貴金属の処分をする時の費用は？無料の引き取り業者はある？

貴金属を中心とした宝飾品関連は、年齢を重ねるにつれて、趣味や嗜好が変化することから、意外とジュエリーボックスの中に眠ってしまうことが多い。また、故人の遺品整理等で貴金属が出てくることは、今の時代よくあることだ。当然、こうしたものも故人の思い出として大事にしまっておくこともあるだろう。しかし、せっかく価値あるものなのに、大切に手を付けない状態にしておくことは、果たして賢い手段なのだろうか。

本記事をお読みになっている方の中には、きっとこのようなしまったままにしている貴金属を処分したいと考えている人もいるのではないだろうか。もしかしたら、こうした貴金属に利用価値があるかもしれない。こうした方々の疑問にお答えするためにも、貴金属の処分はどのようにしたらよいか考えてみたいと思う。

よくいう「貴金属」とはいったい何のこと？

まず、ここでは「貴金属」の定義をはっきりさせたいと思う。一般的に金（Au）、銀（Ag）、プラチナ（Pt）、パラジウム（Pd）、ロジウム（Rh）、ルテニウム(Ru)、オスミウム（Os）、イリジウム（Iｒ）の合計8種類が貴金属と呼ばれている。なかでも宝飾品として主に用いられているのは、お察しのとおり、金・銀・プラチナである。なお、パラジウム・ルテニウム・イリジウムなどは、あまり聞きなれないかしれないが、宝飾品の割金（合金を構成する金属の中で、主要ではない方の金属）などに使用されることが多い金属であり、やはりそれなりに価値はあるものだ。

ご存知の通り、金は、宝飾品の中でもとりわけ人気で、非常に価値が高い貴金属である。また、銀は、様々な宝飾品に幅広く使うことができ、黒ずんでも磨けば再び輝きを取り戻すことも可能で、取り扱いの手軽さからも重宝されている。そしてプラチナは、ブライダルジュエリー、特にブライダルリングのアームとして人気があり、明るく美しい貴金属である。ご自宅に眠っている宝飾品がこうした貴金属であるかどうか、まずは確認してみてほしい。

ゴミとして処分する

では、貴金属の処分方法としては、どのような方法があるのだろうか。もちろん、ゴミとして出すことも可能だ。貴金属類は、一般的には資源ゴミに該当する。大型金属類ではないため、特別な料金は取られないと考えられるが、念のためお住まいの清掃事務所や自治体に事前に確認してみてほしい。なお、宝飾品となると、ドラマのように苦い思い出から海や川に捨ててしまうような方もいるかもしれないが、これは止めてほしい。ルールやマナーに反するだけではなく、環境を汚すことにもなるので、捨てるのは気持ちだけにしよう。

誰かに譲る

しかし、それ自体の材質的な価値が失われていないのに、ゴミとして捨てるというのは、少々もったいない気がする。そんな風に感じるのなら、家族や友人に譲るのはどうだろうか。特に、思い出の品である場合、簡単には捨てられないものである。だからと言って、しまいっぱなしにして利用されないままに放置されるのももったいない。であれば、思い出とともに家族に譲ったり、仲の良い友人に大切に使用してもらったりするのも選択肢の一つではないだろうか。

貴金属は、磨いたり、手入れをしたりするだけで、再び輝きを取り戻すものが多い。このため、長く使えるという利点もある。自分が身につけていた貴金属が世代を超えて使用される姿を見るのも良いものであろう。

リユースする

自分で身につけたいものの、デザインが古い、サイズが入らないなどで悩んでいる場合、その貴金属をいったん溶かしてリユースする方法も近年、盛んに行われるようになってきた。その手の業者も増えているため、ご自宅に眠ってしまっている貴金属をどうにかしてまた使いたい場合は、貴金属のリユースを行っている業者を探してみてほしい。なお、リユースは手間がかかるため、新たに購入するのに近いだけの費用が掛かることは、あらかじめ念頭においておいてほしい。特に大切な思い出の品である場合は、おすすめの方法だ。

インターネットオークションに出品する

また、インターネットを利用して、オークションサイトなどで貴金属をオークションにかけることも賢い処分方法の一つだ。オークションサイトには、こうした貴金属が多く出品され、以前よりも取引自体の信用度も高まっている。中には高額な取引に繋がるケースも多いため、利用するメリットは大きいかもしれない。

しかし、デメリットも多いのは頭に入れておきたい。インターネットでの取引であるため、その貴金属が本物か、また、どれほどの純度であるかなど、写真だけでは分からないものである。このため、取引の際は、鑑定書がないとほぼ取引が成立する可能性はない、あるいは二束三文となってしまうと考えた方がよいだろう。また、取引に手間がかかることは、間違いない。時間的な余裕がある人、ネット利用になれている方ならば良いが、これに当てはまらない方なら、できればオークションサイトを利用した処分は避けたいところだ。

買取に出す

やはり、貴金属類の処分の王道は、買取店の利用だろう。貴金属は、世界中で欲しがっている人がいる。しかし、貴金属は希少性があるため、必要以上に生産できない。このため、大幅に貴金属自体の価値が下がることは少なく、貴金属を持つことで安定した資産保持にも繋がるのだ。ゆえに、ワールドワイドに安定した取引のできる貴金属を、買取業者は喉から手が出るほど欲しがっていると考えて良い。また、貴金属は各国で取引されるため、明確な相場が存在し、取引も頻繁に行われるため、時間単位でも相場は変動する。この変動する相場に合わせて、買取業者は買取金額を設定する。

貴金属によっては、そのまま宝飾品として保持せずに、溶かして、加工することがある。このため、こうした加工にかかる費用や手数料を、買取の際に差し引く業者が多いので注意したい。ゴールドやプラチナは価値が高いので、手数料が差し引かれてもそれなりの額が残るかもしれないが、シルバーになると、そもそもの値段が安いため、もはやほとんど値段がつかなくなってしまうことがあるので、事前に充分に確認するようにしてほしい。

なお、大手の買取店では、こうした手数料を取らなくなっているところも増えているので、貴金属の持ち込みもし易くなった。しかし、逆に高額な手数料をあらかじめ明示しないような買取業者もあるので、貴金属の売却の際には気を付けたい。買取相場は、業者によって多少違いがあるので、売却の際は、複数の店舗で査定をしてもらい、判断するようにしたい。買取金額の査定は無料のケースがほとんどなので、査定は積極的に依頼してみるのが良いだろう。

近年では、貴金属の訪問買取業者も増えている。自分からわざわざ店舗に足を運ぶ必要もなく、貴金属を買い取って貰えるため、便利ではある。しかし、中にはしっかりとした鑑定を行わなかったり、相場より明らかに低い金額で強引に買い取ってしまったりする悪徳業者も存在するので、一方的に訪問してくる業者には充分に注意していただきたい。わざわざ出張してもらって悪いと思い、納得のいかない価格でも売ってしまうことは避けよう。

まとめ

貴金属は、明確な価値がある。このため、現金に変えやすいのが大きな特徴といえるだろう。もう、その貴金属でできた宝飾品を身につけないということであれば、是非、買取店への売却を考えてみてはどうだろう。貴金属の買取を取り扱う店舗は、とても多い。買取の専門業者だけではなく、宝石店でも買取をしてくれたりするので、こうした店舗へ持ち込んでみて、いくらになるのか相談してみよう。その貴金属には、あなたが想像しているよりも大きな価値があるかもしれない。