ・価格:60,000円
作品名:風俗三十二相 すずしさう
- ・制作年:明治21年
- ・価格:80,000円
作品名:風俗三十二相
- ・制作年:明治21年
- ・構図:32枚
- ・価格:2,500,000円
作品名:舎那王於鞍馬山學武術之圖
- ・制作年:明治30年
- ・構図:2枚続
- ・価格:50,000円
作品名:後醍醐天皇第三子大塔宮 護良親王誦読於鎌倉土牢法華経図
- ・制作年:明治30年
- ・構図:2枚続
- ・価格:50,000円
オークションで高額な商品となったのは、代表作の1つである風俗三十二相と誠忠義心伝だ。風俗三十二相は32枚すべてがそろったもので、誠忠義心伝13枚セットでの販売で価格はどちらも250万円だ。
月岡芳年 浮世絵作品の価値
月岡芳年の作品の販売価格を紹介してきたが、高額で売却されているのは風俗三十二相や誠忠義心伝、月百姿などの連作の作品だ。人気の高い作品であれば1枚あたり、数万円~数十万円の価格が付いている。
過去に開運なんでも鑑定団では、月百姿の100枚が1,000万円の価格が付けられており、1枚1枚の価値はもちろん高いのだが、連作の浮世絵がそろえられていることで価値が跳ね上がる。今回紹介したオークションでも、風俗三十二相の32枚セットは250万円と非常に高い金額で取引されていることからでも同じことが言えるだろう。
月岡芳年 浮世絵の売却を考えているなら
月岡芳年の作品が家で眠っており、売却を考えているのであれば、できるだけ早く売却することをおすすめする。浮世絵は作品の状態も価格や価値に関わってくる。月岡芳年の作品は制作されてから、100年以上の時間が経っている。多くの時間が流れているからこそ美品であれば高い価値が付くが、ボロボロになってしまってはせっかくの作品でも価値はほとんどなくなってしまう。
保管場所に気をつける
高額で売却をするならば作品をしっかり保管しておかなければならないが、自宅で保管しておくには限界があり、日に日に劣化してしまう。劣化してしまったものは、修復もできるが決して安くない金額だ。
浮世絵は基本紙に描かれているので、湿気が大敵だ。邪魔だからと押し入れなどで保管しているとカビが生えてしまうこともある。逆に日光のあたる位置に置いておくと日焼けを起こし色が変わってしまう。眼に入らない場所で保管している場合は定期的に状態をチェックして損傷がないか確認しておこう。
おすすめの買取業者
浮世絵や絵画は、本人が作成したもの以外にも無名な作者が真似て制作した偽物も存在している。本人が作成していない場合、価格はかなり下がってしまう。月岡芳年の偽物であれば価格は1,000円前後になるだろう。
本物か偽物かの判断は素人では難しいため、1度専門の業者で価値を査定してもらうことをおすすめする。本物か偽物かの判別を付けずに売却をしてしまうと、損をする恐れもある。ここからは、浮世絵や絵画の買取をおこなっている業者を紹介していくので、月岡芳年の浮世絵を売却しようと考えているのであれば参考にしていただきたい。
くまねこ堂
買取価格
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許可番号
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対策
くまねこ堂は古本や古書、レトログッズなど幅広い商品の取り扱いをしている。古本の買取がメインの業者だが、浮世絵や美術品の買取に力を入れており、浮世絵の買取実績も豊富だ。
電話1本で自宅まで査定に来てくれ、査定結果に満足がいけばその場で売却をすることが可能だ。いきなりの査定を不安に感じる場合は、メールでお問い合わせをするといいだろう。買取をしてもらいたい浮世絵の写真を一緒に送れば買取をしてくれるかどうか確認をすることができる。
ただし、くまねこ堂は関東を中心に買取をおこなっているため、出張買取に対応している県数が少ない。買取商品の量が多ければ日本全国どこでも出張買取をしてくれる。関東以外に住んでいる場合は、事前に出張してもらえるか確認を取っておこう。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
八光堂は、骨とう品や美術品の買取を40年以上おこなっている。大阪に本店を構えており、名古屋や京都、広島、博多などにも店舗がある。近くに店舗がなくても、出張買取を利用することができるので心配はいらない。
出張買取は日本全国に対応しており出張料や鑑定料、手数料などは一切掛からない。電話やメール、LINEでも査定・相談をすることが可能だ。まずは電話で相談をおこない、買い取ってもらいたいと思ったときに出張買取を依頼しよう。
買取をしてもらい手放した後でも、買取成約から8日間の間は商品を返品してもらうことができる。買取後に気が変わり手元に置いておきたくなっても対応してくれるのは、八光堂の大きな魅力だ。
まとめ
この記事では、月岡芳年の浮世絵作品についてまとめてきた。月岡芳年は浮世絵の需要が低下していく中でも浮世絵を描き続け、亡くなる最後のときまで筆を握っていた。月岡芳年が手掛けた作品は多くの芸儒家たちに影響を与え続けている。
月岡芳年の作品は、1枚数万円で売却することができる。手元に置いておく場合は、しっかりと保存をおこない状態を悪くしないように心がけよう。売却をするときは業者間で買取価格の比較をおこない、高い金額を提示した業者に売るといいだろう。
月岡芳年は1万点以上の浮世絵が存在していると言われている。まだ世に出ていない作品も多くあり、家で眠っている浮世絵が月岡芳年の作品の可能性もあるので、1度チェックしてみてはどうだろうか。