亡くなった祖父母宅の遺品整理や蔵の断捨離中に出てくる「古い手紙や資料の山」の中には、古文書としての価値があるものが含まれていることも考えられる。
特に、その建物に眠っている骨董品や古美術品が江戸時代より古い場合は、ボロボロの資料や手紙についても古文書と鑑定されることが多いと考えた方が良いだろう。
今回は、一般の古書や日記、備忘録とは少し異なるニーズを持つ古文書について、これから買取に臨むみなさんに知っていただきたい基礎知識を紹介していく。
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古文書の定義とは?
古文書の高額査定情報を紹介する前に、この商材の定義を確認しておこう。
古文書と古記録の違い
古文書は、「特定の相手に意志を伝えること」を目的に作成された手紙や書類の総称である。
これに対して、特にターゲットを決めずに作られた古書、日記、編纂物などは、古文書とは全く異なる「古記録」という分類で売買が行われているのだ。
「内容が一般的に知られているか?」で判断する
友人、知人、先輩といった特定の相手に向けて書かれた古文書は、「内容が一般的に知られていないこと」が高価買取のポイントとなる。
これに対して、教育勅語や論語、漢籍のように多くの人にその内容が知られている古記録は、「社会的認知度と希少性」という古文書とは真逆の特性が高価買取の条件となるのだ。
このように類似のカテゴリでありながらも全く違う性質を持つこの両者は、買取店に持ち込む前に「誰に向けて書かれたものか?」を把握する作業が意外な高値を生むと考えて良いだろう。
古文書における需要とは?
江戸時代以前に生きていた人たちの想いや行動が描かれた古文書は、当時の歴史や伝統文化、風習を研究する上で欠かせない資料となる。
歴史的価値の高い古文書の多くは、国立古文書館や博物館などに収蔵されるため、普通の古書のように古本や骨董品市場に流通するケースはほとんどないのだ。
また中には、「江戸文化の研究用」として大学教授や学者によって購入されることもあるため、一般のみなさんがこの商材を目にするのは「博物館や研究機関のみ」と捉えた方が良いだろう。
人気の高い中国古文書
全てが漢字の中国古文書は、「漢字の成り立ちや歴史」を探る上で、世界的に注目度の高い研究資料となっている。
また近頃では、中国骨董オークションブームにより、さまざまな中国人富裕層が古文書を入手したいと躍起になっているため、このような人々の勢いが中国古文書の買取市場に好循環をもたらしていると考えて良さそうだ。
そんな中国古文書は、「漢字だけで書かれている」という点で日本の古文書よりも価値判断をしやすい傾向があるため、国内の骨董品専門店にも多く持ち込まれる品目となっている。
古文書を高く売るために実践すべきこと
ここからは、普通の骨董品とは少し違った特性を持つ古文書について、高額査定に繋げるコツを紹介していこう。
古文書はどこに売るのが理想?
古文書を高価買取に繋げるためには、「古文書に詳しい鑑定士のいる専門店」に持ち込む必要がある。
一般的には骨董品買取店、古美術品買取店、古書店などが妥当とされるが、少しでも高く売りたい場合は、ショップのホームページの中で「古文書の買取実績があるか?」を確認するようにして欲しい。
これから行こうとする骨董品店に古文書のカテゴリがない場合は、メールや電話で問い合わせをしても良いかもしれない。
古文書の売り時とは?
古文書が作られたのが江戸時代以前と考えれば、自宅保管による経年劣化を進めないためにも、「1日でも早く査定に出すこと」を心掛ける必要がある。
また、古書と比べてクローズドな関係内で作られた古文書は、時代の流れによる一過性のプレミアなどがつきにくい特徴があるため、長きに渡って自宅保管するメリットは「ない」と考えて良さそうだ。
付属資料などはすべて一緒に買取に出そう
もし、売りたい古文書が入っていた箱類や包まれていた紙、付属資料がある場合は、買取の際に一緒に持ち込んだほうが良いだろう。それらがある場合とない場合では、査定額に大きな差が生まれることもある。中の文書だけあれば良いだろうと、誤って捨てないようにしよう。
破れや傷みがある場合は、そのままにしておこう
古文書は非常に古いものが多いため、破れや痛みがあるものもあるだろう。自分でテープなどで修理してから買取に出したほうが良いと思われるかもしれないが、逆に査定額が下がる可能性があるので注意したい。破れていたり、傷んでいたりしてもそのままにしておこう。
古文書の入手した経緯などは話せるようにしておこう
古文書の買取の際には、古文書を入手した経緯はもちろん、購入時期や購入金額を把握して鑑定士にしっかり伝えることが重要になってくる。査定額に大きく影響するので、できる限り把握しておくことがおすすめだ。また、古文書の査定ポイントとして、歴史的・美術的な価値を持つかどうかという点がある。江戸時代よりも古く書かれていたり、学術的な内容が含まれていたり、書かれた年代が珍しかったりすると査定額がアップする傾向がある。また、初版や絶版になっているものも希少価値が高まるので高価買取に繋がりやすい。世の中に出回っていない文書であればあるほど、価値は高まるのである。
古文書の売却には出張査定がおすすめ
数百年前に作られた古文書は、その大半が非常にデリケートなコンディションなのである。
特に、外に持ち出すためにバッグなどに入れると、損傷が激しくなることも想定できるため、出張査定を使って鑑定士に来てもらうことも「古文書の品質を守る良策」と考えて良いだろう。
もし同じ部屋に骨董品がある場合は、それらも一緒に鑑定してもらうことで更なる高価買取に繋がると言えそうだ。
古文書の買取実績と参考買取相場のまとめ
高い歴史的価値により、博物館などに収蔵されることがほとんどの古文書は、一般の骨董品や古美術品とは違って、多くの買取店でその実績を非公開としている。
また、実績を公開する専門店であっても「写真のみ」とか「概略のみ」といった状態のため、インターネットを使って「自分の古文書がいくらで売れるか?」を調べるのは難しいと考えた方が良いだろう。
今回は、有名な書蹟史家・増田孝によってさまざまな古文書鑑定が行われている人気テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」のページから、初心者の皆さんでもイメージしやすい実例を紹介してみたい。
平田篤胤の書簡
江戸時代後期に国学者として活躍した平田篤胤の書簡には、4通で2,500,000円という驚きの鑑定額が付いている。
平田篤胤を代表著書「玉襷」の裏付けとも言えるこの書簡は、古文書ならではの歴史的価値だけでなく、文学的価値も高いと考えて良いだろう。
乃木希典が杉民治に送った手紙
明治時代を代表する陸軍大将として知られる乃木希典が、政治家・杉民治に送った手紙も、1,500,000円もの鑑定額がつく立派な古文書のひとつである。
封筒や切手なども揃っていれば、史料としての価値は更に高まるため、査定依頼の際には一式で鑑定士に見せることが理想と言えるだろう。
小林一茶の掛け軸
特定の相手に向けたメッセージの中には、掛け軸や色紙といった芸術作品的な形で描かれている物も存在する。
この場合は、多くの骨董品店で鑑定が可能となるため、「紙の山」とも言える一般の古文書と比べて遥かに手放しやすい存在と言えるだろう。
なんでも鑑定団の中で紹介された小林一茶の掛け軸には、彼の知名度と芸術性、希少性が相まって4,500,000円もの鑑定額が付いている。
古文書を売る場所はどこか
古文書を売りたいがどこに売れば良いか分からない、という人も多いのではないだろうか。ここでは、古文書の売り先について紹介したい。
総合買取店か、骨董品や美術品を扱っている買取店
中古品の買取で一番に思いつくのが、総合買取店だろう。幅広いジャンルの商品を扱っているタイプの買取店だが、古文書の知識を持っている鑑定士が必ずしもいるわけではないので、一定の金額でしか買い取ってもらえないことが多い。古文書は非常に鑑定が難しい分野であるので、あまりおすすめは出来ない。総合買取店よりも、骨董品や美術品を扱っている買取店に依頼したほうが良いだろう。ネットオークションは、個人間の取引になるため理想の価格で売れることもあるが、自分が売りたい古文書の価値を理解していないと損をすることもあるので、まずは専門の買取店に査定を依頼してみよう。
古文書を売るのにおすすめの買取業者
古文書は特殊な分野のため、総合買取店よりも美術品などの買取店に査定を依頼すると良いだろう。鑑定士によって知識に差があることが多いため、一社だけに査定を依頼するのではなく、同時に何社もの買取店に査定をお願いすることがおすすめだ。そうすることで、納得のいく買取価格に繋がりやすくなるだろう。
総合美術買取センター
絵画や骨董品などの美術品専門の買取業者である総合美術買取センター。絵画・美術品の買取相場の高さがピカイチである。当サイトではベスト3に入る人気店で、おすすめの鑑定業者である。電話、メール、LINE、訪問などのさまざまな査定方法と買取方法を選ぶことができ、スピード査定、スピード回答も行っているため急ぎの人にもおすすめの買取業者である。古文書を高い金額で売りたいならば総合美術買取センターの無料見積もりを依頼してみてはいかがだろうか。
買取価格
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対策
日晃堂
や古美術品を専門で扱っている買取店。各ジャンルごとに骨董品の知識が豊富な鑑定士が在籍しているので、適正な査定額に繋がりやすい。また、日本・中国・欧米を始めとした販売経路を持っている。送料、出張料、査定料などはすべて無料なので、気軽に査定を依頼できるのだ。出張買取、宅配買取、店頭買取の3つの買取方法を採用しているので、自分に合った買取方法を選ぶようにしよう。店舗は東京の上野に構えている。まずは、気軽に査定のみお願いしてみると良いだろう。
いわの美術株式会社
美術品や骨董品を専門に扱っているのが、いわの美術株式会社だ。買取実績は10万件以上と実績のある買取店だ。出張買取と宅配買取の2つの買取方法を採用していて、出張費用と査定費用は無料だ。パソコンでのオンライン査定だけではなく、より気軽に依頼できるLINE査定も実施しているので、利用してみると良いだろう。
まとめ
特定の相手との間に生じたメッセージから歴史や文化を探れる古文書は、一般の骨董品や古美術品と比べて遥かに意外性の高い鑑定結果が得られる商品と言えそうだ。
特に、たくさんの買取店が競合する近頃では、売り手に嬉しい出張査定サービスを実施するところも増えているため、コンディションの良い状態で古文書を手放せる時代が到来していると考えて良いだろう。