オペル(OPEL)は、ドイツの自動車メーカーである。ミシン工場として設立されたオペルは、1899年から自動車製造に進出した。コンパクトタイプの乗用車から高級車まで、幅広いタイプの質の良い車を多く製造し、日本でも比較的低価格な輸入車として人気があった。現在はゼネラルモーターズ(GM)の子会社になっており、ヨーロッパを中心に展開している。ヤナセや日本ゼネラルモーターズなどが日本に輸入していたが、2006年に日本での販売を終了している。
1973-77 Opel Kadett limousine / charlie cars
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オペルとは
はじまりはミシン会社
オペルはアダム・オペルが創業したミシン会社から発展したドイツの自動車メーカーである。ドイツ・プロイセンで生まれたアダムはパリでミシンについて学び、独自でも研究を重ねてミシン開発に取り組んだ。地元ではミシンが近代産業として特化していなかったが、プロイセンとオーストリアの開戦が現実味を帯びてきたことを契機として、オペル社は一気にプロイセンの代表ミシンメーカーとなった。
ミシンから自転車へ
その後終戦とともにミシンの需要も落ち込み、オペル社も低迷してしまった。この頃、フランスにおける人々の興味は自転車へと変わっていた。花輪を付けたオーディナリー自転車があちこちを走っていたのである。これに目を付けたアダムは自社で自転車を製造してみた。オペル社が自転車産業をスタートさせたのは1886年、アダムが50歳のときだった。
自転車産業が活発になっていたこの頃、イギリスでは自転車レースが盛んにおこなわれていた。このことから、アダムはドイツの人たちにも自転車レースへ興味を持ってもらい、オペル社の自転車がレースで活躍すれば必ず売れると踏んだ。オペルには5人の子どもがいたので、この子らをレーサーとして育成、連戦連勝を重ねたアダムのチームは瞬く間にドイツで有名になり、併せてオペル社の自転車も注目を浴びるようになったのである。こうして成長したオペル社の自転車産業はミシンを上回る売り上げを記録し、オペル社における中心事業となったのである。
自動車メーカーとしてのオペラ社
しかし、自転車が世にあふれ飽和状態になると、アダムはクルマの製造へと事業をシフトした。はじめは他メーカーのライセンス生産をし、技術を習得してから1902年に独自のクルマを発表した。小型車・高級車・スポーツカーとフルラインの製造をするようになると、今度はドイツにおける代表的な自動車メーカーとして名を馳せた。
その後、第二次世界大戦におけるドイツの敗戦等の影響で、オペル社はGM社の子会社として存続していくこととなった。1990年代には、空力性能を意識したボディのものが製造され、メルセデスベンツやBMWと一線を画すドイツ車として日本でも注目を集める格好となったものの、現在は日本車の性能向上やGM社の経営悪化などにより、欧州地区限定ブランドとなっている。
人気シリーズの買取価格相場
オペルを売りに出すときは、いくら位で買い取ってもらえるのだろう。主な車種の参考買取価格を紹介していく。
スピードスター(Speedster)
オペルの100周年記念モデルとして生産された、2ドアのロードスター。ロータスとの共同開発により、ロータス・エリーゼをベースに、アストラなどの部品を採用して設計された車である。2001年から2005年まで製造されていた。日本モデルは台数限定での販売だったため、中古市場で希少な存在である。シートや幌などを選んでの受注生産だったこともあり、色々なタイプが存在している。
スポーツエクゾースト(ブラック)110万円
ベースグレード ハードトップ・ソフトトップ(シルバー)100万円
ベースグレード(イエロー)90万円
ベースグレード(シルバー)90万円
アストラ カブリオ(Astra Cabrio)
めずらしい4人乗りのオープンカー。トヨタの部品を製造している日本のメーカー「アイシン」製のATや、サターン製のエンジンを採用するなど、信頼性は高い。エンジンは、最高出力147ps/5800rpm、最大トルク20.7kgm/4000rpm。よく回って走りを楽しめる車だ。アストラ カブリオはイタリアのベルトーネがデザインし、イタリアの工場で製造されている。ホイールベースが長く取られているため、中はイメージよりは広く感じるかもしれない。シートヒーター標準装備、比較的広いトランクと、装備も充実している車である。
2.2 ベルトーネエディション(ブルー)22万円
2.2 ベースグレード ディーラー車(シルバー)22万円
2.0 ベースグレード 室内保管車(ブラック)14万円
2.2 ベースグレード バックカメラ付(グリーン)10万円
ザフィーラ(Zafira)
発売当時ヨーロッパにはなかった、小型のミニバンである。競合していたのは、室内スペースが広めのルノーのハッチバック「セニック」であった。ザフィーラとセニックのヒットにより、ヨーロッパの自動車メーカーでもミニバンが製造されるようになった。日本では当初ヤナセが輸入していたが、その後スバルからOEM車「トラヴィック」が発売されている。トラヴィックは、ザフィーラが標準装備していたサイドエアバッグを搭載しないことで価格をおさえ、ザフィーラより低価格で販売した。
スポーツパッケージ ワンオーナー(シルバー)29万円
スポーツパッケージ バックモニター(シルバー)29万円
ワンオーナー AT交換済み(ブラック)19万円
スタイルパッケージ ワンオーナー(ブラック)19万円
スタイルパッケージ(レッド)19万円
複数業者に査定に出そう
中古車販売店でもあまり見かけなくなったオペルは、数が少ないため買い取り価格相場が決まっておらず、その時により、その店により査定額が変わることが多い。少しでも高く買い取ってもらうには、多くの店から見積もりをもらい、高値査定してもらえたところに売却すると良いだろう。
2001年以降のオペルは取扱店が多い
東京にはオペル修理で有名な工場などもあり、他社が対応できない車でも修理をしてもらうことができる。しかしながら、正規代理店のない日本では部品調達が少し難しくなっており、修理できる店が減ってきているのは事実である。そのため、オペルの古い車を査定に出すと廃車扱いにされてしまうケースもあるが、2001年以降のものであれば買い取ってもらえる可能性も高い。一社の査定で廃車と言われても、あきらめずに他社を回って、買い取ってもらえる業者を探そう。
忙しければ出張査定に来てもらおう
中古車を売りに出すとき、無料で出張査定に来てもらえる業者も多くある。買取店を回る時間がない場合は便利なので利用すると良いだろう。なお、出張に来てもらってその場ですぐに買い取ってもらうこともできるが、最初の提示額は低めに設定されていることが多いので、すぐには決めず、他社と比較して交渉してから売却したい。
また、出張査定の際、いったん車を持ち帰って調べたいと言われることもまれにあるが、それによりトラブルが発生した例もあるので、契約前の車の持ち帰りはことわるようにしたい。車を引き渡すのは、契約が終わってからにしよう。
売ると決めたら早めに売ろう
中古車は、新しいものほど高く買い取ってもらえる場合が多い。特に、修理部品の調達が難しくなってきているオペルの場合は、年数がたてばたつほど扱う業者が減り、修理や売却が難しくなってくる可能性が高い。もし売ることを考えているのであれば、買い取ってもらえるうちに売りに出すことをおすすめする。