先日、ソニーがXPERIAを格安スマホに投入するというニュースが入ってきた。最近、様々な会社が格安スマホに参入しており、ニュースも賑やかだ。今回はその中でもAmazonとGoogleといった巨大インターネット企業の参入に注目し、その参入の理由を探ろう。
Amazon Fire Phone_3 / TechStage
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Amazonのこれまでの独自デバイス参入
もともとAmazonは色々なデバイスに手を出してきた。2007年にKindle、2011年にKindle Fire、2014年にFire TVといった具合だ。街中でほとんどの人がKindleを持っている、という状況には残念ながら辿り着いていないが、その認知度は確かなものだろう。そんなAmazonは2014年6月にスマホ(Fire Phone)に参入した。Amazonのスマホの特徴はいくつかあるが、最も注目すべきはアマゾンストアとの連携だろう。
Amazon Fire Phone_2 / TechStage
「Firefly Technology」といわれるこの機能は、例えばカメラで雑誌のページを撮影したとき、電話番号やURL、メールアドレスなどを画像の中から自動的に認識して、アクセスできるようにしてくれる。これによりスマートフォンをスキャナとして利用できるわけだ。またDVDの表紙や書籍を撮影したり、テレビや映画、音楽などの音をFire Phoneに聞かせれば、すぐにアマゾンのウェブページでレビューを読んだり購入したりできる。
Amazonの格安スマホ参入の理由
上記の特徴からもわかるようにAmazonが格安スマホ市場に参入した理由はAmazonの商品注文を簡略化するためである。そもそもネット上での商取引がウェブで行われるようになり、最初はパソコン、そして近年はモバイル端末での購買比率が急増している。それぞれのインターネット事業者はウェブからアプリへと進出してきているが、その更に先はハードウェアそれ自体を販売してしまい、自社のサービスをハードと一体化して提供してしまうことに尽きる。
Amazonの創業者であり、現CEOのジェフ・ベゾス氏は常にサイトの使い勝手を追求しており、格安スマホへの参入もその一環というわけだ。
Googleのこれまでの独自デバイス参入
GoogleはAndroid(アンドロイド)というオープンソースのソフト(オペレーティングシステム)を無料提供してきたほか、Nexus(ネクサス)というデバイスで独自スマホ・タブレットに参入していた。Google内では格安SIM参入計画を「Nova」と呼んでいる。詳しいことは明らかになっていないが、格安スマホについてはまずアメリカで販売し、日本ではソフトバンクの回線を使用するという噂がある。さすがソフトバンクの動きも素早い。
Googleの格安スマホ参入の理由
Nexus 4 / Janitors
Googleが格安スマホに参入する理由は、スマホのウェブブラウジングにおける広告価値を高めるためだと言われている。アメリカではスマホの利用料が高いことが問題となっているが、格安スマホを投入することでネットの利用者をさらに増やすことができるだろう。
既に飽和状態の格安スマホ業界における勝者は誰に
Occupied / DonkeyHotey
どの企業も様々な思惑で格安スマホに参入してくる。かのFacebookも独自スマホデバイスの開発は行ってきている。今後もインターネットサービスを提供する企業がスマートフォンを提供する形でハードを抑え、よりサービスを最適化した状態で利用してもらう流れとなるだろう。日本でも既に楽天が格安スマホに参入している。
ただでさえ早くも飽和状態と言えるこの業界で、いかに独自の戦略をとり、顧客を獲得できるか。また、ハードと連携したサービス展開といった形もまだ成功者はいないと言っていいだろう。実のある戦略なのだろうか。今後の展開が楽しみである。