アルフォンス・ミュシャは 商業用ポスターや装飾パネルなどで有名なチェコスロバキア出身の作家である。主にリトグラフなど版画が流通しており、現代でも人気を高い作家のひとりだ。当記事ではアルフォンス・ミュシャ絵画の価値や買取相場などについてまとめてみた。
ぜひ参考にしてもらいたい。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
アルフォンス・ミュシャの経歴と作品の特徴
アルフォンス・ミュシャは日本も含め世界的に高い人気を誇っている作家である。ヨーロッパ全土で流行したアール・ヌーヴォーの旗手としても知られ、美術史においても重要な役割を果たした。
アルフォンス・ミュシャとは
アルフォンス・ミュシャは1860年にチェコスロヴァキアで生まれた画家・デザイナーである。学生時代は聖歌隊に所属して音楽家を目指した。音楽家の夢は叶わなかったが、当時から聖歌隊の表紙絵を描くなど類まれなる画才を発揮していたと伝えられる。
19歳でデッサン学校に通いはじめ、舞台美術家として活動をしたあと、芸術の本場であるパリに住居を構えて制作活動に励むようになる。パリでは舞台女優のサラ・ベルナールが演じた芝居『ジスモンダ』の広告用ポスターを手掛け、パリの人々に衝撃を与えた。
幾何学的なデザインを用いた繊細なタッチで女性の美しさを描写する表現は斬新なものだった。そして、アルフォンス・ミュシャはパリで押しも押されぬ人気作家となっていった。広告用ポスターで大成功を収めたアルフォンス・ミュシャは、広告用ポスター以外にも商業デザイン、装飾パネル、挿絵、切手デザイン、油彩画など幅広く手掛けた。2019年には、gelato pique(ジェラートピケ)と初のコラボレーションしている。
アルフォンス・ミュシャ作品の特徴
アルフォンス・ミュシャの作品は、縦長の構図に花や宝石などを幾何学的なデザインで散りばめるなど、オリエントの装飾デザイン要素に取り入れた点が特徴的だ。 女性の姿を華麗な曲線を使った描くスタイルにも上品さがある。そんなアルフォンス・ミュシャの作風は19世紀末から20世紀初頭にヨーロッパで流行したアール・ヌーヴォーの流行にも大きく貢献をしたと考えられている。
アールヌーボーとは、曲線を多用したり、花や植物を装飾に使ったりと、それまでの芸術には見られなかった新スタイルの美術活動のことを指す。アルフォンス・ミュシャの代表作は『ジスモンダ』、『連作≪四季-春≫』、『椿姫』ほか。
アルフォンス・ミュシャ作品の価値と買取相場
アルフォンス・ミュシャの美術作品は、広告用ポスターや装飾デザインが中心で、リトグラフやジクレーといった版画が主に取引されている。リトグラフは水と油の反発を活用した版画の技法のひとつで独特の質感が魅力だ。19世紀以降に普及した手法で、広告芸術に適した手法である。
一方、ジクレーは デジタルデータを元に、紙に色を噴出させておこなう現代的な版画技法のひとつである。アルフォンス・ミュシャに関する版画もそうだが、基本的には製作年が古い作品は希少価値があり、高い査定額がつきやすい。買取相場については1万円~20万円ほど。
アールヌーボー時代につくられた古い作品の場合、100万円以上の買取価格がつくケースもある。 ちなみに、絵画、版画、彫刻などのオークションを手掛ける毎日オークションではアルフォンス・ミュシャ初期の代表的なポスター作品「椿姫」が出品され、180万円で落札されている。
作品の売却価格例
- 「『ジスモンダ』リトグラフ 1897年 財団版エスタンプ」新品15,000円(retro)
- 「トリポリの姫君イルゼ(挿絵本)」300,000円(アート買取協会)
- 「絵画 リトグラフ 花器 煎茶道具」40,000円(栄楽堂)
- 「スリーシーズンズ」13,000円(買取福助)
美術品の買取業者に売る方法
アルフォンス・ミュシャに関する美術作品が自宅に眠っていて売却をしたい場合、売却方法としてはいくつかのパターンが考えられる。その中でもっともお手軽なのは、美術品を主に扱っている買取業者に買取を依頼することだ。例えば骨董品店や画廊など、古美術に詳しい鑑定士が所属している買取業者が望ましいだろう。
美術品の買取業者に作品を買い取ってもらう場合、出張買取、宅配買取、店頭買取のいずれかの方法で依頼することになる。 それぞれどのような買取方法なのか、それぞれのメリットとデメリットも含めてその流れを説明しておこう。
出張買取の流れ
美術品の買取方法の中でもっとも推奨できるのが出張買取という買取方法だ。出張買取はその言葉のとおり、買取業者のスタッフが自宅まで直接訪問してその場で査定くれる方法である。どうして出張買取がもっとも推奨できる方法なのかというと、美術品が破損するリスクがないからだ。
どれだけ値打ちのある美術品であっても作品が破損してしまえば元も子もない。仮に買い取ってくれても査定額は下がってしまう。 その点、自宅から持ちださずに査定をしてもらえるので何かと安心だろう。 倉庫の中に美術品を大量に眠っていたり、美術作品が大きくて持ち運び困難な場合にもこの出張買取という方法は非常に便利だ。
デメリットとしては、業者によっては、離島など出張に対応していない地域もあることだ。つまり、買取業者が限定されてしまうことを意味する。美術品の買取業者に出張買取を依頼する場合、まずは電話やWebフォームなどで仮査定をしてもらうことからだ。
そこでは査定してもらいたい作品の作家名、作品の種類はじめ必要事項を伝えることで、仮査定額を教えてもらうことができる。 もしその仮査定額から判断して出張買取に来てもらいたいという場合、日時を相談し予約をするという流れになる。 日時を決めたら後は査定してもらいたい作品を用意して自宅で待機していればいいわけだ。
その際、身分証の提示も必要となる。身分証はパスポートや運転免許証などのことだ。鑑定士が査定後に提示した最終的な査定額に納得いけば取引成立ということで、作品を渡す代わりにその査定額を受け取ることができる。
もちろん、納得いかなければその時点でのキャンセルも自由だ。
宅配買取の流れ
上記したように、美術品の買取については、出張買取がもっとも推奨できる買取方法だ。ただ、出張買取に対応している買取業者が近くになかったり、あるいは自宅に査定に来てもらうことに抵抗があったりする場合もあるだろう。あるいは作品が小さくかつ割れにくいものなら、わざわざ出張買取を依頼するまでもないかもしれない。
そんなときは宅配買取を検討してみると良いと思う。宅配買取は買い取ってもらいたい作品を買取業者に直接郵送しておこなう方法のことだ。宅配買取も出張買取と同じくまずは電話やWebフォームから仮査定をしてもらうことからはじまる。
査定してもらいたい作品の詳細を買取業者に伝えると仮査定額を提示してくれるため、その金額を元に宅配買取を依頼するかどうかを判断する。 買取業者に発送する場合、作品をダンボールなどに入れて発送するということになるが、発送料は基本的には買取業者が負担してくれる。着払いで送って欲しいと依頼されることが多い。
ただ注意点として、最終的な査定後にキャンセルする場合、返送料については査定を依頼する側が払うことが少なくない。美術品の配送料については保険の問題などもあって一般的な商品よりも割高になるため、キャンセルする可能性がある場合、事前に確認しておくほうがよいだろう。なお、宅配買取の場合、美術品が破損するリスクがどうしても伴う。発送時には緩衝材を入れるなど細心の注意を払う必要があるだろう。
なお、自分でダンボールなど用意するのもよいが、業者の中には宅配キットといって、作品を送るためのダンボールや緩衝材、着払い伝票などを一式用意してくれるところもある。作品が買取業者に到着すると鑑定士が作品を手に取って鑑定し、最終的な査定額を電話やメールなどで知らせてくれる。その査定額に納得する場合は取引成立となり、後日、指定された銀行口座にその査定額が振り込まれるという流れになる。
店頭買取の簡単な流れ
美術専門の買取業者が自宅からアクセスできる場所にあるならば、直接店頭に持ち込んで査定してもら手段もらう、店頭買取と呼ばれる買取手段がある。店頭買取の場合、宅配買取と同じく、美術品を持ちだすときは破損しないよう注意を払うことが必要になる。
店舗では鑑定士がその場で査定してくれるので何かとスピーディーだ。たとえば引っ越しが迫っていて、できるだけ早く美術品を処分して現金化したい場合などに有効な手段といえるだろう。なお、店頭買取についても出張買取、宅配買取と同じく、査定額を聞いてからキャンセルするのも自由である。
買取業者の紹介
アルフォンス・ミュシャは数多くの広告用ポスター、装飾デザインを手掛けた。現代ではリトグラフやジクレーといった版画が主に取引されている。 アルフォンス・ミュシャに関する美術作品は日本においても人気が高く、アール・ヌーヴォーならではの独特なデザインを好む収集家も多い。
ここではアルフォンス・ミュシャのアート作品を取り扱っている買取業者の一例を紹介したいと思う。
総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
総合美術買取センターは絵画をはじめ、美術品の買取を幅広く手掛けている買取業者だ。ジャンルごとに、専門知識の深い鑑定士が査定を担当してくれるのが特徴である。宅配買取、出張買取に対応しアルフォンス・ミュシャはじめ著名作家作品の買取に特に定評がある。
てんま屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
てんま屋は 洋画、日本画、リトグラフ、シルクスクリーンなど骨董品や絵画類の買取を主におこなっている。歴史もある業者で、出張査定についても全国47都道府県に対応していて、フットワークが軽いのが特徴である。
LINE査定に対応している買取業者
古美術は特に、複数の買取業者に査定してもらうことをお勧めする。なぜなら、買取業者によって全く異なる査定額が出やすいジャンルだからだ。
査定の依頼方法は、ホームページに記載のある査定フォームや電話・メール、宅配など、買取業者によってさまざまである。なかでも、LINEに入力するだけで査定する方法は手軽で、複数に行いやすい査定方法と言えるだろう。ここでは、LINE査定に対応している買取業者の一部を紹介する。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取協会は絵画や骨董品、西洋アンティークなどの美術品の買取専門店。無料のLINE査定やメール査定などもおこなっている。
ホームページでは買取価格を表示しているため、作品名・作者名がわかれば売却額の目安がわかりそうだ。アルフォンス・ミュシャを調べて見ると、「トリポリの姫君イルゼ(挿絵本)」の買取価格が300,000円であるほか、価格を伏せた形で「ヒースの花」「昼の輝き」「フルーツ」などかなり多くの作品が買取実績として紹介されている。アルフォンス・ミュシャはじめ著名作家作品の買取に特に定評があるようだ。
美術品・絵画買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
美術品・絵画買取センターでは、アルフォンス・ミュシャの作品を高価買取しているそうだ。査定をお願いする場合、LINEや無料査定フォームを用いることになる。
買取価格や実績は不明だが、法人の買取にも対応している。希望する企業には、「機密保持契約書」の取り交わしを行なっているらしい。
出張買取に対応している買取業者
作品が傷ついてしまうことが心配な場合や運びきれないほど古美術がある場合など、宅配や店頭での買取をためらってしまうときは、出張買取を検討しよう。
全国展開を行なっているところもあるが、対応可能エリアはよく確認しておきたい。
栄楽堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
栄楽堂は骨董品、古美術品を中心とする美術商で、ホームページには買取参考価格が記載されている。例えば、アルフォンス・ミュシャなら「絵画 リトグラフ 花器 煎茶道具」が40,000円の買取実績がある。
東京・神奈川・埼玉を中心とした無料出張買取も行っており、大量のコレクションでも対応してもらえる。買取実績を見ると、遺品整理で訪れる人が少なくない。愛研美術
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
愛研美術は広島に店舗を構える古美術商であり、茶道具や掛け軸、日本刀などを中心に買取を行っているようだ。ホームページには「アルフォンス・ミュシャの作品を高価買取いたします」と記載がある。
広島周辺での無料出張買取と、店舗での買取が主な買取手段のようだ。
査定額をアップさせる4つのポイント
美術作品を買取業者に売るとき、できるだけ高い値段で買ってくれたらと誰もが願うところだろう。そのためにはいくつか押さえておきたい点がある。 以下、4つの要素に分けて説明してみよう。
付属品をつけて査定にだす
買取業者に査定してもらうとき、作品についている資料など付属品もだすようにしよう。なぜなら付属品もその美術品の価値の一部で、本物であることを証明する資料であるから、査定額アップにつながる。シミがついていたり汚れていたり、場合によっては破れていても提出する方がよいだろう。
適切な環境下で保管する
美術作品は何かとデリケートだ。材質に紙や木材が使われている以上、環境を間違えてしまうと材質が変質してしまいかねない。まず避けたいのは湿気である。
湿気が多い場所にアート作品を保管しているとカビが生えてしまう恐れがあるからだ。あとは直射日光が当たる場所や過度に乾燥をする場所も避けておきたい。
また、査定にだすときには、額縁の表面などに付着しているほこりや汚れなどは、可能な範囲でとっておく方がよいだろう。くれぐれも表面に傷をつけないよう注意しながら、きめ細やかな布などで掃除をしておくことで鑑定士も印象も良くなるはずだ。
美術作品の情報を多く伝えておく
買取業者の鑑定士等は作品にまつわるさまざまな情報をもとに最終的な査定額を決定する。絵画の場合、作家のサインであったり版画の場合は、エディションナンバー(シリアルナンバー)も重要だ。版画は原画を忠実に再現するために限定部数だけ刷られる。その数量を示す手段がエディションナンバー(シリアルナンバー)であり、一枚一枚に振られている。
そのほか、作品の大きさ、表現方法、作家名などの情報も的確に伝えるのが良いだろう。買取業者によっては 電話だけではなく メールフォームに作品の画像を添付してそういった情報を伝えることができるようになっている場合があるので活用したい。
どうして情報を多く伝えるほうがよいかというと、あまり情報がない作品の場合、鑑定する人からすると、万が一贋作であることを想定し査定額を低く提示してくるケースもあり得るからだ。
複数の業者で査定する
アルフォンス・ミュシャに関するアート作品は現代も人気が高く、積極的に買取をおこなっている業者はたくさん見つかるだろう。それならば 複数の業者に査定してもらって一番高い査定額を提示したところに売るというのも賢い売却方法だといえるかもしれない。
なお、上記したように、宅配買取の場合、キャンセルした場合の返送料は査定を依頼する側が負担することも少なくないので、その点はあらかじめ考慮しておくのがよいだろう。
オークションで売却する方法
美術作品を売る場合、美術専門の買取業者に買取を依頼するのがもっとも手っ取り早い方法である。 ただ、急がない場合、オークションで売却するという方法も一案だろう。
美術品の公開オークションに出品する
ひとつ目の手段は、美術品の公開オークションを定期的に開催している業者に依頼することだ。例えばシンワアートオークションのように個人が所有する美術品をオークションに出品してくれるところもある。 公開オークションにはコレクターや専門業者等が参加し、一番高い値段を提示した人または業者が落札者となる。
アルフォンス・ミュシャの場合、初期のリトグラフなどは100万円以上の落札価格が期待できる作品もある。もし落札された場合、落札額から販売手数料や諸経費などが差し引かれた金額を受け取ることができるという流れになる。
ヤフーオークション等に個人で出品する
アルフォンス・ミュシャの美術作品はヤフーオークションなどネットオークションでも売買されている。ちなみにヤフーオークションでは落札価格は1万5千円~3万円前後が落札相場であり、製作年が古いものはより高い値段で落札されている。 ヤフーオークション以外では、メルカリなどネットフリーマーケットを活用する手もある。
インターネットを活用して個人で美術作品を売るとき、出品者は作品の写真画像や説明文を用意したり、作品を梱包して送ったりと何かと手間がかかる。ただ、もし競合が起きれば、買取業者に買い取ってもらうより高い値段で売れるというケースも十分あり得る。 なお個人同士での売買となるため、美術品が破損したときなどトラブルが起きたら自己責任となってしまいやすい点はあらかじめ想定しておいた方がよいだろう。
まとめ
アルフォンス・ミュシャは、アールヌーボーの旗手として、装飾パネルや広告ポスターなどを多く手掛けた画家・デザイナーだ。幾何学的なデザインを取り入れた繊細な人物表現は、現代日本においても高い人気を誇っている。リトグラフはじめアルフォンス・ミュシャの美術作品を処分する場合、まずは美術専門の買取業者に査定を依頼することを検討してみたい。