携帯代が次第に高くなるのに伴い、脚光を浴びるようになってきた「格安スマホ」。格安スマホでは自分に適したプランを選べることが人気となっており、月々の料金を3分の1まで減らすことも可能だ。
しかし、いざ格安スマホに変えてみたはいいものの、思わぬ「落とし穴」にはまる人も続出した。とりわけ、現時点でもっとも王道であろう「iPhone+大手キャリア」から、格安スマホに移行してみると、格安スマホ特有のデメリットが気になるものだ。
ここでは、iPhoneから格安スマホに乗り換える際に知っておきたいデメリットをいくつか取り上げたいと思う。格安スマホへの乗り換えを検討している方は、ぜひ一読いただきたい。
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デザインや操作性が劣る?
iPhoneを製造するのは、長年デザイン美や直感的な操作性を追い求めてきたApple社だ。言わずと知れたApple社の立役者「スティーブ・ジョブズ」の心血が注がれたiPhoneは、発売当時、それこそ他に類を見ないデザイン美や操作性が突出したアイテムであった。
外観的なプロダクトデザインはもちろん、インターフェイスのデザインも秀逸だ。それから進化を遂げること、すでに10年以上が経過した。ジョブズはこの世を去ってしまったが、現行のiPhoneはデザインや操作性にさらに磨きがかかっており、スマートフォンの中では唯一無二の存在となっている。
似たようなスマートフォンこそ出てきているものの、デザインと操作性に関しては、iPhoneが群を抜いて洗練されているというのが、一般的な評判だ。iPhoneから格安スマホに乗り換えると、手の中に握られる端末、眼に映る画面の、姿かたちの違いに抵抗を持つ人がいるのも事実だ。ただ、とりわけデザインは、個人的な感覚によるところが大きく、人によっては良いと感じても、別の人によっては悪いと感じることもあるので、一概に「デザインが劣る」とは言い切るべきではないだろう。
性能が低い?
iPhoneは、スマートフォンとしての性能も申し分なく、基本的に現行機種なら多くのユーザーの用途や目的に応えられるような仕様になっている。しかし、格安なスマートフォン端末では、現行のiPhoneよりも見劣りする点が少なくない。
例えば、現代的なビジュアルや動作性があるゲームを性能の劣る端末で遊ぶと、サクサク滑らかに動くかどうかといえば怪しいところがある。もちろん、これはゲームに限ったことではなく、少し負荷のかかる動きのあるアプリやシステムを利用する場合でも、同様のことは起こりうる。
また、性能は端末をストレスなく使い続けられる寿命とも密接に関係する。どんな端末であっても、結局は時間とともに古くなり、いずれは時流の通信環境に対応できなくなる。これは最新の機種であっても逃れられないものであるが、それでも最新のiPhoneに比べると、格安の端末の方が寿命の到来は早いと考えて差し支えないだろう。
ただ、普段からメールやメッセージ、簡単なウェブブラウジングぐらいしかスマートフォンを利用する機会がないのならば、コストパフォーマンスを考えて格安のスマホ端末を選ぶのも賢い選択といえる。自分の利用の仕方を考えて、判断していくといいだろう。
通信速度が遅い?
一般的に、主要なキャリアに比べて、MVNOでは通信速度が遅くなることがある。特に、利用者が多くなる時間帯では、通常の動画視聴もスムーズにいかないこともあるが、これは通信帯域の一部を間借りしているMVNOであれば、仕方のないことかもしれない。
実際の通信速度やその感覚は、各MVNOによってもバラつきがあり、通信の速いMVNOと通信の遅いMVNOに分けて考えることができる。この辺りは、実証しているウェブサイトなどを参考にして選ぶと良いだろう。
しかし、これはキャリアによる問題なので、iPhoneであろうとなかろうと関係ないことである。
通話料が高い?
格安スマホの売りはその料金の安さだが、大手キャリアと比べて、通話が必ずしも格安というわけではない。
また、MVNOでは、家族間での通話割引などの特典がないことがほとんどなので、普段から家族間の通話が多い人からすると大きなデメリットになるかもしれない。
もし通話も頻繁に行うようなら、IP電話アプリを活用したり、LINEの無料通話やLINE Out、LINE Out freeを使ったりするなりして、通話代を抑えると良いだろう。
自分の通話をする頻度や、家族での通話での利用がある場合には十分にプランを検討する必要がある。無料アプリを利用した通話でいいという人には問題ないだろうが、無料アプリでの通話はどうしても音声的に劣ってしまう。電話機能へはきちんと注意しておこう。
自分から電話をかける場合には通話料がかからないので、電話が多くかかってくるが電話を自分からすることのないという人は通話料をそこまで気にする必要はないだろう。
クレジットカード決済しか選べない?
大手キャリアで回線契約をすれば、毎月の料金の支払いは、口座自動引き落としやクレジットカード、コンビニ払い(払込伝票)などから選ぶことができる。
しかし、格安スマホで契約するMVNOの場合、その多くがクレジットカードでの支払いしか取り扱っていない。一部では、料金支払い方法に口座自動引き落としやデビットカード(支払いに使える銀行キャッシュカードで、支払いは口座に即反映)を導入するところもあるが、まだまだ少数のようだ。
これは、そもそもクレジットカードを所持していれば、特に問題にならないだろう。しかし、学生などクレジットカードを持てない人からすれば、デメリットと言える。
もし、クレジットカードを持っていないけど、格安スマホを使いたいというのであれば、口座自動引き落としやデビットカードに対応しているMVNOを選ぶか、家族カードを申請するなり、審査基準が緩やかなクレジット会社を選んでクレジットカードを取得する必要があるだろう。
キャリアのメールアドレスがない?
大手キャリアと契約すると、キャリアドメインのメールアドレスを利用できる。例えば、docomoなら"~@docomo.ne.jp"、auなら"~@ezweb.ne.jp"、SoftBankなら"~@softbank.ne.jp"または"~@i.softbank.jp"などのことだ。
普段からこのようなキャリアのメールアドレスを使用している人は、MVNOでは基本的にこのようなアドレスが付与されないことに気を付けた方が良いだろう。
もし、メールアドレスが使えなくなって不都合があるようなら、GメールやYahoo!メールなどのフリーアドレスで代替するのがおすすめだ。なお、Gメールに関しては、Androidでアプリをダウンロードするときに必要になるので、この辺りも考慮してどこでメールアドレスを取得するか選ぶと良いだろう。
キャリアの無線LANスポットが使えない?
大手キャリアと契約すると、通常はそのキャリアごとの無線LANスポットを使うことができる。無線LANスポットをうまく活用することで、高画質な動画を視聴したり、通信容量を節約したりできるので重宝する。
しかし、MVNOでは、多くがそのような無料で使える無線LANスポットを提供していない。とりわけ、格安スマホを使うような方は料金を低く抑えたいと思うであろうことから、必然的に低通信プランを契約することが多いと思う。低通信プランであればあるほど無線LANスポットの恩恵は大きいので、歯がゆいところだ。
ただ、Wi-Fiを提供しているのは、何もキャリアだけではないので、店や施設のWi-Fiを使うなり、打開策はあるだろう。
キャリアのサービスが使えない?
回線を借りているからといって、そのキャリアのサービスが使えるようになるわけではない。
docomoやauを利用している場合は、dポイントやauWALLETのポイントがあるだろう。しかし、電話会社をのりかえるとそのポイントは失効されてしまう。のりかえる前にポイントを使い切っておこう。
また、キャリア決済も利用できなくなる。そのため、iTunesやGooglePlayを利用する際には、ギフトカードかクレジットカードが必要となる。
相談窓口がない?
実店舗を持たないMVNOは多いため、格安スマホではいざ何かあったときに店舗に相談しにいくことができないことがある。
格安スマホだと初期設定を自分で行うことがあるが、サポート窓口には問い合わせフォームやメール、あるいは電話で問い合わせることになり、何かと面倒であったり、時間がかかったりする。
端末が故障してしまったら、ことさらに厄介なことになるだろう。ただ、中には実店舗を持つMVNOもあり、相談も受け付けてくれるので、ここはMVNO次第となる。
独自に保障サービスを展開しているMVNOもあるので、紹介したい。
NifMo
「NifMo あんしん保証」は故障、破損、水濡れなどのトラブルが発生した際に、電話一本で交換機を届けてくれるサービスだ。月額380円で利用できる。
本州、四国は翌日、北海道、九州、沖縄は2日以内に届けてくれる。
NifMoDMM mobile
「端末交換オプション」は、月額350円で利用できるサービスだ。
トラブルや故障があった際に端末を交換してくれる。
UQ mobile
「端末補償サービス」は、月額380円で利用できるサービス。
自然故障の場合には1年目の場合はメーカー保証で無料。 2年目以降の自然保障と、部分破損、水濡れ、全損は一回目は5000円、2回目は8000円だ。このサービスは年二回まで利用できる。
mineo
「端末安心サポート」は、自然故障、水濡れ、破損などに月額399円で対応してくれる。
端末故障時には割引価格での修理サポートや、代替機のレンタルというサービスもある。 修理費用は初回、5,400円。二回目は8,640円。三回目以降は実費+3,240円。SIMカード再発行に伴う変更事務手数料は2,160円となっている。
U-mobile
「端末補償お見舞金サービス」は、トラブル時に最大5万円のキャッシュバックをしてくれる。月額500円で利用できる。
「ライフサポートパックサービス」は、スマートフォンのトラブルではなく日常生活のトラブルに対応するサービスなので、間違えないようにしよう。
U-mobileLINEでID検索ができない?
格安スマホにしても、LINE自体は利用できる。しかし、格安スマホでは、LINEで友だちを検索・追加するときに便利な「ID検索」を使うことができない。ID検索は、キャリアで18歳以上であることを認証できなければ使うことができないため、LINEユーザーからしたら若干不便に感じるかもしれない。
ただ、友だち追加ができなくなったわけではなく、「ふるふる」を使うなり、友だち追加→招待→SMSまたはEmailをタップすることで自分専用のURLを発行するなり、方法はある。いずれもひと手間かかるが、あまり友だちの追加を頻繁に行わないのなら、さほど気にする点でもないかもしれない。
なお、LINEモバイルで契約すると、さすがに年齢確認はできるようになっているようだ。
まとめ
以上、iPhoneから格安スマホに移行したときに感じるであろうデメリットを取り上げてみたが、いかがだろうか。これらのデメリットは、すべての格安スマホに言えるわけではなく、中には利便性を高めてデメリットを解消している格安スマホもあるので、実際にはケースバイケースとなる。
格安スマホの種類が豊富であることから、情報を集めて詳しく比較検討をしていく必要がある。じっくりと情報を見比べて決断するようにしよう。
また、会社だけでなくプランもきちんと確認しておこう。様々なプランでより安く利用できるようにしよう。
格安スマホのメリットは、何と言ってもその低価格な料金であり、安くなる分、デメリットはむしろあって当たり前と割り切ることも大切だろう。
使いようによっては大きな倹約に結び付く格安スマホは、この先も、先進的なスマホを主要キャリアで契約する流れとともに平行して存続する大きなトレンドであることは間違いないだろう。
自分のスマートフォンの利用方法と、月額費用を考えて快適なスマートフォンライフを送れるように決定してほしい。