秋冬ならではの温かさとデザイン性を持つコーデュロイパンツは、意外と売却の難しい商品だ。一般的な古着と同じように、人気ブランドかつ比較的新しい未使用品であれば当然、それなりの高値がつく。しかしながら素材の特性上扱いの難しいコーデュロイパンツの場合、中古品となったときに普通のデニムパンツや綿パンツなどとは価格差の生じやすい難点もあるようだ。
今回は、将来的にコーデュロイパンツの売却を検討するみなさんと一緒に、この材質ならではの特徴と買取の注意点、査定情報、買取相場などを細かく確認していきたい。
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コーデュロイとは?
コーデュロイとは、縦うねを特徴とするパイル織物の一種だ。保温効果の非常に高いコーデュロイは、冬物のジャケットやパンツ、スカートなどにも多く用いられる素材となっている。また機能性の高い衣料を作るアウトドアブランドなどでも、コーデュロイを使った商品は非常に多い傾向がある。
コーデュロイという名前の由来
コーデュロイの歴史は、ベルサイユ宮殿を造成したルイ14世の戴冠式において南フランスの織物業者が畝(うね)の入った織物を献上したことが始まりだったと言われている。それから庭仕事をする召使いの制服に使われ始めたこの生地は、王様の畝という意味からCorde-du-Roi、コーデュロイになっていったようだ。
製造工程の多いコーデュロイ
横方向にパイルの並んだ生地にさまざまな作業を施すコーデュロイは、場合によっては4つもの工場で作られる素材となっている。衣料品の製造技術が低かった古い時代は、熟練職人の手によりパイルのカッティングや生地の揉み込み、ローラーによる焼きといった多彩な作業がおこなわれていた。
これだけ奥の深いコーデュロイの光沢や独特の質感は、普通の布地とはるかに異なる製造工程や職人の技術によって生み出されたものであるととらえることができる。
コーデュロイとベルベット、ベッチンは同じ素材?
優雅な光沢を持つ立毛品と呼ばれるコーデュロイ、ベルベット、ベッチンは、厳密に言えば全く異なる素材だ。まず絹やレーヨンなどのフィラメント糸を用いて作るベルベットには、一度に2反分の繊維を織り上げながら間に糸を組み合わせるという製造方法の違いがある。
これに対してパンツに使われることの多いベッチンやコーデュロイは、綿糸を使ってタタミ目のように浮き上がった表面の中央部をカッティングするという製法となる。
立毛品には他にも多くの種類がある
衣類の毛羽立ちが良き風合いとなる立毛品には、この他にもベロアやビードロ、天鵝絨といった多彩な種類や呼び名がある。
またベルベットのように絹糸を使った衣料は、素材の良さにより高価買取につながりやすい傾向もあるため、こうした立毛品の古着を売るときには、見た目の印象だけでコーデュロイと査定士に伝えてしまうのではなく、LINE査定などを使って素材の風合いを見てもらう心掛けもおすすめとなる。
コーデュロイの注意点
デニムや普通の綿パンツには見られない独特の風合いを持つコーデュロイには、買取市場での売却を難しくするいくつかの問題点がある。
コーデュロイパンツなどの衣類に起こりやすいトラブル
まず毛羽立ちを魅力とするコーデュロイやベッチン、ベロアといった立毛品の素材には、非常に摩擦に弱いという共通の難点がある。そのため例えば、毎日同じコーデュロイパンツを穿いて行動していると、物理的にパイルの毛羽が消失した結果として脱落と呼ばれる状態が生じることもある。
また物理的な摩擦の生じやすい臀部、肘、膝などには、パイルが潰れることにより、上質な光沢とは真逆とも言えるヒカリも起こる。こうした形で購入したときのような毛羽がきれいな状態を保ちにくいコーデュロイパンツには、使用感や経年劣化によって味わいの増すデニムなどと比べて中古品の売却が難しい実情があると言われている。
売却予定のコーデュロイパンツに適した扱い方
将来的に売る予定のコーデュロイパンツをなるべく良い状態に保ちたいときには、熱や摩擦に注意した取り扱いをするのが理想となる。また立毛品のボトムの場合、雨や雪などによって濡れてしまったときにも毛羽立ち乱れが起こりやすいと言われている。
こうした形でデニムなどとは比べ物にならないレベルでデリケートなコーデュロイパンツを将来的に売りたいと考える人は、週に何度もヘビロテして穿き続けたり、適当な方法での洗濯やアイロンがけは控えた方が良いだろう。
ブランド別査定情報
コーデュロイパンツにはLEEやDIESEL、YAECANなどさまざまなブランドがある。今回は買取実績のあるブランドの査定情報を紹介していくので参考にしてほしい。
LEE
コーデュロイパンツの査定情報で最も多いのは、LEEやLEVISといった世界的人気のあるジーンズブランドだ。比較的新しいリユース品とヴィンテージ品の2種類のあるこうしたメーカー品の場合、いくつかの専門店で相見積もりをとりながら自分の所有するコーデュロイパンツの価値を見定める必要がある。
まず最近まで誰かが穿いていたリユース品と思われるコーデュロイパンツは、ブランド買取専門店であるリ・ファウンデーションのサイトで多くの買取実績が公開されている。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
サイトを確認すると、着用によりパイル地の毛羽立ちの生じてしまった中古Aランクのコーデュロイパンツには、10円~100円ほどの査定しかつかない実情に気付かされる。
しかしながら2019年1月24日時点のヤフオクに、20,000円~25,000円ほどの価格で多くのヴィンテージ品が出品されるLEEのコーデュロイパンツは、古着ファンの間で注目度の高いシリーズや状態であれば、確実に高値の狙える商品であるととらえて良いだろう。
DIESEL
これに対してイタリアのデニムブランドとして知られるDIESELの場合、LEEやLEVISとはコーデュロイパンツの買取事情が少し変わってくる。まずダメージ加工や刺繍が施されたジーンズをきれいに穿きこなすことが基本となるこのブランドの場合、ヤフオクなどにも数十年以上も昔に作られたヴィンテージ品の出品はほとんどない。
またDIESELにおいて古着ならではの風合いが高く評価されるのは、最初からヴィンテージ加工の施されたパンツではなく、レザージャケットやデニムジャケットなどが中心となるようだ。
DIESELコーデュロイパンツにおいても、リ・ファウンデーションのサイト内で10円~100円の買取相場が設定されている。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
膝やお尻まわりに物理的な摩擦の生じやすい中古のコーデュロイパンツは、DIESEL製品であってもリユースショップでの需要は低めととらえた方が良さそうだ。
しかしながら同じ素材を使ったワンピースやジャケット、シャツブラウスといったトップスやアウター類に最大で3,400円もの上限額が設定されるDIESELの場合、毛羽立ちダメージの少ない未使用品パンツであれば、それなりの価値を付けてもらえる可能性が十分にあると判断して良いかもしれない。
Name.×STUDIOUS
続いてご紹介するのは、複製技術時代の芸術作品をコンセプトとするName.と、東京のリアルなモードスタイルを世界発信するセレクトショップであるSTUDIOUSによるコラボ製品だ。ファッション買取市場において、人気ブランドと人気セレクトショップがコラボレーションしたアイテムは、話題性の高さや希少性といった多彩な要素により高価買取につながりやすい存在となっている。
ゲオグループの傘下であるセカンドストリートでは、このブランドのコーデュロイパンツ(NMPT-17AW-003)にWEB買取で6,000円の査定を付けた実績がある。
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
状態がAランクとなるこのパンツは、ファッション買取市場の一般的な基準で考えれば中古美品という位置づけであると考えられる。
この商品は2019年1月24日現在、ファッション通販サイトのWEAR内で30,240円で販売されている。こうした小売価格とセカンドストリートの査定額を比べてみると、コラボ品という付加価値により需要の高いName.×STUDIOUSの商品には、Aランクのコーデュロイパンツとしては珍しいほどの価値がついているととらえて良いかもしれない。
YAECA
シンプルさを追求するブランド・YAECAにも、コーデュロイパンツの高価買取実績がある。
ナチュラルブランドの買取専門店であるkittiでは、この商品に8,000円もの査定をつけている。ページ下方の商品情報に目を通すと、このコーデュロイパンツが未使用品だったことに気付かされる。また2016年12月に持ち込まれたこのパンツは、2016年の今季ものだったようだ。
高価買取実績の少ないコーデュロイパンツであるにもかかわらず、これだけの査定がついた理由は、商品のコンディションと購入時期が大きく関係していると考えられる。まず摩擦による毛羽立ちの生じやすいコーデュロイパンツは、新品や未使用品のうちに手放すのが理想的な売りどきとなる。
またトップスやアウターと比べて時代によって人気の股上の深さやデザインの変わりやすいパンツは、ヴィンテージ品でもない限り、製造から1~3年以内を買取条件とするショップが非常に多い実態がある。したがってまだ1度も穿いていないYAECAなどのコーデュロイパンツを確実に現金化につなげるには、時代遅れのデザインにならないうちに早めの査定依頼をおこなうようにしてほしい。
ちなみにYAECAのコーデュロイパンツ(11-CD)は、過去に21,600円の小売価格で販売されていた。したがってkittiのつけた8,000円という査定額は、このブランドの価格帯から考えると非常に高いと考えられる。
しかしながら売却時期が少しでも遅れて2016年モデルを2017年に売るといった状況になれば、未使用品のコーデュロイパンツであってもこれだけの高値はつかなくなってしまうととらえた方が良いかもしれない。
コーデュロイパンツを高い買取相場で売るためには?
一般のデニムパンツなどと比べて買取実績が少なく、素材のダメージも起こりやすいコーデュロイパンツは、下記のポイントを頭に入れた上で日々の取り扱いや売却準備をする必要がある。
将来的に売る予定があるのか?
非常にデリケートなコーデュロイパンツは、この先売る予定があるのか、ないのかによって着用頻度を決めるのがおすすめとなる。例えば、状態が良ければ高額査定の狙える高級ブランドやヴィンテージ品のコーデュロイパンツの場合、早めにこの判断をするのが理想となる。
これに対して数千円で購入できるファストファッションブランドなどの場合は、売ることを早い段階で諦めてボロボロになるまで穿き潰すというのも選択肢のひとつとなる。
しっかり手入れや保管をする
多少の使用感があっても十分に高価買取の狙えるヴィンテージ品などの場合、適当な温度のアイロンや洗剤などを使わずに、信頼できる業者にクリーニングやメンテナンスの相談をするのもおすすめ度の高い方法となる。また洗濯による摩擦で毛羽立ちに乱れの生じやすいコーデュロイパンツは、高頻度の洗濯を避けるという心掛けも高価買取を狙う上では必要である。
自分の商品に合った買取業者を選ぶ
衣料品を売却する場合、自分のコーデュロイパンツに合った買取業者を選ぶことも非常に重要だ。その中でも高い価値のあるコーデュロイパンツの場合、ヴィンテージ古着の専門店やブランド買取店に査定依頼をするのがおすすめとなる。
またブランドによっては、スポーツ専門店やアウトドア用品専門店への売却という選択肢もあるだろう。これに対して比較的すぐに販売するリユースショップやリサイクルショップの場合、それなりに使用感のあるコーデュロイパンツに対して買取不可の返答することも多い実態があるようだ。
高値で売れそうなコーデュロイパンツは相見積もり
ブランドやヴィンテージ古着としての魅力のあるコーデュロイパンツは、いくつかのショップに買取相談をして相見積もりをとるのが理想となる。各社のサイトに設置されたオンラインフォームやメール査定、LINE査定といったサービスを利用すれば、自宅に居ながらにしてコーデュロイパンツの価値を把握できる。
またこうした方法を通して何人かの査定士とやり取りをおこなうと、売却すべきか否かの決断もスムーズにできるようになるだろう。
まとめ
コーデュロイパンツの買取相場や査定情報を紹介してきた。コーデュロイは、デニムや普通の綿パンツには見られない独特の風合いを持っているが摩擦に弱いのが難点だ。そのため、買取市場での売却のハードルは高い。
ただ、ブランドのコーデュロイパンツの中には高値を狙える商品もあるので、今回紹介した内容を参考にして納得のいく取引をしてほしい。