パソコンはいまや一家に一台、一人に一台あることも珍しくない。スマホが著しく普及した今日、パソコンはもういらないと考える人もいるが、パソコンがいざなくなるとそれはそれで不都合を感じるものだ。
今回は、そんなどこの家にでもあるパソコンが「遺品」として自分の手に周ってきたときの、おすすめの処理方法について話そう。
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遺品としてのパソコンはお荷物?
すでに普及しきった感のあるパソコン、高齢者世帯にあることも珍しくなく、最近では遺品として相続されたり、形見分けされたりすることがあるようだ。しかし、パソコンには本人のこだわりが反映されることに加えて、相性とか愛着といったものがある。
誰か他の人のパソコンを使ったことがあるのなら、どこか使い心地の悪さや、使い勝手の悪さを感じたことはないだろうか。そんな一面もあってか、遺品のパソコンをあまり有難く思わない、もっと端的に言えば「お荷物」に感じる人も多いようだ。
筆者はパソコンマニアというわけでもないが、パソコンのCPUやメモリなどの基本スペックをはじめ、ディスプレイのサイズ、質感、デザイン、ブランド、純正キーボード・マウスの使用感、プリインストールされているソフトウェアぐらいにはこだわっており、自分が使うパソコンは自分が好きなように選びたいと思うタチだ。
例えハイスペックであっても、他の人のパソコンを譲り受けるのは迷惑に感じてしまうかもしれない。もし、そんなことがあれば、買取店に買い取ってもらって、お金に換えて有意義に使わせてもらうだろう。
使わないのなら売るのがおすすめ
パソコンはそもそも高額な商品であるため、基本的に業者に買い取ってもらうことができる。年式や性能、状態、付属品の有無などによって買取額・買取可否は変わってくるが、遺品整理のときにはお金に換えることができるということを頭の片隅に置いておくとよいだろう。
廃棄するには手数料が必要
また、人によっては「遺品」を売ることに抵抗を持つ人がいるかもしれないが、よくよく考えてみてほしい。遺品は通常、家電や家具などを含め、かなり膨大な量になるものだ。そんな中、「遺品だから」といった理由で廃棄しない、あるいは換金しないのでは、引き取り手が遺品に埋もれてしまう。
使わないと判断したのなら、必ず一定数は処分しなければならないのだ。それならば、廃棄するよりも売却した方が負担も減るだろう。
あなたが当事者となったらどうしてほしいか
個人的には、自分がもし鬼籍に入ったら、ぜひとも残してしまった家財一式は売るなりして有効に処分してほしいと思う。とりわけ、パソコンの中には他人に見られたくない、まぁいろいろなデータが入っているわけなので、売ってくれた方がむしろ未練を残さず旅立てるというものだ(買取業者に売却する場合は、通常データを消去する)。
ただし、メルカリなどでデータが残ったまま誰かに直接売却するのは、頼むからやめてくれ。死んでも死にきれない。
遺品のパソコンはハイスペックの可能性も
変な話、遺品として譲り受けるパソコンは元値が高額なハイスペックなものであることが多いような印象を受ける。 というのも、遺品なので元の持ち主はやはり高齢者が相対的に多くなるわけだが、高齢者はハイスペックのパソコンを買いやすい、というか買わされやすいのだ。
よくあるのが、パソコンについてよくわからないため営業のいいなりでトゥーマッチなパソコンを買ってしまうパターンだ。お金に余裕がある方なら疑問に思わず買ってしまうのだろうか。もう一つは、そもそもお金に余裕がある人が多いということだろうか、高齢者は気前良くどうせ買うなら良いものを買うという人も少なくない気がする。
そんなこんなで、ハイスペックで元値が高いパソコンが遺品として周ってくる可能性は高く、その場合は当然高値で売れることになる(もちろん年式や状態にもよるが)。
遺品のパソコンはどこで売るのがおすすめ?
さて、そんな遺品として手に渡ったパソコンは、どこで売るのがおすすめだろうか?一般的に、業者に頼む分には遺品だからといって買取を拒否されたり、敬遠されたりすることはない(メルカリなどで個人間売買する場合には、ひょっとしたら嫌がる人もいるかもしれないが)。
以下では、パソコンの買取に強い業者をいくつか紹介しよう。なお、下記情報は本記事執筆時点(2018年7月)のものなので、パソコンを売る際には念のため最新情報を確認するようにしよう。
PC高く売れるドットコム
まずは、「PC高く売れるドットコム」を取り上げたいと思う。屋号のとおり、パソコンが高く売れると評判の業者だ。PC高く売れるドットコムは、パソコンの買取に特化した専門買取業者で、この類の業者にしては規模が大きく、日本に幅広く拠点(リユースセンター)を構えている。
その特徴としては、店頭買取・宅配買取・出張買取に全て無料で対応していることだろう。一般的に無料で当たり前と思われることかもしれないが、宅配買取でキャンセルした時の返送料まで無料というのは、パソコンではなかなか珍しい。
考えても見てほしい、パソコンのような精密機器で、場合によっては大型のものを送るのは、結構お金がかかるものだ。それをキャンセル時にも無料で返送してくれるというのは、太っ腹と言えるだろう。
逆に言えば、それだけ買取(買取額)に自信があるということだろうか。また、出張買取での出張料も無料、加えて、その場で現金で支払ってくれるのも嬉しいところだ。
また、日本各地に構えるリユースセンターの強みを活かして、店頭買取にも力を入れているようだ。
宅配買取も出張買取もあるんだから、店頭買取は不要では・・・と思う人もいるかもしれないが、「当日現金化が可能!お越し頂く分、買取額に還元いたします!」と公式ホームページでも宣言しているとおり、いらないと思ったらすぐに処分し現金に換えることができ、しかも宅配買取や出張買取よりも高額で買い取ってもらえるとなると魅力十分ではないか。
そして、パソコンを売るうえで気になるのが、パソコン内のデータをどう消去するかだ。一般的に、パソコンを売るのなら、データ消去は必須だ。しかし、一言にデータ消去といっても、やってみると実はなかなか難しいのだ。
パソコン上でデータを一度削除して、ごみ箱から再度削除すれば消去完了と思ってしまう人がいるが、これは実に危険。割と容易に復元することができるので、不十分といえるだろう。また、パソコンの初期化も実は不十分で、データが復元されてしまうこともあるのだ。
また、HDDなどを物理的に破壊してしまえば、それこそ売り物にならなくなってしまう。つまり、筆者を含め、一般人が完全にデータを消去するのはなかなかハードルが高いのだ。そんな時、 PC高く売れるドットコムのように買取時にデータ消去サービスがあると非常に心強い。
データ消去には、米国立標準技術研究所準拠(NIST)方式を採用しているので、個人情報の流出防止に信頼性がある。それでも気になるのなら、消去証明書も発行してもらえるので、お願いしてみると良いだろう。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ブックオフ
「本を売るなら~」でおなじみの「ブックオフ」でも、パソコンを買い取ってくれるのをご存知だろうか。大手の安心感からか、ブックオフでパソコンを買い取ってもらう人はそこそこいるようだ。
対象はノートパソコンにデスクトップパソコンはもちろん、液晶モニタや周辺機器、パーツなども買い取ってくれる。対応メーカーも多く、海外メーカー、DELLやHPなどの直販メーカーもOKだ。
ブックオフは、残念ながら宅配買取や出張買取を行っていない。しかし、実店舗数に圧倒的に強みがあるので、売りたいと思ったときにすぐに売りに行ける、すぐに現金で買い取ってくれるというメリットがある。
実際、筆者も別業者の宅配買取を利用せずに、ブックオフにパソコンを売りに行ったことがあるが、やはり思い立った時にすぐ処分(換金)できる、というのが一番の動機であった。加えて、ブックオフならよく知っているので、真っ当かどうかアレコレ悩む必要がないのも精神的に楽だ。
また、ブックオフも買取対象となるパソコンのデータをしっかりと消去してくれるので、やはり安心感がある。データ消去に対して何かしらの認証を得た手段または何かしらの基準に適合した手段を採用しているとは説明されていないが、不正な動作によってもデータが読み取られないように上書きし、また別の担当者が確実にデータが消去されたかダブルチェックをやっているとのことだ。
なお、筆者がパソコン数台をブックオフで販売したとき、しっかりと値が付いたものと、10円(実質的に引き取りに近い)となったものがあった。当時の担当者によると、値が付いたものはデータ消去を行い再販するが、10円となったものは再販しないので、いちいちデータを消去しないとのことだった。
では、10円で買い取ってもらう(引き取ってもらう)場合はどうなるかというと、スクラップ処分、要するに物理的に破壊するとのことだった。データ消去において物理的な破壊はかなり有効な手段だ。わざわざ自分で処分するのも面倒なので、10円もらってスクラップにしてもらうことにした。
ブックオフは、本やパソコンだけでなく、さまざまなアイテムを買い取っている。パソコンの専門買取店ではないため、高額買取に過度な期待はしない方がよいと思うが、それでも「すぐそこで、すぐに売れる」というのはブックオフを利用する大きなメリットだと思う。
なお、パソコンの買取に対応している店舗と対応していない店舗があるので、パソコンを持っていく前に必ず確認するようにしてほしい。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ドスパラ
パソコン販売に強く、コアなニーズも満たしてくれる「ドスパラ」でも、パソコンの買取を行っている。 ドスパラの大きな特徴は、一般的に市販されているパソコンの他に、BTOパソコンでも自作パソコンでも買い取ってくれるというところだろう。
こんなサービスはなかなかないと思うので、もしBTOパソコンまたは自作パソコンで他店に買取を断られたというのなら、ドスパラに査定してもらうと良いだろう。
ドスパラでは、店頭買取か宅配買取かの二択となる。店頭買取のメリットは、やはりその場で現金で買い取ってもらえることだろう。なお、手数料として200円がかかるが(買取金額から減算)、銀行振り込みにも対応してもらえる。また、店舗も日本各地の繁華街にあるので、持ち込む分にも楽だろう。
宅配買取も勝手は悪くなく、「引取り梱包サービス」を利用すると、宅配業者が精密機器専用の梱包箱を持ってきてくれて、その場で梱包してくれる。もちろん、送料は無料だ。また、自分で梱包して発送することも可能で、その場合には佐川急便で送れば送料無料(着払い)となる。その他の宅配業者を利用すると元払い扱いになるので、注意しよう。
また、ドスパラではしばしば買取額アップなどのキャンペーンを実施していることがあるので、適用されるかぜひ確認してみよう。なお、本記事執筆時点では、ウェブ申し込み限定で、買取金額10%アップのキャンペーンを行っていた。
その他、ドスパラの公式ホームページでは、高く買い取ってもらうために気を付けたいことや、取引の細かな流れも詳細に記載されているので、査定を依頼する際は一通り目を通してみるとよいだろう。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ソフマップ
パソコンの取り扱いに強いご存知「ソフマップ」でも、パソコンを買い取っているが、ソフマップを利用する場合には少し注意が必要だ。
ソフマップでは店頭買取か宅配買取を選ぶことができるが、パソコンの場合、宅配買取は基本的に有料になると思っておこう。宅配買取には、自分で梱包して発送する「お客様発送コース」と集荷に来てくれる「引取コース」がある。
「お客様発送コース」では、箱は自前で調達し、発送は元払いとなる。また、「お客様発送コース」では、買取金額が3,000円未満の場合は「引取手数料」が買取金額から差し引かれてしまうのだ。
引取手数料は、梱包1つにつき税別1420円、2つ目からは1つにつき税別950円とけっこう高い。そのため、特に値があまりつかないと思われる旧式のパソコンや状態が悪いパソコンを宅配買取に出すときは特に注意しよう。
ソフマップでは店頭買取に出すのが無難だ。ソフマップ店舗の他にも、ビックカメラ、コジマ、ユーフロントなどで買取を受け付けており、買取が成立すれば、その場で現金で支払ってくれる。もちろん、査定料は無料だ。
送料・返送料まで無料を掲げる業者がいる中で、ソフマップの宅配買取にはあまりメリットを見いだせない。しかし、店頭買取であれば大手ならではの「買取力」を感じるかもしれない。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
遺品のパソコンを売るなら早い方がよい
さて、いくつかパソコンの買取業者を紹介したが、業者がどこであれ、遺品のパソコンを高く売るには早い方がよいといえる。というのも、パソコンは技術革新が早く、値下がりするのも早いためだ。
現行のOSがプリインストールされているパソコンであればそれなりの額は期待できるが、何年も前のパソコンともなってくると、値が付かない(あるいは極めて少額の)場合がほとんどだ。
ただし、遺品という特性上、もし相続放棄をしたり、複数人で遺産分割をしたりする場合には、くれぐれもフライングしないように気を付けてほしい。なお、相続放棄する場合に、勝手に遺品(相続財産)を処分すると、相続する意思があると見なされ、放棄できなくなることもあるので十分に注意を払ってほしい。
データ消去は念のため自分でも行う
パソコンの買取を行っている業者は、付帯サービスとしてデータ消去を行っているところが多い。無料であったり、有料であったりするが、基本的には業者に一任することになる。そのため、いくら大手であっても、いくら優れた消去方法を導入していたとしても、データはできる限り自分で消去しておくようにしよう。
故人のプライバシーを守るという意味でも、できることはすべきだろう。
高く売るなら付属品を忘れずに
パソコンの場合、付属品の有無によって買取額がけっこう変わる印象がある。電源コードや接続コード、キーボードなんかは必須になることが多く、箱や取説などの存在も大きい。
また、付属していたプリインストールデータが入っているディスクは買取額を大きく左右するので、できる限り一式揃えて査定に出すようにしたい。
最後に:値が付かないなら引き取ってもらうのもあり
もし査定に出してみても、値が付かない、あるいは極めて少額であった場合、他の業者に査定してもらうのも一手だ。
しかし、それでも同じような結果に終わった場合、もし引き取ってくれる(少額で買い取ってくれる)業者があるのなら、引き取ってもらうのがおすすめだ。というのも、パソコンの処分は手間がかかるうえ、たいていは有料となるからだ。
ただし、先に挙げた筆者のブックオフでの体験のように、データ消去の対応については、各社まちまちとなる可能性があるため、しっかりと確認を取るようにしよう。