質屋というと、物を売りに行く場所、また物を買い取ってくれる場所というイメージを持っている方も多いのではないだろうか。もちろん、それも質屋の仕事である。ただ、それだけではない。
というのも、質屋は お金の融資もしているのだ。質屋に自分の持っているものを預け、それに相当する金額を借り入れすることができる。質屋で決められた期間内に借りた金額に利息をつけて支払うことによって、預けたものを取り戻すことができる。
ただ、ここで注意しておきたいのが質流れである。ここでは、質屋で質流れになってしまうのはどんな時か、またその注意点ということでお話していこう。
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どんな時に質流れになるのか
質屋で融資を受ける場合、ものを預けるのにも決められた期限というものがある。期限内に融資を受けた金額と利息を支払うことができなかった場合、預けたものの所有権が質屋に移ることになる。
つまり、 預けたものが質屋のものになってしまうのだ。質屋のものになってしまえば、こちらから手を出すことも口を出すこともできなくなる。質流れとなってしまったものを取り戻すのであれば、質屋がその商品を売りに出したときに買い取るしかない。
質屋のメリット
質流れがあるとはいえ、質屋にもメリットはある。それは、「返済できなくなっても品物を失うだけで済む」という点である。これが消費者金融などであればそうはいかないため、急な出費などでお金が必要になった時に利用しやすい。
質屋を利用したいとき
買取りは宅配や出張でも対応していても、質の場合は直接店舗に行く必要がある。また、質営業をしていない店舗などもあるため、事前に確認することをおすすめする。
品物を預けてから現金受取りまでの流れ
質屋へ品物を預けてから現金を受け取るまでの3ステップを紹介する。
STEP1:預ける品物の金額を査定
STEP2:書類記入と現住所記載の身分証を提示(免許証やパスポート)
STEP3:現金と質札が渡される(質札とは質入品の詳細や返済期限などが書かれたもので、支払や品物の受取り時に必要)
質屋をお得に利用する方法
質入れの時に査定額をアップさせたい場合は、複数の品物を持ち込むことをおすすめする。また、複数質に入れても別々に質から出すことができる。そして、もっと現金が必要になった場合は途中で買取りに変更することもできる。買取りのほうが高値がつくため、返済が難しい時は質流れになる前に買取りに変更したほうがお得である。
質流れにおける注意点
預けたものが質流れになってしまった場合、融資を受けた金額と利息は支払う必要はなくなる。というのも、そのものの価値をお金に換えて融資を受けていたのだから、融資を受けた金額だけの価値があるということになる。
つまり、質屋にはたちまち現金はないものの、それだけの価値を持っているものがあるということになる。一種の物々交換が成立していることになるのだ。
また、基本的に質屋というのは期限に関する連絡を入れてはこない。質流れとなる場合もそれに関する連絡というのはほとんどないだろう。決められた期限が過ぎれば、自動的に質流れになるのである。質屋からの連絡は基本的に期待しないようにし、自分でしっかりとスケジュールを把握しておく必要がある。
利息を支払えば期限を延長できる
もしどうしても質流れにしてほしくないという場合には、利息だけを支払うという方法もできなくはない。利息を支払うことによって、期限を延長するのである。
もちろん、このあたりの対応は質屋にもよるだろうから確実に延長できるとはいえないため、あくまでも最終手段として頭の中に入れておきたい。
買取りのほうが高値がつくため、質流れになっても構わないものであれば最初から買取をお願いするというのもひとつの方法である。
質屋で質流れした商品はどこへ行き、どこで売られるのか?
思い入れのある物を質屋に入れてしまい「 どうしてもそれを取り戻したい」と思ってその行方を探す人も多いようだ。質流れした商品は一体どこへ行き、どこで売られるのだろうか?その詳細を見ていくことにしよう。
店頭販売される
質屋には商品販売スペースを別に併設して運営しているところもある。街中でもガラス張りの商品ケース(ショーウィンドウ)をよく見かける。期限が過ぎてもお金が返済されないと質物はそのまま質屋の所有物となるので、その商品を別の販売スペースに配置して店頭売り出しするのだ。
店頭販売をしている質屋のほとんどは、お客が足を運びやすいように販売スペースだけはしっかりと改装を行っている。また販売する商品も質物のみならず、オークションなどのお買い得品やお宝を自力で見つけて購入しそれと一緒に販売してるケースが多い。いわばこれは 自己流の販売システムと言えるだろう。
インターネット通販
質屋というとどこかアナログなイメージがある。しかし、ネットが普及するにつれて質屋も自身のWEBサイトを開設したり、楽天やヤフーでショップページを作ったりと、時代の流れに合わせてその販売方法も変わってきている。
どんな販売ビジネスでも今は「ネットで購入すること」が当たり前の時代なので、質屋もこれに対応して積極的にネット通販を行っている。
楽天やヤフーで探してみると高額な商品や新品に近いものを多数販売している老舗質屋のページをよく見かける。質屋も今やネットでの競争が激しく、自社ならではのサービスやキャンペーンを多く展開しないと他社に差をつけられない。
自分が質に入れた商品がどこに行ったのか気になる人は、その質屋がサイトの運営をしているかチェックをしてみよう。案外ネット販売されているかもしれない。
オークションに出される
できるだけ高く売って利益を上げたいというのは商売人なら誰でも考える。そこで便利なのが オークション(競り市)だ。この手のオークションは質屋や古物取扱業者が一か所に集まって現地で開催されている。現地開催のオークションではなくヤフオクなどのネットオークションに出品する質屋もある。ヤフオクで検索すると商品を出品している質屋のページが多く見つかる。
オークションに出されている商品の種類は多岐にわたる。高額な時計、バッグ、衣類、電化製品、プランド品など。現地開催のオークションは専門業者のみが立ち入りを許されているので質物を見つけるのは難しいかもしれないが、その質屋がネットオークションを利用しているならば目当ての質物が見つかる可能性もある。
バザーに売り出される
バザーイベントは全国各地で開催されている。複数の販売店が一緒に集まって決められた日に販売イベントを開く。開催日には多くの客が訪れるので活気があり、販売側も購入側も熱を帯びやすい。バザーのメリットはネット通販と違って実際に商品を手に取って見ることができるということだ。
やはりネットの画像だけで見るのと実物を見るのとでは価値判断に大きな差が出てくる。実物を手にしたほうがやはり安心して取り引きをすることができる。
一つ問題があるとすると、質屋が販売していると思いきや実はそのお店は質屋ではなかった(偽っていた)・・・ということも稀にあるので注意が必要だ。
専門業者に売られる
質屋がアンティーク時計やブランド品を専門業者に売ることは少ないが、絵画や骨董品、楽器や電子機器など専門性の高い質物はそれ専門の業者に売られることもある。質屋といっても得意分野と不得意分野があるため、専門知識外の不得意分野は専門業者に売られることが多いのだ。