フィルムカメラで撮影したものを現像し、印画紙に焼き付けて残していた写真だが、デジタルカメラが主流となった現在では、データとして保存されることが多くなった。
デジタル化の影響を受け、印画紙の需要が少なくなったこともあり、使わなくなってしまった印画紙を売りたいという方も多いだろう。しかし、使わなくなったからといって、そのまま捨ててしまうのは非常にもったいない。売却することで、お得に手放すことができるのだ。
ただ、印画紙だけでも売れるのかという疑問を抱く方も多いだろう。そこで今回は、
- ・買取の実績がある業者
- ・買取業者以外の売却方法
- ・高い値段がつく印画紙の例
- ・価格を上げるためのポイント
などを紹介していく。印画紙を処分しようと考えている方に参考にしていただきたい。
CONTENTS
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写真プリントに使用される印画紙の種類
写真をプリントする際に使用される印画紙の種類は、大きく分けて
- ・銀塩印画紙
- ・インクジェット印画紙
の2種類だ。
プリントの方法によって使用する印画紙が異なる。また、買取価格も種類によって変わるため使わなくなった印画紙が、どの種類のものなのかチェックしてみてほしい。
銀塩印画紙
銀塩印画紙は、フィルムカメラで撮影した写真をプリントする際に使用される。銀塩印画紙には、光が当たると発色する薬品(銀塩感光材料・乳剤)が紙の表面に塗られており、撮影済みのネガフィルムを現像し、引き伸ばした画像を印画紙の上に照射すると発色し、写真が完成する。
銀塩印画紙は、モノクロとカラーそれぞれに専用の印画紙があり、用途によって使い分ける必要がある。
インクジェット印画紙
インクジェット印画紙は、デジタルカメラで撮影した写真をプリントする際に使用される印画紙だ。プリンターに出力された画像データを元にインクを印画紙に直接噴きつけて乗せることで写真が完成する。
色の再現度合いは、インクの密度によって変化する。インクジェットプリントは解像度や色の再現性に優れている点から写真印刷にはもってこいだ。
印画紙の買取実績がある業者
印画紙の買取は需要が低くなりつつある現在では、リサイクルや処分としての引き取りは可能であったとしても、値段がつかないことがほとんどだ。しかし、印画紙の買取に力を入れている業者は多くはないが存在する。
ここからは、印画紙の買取をおこなっている業者を紹介していこう。
写真用紙買取NET
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
買取NETは、中古写真用紙の他、家電や楽器なども取り扱う買取専門業者だ。買取NETでは、宅配買取を中心におこなっている。問い合わせの段階で個人情報をすべて入力しなければならない業者もあるが、買取NETでは匿名で簡単に問い合わせることができる。
査定のスピードをセールスポイントにしており、通常1営業日以内、最短で問い合わせ当日に査定終了の連絡をすることもある。すぐに査定結果が知りたい人にとっては、非常に助かる業者と言えるだろう。
ただし、買取NETでは買取をしている対象商品は2014年以降に製造された商品のみのため、買取NETに買取依頼をする際は、自分の持っている印画紙が2014年以降に製造されたものであるかどうか確認しよう。
なお、買取NETでの買取価格は型番によって変動するものの、高くても1,500円までが相場だ。(2019年5月27日実績調査例)ただ捨ててしまうのはもったいないので、2014年以降に製造された印画紙を大量に処分する場合には、利用を検討してはいかがだろうか。
スリースター商会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
スリースター商会は、カメラやその周辺機器を専門に買取をおこなっている業者である。周辺機器の中には、ネガフィルムの現像などに使う暗室用品も含まれており、印画紙の買取も可能だ。国内メーカーの製品はもちろん海外メーカの製品まで広く買取をおこなっている。
ただし、スリースター商会が買取を受け付けているのは、未使用・未開封品に限る。また、買取合計金額が目安5,000円以上でないと買取できないという点は、あらかじめ注意しておくべきところだ。印画紙単体でも買取はできるが、もともとの枚数が少ない商品は単体での買取はできなくなる。そのため、不要になったカメラ用品があれば、一緒に売却するのが望ましい。
スリースター商会は、日本全国からの宅配買取を受け付けている。電話・メール・FAXのいずれかを利用して依頼することで商品の発送をする前におおよその査定金額を出してもらうことができる。配送料などはかからないが、ダンボールや緩衝材などは自分で準備する必要があるため注意が必要だ。宅配買取以外にも東京・板橋区にある直営店で店舗買取・出張買取もおこなっている。
買取業者以外の売却方法
買取業者以外にも印画紙が取引されているサービスがある。そんなサービスの中でも、特に多く利用されているのが、
- ・メルカリ
- ・ヤフオク
の2つだ。今回は買取業者の他に、この2つのサービスの特徴・メリットについても調査した。
メルカリ
メルカリは、累計ダウンロード数1億を超えるフリマアプリサービスだ。気軽に出品できて、売れやすいのが特徴のサービスである。その売れやすさ、買いやすさから幅広い年齢層の人々が利用している。メルカリを調査したところ、印画紙の出品は安いものから、高値がついたものまでさまざまだ。
市場に出回っている印画紙のうち、国内メーカーの製品は、高くても1,500円ほどの価格設定だった。なお、廃盤になった商品や海外メーカーの製品は3,000円を超える値段で取引されていた。(2019年5月27日実績調査例)
ヤフオク
ヤフオクは、大手インターネットサービスYahooが運営するオークションサイトである。メルカリとは違いオークション形式での取引がおこなわれる。人気がある商品は価格競合が起こるため、高額な価格が付きやすい。逆に人気がなければ、価格競合が起きず低価格で取引をされてしまう可能性がある。
ヤフオクでは、国内メーカーの製品の価格はメルカリとほとんど変わらずの1,500円ほどだった。しかし、海外メーカーの製品の中には5,000円を超えるような高額な取引があった。(2019年5月27日実績調査例)
高い値段が付く印画紙の例
古い印画紙の中には、廃盤になり市場に出回らなくなったなどの理由で希少価値が上がったものがある。廃盤になったものは希少価値が上がり、プレミア価格がつけられる場合がある。高い値段で取引される印画紙の例として、
- ・Kodak(コダック)
- ・ILFORD(イルフォード)
の2つを紹介する。
Kodak
コダック社は、アメリカに拠点を置く写真用品メーカーである。世界で初めてデジタルカメラを開発したメーカーとしても有名だ。
コダック社が販売していたコダック・スープラ・エンデュラというシートタイプの銀塩印画紙がある。この印画紙は、サイズによっては新品購入価格が10,000円を超えるものもある上質な印画紙だが、すでに生産・販売を終了している。
使用期限がすでに切れており、プリント可能なものはほとんど残っていないだろう。古いタイプであるがゆえに買取をおこなっている業者はほとんど無かった。では、このコダックの印画紙がどのような価格で出品されているのだろうか。メルカリとヤフオクを調査してみた。
メルカリでは、定価約8,000円の印画紙が3,500円で出品されていた。(2019年5月27日調査例)メルカリに出品されているのは、この1品のみだった。ヤフオクでは、定価約10,000円のものと定価約20,000円のものがセットで出品されており、6,100円で落札されていた。(2019年5月27日調査例)
ILFORD
イルフォード社は、イギリスの写真用品メーカーだ。モノクロフィルムや印画紙を主力にした商品ラインナップを展開していたが2004年に1度倒産した。その倒産以前に製造された印画紙の中に価値を上げたものが多くみられた。イルフォードの印画紙がどのような値段で取引されているのか、こちらもメルカリとヤフオクを調査した。一例を紹介しよう。
メルカリでは、定価約20,000円の印画紙が、11,000円で取引されていた。(2019年5月27日調査例)他にもさまざまな種類の印画紙が出品されていたが、印画紙のサイズや、枚数などにより大きく値段が変わっている。安いものは1,500円から、高いものは例に挙げた11,000円まであった。
ヤフオクでは、定価約22,000円の未使用の印画紙が、12,000円で落札されていた。(2019年5月27日調査例)イルフォード社の印画紙は、コダック社のものと比べて出品数が多かった。これらの印画紙は、使用期限が切れており、実用性が無いものが多い。現像に使うためではなく、コレクションとして取引されているという印象を受けた。
メルカリとヤフオクを比べてみたところ、出品者が価格を設定するメルカリよりも入札者が値段を上げてくれるヤフオクの方が、高額で売却できている例が多くみられた。オークションの強みが顕著に表れているという印象だ。メルカリやヤフオクは、共に気軽に利用できる点が大きなメリットだ。予想以上に高額で売れることもあるので、利用してみるのもひとつの手段として考えておこう。
しかし、取引をする相手は業者ではなく個人であるので、トラブルが起こりやすい。そのため、利用は慎重かつ計画的にした方が良い。今回はコダックとイルフォードの印画紙にスポットをあてたが、これはほんの一例だ。もっと高額な取引実績のある商品があるかもしれない。他のメーカーの印画紙を持っているなら、調べてみると良いだろう。
価格を上げるためのポイント
印画紙の売却価格を上げるためにチェックしておきたいポイントがある。しっかりとチェックして価格を少しでも上げておきたい。印画紙にとって最も重要なポイントは、保存状態の良さだ。未開封品であれど、状態の良くないものは価値が落ちてしまう。
保存状態を良くするためには、高温多湿を避けた冷暗所に保存するのが望ましい。銀塩プリントをおこなっていた暗室があるのであれば、暗室に保存すると良いだろう。銀塩印画紙の場合、光が当たると発色してしまい、プリントの際に大きな支障が出る。光を遮断する意味でも暗室での保存はメリットがあるのだ。
まとめ
写真のプリントにはさまざまな方法があり、方法によって使う印画紙が異なる。銀塩印画紙はフィルムカメラで撮影したものをプリントする際に用いられる。プリント技術がデジタル化し、銀塩印画紙の需要は減少しているが写真を製作するためには欠かせない。
デジタルカメラで撮影した写真のプリントに用いられるのがインクジェット印画紙だ。コンピューターで画像をデータ化してプリンターに出力すれば、簡単に写真をプリントできる。印刷用紙の種類が最も豊富で用途も幅広いのが特徴である。デジタルカメラでの写真撮影が主流となっている現在、写真のプリントに最も使用されるのはインクジェット印画紙だ。
しかし、写真はデータとして保存されることが多くなった。そのあおりを受けて印画紙は需要が減少したため、使わなくなったものがあるという方もいるだろう。使わなくなったといって、ただ捨ててしまうのはもったいない。売却するとお得に手放すことができるのだ。カメラをはじめとした写真用品を取り扱っている買取業者は、印画紙の買取も受け付けている場合がある。
もし印画紙を大量の処分しようと検討しているなら、買取をおこなっている業者に相談してみよう。また、古い印画紙のなかには、コレクションとして価値を持つものがある。生産・販売を終了して廃盤になったものや海外メーカーの古いものは、希少価値が上がっており、プレミア価格がつけられる場合がある。フリマアプリやオークションで出品してみると思わぬ食いつきがあるかもしれない。
印画紙は、使用期限が切れてしまった古いものであっても、予想外の価値がつく可能性がある。使用期限が切れたからもう価値はないだろうと捨ててしまう前にフリマアプリやオークションなどを調べてみよう。以上が現像ペーパー・印画紙の買取相場や売却に関する情報である。お得に印画紙を手放せる手助けとなれば幸いだ。