"長い間使用していて破損している所が目立ってきた"、"これから購入する車のサイズに合わない"などの理由でカーポートを新しくする予定の人は多いだろう。カーポートを新設する際には今まで使っていたカーポートを処分する必要があるが、回収業者に引き取ってもらうと料金がかかってしまい、対応が良いケースでも、付け替えのオプションとして撤去費が無料になる程度だ。
ところが、処分の対象だと思っていたカーポートをエクステリア商品の買取業者に査定してもらうと、思わぬ高額な買取額になることもある。
さらに、オークションなどでも高値での落札になることがあり、処分する前に売却することを検討する価値はある。今回は、カーポートを高く買い取ってくれる業者や売却方法など、カーポートの買取について紹介する。
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カーポートとは?
カーポートとは、母屋とは離して家屋の外壁に接するように造った、屋根と柱だけの簡易車庫である。壁のないカーポートだが、屋根と柱があるため建物と見なされ、建築基準法・火災保険の対象となる。しかし、3方向が壁に覆われていないため、固定資産税の対象にはならない市町村が多い。
カーポート付き住宅は、1910年にアメリカのウォルター・バーリー・グリフィンによって最初に設計された。カーポートという名称は、1930年代にグリフィンの師匠であるフランク・ロイド・ライトが名付け、その後、一般的に使われるようになった。
カーポートを形造る素材はさまざまで、屋根部分はポリカーボネート・FRP板・スチール折版・アルミなど、柱部分はスチール・アルミなどだ。さらに、木造の物やワイヤーにテントなどに使用する生地を被せた物もあり、デザインによっては簡易車庫のようでもある。
では、それぞれの素材の性質と、その素材を使ったカーポートの特徴を見ていこう。
FRP板
まずは、FRP板だ。FRP板は樹脂とガラス繊維を合わせた素材で防火性があり、耐用年数10~13年程度と耐久性にも優れている。さらに、防水性が高いので雨漏りなどの心配は少ない。ただし、紫外線に弱く日割れることもあるので、トップコートを塗るなどのメンテナンスが大切だ。そして、他の素材に比べてやや高額である。
スチール折版
鉄板を折り曲げたスチール折版は、20~30年程の耐用年数があるとも言われていて、豪雪地帯などの積雪量にも対応でき、圧倒的に強度が優れている。しかし、素材自体が重く柱を増やす・太くするなどの強度を上げる作業が必要になり、冬場の結露の影響によるサビの問題もある。
アルミ
最後に、アルミだ。アルミは耐用年数が50年~100年という説もあり、非常に耐久性に優れ、錆びにも強い。そして1㎡あたり6kgと軽量のため耐震性が高く、強風にも強いというメリットもある。デメリットは、加工しやすい分変形もしやすいことや、鉄に比べれば素材自体が高いという点であろう。
アルミとよく比較されるのが柱に使用する素材として代表的なスチールだが、スチールは積雪対策などの重量に耐える必要がある場合に適しているが、サビやすいため定期的なメンテナンスが必要になる。
一方、アルミはデザイン性が高くスタイリッシュな演出ができて錆びにくいため、メンテナンスをそれ程気にする必要もない。しかし、剛性が低いためスチールに比べて柱の本数が多く必要になる。
カーポートのデザイン
カーポートに使われる素材の性質と、その素材を使ったカーポートの特徴については理解していただけただろうか。続いて、カーポートのデザインについて説明する。
デザインとしては、片方にのみ柱がある片側支持のスタイル(片流れタイプ)、両側の柱で屋根を支える両側支持のスタイルが基本である。さらに、後方支持タイプ(後方支柱タイプ)とよばれているカーポートは、柱は一面のみだが後方にあるため駐車が容易である。
さらに、積雪などに強い柱の本数が多く梁の太いタイプもあり、豪雪地帯向けの商品だと補助柱が付く物もある。反対に簡易な造りのタイプとしては屋根にテントを張った物もあり、価格がやや低くなっている。
カーポートとガレージの違い
カーポートとガレージの最大の違いは、カーポートは屋根と柱のみで組み立てられていて囲いがないが、ガレージは出入り口のシャッターなどですべてを囲うことができる点だ。カーポートは簡略化した造りのため、車の保有数の変化への対応がしやすいというメリットがあり、ガレージは施錠できるので、防犯対策に良い。
カーポートとガレージは、取り付けにかかる費用が全く違う。カーポートは1台分であれば約10万円で、工事期間は2日程度で済むが、ガレージは1台分でも約45万円かかり、1週間~10日程度の工事期間が必要だ。車を雨風から守るだけでいいのか、それとも物置としても使用したいのかによって、選ぶ物は決まってくるだろう。
ただし、最近では、ガレージから直接カーポートがつながったタイプもあり、一目で判断がつかない物もある。さらに、屋根がテント用の生地を張ったタイプなどの類似の商品についても、表記が"カーポート”、”ガレージ”などさまざまで、売却時には注意が必要だ。
さらに、固定資産税の対象となるかどうかも種類によって変わってくる。自治体によって基準が異なっているが、基本的にカーポートは税金の対象にはならず、ガレージは固定資産に分類されるため固定資産税の対象となる。
しかし、前述したように最近のカーポート・ガレージのデザインは一見しただけでは区別の難しい物もあり、設置前に調べておくことが大切だ。
最終的に自宅の状況に合った駐車スペースを設置するためには、防犯面や日あたり、母屋との見た目上のバランスなどを考えなくてはならない。さらに、固定資産税の問題も考慮し、総合的な判断が必要だ。
カーポートの買取状況
リフォームや建替えをおこなった場合に出るカーポートは、解体をして処分するだけだと費用がかかる。しかし、買取に出すと解体費がかからない上にお金がもらえるので、個人の住宅はもちろん、店舗など何台分もカーポートがあると金額的なメリットはかなり大きい。
エクステリアの買取専門店の公式ホームページで買取価格を明記しているケースは少なく、それぞれの業者に査定を依頼し個人で判断することが基本だろう。カーポートの場合は建築資材を取り扱う会社からリサイクルセンターまで、多種多様な業者が選択肢になるので事前の調査が大切だ。
おすすめ買取業者
カーポートを解体して処分するには、1台分が駐車できるタイプで3万円程度が相場とされている。この金額から考えると、無料で引き取ってもらうだけでも損ではないが、できれば次のカーポートの購入代金にプラスできればうれしさも増すだろう。
ここでは、カーポートを買い取ってくれるおすすめの業者をいくつか紹介する。
リサイクマ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
リサイクマが出張買取をおこなっているエリアは、兵庫県と大阪府が中心で京都府の南部も対応している。カーポートはもちろん、不用品の買取の他にも不用品の引き取り・リサイクル品の店頭販売などもおこなっている。
エコエクステリアショップBEC
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
エコエクステリアショップBECは、電話かメールでの買取金額の見積もり、現場での商品確認・解体・撤去をすべて無料でおこなう業者だ。ただし、販売・施工エリアが、福岡市東区・新宮町・古賀市・福津市・宗像 市・岡垣町近郊と本社から近距離の場所に限られている。
具体的な買取実績はないが、BECなら解体費用、処分費用が無料だ。さらに買取はプラス50,000円とお得だ。
リサイクルプロショップ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
リサイクルプロショップもカーポートを取り扱っている業者だ。売却依頼商品の確認は電話とメールで受け付けていて、出張買取をおこなっている。出張エリアは東京23区と武蔵野市・小金井市・三鷹市・調布市・狛江市で、その他の場合も電話などでの相談を受け付けている。商品によっては店頭・宅配買取もおこなっている。
オークションサイトでの取引状況
次に、オークションサイトでのカーポートの取引状況について説明する。出品されている商品は、立体駐車場として使用できるカーポートや、コンテナハウスとして機能している物までさまざまだ。テントタイプの物などは落札価格が低く、競合相手のいない入札件数が少ない。設置条件によっては非常にお買い得である。
ヤフーオークション
テントタイプからコンテナハウス形式までいろいろな商品が落札されていて、カーポートとガレージ・車庫の両方の名称が表記がされている物もある。画像のみでは判断が不可能なときは、出品者への問い合わせも必要だろう。
一般的な車1〜2台分のタイプは、落札価格が29,800円~289,200円(2019年7月1日確認)と金額の幅が広い。
ジモティー
地元の掲示板として中古品の売買も掲載しているジモティーでは、さまざまな売却金額で 出品されている。自宅まで引き取りに来ることや、解体作業も込みの場合などは低価格で掲載されている。
出品価格は3,000円~20,000円程度の価格もあれば、800,000円と高額な商品もある。(2019年7月1日現在)
メルカリ
フリマアプリのメルカリにおいても少数ながらカーポート・部品の出品があり、ヤフーオークションよりやや出品価格は高めで、部品はSOLDになっている。出品価格は59,999円~860,000円で、部品などは65,000円(2019年7月1日現在)で取引されている。
カーポートの査定情報
カーポートのようなエクステリア商品の買取には、業者の種類を問わず使用年数5年以内など利用期間が影響する。さらに、耐久性の低い木材やスチールなどの建材で造られたカーポートや、特別な加工が施された物は買取対象にならない可能性がある。
買取対象かどうか
そもそも買取の対象になるかどうかが重要ポイントだ。基本的な条件としては、再利用・再販売ができることであるため、商品本来の目的での使用が不可能になっている物などは査定の対象外になることがあるだろう。
見た目
中古品を売却するときにはすべてのジャンルで言えることだが、カーポートもできる限り汚れを取ってキレイにしておきたい。屋根の上などの掃除は難しいが、手の届く柱のホコリや手あかなどサッと拭くだけでも効果がある。さらに、壊れている所などをチェックして小さな傷であれば、できるなら修復しておくことも査定のプラスになるだろう。
説明書や保証書の有無
説明書や保証書の有無を確認しそろえておくことは、査定額を上げるために大切なことだ。査定の依頼をしたときに、商品の状態とともに書類の有無についても伝えることができるようにしておきたい。加えて、支払い状況の確認も必要だ。分割払いが完了していないと買取の対象外となってしまうので注意したい。
カーポートを少しでも高く売るには?
買取業者やオークション・フリマアプリなどでの売却価格には、商品によってかなり金額に差がある。特にオークションなどの個人売買では、カーポートの運送費用の点に注意したい。出品価格の中に運送費を入れることも一つの方法だが、思い切って近距離の人限定にするなどの方法も落札される可能性を高めるだろう。
査定をしてもらい業者に売却するのであれば、買取が可能なカーポートの使用年数を、インターネットなどで事前に調べることは大切だ。業者によって5年以内のところもあれば、10年以内としていることもある。
その他の注意点としては、極度にさびている状態も買取が不可能になる条件の一つなので、日頃からカーポートがさびないためのメンテナンスをしておくことも必要だ。さらにカーポートの購入時点で、売却するときのことも考慮しておくのも良いだろう。
まとめ
今回は、カーポートの買取相場と査定情報を紹介してきた。買取業者によって査定基準・買取価格ともに差があり、オークションやフリマアプリなどの落札価格は高低の差が幅広くなっている。
この点から考えて、まずは複数の業者に見積もり査定を依頼して、一般的な売却金額を確認するのがいいだろう。そして、自分で金額を設定できるオークションなどに出品し、売却価格を探ることもできる。
自治体の粗大ごみの基準では、カーポートは産業廃棄物として扱われるため収集してもらえない。料金を払って回収業者に引き取ってもらうことは基本ではあるが、使用年数が短く状態が良い場合には、売却することも考えてみてはどうだろうか。