1845年創業のランゲ&ゾーネはドイツの老舗時計メーカーで世界5大ブランドとされている。1920年代まで最盛を極めるも東西冷戦の影響を受け、約40年もの間、閉鎖を余儀なくされる。
1990年に東西統一が果たされると会社を復興させ、1994年ランゲ1のなどのコレクションを発表し、華麗なる復活を遂げ現代にいたるまでその名を時計業界に知らしめている。
ここでは、箱無し・保証書無しのランゲ&ゾーネが買取業者でどのくらいの買取価格で取引されているかを紹介していこう。また、ランゲ&ゾーネの歴史や人気モデルについてもあわせて紹介していくため、買取の際に役に立ててほしい。
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ランゲ&ゾーネの歴史を紐解く
ランゲ&ゾーネの腕時計を買取に出す際にそのブランドの価値や歴史を把握しておくと安く買い叩かれる危険を避けることができる。知らず知らずのうちに足元を見られるような状況を避けるためにもランゲ&ゾーネの歴史や人気の理由などを紹介していこう。
ランゲ&ゾーネの誕生
ランゲ&ゾーネの創業者アドルフ・ランゲが時計製造の道に足を踏み入れたのは1830年のことだ。ドイツの著名な時計師のもとで時計作りを学んだが、アドルフはさらなる時計製造技術の高みへと修行の旅に出る。技術を習得したアドルフは母国へと帰国し、ドレスデンの王宮時計塔棟内の工房にて時計製作に没頭する。
修行の旅で得た技術や独自のアイデアは旅の手記に残されており、今もなお、ランゲ&ゾーネのバイブルとして制作にいかされている。責任感が強く人格者であったアドルフは1845年にエルツ山地に工房を設立し、ランゲ&ゾーネが誕生した。
設立の翌年には、現在のランゲ&ゾーネでも活躍しているムーブメントの大きな特色である4分の3プレートを開発した。1863年にはハートカムを備えたクロノグラフ懐中時計を手がけるなど製造技術において、当時時計の先進国であったスイスに負けない力を持っていた。
ランゲ&ゾーネの消滅と復活
アドルフの死後も技術や独自のアイデアは代々受け継がれてきたが、第二次世界大戦の終戦前夜に空襲の直撃に遭い本社の社屋が破壊されてしまう。さらに、エルツ山地が国営化されてしまい、これによりブランド、ランゲ&ゾーネは消滅した。ベルリンの壁の崩壊により、西ドイツへと逃れていた4代目経営者のウォルター・ランゲが66歳にしてブランドの復興を目指す。
66歳となってもなお、世界一のマニュファクチュールを復活させるという固い決意のもと活動を続けた。1994年に満を持して発表された新星ランゲコレクションは、ランゲ1、サクソニア、トゥールービヨン、プール・ル・メリット、アーケードだった。独創かつ伝統美を感じさせる技術で彩られた文字盤は強烈な印象を残し、ここにランゲ&ゾーネが復活したのである。伝統ブランドの復活劇はパラダイムシフトを起こしたのである。
ランゲ&ゾーネの時計製造と特徴
ランゲ&ゾーネの代表的作品や人気モデルを紹介する前にランゲ&ゾーネの時計製造について説明したいと思う。
ランゲ&ゾーネの時計製造
自社一貫製造のマニュファクチュールとしても名高いランゲ&ゾーネではムーブメントを構造する部分に至るまで自社で製造しており、地板や受け、レバー・バネ・歯車・カナなどのもととなるパーツまでもが自社制作である。特にひげゼンマイを自社で手掛けるメーカーは世界中探しても数えるほどしかいないのである。
ランゲ・ゾーネの特徴
ランゲ・ゾーネは、創業者アドルフ・ランゲが確立したザクセン式時計作りを今もなお継承し続けているのである。独微的なディテールのかずかずはどれも耐久性・精度・視認性を高めるための工夫であり、徹底した仕上げと独自の機構も相まって高級時計業界をリードし続けている。
ランゲ&ゾーネのムーブメントを大きく特徴付ける4分の3プレートは先に述べた初代アドルフ・ランゲの手帳に記される、大きな1枚プレートでムーブメントを覆えば耐久性が格段に上がるというアイデアである。世代が変わった今現在においても、なお創業者の理念をランゲ&ゾーネは守り続けているのだ。
ランゲ・ゾーネの二度組方式
ランゲ&ゾーネの製造方法である二度組方式は、香箱や脱進機、テストアンクルなどムーブメントを組み立て、ダイヤルやリューズの向きを調整し、アウトサイドデイトやパーぺチュアルカレンダーなどの機構の設定と調整をおこなう。
通常ならばここでムーブメントをケースに収納する作業へと進むのだがランゲ&ゾーネは一味も二味も違うのである。何故なら1度完成したムーブメントをもう1度分解し、洗浄する。それから各部品に表面仕上げと緻密な装飾を施すだ。
ランゲ・ゾーネの人気モデル・定番腕時計
ランゲ&ゾーネの腕時計の中において定番であるにもかかわらず、人気を博している腕時計のシリーズを紹介していくとしよう。
ランゲ1
ランゲ1は、斬新にして見やすいオフセットダイヤルだ。表示をかさねないオフセットダイヤルは、一目で知れるアイコニックな存在である。各表示の配置は黄金比に基づき決められており、完璧なバランスが図られているのだ。機能を追加してもダイヤルのレイアウトは変えずに美しさと高い視認性を保持しているのである。
ランゲ1
アウトサイズとオフセット文字盤をスタンダードにした傑作だ。
グランド・ランゲ1
ランゲ1をワンランクサイズアップしたもので、オフセットダイヤルも大きくなり、より視認性が高くなった。
サクソニア
サクソニアは美しさを宿すランゲの第2の顔となっている。バーインデックスによるシンプルなダイヤルを特徴とするベーシックラインだ。しかしそのインデックスのほとんどの針は、ソリッドゴールドで上品さもあわせもつ腕時計である。実用性が高い機構が採用されていることもこのシリーズをより魅力的しているのだ。
サクソニア
最も小振りなケースにシンプルな脳美を凝縮している。コストパフォーマンスにも優れるベーシックな1本だ。
サクソニア・オートマティック
搭載している薄型設計は自動巻ながらケース厚が7.8㎜とかなり薄く仕上げられているのが特徴である。
サクソニア・フラッハ
シンプルな5.9㎜厚の薄型ドレスウォッチは2つの素材で各々に2サイズが選ぶことができる。
1815
1815は、古典的なディテールで創業者への敬意を示す。アラビア数字とレイルウェイ、ブルースチールの針などアドルフ・ランゲが好んだディテールをダイヤルに盛り込み、控えめな美しさが特徴的である。永久カレンダー以外は日付け表示を持たず、時刻の読み取りやすさをただ純粋に追求しつくした一品である。
1815 アップ/ダウン
スモールセコンドがパワーリザーブ計と連動しており、巻き上げ残量がなくなると針の位置がゼロ位置で停止する仕組みになっている。
1815(38.5㎜)
フリースプラングを採用したムーブメントを小振りなケースに搭載しているが、機械は大振りで中がギッシリと詰まっているのが特徴だ。
ツァイトヴァルク
ツァイトヴァルクは、数字で時刻を表示する斬新にして精巧な機構が特徴だ。1分・10分・1時間ごとに時1枚、分2枚の各ディスクが同調・瞬転し新たな時間を我々に示してくれる。斬新にして精巧な機構のドレスデンのゼンパー歌劇場にある5分時計と同じデジタル時刻表示を腕時計で再現してる、革新の留まることを知らないランゲ&ゾーネの革命である。
ツァイトヴェルク
バネに力を蓄え、1分ごとに放出してディスクを動かすコンスタントフォースにより、時計精度を安定させたものである。
ツァイトヴェルク・ストライキングタイム
15分ごとに左のハンマーが毎正時にはハンマーが動き、異なる音色を聴かせてくれる、ときの訪れを音という形で我々に告げてくれるのだ。
リヒャルト・ランゲ
リヒャルト・ランゲは、超高精度を実現する多彩な機構を盛り込んだシリーズであり、高精度の追求に心血が注ぎ込まれたシリーズだ。各モデルが異なる手法で精度を上げている。共通のローマ数字はモデル名となった2代目制作の高精度なデッキウォッチを規範としたものである。
パーペチュアルカレンダー テラ・ルーナ
裏に軌道ムーンフェイズを備える永久カレンダーであり、14日巻のトルクをコンスタントフォースで均一化したものである。確かな14日間を刻み続けるのである。
リヒャルト・ランゲ
自社製ひげゼンマイと大型テンプで高精度を実現した代物であり、唯一のセンター秒針である。
ランゲ&ゾーネの買取価格
本題となるランゲ&ゾーネの買取価格を見ていこう。また、箱無し・保証書無しの場合はどのくらいの減額があるのかを参考にしてほしい。
平均買取相場
ランゲ&ゾーネは希少価値に高い高級腕時計であるために、すべてのシリーズの買取価格を正確に平均して把握することはできないが、参考までに上げておくことにする。以下の買取価格は、箱・保証書ありの価格なので気をつけて欲しいところである。
- ・ダトグラフ アップアンドダウン:〜5,500,000円
- ・リヒャルトランゲ:2,300,000円〜2,400,000円
- ・サクソニア アニュアルカレンダー:2,400,000円〜2,500,000円
- ・1815 アップ&ダウン:1,600,000円前後
- ・ランゲ1 ムーンフェイズ:2,400,000円前後
箱なし・保証書なしの場合は?
ランゲ&ゾーネに関わらず、購入時から付属品として付いているものには価値があり、査定に大きくひびく。一般的な付属品の有無による査定額の変動をみていくとしよう。箱があれば基本+5,000円前後。保証書があれば基本+10,000円前後である。
付属品がすべてそろっている状態であれば+1.2万円の上積みが可能になる場合が少なくない。しかし、すべて手作業でおこなわれ、生産数の少ないランゲ&ゾーネの付属品となると買取価格に非常に影響を与えることになる。
時計を高く買取してもらうコツ
ランゲ&ゾーネは1点ものであったり、手作りであったりと希少価値が非常に高い腕時計だ。その希少価値を把握している業者であれば、高価買取が期待できるだろう。しかし、どんなに希少価値が高くても、時計の価値を知らない査定士や時計自体の状態が悪ければ低い査定額になってしまう可能性もある。少しでも高く買い取ってもらうためのコツを紹介していこう。
相場のリサーチをおこなう
時計をできるだけ高く買取してもらうためにおこなうべきは、可能な限りのリサーチをおこなうことである。自分が所持している時計の買取査定額の目安だけでも知っておくことができれば、そこから大幅に離れた低価格を提示してくる業者は、自分で判断して除外することができるのだ。
買取価格が公開されていない場合もある。その場合は中古市場での販売価格を参考にするといいだろう。買い手であるバイヤーの利益やメンテナンス費用を差し引き計算して、販売価格から3割~5割程度で買取価格の目星をつけることもできるだろう。
時計の状態を整える
時計の状態を整えることも買取時のコツである。高く買取される時計の条件として、状態が整っている時計でなければならない。時計の状態のポイントとしては、以下を参考にしてほしい。
- ・全体的な傷の付き具合
- ・汚れや経年劣化
- ・時計の動作や精度
- ・付属品の有無
全体的な傷や汚れは低価格になりやすい対象だ。傷は直せないので、汚れについては磨くだけでも査定額に響くことがある。時計の精度や動作についても自らできることは少ない。過去にオーバーホールを受けた記録が残っていれば一緒に提出し、内部機構までメンテナンスされていることを証明するとプラス査定になるのでおすすめだ。
ランゲ&ゾーネのおすすめ買取業者
ランゲ&ゾーネの買取価格は非常に高く、このような買取価格の高い時計は買取業者選びが重要になってくる。今回はランゲ&ゾーネのおすすめ買取業者を紹介していく。
なんぼや
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
なんぼやは東証マザーズに上場している買取業者だ。東証マザーズに上場しているということは信頼の高いということを意味する。買取業者において信頼性というのは非常に重要だ。信頼できる買取業者というのは利用者も多く、サービス面での充実度が高いことが分かるからだ。時計を売るならなんぼやを選択肢の1つにしておいてほしい。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大黒屋は、業界最大級の店舗数、高価買取、スピード査定、高いリピート率、充実のサービスを誇っている買取業者だ。知名度が高く信頼感が高い。家電や酒などの買取もおこなっているので、これらを合わせて売ると良いだろう。まとめ売りは1つ1つ買い取る手間がへり、買取価格は高くつくのでおすすめだ。
まとめ
箱無し・保証書無しのランゲ&ゾーネの買取相場について紹介してきた。自社一貫製造をおこなっており、希少価値が高いランゲ&ゾーネでも箱無し・保証書無しでは査定額がガクッと下がってしまうことは避けられないだろう。
人気のシリーズを手放すことを考えている人はできる限り、付属品類はそろえて査定に出してほしい。すでに無くしてしまい、そろえることが難しい場合はこの記事を参考に時計の状態を良好にしておこう。複数社に査定依頼を出すのが面倒な場合はぜひ、一括査定のヒカカクを利用してほしい。