グッチの資産価値はどのくらい？ブランドの中で何番目なのか

グッチと言えば高級ブランドのひとつとして有名で、特にGGをあしらったモノグラムデザインは知っている人も多いだろう。

グッチで扱っているものは財布やバッグを思い浮かべる人が多いが、ほかにも時計やベルト、スカーフなど服飾雑貨、スーツや衣類、ステーショナリーまで実に幅広い。高級ブランドとして各国に店舗も持っているが、ではそんなグッチの資産価値とはいくらなのか。そしてブランドの中では何番目に価値があるのかを中古市場での相場を元に紹介しよう。

gucci-joy-medium-tote-bag-crystal-collection / queenbeeofbeverlyhills

グッチの歴史・概要

世界的に有名なグッチだが、どのようなブランドか知らない人も多いだろう。そのためグッチの歴史・概要について紹介しよう。

グッチの概要

グッチは、グッチオ・グッチが1951年に創業したイタリアのファッションブランドで、財布やバッグなど皮革製品を始め、服や時計、化粧品なども扱う。

ケリンググループの作り方は中核となるブランドで、グループには同じく高級ブランドとして知られるサンローラン、バレンシアガ、ボッテガ・ヴェネタ、シューズブランドのセルジオロッシ、高級時計メーカーのブシュロン、スポーツブランドのプーマなどがある。

以前はグッチ・グループとして系列各社の代表だったが、いくつかのトラブルがもとでフランスの大手流通会社PPRの保有会社となった。経緯はあるものの、ブランドの元祖で、品質保証のために世界で初めてデザイナーの名前が商品に入ったことでも知られている。

創業当時は乗馬をモチーフとした皮革製品が人気だったが、第二次世界対戦で皮革が統制品になるとキャンバス地にコーティングを施したものや竹素材を代用品として発売した。これが思わぬ人気となり、現在もなお定番となっている。竹素材はバンブーとして近年また人気がたかまりつつある。

グッチの歴史

グッチは元々家族経営の企業であった。しかし良好であったわけではない。創業者のグッチオの反対を押しきる形で、息子のアルドがニューヨークに支店を出した。そしてグッチオの死後はアルドの息子、グッチオの孫に当たるパオロが2代目社長に就任した。

マウリツィオはパオロの従兄弟に当たるのだが、このマウリツィオにパトリツィアという女が近づいた。この女は貧乏育ちでいずれマウリツィオが相続するであろう財産目当てに近付いたことが周囲の目にも明らかだった。マウリツィオの父ルドルフォは猛反対したが、パトリツィアも誘惑を続け終いには結婚してしまった。

そしてルドルフォの死後、パトリツィアはその財産を相続したマウリツィオをそそのかし、アルドの息子たちの所有するグッチ株式を買い占め、全株式の50%以上を所有し恩人であったアルドを経営から引きずり下ろしてしまったのだ。

2代目社長であったパオロが死去すると実質的にマウリツィオがその株式を独占する形となり、妻のパトリツィアは我が物顔でグッチを支配していた。しかしどちらも経営やデザインの才能はなく、次第に売れ行きが怪しくなっていった。

これまでうまく進んでいたパトリツィアの策略だったが、マウリツィオが妻は自分の財産目当てで結婚したのだとようやく気づくと、パトリツィアとは別居し他の女性と暮らし始めた。しかしその間にもマウリツィオによる経営は立ち行かなくなり、結局アラブ資本にブランドを売ってしまった。

パトリツィアは苛立ち、マウリツィオの暗殺を依頼し、マウリツィオが死去するとすぐさま家や財産の差し押さえを行い、愛人も自宅から追い出した。これでうまくいったかと思えばそうではない。

暗殺を依頼されたグループがパトリツィアからの報酬に不満を持ち、トラブルになったことからこの事件が発覚、パトリツィアは逮捕され懲役29年の刑に処せられた。

一連の事件、グッチ一族の崩壊に関して映画化も構想されたが、いずれも立ち消えているのが現実である。そうして2004年にフランスのPPR傘下に入り、グッチ一族の手からブランドは完全に離れたのだ。

日本ではケリング・ジャパンの子会社であるグッチ・ジャパンが販売を行っている。メガネや香水など一部に関してはライセンスを保有する企業が販売、流通に関わる。各ブランドが軒を連ねる銀座だけでも路面店、銀座三越など多くの店舗がある。さらに路面店は2017年にリニューアルし、注目を集めている。

グッチの資産価値

前述のような経緯のあるグッチというブランドだが、商品に関しては人気が高い。洗練されたデザインやスタイリッシュな見た目から、男女ともに人気がある。

財布

グッチ製品でも取り扱いが多いものの1つである。素材はキャンバス地、塩化ビニール、レザーがあり、特に汚れに強いピッグスキンが使われているものもある。デザインはGを重ねてあしらったモノグラム、シンボルカラーのウェビングラインなど様々である。

グッチの財布はモデルによって定価に開きがあるが、中古市場ではだいたい2万円～5万円の値がついている。他のブランド価値と比べてもその価値は同等のレベルだろう。

財布に関して言えば新作が多く発表されるため、発売から時間が経つほど価値は低くなりやすいが、限定モデルやレアモデルはその稀少性から年月が経過しても6万円～12万円ほどの価値を維持している。グッチは高品質で洗練されたデザイン性を持っており価値の高いブランドである。

バッグ

財布同様、取り扱いが多い。素材もキャンバス地、レザーなど様々であるが、特徴的なのは持ち手に竹素材を使用したバンブーである。発売はかなり前だが、最近再注目され人気が高まっている。

バッグで特に人気の高いものはGGキャンバス、グッチシマ、ソーホーで、いずれも市場価値が高い。状態がよければ7万円前後、人気のモデルやレアモデルは10万を超える価値があるようだ。バッグは流行を反映しているものも多いため。バンブーのように数年すると古いモデルでも再ブームとなり、価値が上がる場合がある。

一時期売り上げが落ち込んでいたが、1990年からトムフォードがレディースラインの主任デザイナーになってからは斬新なデザインも多く、人気も売り上げも登り調子となっている。

時計

グッチでも時計の取り扱いがある。ロレックスやオーデマ・ピゲなど時計の高級ブランドには敵わないが、それでも価値は高い。

時計は比較的値崩れが少なく、資産として保有しておくにはおすすめである。グッチの時計は文字盤の形でシリーズに分けられていて、GクラスやGタイムレスなどは、斬新なデザインとシンプルさで人気がある。

また、パンテオンシリーズはダイヤが入っているものもあり、市場では5万円前後、グッチダイブは6万円前後となっている。スポーツラインは需要も高く比較的高額の値がつくことも多い。また、時計を資産として保つには、メンテナンスをしっかりしておくことだろう。

グッチの資産価値はそれほど高くはないが、中古市場では人気のあるブランドである。もし買取を依頼する場合は、普段からきれいに使えばそれだけ値崩れも少ない。水に弱いキャンバスは雨の日に使わないようにしたり、汚れはすぐ落とす、定期的にメンテナンスするなどちょっとした心掛けで資産価値は高められるのだ。

全ブランドの中でのグッチの価値

ブランドの価値については世界的な広告会社であるイギリスのWWPグループが発表している。調査はイギリスのリサーチ会社「ミルウォード・ブラウン」によるものである。過去何回かのランキングでもルイ・ヴィトンは連続首位になっており、圧倒的価値を誇る。その他のブランドもランキングに変動はあるものの、顔ぶれはほぼ変わらない。

グッチは総合的に見ると高級ブランド、ラグジュアリーブランドなかでも3～5番目あたりに位置している。前述したように、グッチにはお家騒動があり、ブランド権利は他社が持っている。そういった背景もあるが、ブランドの認知度、製品の質、デザイン性は現代でも高く評価されている。

近年はブランドの資産価値は落ち込んでいるが、若年層の多いオンラインや今や大きな市場となっているSNSの活用を始め、ランキング上位に位置している。この順位は総合的なランキングなので、服飾雑貨や宝飾品、時計にカテゴリー分けするとランキングにやや変動が見られるだろう。ではグッチ以外の顔ぶれはどうなっているのか紹介しよう。

ロレックス

高級時計ブランドとして圧倒的人気と価値の高さを誇る。多くの人が憧れる時計ブランドだろう。

スイス発祥の時計メーカーで、腕時計史上の転換期を作ったブランドとも言える。懐中時計が主流だった頃からいち早く腕時計の製造に力を入れていた。製品はすべて自社で製造しており、防水性の高いオイスターケースの実用化、自動巻き機構、日付が一瞬で切り替わる機能など、現在の腕時計には欠かせない機能の開発をしたのがロレックスである。

中古市場でも値崩れが少なく、定価の7～9割、場合によっては定価以上で取引される。いずれにせよ時計1本で車が買えるほどの価値を有するものが多い。

エルメス

エルメスといえばバーキンを思い浮かべる人は多い。バッグ1つで約100万円の価値があり、特にオーストリッチは数百万の金額で売買されていることもある。また、スカーフも人気が高く、創業当時馬具工房として機能していた名残からチェーン柄や馬具が描かれていることが多く、中古市場でも1枚あたり数万円の値がつくことも多い。

エルメスの小物は女性だけでなく男性の愛用者も多く、タイピンやベルト、手袋など充実している。しかし製品はパリの工房で製造されたものであり、直営店で購入するとベルトは約8万円、手袋でも約6万円と一般のものよりもかなり高額となっている。

ルイ・ヴィトン

ラグジュアリーブランドの中では圧倒的な認知度と人気を誇る。皮革製品の中でも長持ちで何年も愛用している人が多い。

LVMHの中核となるブランドで、代表的なデザインはやはりモノグラムだろう。ほかにもダミエ、エピなどが定番となっている。中古市場でも人気は高く、同じ状態の製品で比べてみても、他のブランドでは買取不可なのに対してルイ・ヴィトン製品なら値がつく、ということも少なくない。

通常破れやよごれがひどいものは買い取ってくれないことが多いが、ルイ・ヴィトンは需要があるためこういった状態のものでも積極的に買い取ってくれるのだ。いわゆるレア物、プレミア製品は数十万～数百万の値がつくものもあるが、一般的な財布やバッグでは数万円～三十万円ほどで売買されているようだ。

まとめ

ブランドの認知度や製品の質、デザイン性は高く評価されており、男女ともに人気がある。また、価値についてはラグジュアリーブランドなかでも3～5番目の中に位置している。

グッチの資産価値はそれほど高くないが、中古市場では人気のあるブランドである。そのため、中古で出そうと持っている人は、普段から綺麗に使用したり、メンテナンスをしたりすることで資産価値は高くなるのでオススメである。