美術品オークション会社でおこなわれているサービスは、企業によってその内容に大きな開きがある。
また多くのコレクターが重視するオークション方式についても、あえて競売方式ではなく入札方式を採用している企業もいくつか存在するため、各社の特徴をしっかり把握することが自分の作品や予算、ライフスタイルに合った取引につながると捉えて良いだろう。
今回は、日本人コレクターの間で多く利用されている18の美術品オークション会社をご紹介していきたい。
オークションの多くは対面で開催する形式のため、コロナ過の影響で中止もしくは延期、または以前とは異なる形式で開催されるものもあることから、公式サイトで現在の開催状況はチェックしてみてほしい。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
毎日オークション
毎日オークションは、自社会場を保有する日本有数の美術品オークション会社だ。
年間30回前後開催されるオークションの中では、版画・絵画・彫刻といった美術品だけでなく、陶磁器やガラス作品などの西洋装飾美術、茶道具、新作工芸、古美術品、ジュエリー、ウォッチといった多彩な品目が扱われている。
多彩な会員種類と会費
取扱い品目が多い毎日オークションでは、幅広い利用者のニーズに対応できる7種類もの会員種類を設けている。
全ジャンルのオークションが対象となる総合会員には、1年間と3年間の2種類が用意されている。
またWEBサービスに特化したWEB会員もあるため、直接オークション会場に出向くことが難しい人でも15,000円(税込)で毎日オークションのサービスを利用できると言えるだろう。
委託入札の種類も豊富
良心的なサービス内容で知られる毎日オークションでは、会場に来られないお客様向けに、WEB入札、FAX入札、電話入札という3つの委託入札を用意している。
電話BIDを利用すると、実際に会場でおこなわれているオークションにリアルタイムで参加できる。
また入札制ではなく競り売り方式の毎日オークションの場合は、WEBサイト上でのオークション展開はおこなわれない仕組みとなるため、自分が決めた予算内での取引を希望する人でも安心して委託のできる会社と捉えて良いだろう。
取引される作家
取引される作家
- 片岡球子
- 棟方志功
- 藤田嗣治
- 東山魁夷
- 喜多川歌麿
- 葛飾北斎
- 円山応挙
- 伊藤若冲
- 川合玉堂
- 横山大観
- 竹久夢二
毎日オークション:https://www.my-auction.co.jp/
エストウェストオークションズ
エストウェストオークションズは、日本でも屈指の長い歴史がある美術品専門オークション会社だ。
会員登録しなくてもカタログを貰える
エストウェストオークションズでは、会員登録しない人でも希望者にカタログを無料配布している。ただし、数に限りがあるため、希望しても貰えないこともあるようだ。
これに対して会員は、オークションの2週間前にエストウェストオークションズからカタログを送付してもらえる特典がある。
そのほか会員登録をおこなうと出品作品の説明、電話入札、オンライン入札といったサービスも受けられるが、会員になるか迷っている場合は、まずはカタログだけ貰ってエストウェストオークションズの内容を把握し、検討するのもいいだろう。
アフターセール
オークション当日に落札されなかった作品は、終了日~10営業日の期間を使って最低落札価格で引き続き販売される仕組みとなっている。
このようなサービスのあるエストウェストオークションズに出品すれば、現金化への確実性も高まると捉えて良いだろう。
また質の良い美術品を安く買いたいと考えるお客様もアフターセールに注目しているため、こういった特殊なサービスの存在により、エストウェストオークションズの出品者・入札者の双方にメリットが生まれていると捉えて良いだろう。
海外オークションにも対応
日本だけでなく香港でもオークションを開催するこの会社は、中国富裕層に人気の中国骨董や中国書画などを海外で売却したい人にもおすすめ度の高い存在だ。
この会社を利用すれば、香港開催オークションに出品する場合であっても、会場までの作品配送料を企業側で負担してもらえる。
またエストウェストオークションを通せば現地主催者とのコミュニケーション問題もクリアできるため、気軽に海外オークションにトライしたいと考える人でも不安を解消できる存在と捉えて良さそうだ。
取引実績
作品名 | 取引価格 |
---|---|
草間彌生 無限の網 TOWPP | 2億5770万円 |
奈良那智 Guitat Angel | 6050万円 |
黄 宇興 RED SHELL | 5324万円 |
李 禹煥 From Point | 3872万円 |
藤田 嗣治 帽子の少女 | 3025万円 |
ベルナール・ビュフェ サクレ・クール寺院 | 2057万円 |
小松 美羽 大気に現れるスピリットたちの気脈 | 1815万円 |
ガレ 花瓶 フランスの薔薇 | 3630万円 |
上村松園 詠哥之図 | 2360万円 |
棟方志功 誕生の柵(再誕の柵) | 786万円 |
エスト・ウェストオークションズ:https://www.est-ouest.co.jp/
シンワアートオークション
美術品取引における「作品の公開」と「価格の公開」という2つのコンセプトを取り入れたシンワアートオークションは、透明性の高さで定評のある会社だ。
無料査定サービス
シンワアートオークションでは、作品の画像と概要を送るだけで鑑定調査と査定のできる、無料査定サービスをおこなっている。
このサービスを利用すれば、自分の所有物に対する「オークションに出す価値があるのだろうか?」といった不安の解消もスムーズにできる。
また個人情報の登録によりオークションや各種セミナーの案内といった情報提供もおこなわれる形となるため、気軽に美術品オークション会社とつながれる仕組みを求めている人にも、使い勝手の良いサービスになることだろう。
近代美術が得意
シンワアートオークションのスケジュールを見ていると、近代美術、近代陶芸、戦後美術、コンテンポラリーアートといった品目を主軸とする会社であることに気付かされる。
このカテゴリの美術品は世界中の富裕層から注目される存在であるため、自慢の近代美術品を所有しているなら、前述の無料査定サービスを使ってシンワアートオークションの鑑定士に価値判断をお願いしてみると良いだろう。
貴金属ジュエリーの買取査定もおこなっている
シンワアートオークションでは、貴金属ジュエリーやダイヤモンド、貴金属工芸品、ブランド品といった幅広い品目の買取査定もおこなっている。
この会社に連絡すれば、無料の配送キットも発送してくれる。
また買取希望品の預かりから3営業日以内で査定結果の報告がくるため、急な入用によりスピーディーに現金化のできる買取業者を探している人にもメリットのある少し変わったオークション会社と捉えて良いだろう。
取引実績
作品名 | 取引価格 |
---|---|
パブロ・ピカソ「シニヨン髪の腰掛ける女」 | 680万円 |
小磯 良平「外国婦人」 | 520万円 |
梅原 龍三郎「萬暦壺薔薇図」 | 1200万円 |
Andy WARHOL「Grevy’s zebra from Endangered Species」 | 1710万円 |
草間 彌生「かぼちゃ」 | 1憶1500万円 |
隈 研吾「Box To Rubik」 | 1081万円 |
大淵 武則「純金製百獣の王」 | 1058万円 |
荻須 高徳「クール・デ・アール」 | 1610万円 |
髙山 辰雄「曜光の中に」 | 805万円 |
橋本 関雪「玄猿」 | 2990万円 |
加山 又造「黄山雲海」 | 1億9550万円 |
SHINWA AUCTION:https://www.shinwa-auction.com/
オークションハウス古裂會
オークションハウス古裂會は、古美術品・骨董品の入札オークションが得意な会社だ。
2ヶ月に1度の開催
この会社のオークションは、2ヶ月に1回ペースで開催されている。
毎回何からの特集が設けられており、その中には佛教美術や染織、屏風、漆工、唐津陶片、涼器といったキーワードが見受けられる。
古裂會のサイトでは出品締め切り、カタログ発行、下見会のスケジュールもわかりやすくまとめてあるため、出品者だけでなく入札予定者の人にも予定を立てやすい配慮が成されていると捉えて良いだろう。
カタログ発行部数は国内トップクラス
毎回10,000部を配布する古裂會のカタログには、2,500~4,000点もの写真とサイズ解説、最低価格といった情報が掲載されている。 新規のお客様(先着100名)については、無料で最新カタログが配布される仕組みとなっている。
また1度オークションに参加したお客様と出品者についてもカタログが送られる形となるため、古裂會は一般のオークション会社と比べて良心的なサービスがおこなわれていると言えそうだ。
コンディションレポート
古裂會の本社でおこなわれる下見会に参加できない場合は、30,000円以上の作品に限って詳細写真やダメージ箇所の情報が掲載されたコンディションレポートの申し込みをおこなうことができる。
このレポートを確認すれば、カタログだけでは判断できない細かな情報が入手可能となる。
また下見会に参加する交通費や時間の削減もできるため、コストをかけずに効率的に古美術品や骨董品の売却をしようと考える人にも、大変使い勝手の良いサービスになることだろう。
競り合いではなく入札オークション
古裂會でおこなわれているのは、業者側で開札・集計作業をおこなう入札オークションだ。
最高額の入札が複数あった場合は、先着順で落札者が決まる仕組みとなっている。
結果についてはすべての参加者に書面で通知される形となるため、仕事などで忙しい日々を過ごす人でも利用のしやすい美術品オークションと言えそうだ。
取引実績
作品名 | 取引価格 |
---|---|
秀衡三ツ椀 | 18.5万円 |
梅津長者物語絵巻 | 51.69万円 |
慈雲 一行書幅 | 51万円 |
伊藤若冲 梅鶴歌賛幅 | 401.17万円 |
竹内栖鳳 玉椿画幅 | 40万円 |
小川雨虹 美人画額 | 20.48万円 |
古裂會 (こぎれかい):https://www.kogire-kai.co.jp/
A.C.N.オークション
A.C.N.オークションは、クリスティーズやサザビーズと同じ競売方式で運営されているオークション会社だ。
会員登録は2種類
A.C.N.オークションには、仮会員制度とサポート会員の2種類が用意されている。
美術品オークションに参加するのが初めてでA.C.N.のサービス内容に不安があったり、資料請求だけおこないたい場合は、一定期間無料で参加できる仮会員制度の利用がおすすめだ。
これに対してサポート会員の場合は、2年で6,000円を支払うことで年間24回分のオークションカタログが届く仕組みとなっている。
オークション会場でも仮会員登録ができる
A.C.N.オークションの仮会員は、オークション会場で当日登録することもできる。
A.C.N.ならではとも言える柔軟な対応は、美術品オークションに敷居の高さを感じている人にもうれしいサービスと言えそうだ。
また仮会員には期限セール前に継続に関するお知らせが届く仕組みとなっているため、仮会員からサポート会員への移行も比較的スムーズにできると捉えて良いだろう。
幅広い取扱い品目
A.C.N.オークションのサイトには、この会社が得意とする作品カテゴリや作家名がとても詳しく書かれている。
たとえば絵画部門では、現代美術家と抽象表現だけでなく、荒木経惟や森山大道といった写真家の作品も歓迎しているようだ。
また国際的評価の高い版画家の中で長谷川潔作品については国内外でナンバーワンの実績を誇っているため、美術品カテゴリからオークション業者を選定しようと考える人にとっても、利用のしやすい存在になることだろう。
A.C.N. AUCTION(TOKYO):https://www.artcomposer.net/
CBAアートオークション
アートレポートという会社では、1997年からCBAアートオークションを開催している。
入札形式のオークション会社
この会社でおこなわれているのは、公開入札のオークションだ。
CBAアートオークションのサイトでは、「遠方のコレクターでも気軽に参加できること」と「長期に渡るオークション会期で徐々に価格が競り上がっていくこと」をメリットとして紹介している。
またCBAアートオークションでは、ネット環境のないお客様でもリアルタイムで参加できる仕組みを作っているため、パソコンやスマートフォンのない年配の皆さんでもチャレンジしやすいオークションになることだろう。
絵画や美術品を常時募集中
CBAアートオークションでは、絵画と美術品を常時募集している。
その中には彫刻や工芸品、陶磁器といった品目もあるため、その価値や売却法がわからない人でも気軽に問い合わせやオークションへの出品ができる会社と位置付けて良いだろう。
多彩な売却方法を用意している
この会社を利用すれば、オークション以外の3方法でも美術品の売却が可能だ。
さまざまな美術品コレクターとのつながりのあるアートレポートでは、持ち込まれた作品を購入しそうなお客様の紹介もおこなっている。
また展示会を通した委託販売や買取査定もできるため、オークション出品に適さない美術品であってもより良い形での売却にたどり着きやすい会社と言えそうだ。
取引される作家
取引される作家
- 草間彌生
- 奈良美智
- 村上隆
- 藤田嗣治
- 平山郁夫
- 川合 玉堂
- アンディ・ウォーホル
- イサム・ノグチ
- 草間彌生
CBAアートオークション:http://www.artcba.com/auc/
日美アートオークション
オークションの主催を始めて15年となる日美アートオークションは、中国朶雲軒オークションの日本代理店もおこなう話題の会社だ。
無料でおこなわれる鑑定会
この会社では、定期的に日美無料鑑定会をおこなっている。
鑑定会に参加すると、所有作品に対する「本物なのだろうか?」や「オークション出品できるのだろうか?」といった疑問も解消できる。
また中国美術品の場合は、中国トップクラスの朶雲軒オークションに出品することもできるため、海外オークションへの参加に興味を持つ人にもうれしい結果につながりやすい会社と捉えて良いだろう。
トータル6つの鑑定方法
日美アートオークションでは、前述の無料鑑定会以外に、電話、写真送信、来社、自宅への出張、作品の送付といったトータル6つの方法で美術品の鑑定をおこなっている。
美術品オークションの知得情報
良心的な対応で知られる日美のサイトでは、美術品オークション初心者向けの注意点とも言える知得情報を公開している。
また代表メッセージの中でも、「オークション参加のコツをできるだけわかりやすく伝授」と書かれているため、初めての出品や入札に何らかの不安を抱えている人でも相談のしやすい会社と位置付けて良いだろう。
日本美商オークション:https://www.nichibi-art-auction.co.jp/
サコダアートオークション
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
サコダアートオークションでは、4種類のオークションを主催している。
オークションの一覧
- 絵画/諸美術品オークション:約二百名以上の画商、美術商、骨董商が参加
- 茶道具オークション:約二百名以上の茶道具商が参加
- 中国美術オークション:数百名の入札者が主に中国から参加
- サコダアートオークション:一般のお客様も入札に参加可能
どんな内容のオークションを行っているの?
この会社のオークションは、3種類が古物市場のプロ向け、1種類が一般参加もできる公開型となっている。
全国から入札者を募るサコダアートオークションでは、美術雑誌や新聞を使った宣伝広告も行われる。これに対して古物市場向けオークションの中には、近年人気が高まっている茶道具や中国美術品に特化した回もあるようだ。
買取査定もできる
サコダアートオークションでは、出張・店頭・写真という3方法で美術品の買取査定も行っている。
無料出張査定については西日本を中心に全国対応を行っているため、持ち運びのできない大量の美術品や伝統工芸品の扱いに悩む皆さんでも気軽に相談のしやすい会社になることだろう。
サコダアートオークション:http://www.sakoda-art.com/
備考
サコダアートオークションは、Twitterなどのアカウントはあるものの2020年から更新が停止しており、オークション自体が開催されているかは不明だ。
代替としては、サコダアートオークションの母体である日興堂が主催する神栄会というオークションがある。日興堂は骨董品や古美術、工芸品そして絵画の買取をおこなう専門の業者で、神栄会は毎回数千点もの出品がある規模の大きいオークションだ。
気になったら日興堂まで確認してみるのもいいだろう。
神栄会:https://www.nikkodo-art.com/shineikai-auction/
SBIアートオークション
SBIアートオークションは、金融事業で知られるSBIホールディングスが主催するオークションだ。
コンテンポラリーアートが中心
オークションの形式は競り売り方式で、主に20世紀以降のコンテンポラリーアートを中心とした作品が出品されている。有名作家から若手作家まで幅広い層における作家の作品が出品されていて、若年層からの支持も高い。
日本国内はもちろんのこと海外の利用者も多く、登録顧客の国籍は50カ国以上、落札額の3割は海外顧客と、国際色豊かなオークションもSBIアートオークションの特徴といえるだろう。
下見会は自由に参加可能
SBIアートオークションではオークション当日に下見会が開催されるが、この下見会は、オークションに参加しなくても入場可能だ。また、オークションの様子が配信されることもあるが、この配信もオークションに参加しなくても視聴できる。
これは、より多くの人に美術品を所有する喜びや大切さ、面白さを伝えていく、というSBIアートオークションが設定しているテーマに沿ったものと考えられ、その志がうかがえるといえるだろう。
入札方法は4種類
SBIアートオークションにおける入札方法は、会場に参加して入札、書面による委託入札、電話にて入札、ウエブでの入札の4種類がある。
いずれの方法も事前の登録が必要となるので、参加したい場合はあらかじめ登録しておこう。
落札手数料は、落札価格の15%と手数料にかかる消費税となっている。
取引実績
作品名 | 取引価格 |
---|---|
奈良美智 Don’t Cry (No. YNF5761) | 609.5万円 |
村上隆、SUPERFLAT Monogram: Panda & His Friends | 276万円 |
草間彌生 かぼちゃ (上海南瓜) (Kusama 360) | 1000万円 |
アンディ・ウォーホル La Grande Passion Poster | 132.2万円 |
カウズ Running Chum #1 | 126.5万円 |
李禹煥 From Line | 1955万円 |
ダミアン・ハースト Aminolevulinic Acid | 4140万円 |
SBIアートオークション:https://www.sbiartauction.co.jp/
松徳オークション
松徳オークションは、岐阜に本社を置く株式会社松徳オークションが主催する美術品オークションで、東京や名古屋で開催している。
全国300社以上が加盟
松徳オークションは全国にある300社以上が加盟する中部地区最大級の業者オークションだ。そのため、公開オークションでは取引されにくい美術品でも値が付くことがあり、より高額で売却できる可能性が高いといえる。
また、業者オークションではあるが、松徳オークションが代行して出品する形で古物商免許を持たない一般の人でも出品が可能だ。
幅広い美術品の出品が可能
松徳オークションでは、日本画、洋画、油彩といった絵画をはじめ、版画、工芸、掛け軸、彫刻、陶磁器、ブロンズ、茶道具、ガラス製品など幅広い美術品の出品が可能となっている。
また、作品をまとめて出品することも可能だ。
手数料は7%~10%
作品が落札されたあと代金が振込まれるが、最短オークションが開催された翌々日には振込まれるなど、代金の振込みが早いのも松徳オークションの特徴だ。
振込まれる際には代金から手数料が引かれるが、手数料は売上代金の7%~10%となっている。落札されなかった場合は、手数料の支払いは不要だ。
松徳オークション:http://www.shotoku-auction.co.jp/
マレットジャパンオークション
マレットジャパンオークションは、日本有数の美術品専門オークション会社であるマレットジャパンが主催するアートオークションだ。
有名アーティストの作品が数多く出品
マレットジャパンオークションでは主にコンテンポラリーアートを中心に取引されていて、草間 彌生やロッカク アヤコ、村上 隆、奈良 美智、アンディ・ウォーホル、KAWS、そしてバンクシーといった有名アーティストの作品が数多く出品されている。
そのほかにもピカソ、ミロ、シャガールが取引されたことがあり、コンテンポラリーアート以外の作品も盛んに取引されているのだ。
幅広い国々に顧客がいる
2005年創業当時から海外マーケットの拡大に取り組んでいて、アメリカや中国をはじめ、フランス、シンガポールなど欧米からアジアまで幅広い国々に顧客がいる。
その結果、日本を代表する前衛芸術家の1人である田中敦子作品が、1億2千万円で海外顧客により落札されるなど、マレットジャパンオークション発展の一因にもなっているのだ。
絵画の売却も可能
オークションでは出品しても落札されない場合もあるが、その場合一定期間開催されるアフターセールに出品することで売却できる場合もある。また、マレットジャパンが出品者に変わって販売するプライベートセールも利用可能だ。
そのほかオークションへの再出品もできるので、マレットジャパンに相談してみるといいだろう。
マレットジャパン:https://mallet.co.jp/
iART auction
iART auction(アイアートオークション)は、アイアート株式会社が運営しているアートオークションである。
下見会で状態を確認可能
オークション開催前に出品されるすべての作品を、知識あるスタッフと共に状態などが確認可能な下見会を開催している。
取扱い分野は、日本画をはじめとする日本美術全般、海外絵画などの西洋美術、ジュエリー、中国美術全般、そしてコンテンポラリーアートだ。
入札は電話や書面でも
オークションは競り売り方式で、最高額を入札した人が落札となる。入札方法はオークション当日に会場で直接参加するほか、電話での入札、そして書面による入札の3種類がある。
いずれの方法も事前登録が必要なので、オークション前に登録しておこう。
出品手数料は10%~15%
出品した作品が落札された場合の手数料だが、落札価格が1,000,000円までが落札価格の15%、1,000,000円を超えた場合が10%で、それに消費税が上乗せされた金額となる。
また、カタログ掲載料として5,000円~30,000円が必要だ。
オークション以外でも売却可能
そのほかのサービスとして、オークションではなくアイアートが購入者を発掘するダイレクトセールや、急いで売却したい場合はアイアートが直接買取する場合もある。
アイアートはアートオークションの主催者として実績があるため、安心して任せることができるといっていいだろう。
iART auction:https://www.ise-art.co.jp/
アートマスターズオークション
アートマスターズオークションは、株式会社アートマスターズが主催する美術品オークションである。
多彩なジャンルを取扱う
オークション形式は競り上がり式で、取扱うジャンルは日本画、洋画、版画、コンテンポラリー、中国古書画、彫刻、陶磁器、骨董品、ジュエリーなど多彩となっている。
主な取扱い作家は、岡本太郎、横尾忠則、棟方志功、アンリ・マチス、オーギュスト・ルノアール、ロイ・リキテンシュタイン、北大路魯山人、佐藤忠良などだ。
プライベートセールスにも対応
オークションに参加するには会員登録が必要であるが、会員登録をすれば、出品作品が掲載されたカタログを貰えるほか、事前入札も可能だ。
さらに、アートマスターズに売却先を探して貰うプライベートセールスも利用できるが、その際には美術品の査定もおこなってくれる。
会員になるには会費として年会費16,500円~が必要となるが、アートマスターズオークションへの参加を希望する場合は、事前に会員になっておこう。
洋画の出品が多い
公開されているwebカタログを見ると、絵画から瀬戸物、茶器、日本人形、彫刻などが出品されているが、その中でも絵画の出品が多いようだ。
また、絵画でも洋画、日本画、コンテンポラリーなどがあるが、洋画がかなりの割合を占めているのが見て取れる。
アートマスターズオークション:https://artmasters.co.jp/auction/
アンシャンテオークション
アンシャンテオークションは、絵画の販売やレンタル事業をおこなうアンシャンテが主催するアートオークションだ。
ネットオークション
オークション形式は、アンシャンテオークションの公式ページに出品された作品が表示され、作品ごとに入札していくネットオークションとなる。
締め切り時間が設定され、その時間まで一番高額で入札された人が落札する競り売り方式で、ネットオークションでは一般的な方式だ。
最高額が入札状況により変動し、その様子が一目でわかることから、最も公平で公開された絵画取引としている。
作品の真贋や状態はスタッフが確認
ネットオークションで心配されるのが、出品された作品が贋物である可能性があることだが、アンシャンテオークションでは、出品される作品をスタッフが確認するため、安心して利用できる。
また、それでも心配な場合は、作品を利用者に送付して確認してもらう実物確認サービスもあり、状態などを自分で確認できる。この実物確認サービスは、入札前でも利用できるのがうれしいところだ。
絵画が中心
1997年に絵画専門オークションとして始まり、現在はアートオークションとして彫刻や写真、オブジェなども取引可能となっているが、取引の中心は洋画をはじめとする絵画となっている。
また、絵画については買取にも対応しているので、急いでいる場合などはオークションに参加するより、アンシャンテへ売却することも検討したほうがいいだろう。
取引価格
作品名 | 取引価格 |
---|---|
藤城清治 こびと達のパーティー | 13万円 |
笹倉鉄平 浜辺の日曜日 | 12.6万円 |
栗原一郎 ひととき | 15.1万円 |
池口史子 2つのWHEAT POOL | 10万円 |
ミッシェル・ドラクロワ 左岸 | 10万円 |
智内兄助 遠光 | 40万円 |
千住 博 森の朝 | 20万円 |
永井夏夕 遠くの音 | 18万円 |
アンシャンテオークション:https://www.enchanteart.com/newauction/
Artfield Artists
Artfield Artists(アートフィールド アーティスツ)は、株式会社Artfieldが主催するアートオークションである。
日本初のダッチオークション
Artfield Artistsは、アートオークションとしては日本初となるダッチオークションを取り入れたことで知られる。
ダッチオークションとは、通常の競り売りのように入札が重なるにつれて価格が上がっていく形式ではなく、最初に出品者が設定した最高額が提示され、そこから値段を下げていき、入札者を決める方式だ。
入札が1件でもあればそこで落札となるため、スピード感ある取引が特徴となる。
日本では馴染みのない取引方法であるが、バナナのたたき売りといえばわかりやすいかもしれない。
手数料の一部をアーティストに還元
出品による手数料は落札代金の2~5%+消費税と、ほかのオークションに比べ低く抑えられている。Artfield Artistsは若手アーティスト支援という目的があり、出品手数料とは別にアーティストリセールフィーとして、落札代金の1%+消費税が必要だ。
オークションの場合、通常落札代金は出品者の元に渡るが、このアーティストリセールフィーは、作品を制作したアーティストに渡される仕組みとなる。
Artfieldは、アーティストリセールフィーを通して若手アーティストを支援することで、新しいマーケット創造をおこなうとしているのだ。
コンテンポラリーアートが多い
若手アーティストの作品が多いオークションだけに、出品されている作品でもコンテンポラリーアートが多い傾向にある。大半が絵画であるが、彫刻やフィギュアの出品も確認できた。
落札方法は会場に赴いての参加とオンラインでのリアルタイムでの入札、そして、書面またはインターネットを通しての事前入札がある。
取引実績
作品名 | 取引価格 |
---|---|
音羽御殿にてⅡ 山本大貴 | 222万円 |
Girl with a PearlEarring_SpartanX 森 洋史 | 283万円 |
水郡線若葉物語 齋 正機 | 111万円 |
匿名の地平線-ver.blue- 中島健太 | 77.77万円 |
孔雀 No.12 上野裕二郎 | 62.16万円 |
One coin auction(4234yen) 山本雄教 | 88.8万円 |
日本のソウルフード 山田啓貴 | 44.4万円 |
Artfield Artists:https://artfield.jp/artfield-artists
NEW AUCTION
NEW AUCTIONは渋谷・原宿に拠点を置く株式会社New Auctionが主催するアートオークションだ。
国内初アーティスト還元金制度を導入
新しい体験、新しい価値観を提供する事を目指して設立されたNEW AUCTIONは、オークションにおいてさまざまな試みをおこなっているが、その中に国内で初めて導入したアーティスト還元金制度がある。
通常、作品が落札されても制作したアーティストにお金が入ることはないが、NEW AUCTIONでは落札代金の何%かは、アーティストに還元されるのだ。
これを元にアーティストが新たな作品を生み出すことになり、結果としてアートマーケットの持続的な循環を促し、絵画市場が拡大していくのである。
出品手数料は最大15%
作品を出品するのに必要な費用であるが、出品手数料は落札代金の最大15%+消費税となっている。そのほか、カタログ掲載料、著作権使用料、保管料、保険料、そして場合によっては鑑定料、額装代などの費用も必要だ。
幅広い作家の作品が出品されている
出品されている作品は、草間彌生やアンディ・ウォーホル、デイヴィッド・ホックニーといった有名作家の作品から、100,000円以下で取引される若手作家の作品まで幅広い。
出品作品は、オークション開催前に開催される下見会で鑑賞が可能だ。下見会で作品を見ることで作品に興味を持ちオークションに参加する場合もあり、これもNEW AUCTIONが目指す新しい体験、新しい価値観となるのだろう。
NEW AUCTION:https://newwwauction.com/
バーバリーアートオークション
バーバリーアートオークションは株式会社バーバリーアートスペースが主催する業者専門のアートオークションである。
完全招待制
参加には事前登録が必要となるが、その際に古物商許可証と、バーバリーアートオークションに参加したことがある人からの紹介が必要だ。
実際にオークションに参加できる人は、開催前にバーバリーアートスペースから招待された人のみという完全招待制となるため、安心して参加できる。
また、出品については、一般の人でもバーバリーアートスペースが代行する形で可能だ。
出品手数料は5%~10%
落札された場合は出品手数料を支払う必要があるが、出品手数料は落札価格の5%~10%で消費税もこの中に含まれている。
なお、不落札の場合は落札手数料は無料だ。
買取にも対応
バーバリーアートオークションを主催するバーバリーアートスペースは、美術品の買取にも対応。
買取対象は、日本画、洋画、現代アートなどの絵画や骨董品、西洋アンティーク、中国美術で、J.トレンツ・リャドやアンディ・ウォーホル、東郷青児、棟方志功、草間彌生、藤田嗣治などが強化買取中作家となっている。
「大切にしてきた作品を少しでも高く買取」をモットーとしているので、買取依頼を検討してみるのもいいだろう。
バーバリーアートオークション:https://b-artspace.com/babariartauction/
ヤフオク!
ヤフオク!はヤフー株式会社が運営するネットオークションだ。出品数、売上金額ともに日本最大級となっていて、絵画をはじめとするアートも多く取引されている。
気軽に参加できる
ヤフオク!は会場などで参加するオークションではなく、出品や落札もすべてネット上でおこなうため、誰でも気軽に参加できるというメリットがある。継続的に出品するなどしなければ古物商許可証も必要ない。
気軽に参加できる一方で取引は基本的に自己責任となるため、出品でも入札でも注意しなければならないことがたくさんある。そして、トラブルになってもすべて自分で解決しなければならないというデメリットもあるのだ。
多岐にわたる美術品が出品
出品されている美術品は、絵画、版画、彫刻、書、写真、茶道具など多岐にわたっているが、その中でも絵画の取引が一番多いようだ。落札価格も絵画の中で人気が高い人物画で見てみると、1円~3,284,600円とこちらも幅広くなっている。
この多岐にわたる出品と幅広い落札価格も、気軽に参加できるネットオークションならではといえるだろう。
Yahoo!プレミアム会員ならお得に利用可能
出品にかかる費用は出品だけなら必要なく、落札された場合に落札システム手数料が必要となる。
落札システム手数料は、Yahoo!プレミアム会員なら少しお得になり、Yahoo!プレミアム会員で落札額の8.8%(税込)、会員でなければ10%(税込)だ。わずか1.2%の違いではあるが、高額の取引となるほど大きく影響してくる。
Yahoo!プレミアム会員は月額508円(税込)なので、ヤフオク!の利用を検討している場合は、入会しておくといいだろう。
取引実績
作品名 | 取引価格 |
---|---|
東郷青児 油絵6号「赤い塔」 | 180万円 |
中川一政 油絵10号「ばら」 | 299万円 |
小山敬三 油絵「浅間山残雪」 | 180.1万円 |
東山魁夷 日本画2号「新緑」 | 356.1万円 |
片岡球子 日本画6号「富士」 | 352万円 |
マルク・シャガール「夕陽」 | 499.9万円 |
草間彌生 「朝が来た A」シルクスクリーン | 330万円 |
ヤフオク!: https://auctions.yahoo.co.jp/
オクサポ!
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
オクサポは上記のオークション会社とは少し異なるオークション代行業者で、オークションは開催していない点を留意していただきたい。
どこのオークションに出品している?
オクサポがお客に代わって出品するのは、日本最大のオークションサイトのヤフオクだ。利用者も多く、なかには専門的な業者やコレクターもお宝が隠れていないか目を通すこともあるので、想像以上の落札価格になることも珍しくない。
しかし、あまり知識や経験がない場合は適正価格も分からず、落札されないこともある。また、落札者とのやり取りや発送など面倒なことも多い。
どんなメリットがある
オクサポを利用するメリットは思っている以上に多い。出品するのに必要な写真撮影、適正価格の調査をはじめ、商品管理や落札者とのやり取り、梱包や発送など面倒で時間がかかることはすべてオクサポが代行してくれるのだ。
出品したいのに時間が取れない人や面倒だと感じる人は、申し込み後に店舗に発送、持ち込み、または出張引き取りなどの方法を利用して商品をオクサポに引き渡すだけなのでかなり楽なので活用してほしい。
まとめ
オークションを開催している会社は多く、近代美術が得意だったり、多彩な売却方法をもっていたりとさまざまな面に特化していて特徴も多いのだ。絵画・美術品といったカテゴリーは、専門の買取業者やコレクターでなければ、価値が分かりにくく下手をすれば二束三文に買いたたかれてしまう。
所有している絵画や美術品の価値を自分でも分からないという場合は、オークション会社でおこなわれている査定や鑑定会を受けてみるのもいいだろう。もし、自宅に眠っている名作があるという人はぜひオークションに参加してほしい。
なお、すぐに現金化をしたい人はオークション等の手間をかけるよりは買取の依頼に出した方が良い。当社では絵画・美術品の買取店を比較しているのでぜひチェックしてみてほしい。
なお、サイズが大きい絵画・美術品などを売る場合は、出張査定サービスがおすすめとなる。
参考サイト