草間彌生の名を聞くと、独特な水玉模様を一番に思い浮かべることだろう。アートにあまり詳しくない人でもイメージできるほど、草間彌生の作品の認知度は高い。
彼女の作品は、国内のみならず、世界中にコレクターがいるという。当然、買取市場でも高い人気を誇っており、高値で売れる可能性がある。そこで、草間彌生の作品の買取相場や、高額査定のポイントについてまとめた。
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草間彌生について
日本を代表する芸術家、草間彌生とはどのような人物なのだろうか。ここでは、彼女の生い立ちや作品の特徴を紹介する。草間彌生についてより深く知ることで、作品の価値を把握するのに役に立つことだろう。
幼少期より絵を描き始める
草間彌生（くさまやよい）は、1929年に長野県松本市に生まれた。裕福な家庭で育つも、幼少期に統合失調症を発症してしまう。幻覚や幻聴が繰り返し起こるようになり、その恐怖から逃れようと絵を描くようになったそうだ。
草間彌生といえば、水玉や網模様をモチーフにした作品が有名だろう。これらの作品の多くは、統合失調症に悩む彼女が、心身のバランスを保つために描いているものだとされている。
1945年には、16歳という若さで美術展覧会に入選した実績を持つ。その後、京都市立美術工芸学校で日本画を学び、1957年に渡米することとなる。アメリカでは極貧生活を送った時期もあるようだが、絵を描くことはやめなかったそうだ。
独創的な世界観が国内外で高く評価される
1960年代には、全裸の男女にボディペインティングを施したヌード・デモや性をテーマにしたクサマ・ハプニングと呼ばれる過激なパフォーマンスをするようになった。このような活動により、「前衛の女王」という異名がつくほど、前衛芸術家として広く世界に知られるようになる。
1973年にパートナーであり大親友であるジョゼフ・コーネルさんが死去。彼の死去を受け心身の健康を崩してしまい、日本へ帰国し精神病院へ入院した。なお、草間彌生さんは性的トラウマがあり生涯未婚であるため、ジョセフ・コーネル氏は、結婚相手や夫ではない。
帰国後は自身の死生観の変化により、美術作品のほか、小説や詩集なども創作し、小説「クリストファー男娼窟」で文学新人賞を受賞している。
世界中で人気が爆発して美術館・映画公開に
1990年代に入ってからは、再び創作活動に意欲的に取り組み、1952年の初個展から200回以上を超える個展をこれまでに開催している。記憶に新しいのは、2004年の「クサマトリックス」だろう。森美術館にて開催された個展で、約52万人を動員したそうだ。
2016年には、女性画家では4人目となる文化勲章を受章し、米TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出された。2017年には、新宿エリアに草間彌生美術館がオープン、2019年には自身のドキュメンタリー映画「インフィニティ」が公開されている。
草間彌生の人気作品
草間彌生を象徴するかぼちゃや水玉模様をモチーフとした作品が、やはり国内外で高い評価を得ている。主な代表作には、「かぼちゃ」「帽子」「レモンスカッシュ」「ハイヒール」などがあげられる。文化勲章を受章したことによって、アートファンのみならず一般人の間でも有名になり、作品の価値が上昇しているという。
市場に出ている作品のほとんどが版画作品であり、シルクスクリーンやリトグラフ（石版画）をはじめ、オブジェ作品なども買取りの対象とされている。美術品の他にも、ルイ・ヴィトンのバックや財布をデザインするほか、フェラガモのバックをデザインするなど、さまざまな分野で才能を発揮している。2019年3月に90歳を迎えた草間彌生だが、今なお現役で活動しているのだ。
売りたいときに参考になる買取相場
草間彌生の作品は、買取市場においてどのくらいの金額で取引されているのだろうか。美術品の売買をおこなっている2社を取り上げて、それぞれの買取相場価格を紹介する。査定をおこなう鑑定士によって、そして作品の状態によっても買取価格は異なるため、おおよその目安として参考にしてほしい。また、オークションでの落札価格についても紹介する。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
八光堂は、美術品の買取りを40年以上おこなっている業者だ。大阪と東京に本社を構えており、全国に9店舗展開している。絵画の種類は問わないそうで、油彩や水彩に加え、リトグラフやエッチング、シルクスクリーンといった版画の買取りまで対応可能だ。八光堂の買取相場価格は、以下の通りである。
- ・帽子：70万円
- ・かぼちゃ（S）：200万円
- ・かぼちゃ（RY）：240万円
- ・果物1997：140万円
- ・果物：170万円
- ・花と蝶：100万円
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取協会は、絵画や骨董品、美術品などを専門に買取りしている業者で名古屋に本社を構えており、全国に6つの支社がある。2000年に設立した、比較的新しい会社ともいえる。買取査定フォームが公式サイトにあるので、気軽に査定を申込みやすいだろう。アート買取協会の買取相場価格は、以下の通りだ。
- ・かぼちゃ（1）版画集「永遠の愛」より：350～400万円
- ・夏の宵：250～350万円
- ・ハイヒール：350～400万円
SBIアートオークション
SBIアートオークションは、美術品のオークションや売買、アドバイザリーなどをおこなっている会社だ。年に4～5回程度の公開型オークションを開催しており、日本はもちろん、世界中から参加することができる。落札総額の約40％は、海外顧客による落札なのだという。
20世紀以降のコンテンポラリーアートをはじめ、写真やモダンアート、工芸といった幅広い作品を取り扱っている。2016年7月に開催されたオークション結果は、以下に抜粋した。
- ・かぼちゃ20051：552,500円
- ・帽子19861：840,000円
- ・野に忘れた帽子：2,760,000円
- ・茶富士「七色の富士」より：1,610,000円
- ・黄富士「七色の富士」より：1,782,500円
売却方法
高額な美術品を売る機会というのは、そう頻繫にあることではない。そのため、そもそもどこに売ればよいのかわからない、という人も多いのではないだろうか。ここでは、一般的な売却方法を説明する。
美術品専門のオークションに出品する
美術品を専門としているオークション会社に査定をしてもらい、その後オークションに出品するという方法がまず考えられる。予想を上回る高い価格で落札されるケースがある一方で、買い手が一人もつかないことも当然あり得る。落札されなかった場合は、作品が自分のもとへ返されることになり、残念ながら利益はない。
また、落札された場合でも、入金されるまでに多少時間がかかるようだ。すぐに現金化したい人にとっては、不向きな方法かもしれないためよく検討してほしい。
画廊に持って行く
画廊のなかには、美術品の買取りをしているところもある。専門家であるだけに、鑑定の腕は確かなはずだ。しかし、さまざまなジャンルに精通している画廊はあまり多くはない。日本画や洋画など、画廊ごとに専門ジャンルが異なるからである。
例えば、日本画を得意としている画廊に現代アートを持ち込んでも、正確な鑑定ができるとは考えにくい。草間彌生の作品を画廊に持ち込むのであれば、彼女の作品を専門にしている画廊を探すことが不可欠だろう。
買取業者に売る
買取業者に鑑定してもらって、その査定価格に納得したら売るという方法だ。ただし、買取業者ならどこでもよいというわけではない。美術品に特化している買取業者を選ぶことが、重要なポイントになる。
美術品の鑑定には専門的な知識が必要であり、素人目で簡単に価値を判断できるものではない。業者によっても買取方法は異なるが、一般的には出張買取・店頭買取・宅配買取の3種類があるので自分にとって都合のよい方法を選ぶとよいだろう。
LINE査定に対応した買取業者
おいだ美術
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
これまで数々の草間彌生の展示会をおこなってきた「おいだ美術館」は、東京都・銀座に店を構えている。開廊以降、数多く草間彌生の作品を買い取ってきた。買取価格は不明だが、買取実績として上がっているのは、「かぼちゃアクリル」「蝶 水彩色紙」「星座 キャンバスにアクリル」など。
査定をお願いする際にはLINEのほか、買取査定フォームやメール、電話、Faxを用いることができる。最終査定額は現物を見てからとなるが、通常1〜2日でおおよその査定額が分かるそうだ。
出張買取については、「ご相談ください」と書かれている。
アート買取市場
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
創業20年になる「アート買取市場」は、「草間彌生買取額No.1級」という広告を打っている。真贋がわからないものについて鑑定代行をお願いできるのに加え、査定方法が充実している。
方法は、電話、メール、携帯電話での写真撮影、LINE、持ち込み来店・出張のいずれか。LINEはQRコードから友達追加をし、写真を送るだけで簡単に査定額を知らせてもらえる。出張買取については、商談内容によって断られてしまうこともあるようだ。
出張査定に対応した買取業者
買取コレクター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
「買取コレクター」は、出張買取の場合、片付いていない部屋でもOKで掃除までしてくれるそう。その場で現金お支払いというシステムを取っているため、金銭に余裕がない方には良いかもしれない。
また、草間彌生のデザイナーズトイに関して「高価買取」と銘打って、4月6日まで宅配買取30%UP、出張買取40%UPのキャンペーンを実施している。
買取実績
- 国立新美術館 わが永遠の魂 草間彌生 オブジェ パンプキン 赤 × 白 / 南瓜 カボチャ：10,800円
- 草間彌生 スノードーム パンプキン：10,300円
エコリング
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古着や家電、家具、骨董品など幅広く買取をしている「エコリング」でも、草間彌生の作品を強化買取中。草間彌生作品の参考買取価格として、「リトグラフ 『帽子』」が紹介されている。参考買取価格、各種証明書やサインがある状態で150万円。他社100万円と記載があるため、金額に納得のいかないお客さんが訪れたのだろうか。
無料査定や出張買取の予約は電話もしくはフォームから。出張対応エリアは東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫、広島、福岡と限定されているため注意したい。
高額査定のポイント
世界中にコレクターがいるため、通常でも高値での買取りが期待できる草間彌生の作品だが、より高い査定価格を狙うにはどのようなポイントを押さえるとよいのだろうか。高額査定に繋がる有益な情報をいくつか紹介しよう。
保存状態に気をつける
保存状態が悪いと、減額査定されてしまうおそれがある。作品にシミがついている、カビが生えてしまった、直射日光があたって日焼けしている、これらはマイナスの評価となる項目の一部だ。
また、作品に傷をつけてしまったり、一部が破損してしまったりというケースも、減額の対象になりやすい。作品の見た目を大きく損なうようなダメージは、査定額に影響を与えてしまう。
反対に、保存状態がよく、目立った痛みがない作品は高額買取されやすくなる。ほこりや汚れが目立つようなら、きれいに掃除してから査定に出すことをおすすめする。
できるだけ早く売りに出す
美術品の買取りは、時価で評価される傾向にある。特に草間彌生の作品は、時間が少し経過しただけで、価格が下がってしまうケースも少なくない。どんなに美品であっても、市場でのニーズがあまりないとなれば、高額査定は難しくなるだろう。
草間彌生の作品を売却しようと考えている人は、できるだけ早く手放したほうが高く売れるものと考えられる。わずか1か月の差で、数十万円という差がついてしまったら、悔しい思いをすることにもなりかねない。売りどきを見極めることが、とても大切なのだ。
複数の買取業者を比較する
美術品専門の買取業者を利用する場合は、複数の業者に見積りをとるようにしよう。業者によって、査定価格はさまざまだからだ。A社は50万円、B社は30万円、C社は60万円といった具合に、同じ作品でも買取価格が異なることは珍しくない。
高額査定を望むのであれば、できるだけ多くの買取業者に見積りをとって、その査定価格を比較するようおすすめする。業者が用意している査定フォームなどを使えば、簡易査定が容易にできるはずだ。ただし、査定価格の高さだけで決めるのではなく、評判や対応なども考慮してベストな一社を見極めるようにしよう。
査定時の注意点
美術品の査定においては、基本的に鑑定書が必要になる。査定時に作品と合わせて鑑定書を提示することで、買取の流れがよりスムーズになるからだ。特に草間彌生の作品は、世界的にも有名で人気があることから、贋作が多く出回っているという。
一目見て贋作とわかるようなものであれば、鑑定士は迷うことなく判断できるに違いない。しかし、なかには判断に迷うものもあるだろう。そんなときに鑑定書があれば、本物であると断言できる材料になるわけである。もし鑑定書が手元にない場合は、草間彌生スタジオで鑑定してもらってから査定に出すとよいだろう。
まとめ
日本の代表的な芸術家である草間彌生の作品は、そのインパクトある作風から国内外のコレクターたちを魅了し続けている。特に人気が高いのは、かぼちゃや水玉模様をモチーフとした作品だ。
しかし、売るタイミングを逃してしまうと、せっかくの価値が大きく下がってしまうこともある。売却を希望するのなら、価値が下がる前に早めに売るのが得策だろう。
