現在、格安SIM(Subscriber Identity Module)を使用している人が増えて来ている。格安SIMとは、格安で通話、データ通信ができるSIMのことで、主にMVNO(仮想移動体事業者)が提供してることが多い。
MVNOとは、自前の通信回線を持たず、NTTドコモ、au、ソフトバンクなどの回線を借りる事で通信事業を行う通信会社のことで、巨額の設備投資が必要な自前の通信回線を持たないことで、利用料金を安く提供できるのが特徴だ。
提供する会社が多くなると、利用料金やサービスなどにおいて会社間の競争が生まれ、消費者としてはより良い条件の会社を見つけることができるもの。しかし、あまりに多いと、どの会社にすればいいのか、わからなくなることもある。
そこで、多くのMVNOの中から、今回は楽天モバイルについて料金比較などを踏まえて紹介していく。格安SIMを契約しようとしている人は、是非参考にしてみてほしい。
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このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
楽天モバイルとは
楽天モバイルとは、日本最大級のECモールのほか保険、金融、さらにはプロ野球球団まで様々な分野で活躍するIT企業である楽天が手掛けるMVNOだ。
楽天モバイルは、格安SIMだけでなく、格安のスマートフォンもセットで提供している。スマートフォンをすでに所有しているユーザーだけでなく、初めてスマートフォンを持つユーザーも最初から格安SIMが使用することができることも売りの一つとなっている。
しかも、楽天モバイルは、NTTドコモの高品質な通信回線を利用しており、>NTTドコモのXi(LTE)/FOMAR(3G)サービスエリアで楽天モバイルを利用することができる。
NTTドコモといえば、日本最大の通信会社であり、その利用可能エリアは、ほぼ日本全域に及んでいる。そのことから、楽天モバイルも、高品質な通信回線が全国どこでも利用できることとなる。
楽天モバイルと他社との利用料金比較
楽天モバイルと他社との利用料金について比較していく。
最安プラン比較
楽天モバイルの一番安いプランはベーシックプランで、通信速度が最大200kbpsと通常の通信速度と比べるとかなり遅い通信速度ながら、通信容量のデータ制限がないプランとなる。
動画視聴などデータ量が多い動作は厳しいが、LINEやSkype、SNSなどを利用するのであれば、200kbpsでも十分利用することができる。
似たようなプランがある通信会社は、ロケットモバイル、DMMモバイルがあり、それぞれの料金は以下のようになっている。
(データ通信のみ)
- 楽天モバイル 525円
- ロケットモバイル 298円
- DMMモバイル 440円
(通話+データ通信)
- 楽天モバイル 1250円
- ロケットモバイル 998円
- DMMモバイル 1140円
(※表示されている金額は税別である)
料金比較をすると、ロケットモバイル、DMMモバイル、楽天モバイルの順となっていて、さほどの差はないものの、ロケットモバイルが特に安いプランを打ち出している事が見てとれる。
しかし、楽天モバイルの場合、上記のプランのほか050データSIMという独自のプランがある。
このプランは、050から始まる電話番号が付与されており、Viberというアプリを介して携帯電話、スマートフォン、固定電話と通話できるほか、相手もViberを介している場合は、通話が無料となるプランとなる(Viberを介さないスマートフォンとの通話、携帯電話、固定電話との通話は別途料金が必要)。
この050データSIM プランは、ベーシックプランで645円(税別)となっており、通話ありのどのプランより安くなっている。
050データSIM のような特殊な通話サービスを組み込んだ料金プランを提供している主要なMVNOは、楽天モバイルのみであり、楽天モバイルの大きな特徴の一つと言える。
3.1GBプラン
MVNOを契約する場合、比較的選択されるプランとして3GBプランがあるが、その料金を比較していく(楽天モバイルの場合、0.1GB多い、3.1GBプラン)。
(データ通信のみ)
- 楽天モバイル 900円
- ロケットモバイル 840円
- DMMモバイル 850円
- LINEモバイル 1,110円
- UQ mobile 980円
(通話+データ通信)
- 楽天モバイル 1,600円
- ロケットモバイル 1,400円
- DMMモバイル 1,500円
- LINEモバイル 1,690円
- UQ mobile 1,680円
※表示されている金額は税別
主なMVNOの料金を書いたが、他のMVNOの料金も、上記とそれほど大きな違いはないようだ。
ただ、楽天モバイル以外のMVNOは、3Gプランなのに対し、楽天モバイルは、3.1GBプランと、0.1GBだけデータ容量が多いので、若干お得と言えるだろう。
また、楽天モバイルは、先に述べた050データSIMプランが3.1GBプランにもあり、料金は、1,020円(税別)で提供し、通話+データ通信プランのどのMVNOの料金よりも安い料金で利用が可能となっている。
大容量定額データプラン
大手通信会社が大容量の定額データ通信プランサービスを設定したように、楽天モバイルも大容量の定額データ通信プランのサービスを開始した。大容量の定額データプランを実施している他のMVNOとの料金を比較していく。
(20GBプラン データ通信のみ)
- 楽天モバイル 4,050円
- DMMモバイル 3,980円
- OCN モバイル ONE 4,150円
- mineo(Dプラン) 3,980円
(20GBプラン 通話+データ通信)
- 楽天モバイル 4,750円
- DMMモバイル 4,680円
- OCN モバイル ONE 4,850円
- mineo(Dプラン) 4,680円
(※表示されている金額は税別となっている)
楽天モバイル、OCN モバイル ONE、mineoは、この他に30GBプランもある。料金は、各社とも大きな違いはないが、楽天モバイルの場合、前述の050データSIMプランが20GBプランにもあり、4,170円(税別)となっている。
こちらも、050データSIMでの通話を考えるのであれば、楽天モバイルが、通話+データ通信においてどのMVNOの料金よりも安く利用できると言える。
楽天モバイルのお勧めポイント
楽天モバイルには、料金以外にもお勧めのポイントがある。
端末とのセット料金がお得
楽天モバイルには、端末と格安SIMを同時に申し込むコミコミプランがある。
このコミコミプランを利用すると、定額データ通信+スマホ本体+通話5分間かけ放題で月々1880円(税別)〜とかなりお得な料金設定となっている。端末もASUSやHUAWEIから、SHARPのAQUOS、富士通のarrowsのような人気端末まで様々な機種が揃っている。
また、楽天ではお馴染みの楽天スーパーセールなどで大幅割引されることもあり、さらにお得にスマートフォンと格安SIMを入手することも可能だ。
はじめてスマートフォンと格安SIMを使用するのであれば、楽天モバイルのコミコミプランがおすすめとなっている。
楽天ポイントが貯まる、使える!
楽天といえば、お買い物の際に貰える楽天ポイントが有名だが、楽天モバイル利用時も使用料金100円につき1ポイントの楽天ポイントが貯まる。
また、利用料金に貯めていた楽天ポイントを使用することができるほか、スマートフォン本体やアクセサリーを購入する時も楽天ポイントを使用することができる。
さらに、楽天モバイル利用中は、楽天での買い物でもらえる楽天ポイントが2倍になるサービスが実施されている。楽天をよく利用する場合は、楽天ポイントがお得に貯まる、使える楽天モバイルを利用したほうがいいかもしれない。
サポートサービスが充実
MVNOの場合は、料金が安い分、サポートにまで手が回らず、サポートサービスがイマイチと言う場合が多い。しかし、楽天モバイルは、月500円(税別)で、電話とチャットで対応するサポートサービスが利用できる。
スマートフォンや楽天モバイルのサービスのほか、LINEやFacebookなど、楽天モバイル以外のサービスにも対応してくれるのが嬉しいところだ。
サポート対応時間は、9:00〜18:00と日中だけとなるが、年中無休で利用することができ、さらに、通話料無料で何度でも利用することができる。
月60分程度の通話ならキャリアよりお得
楽天モバイルで、月60分程度の通話をしたときのかかる料金は音声通話SIM5GB(2,150円)と通話料(20円/30秒×60分=2,400円)で合計4,550円となっている。つまり、キャリア料金(上記の通り8,000円)よりも半額であるため大幅に節約できることがわかる。
さらに、「楽天でんわ」というアプリをダウンロードし、起動してから電話をかければ自動的に通話料が半額になる。通話料が半額の1,200円になるため、月額の支払いがたったの3,350円になる。一月に通話が60分もできてこの価格なら文句なしの価格帯だろう。
スーパーホーダイ
楽天モバイルには2017年9月1日に始まったばかりの「スーパーホーダイ」という新しいプランがあり、定期的にキャンペーンが実施されていたり、最大で20,000円の割引きがあったりととてもお得なプランとなっている。
この他にも、5分かけ放題がついていたり、楽天会員であれば自動的に1年間で1,000円割引き(楽天ダイヤモンド会員はさらに500円引き)、容量を使い切っても下り1Mbpsで使えたりと、メリットが盛りだくさんである。
月々どのぐらい安くなる?
3大キャリアから楽天モバイルに乗り換えると、実際にどのぐらい安くなるか、ドコモを例に使い比較していく。
ドコモの一般的なプランはかけ放題(2,700円)、spモード(300円)、データMパック5GB(5,000円)の3つの費用がかかっていて、合計で8,000円を毎月支払うようになっている。
3大キャリアそれぞれのプランの名前が違ってきたり、家族割、学割などといったキャンペーンも適応される場合もあるが、基本的にはこの3つの項目が固定費用となり毎月必要になってくる。
一方で楽天モバイルの場合、音声通話SIM5GB(2,150円)の費用のみを毎月支払うことになっている。キャリアとの差額は5,850円もあり、2年間で140,400円も大幅に節約できるということになる。
ここまで安くなる理由としては、格安SIMは「かけ放題」や「spモード」といったキャリアの余計なオプションに加入する必要がないからである。そして、キャリアのデータ量より格安SIMのデータ量は半額以下になるので、その分比較的安い価格帯が実現可能になる。
申込みに必要なもの
楽天モバイルの申し込みに必要なものがいくつかあるので、詳しく紹介していく。
本人名義の引き落とし用のクレジットカード番号、身分証明書とMNP予約番号の3つが手続きの際に必要になるので、事前に用意しておくとスムーズになるだろう。
楽天モバイル以外の格安SIM会社でも、全てクレジットカードからの引き落としとなっている。そのため、銀行口座からの引き落としは利用できないのだ(楽天カードのデビットカードからの引き落としも選択可能)。
また、他社に電話番号を移動する際は「MNP予約番号」というものを発行する必要がある。発行の仕方としては、キャリアに直接電話をし、MNP予約番号の発行がしたいと言った内容のことを伝えれば、直接店舗に行かなくても教えてもらえる。
しかし、MNP予約番号の発行は有料で、MNP転出手数料と呼ばれる手数料が3,000円ほどかかってしまうため注意が必要(翌月の請求と一緒の引き落とし、有効期限は15日)。
利用時の注意について
次に、楽天モバイルの利用時の注意点について記載していく。ここは気をつけて読む進めて言ってほしいところだ。
使用できる回線容量が減るため通信速度が落ちる
楽天モバイルだけではないが、楽天モバイルのようなMVNOは、大手通信会社の通信回線を借りていることから、大手通信会社の回線が混んでいる場合は、MVNOが使用できる回線容量が減るため、通信速度が落ちる場合がある。
特に、大手通信会社の通信料が増える昼間に通信速度が落ちる傾向があるので、昼間にMVNOを利用する場合は、通信速度の低下に注意したほうがいいだろう。
使用量が多くなると通信速度制限がかかる
ベーシックプラン以外の定額データ通信プランでは、使用量が多くなると通信速度制限がかかる。通信速度制限がかかると、速度は最大200kbpsとかなり速度が低下するので、利用時は、データ通信量をこまめにチェックして、上限を超えないように注意したほうがいいだろう。
契約解除手数料
通話プランに加入すると、最低12か月間利用する必要があり、その間に解約すると、契約解除手数料9,800円が発生する。
また、データ通信プランは、通常に契約した場合は最低利用期間はないが、キャンペーンを利用して加入した場合は、最低6か月間利用する必要があり、その間に解約すると、こちらも契約解除手数料9,800円が発生する。
通話料は別途料金がかかる
キャリアのような「かけ放題」プランは格安SIMにはないため、通話料は30秒毎に20円発生してしまうので注意が必要。電話の使用頻度が高い人や長電話をしてしまう人は、後から多額の通話代の請求が来てしまうため、格安SIMは向かないだろう。
これらは、契約時に十分に考慮したほうがいいだろう。
まとめ
日本最大級のECモールなど、様々サービスを展開するIT企業である楽天が手掛けるMVNOの楽天モバイルは、低価格でNTTドコモの回線を利用した高品質の通信回線を提供しているほか、050データSIMなど楽天モバイル独自の料金プランを展開している。
さらに、お得にスマートフォンと格安SIMを入手できるコミコミプランのほか、楽天モバイルを利用することで楽天ポイントがお得に貯まる、使えるなど、楽天ならではのサービスを利用することができる。
はじめて格安SIMを利用する方、また、楽天をよく利用する方には、おススメのMVNOといえるだろう。
- 参考:一番安い携帯料金はいくら?docomo、SoftBank、auを比較
- 参考:通話のみの最安携帯代はいくら?ガラケーとスマホで違う?
- 参考:LTE未対応端末で格安SIMの3G回線を使うメリットは?