食前酒としての味わいだけでなく、資産としても高く評価されているシャンパンであるが、実際に買取に出した場合にどの程度の価格が付けられるのかはあまり知られていないのではないだろうか。
一言でシャンパンといっても数多くの銘柄があるため、全てが高値で取引されているわけではないだろうか、以下では幻の一品として知られるサロンのブラン・ド・ブラン1988年にフォーカスして、その買取相場について見てみることにしよう。
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サロンの始まりと特徴
まずサロンのブラン・ド・ブランを見る前に、そもそもサロンとはどのようなシャンパーニュメゾンであるのか、その始まりと特徴について触れておくことにしよう。
サロンの始まり
サロンの創設者は、ウジェーヌ・エメ・サロンというもともと毛皮商人をしていた人物である。彼が、1905年に1ヘクタールのブドウ畑を購入してブドウ畑をはじめたのがシャンパーニュメゾンとしてのサロンの始まりであり、当初は販売目的ではなく、単なる個人的な趣味としてラベルも貼らずにワインを醸造していたようである。
しかしながら、そのうちに自身が作るワインが優れた品質を兼ね備えていることに気づいたウジェーヌ氏は、1911年頃からそれらを市場に投入することを試みるようになる。
その後、1943年に彼が亡くなると、甥がその後を継ぐこととなり、さらに1988年にはローラン ペリエ社に買収されてそのグループの一因となる。その間も、一貫してウジェーヌ氏の志を継いだ高品質なワイン造りは続けられており、世界中に多くの愛飲者を有するに至っている。
サロンのシャンパンのこだわり
このサロンでは、シャンパン造りについてもこだわりをもっており、クリュ、ヴィンテージ、品種のいずれも単一のものを用いるというポリシーを貫いている。その完璧な完全主義から、サロンがシャンパンを生産するのは良年に限られており、しかもラインナップはたった一つ、ヴィンテージ・シャンパーニュだけとなっている。
このヴィンテージ・シャンパーニュというのは、特定の年に収穫されたブドウのみを使って醸造されたシャンパンであり、このことからもいかにサロンがシャンパンの品質にこだわっているかが分かるであろう。
毎年作られるわけではないため、1世紀のうちでヴィンテージがリリースされたのはわずか30回ほどしかなく、そのためサロンのシャンパンは幻とも言われているほど極めて貴重なボトルとなっているのである。
また、使う品種は単一であると述べたが、実際に使用する品種はコート・デ・ブランのグラン・クリュの中にあっても最良の土地とされるル・メニル・シュール・オジェの畑で収穫されたシャルドネのみとなっており、それ以外のピノ・ノワールやピノ・ムニエといった品種はいっさい使用していない。
加えて、多くのシャンパーニュメゾンは一番絞りだけでなく二番絞りのブドウ果汁も使用しているのに対し、サロンでは一番絞りだけを使っている。これは、よりクリーンで品質の高いものしか使わないというサロンの確固たる考えを反映してのものであろう。
ブラン・ド・ブラン1988年の特徴
上述のようにサロンが造るシャンパンの種類はたった一つ、ヴィンテージ・シャンパーニュであるブラン・ド・ブランのみである。造られる年と造られない年があることから、サロンのブラン・ド・ブランは製造年を付けて呼ばれることが一般的であり、1980年代には1982年、1983年、1985年、1988年の5種類のラインナップとなっている。
このいずれの年もブドウの出来が非常によく、シャンパン造りには申し分のない時だったわけであるが、そのなかでも史上最高の品質であったとも言われているのが1985年である。
そのため、この年のサロンのシャンパン造りへの熱の入れようは尋常ではなく、通常3年以上熟成すれば出荷基準を満たすところを、この年に造ったシャンパンについては13年にもわたって熟成してから初めて市場に送り出すということまで行っている。
そのため、1980年代のサロンのボトルの中でも評価が最も高いのは1985年であるが、それに勝るとも劣らないのが1988年に造られたボトルである。すでに述べたように、この年、サロンはペリエグループの一員となっており、ブラン・ド・ブラン1988年はその第一号のボトルに位置づけられている。
したがって、このボトルは新生サロンの将来を左右する重要な一本であり、例年以上に品質へのこだわりが凝縮されているというわけである。その味については、比較的酸味がおさえられており、一口飲むと果実の香りがふわっと口の中全体に広がるようである。サロンのシャンパンは製造年によって酸味が異なるのが特徴であるが、この年は他の年と比べても酸味が低めであるとされている。
サロン ブラン・ド・ブラン1988年の買取相場
では、ここからはいよいよサロンのブラン・ド・ブラン1988年の買取相場について検証してみることにしよう。相場を知るには、実際に買取業者がどのくらいの金額で買い取っているのかをチェックして、その水準を見極めることがもっとも分かりやすいことから、以下では買取金額を公表している業者を一つずつ見ていくこととする。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
実は買取金額を公表している業者は少数派である。業者にとっては買取金額は仕入れ値に該当するため、それを公表することでマージンをどれくらい稼いでいるのかを顧客や同業他社に知られることは避けたいということが最大の理由であろう。そのような状況において、大々的に買取金額を公表しているのが買取サービスの第一人者とも言える大黒屋である。
同社は、ホームページ上でさまざまなシャンパーニュメゾンのラインナップの買取金額を公表しており、その中には当然のことながらサロンも含まれている。それを見ると、ブラン・ド・ブラン1988年の買取金額は55,000円とされており、1985年の60,000円に次ぐサロンとしては二番目に高い評価となっている。
なお、大黒屋にシャンパンを買い取ってもらう場合には、店頭への持込みに加え、宅配買取や出張買取といった方法を利用することが可能である。
日本各地に店舗を構える大黒屋ではあるが、郊外に住んでいて店舗まで持っていくのが大変という場合でも宅配を使えば不便を感じることはないはずである。
蔵zou
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
蔵zouは、福岡に本店を構え、九州北部に数店の店舗を構える酒類専門の買取業者である。残念ながら、同社のホームページにおいてブラン・ド・ブラン1988年の買取金額は公表されていないが、その代わりに2002年については30,000円である旨が示されている。
この点、大黒屋の場合には2002年は48,000円となっており、1988年の55,000円よりも1割ほど安い水準となっていることから、それと比較すると蔵zouに1988年を買い取ってもらう場合には、33,000円から35,000円程度になるのではないだろうか。
なお、九州の業者ということで他の地域の居住者は利用できないと考えるかもしれないが、この業者も宅配買取を実施していることから、どこに住んでいても問題なく利用することが可能である。
Spana
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
三店目は、新宿に店舗を構えているSpanaという酒類専門の買取業者を見てみよう。同社のホームページ上で買取金額を公表している数少ない業者であるが、そこで確認できるのはブラン・ド・ブラン1982年の60,000円という金額のみである。
大黒屋の場合には、45,000円とされていることから、それよりも高めの評価がなされていることが分かるであろう。1985年がいくらで買い取ってもらえるのかはホームページ上からは確認できなかったが、大黒屋と比較する限りでは60,000円から70,000円ほどではないだろうか。
1988年の買取相場
以上の3点を見る限り、ブラン・ド・ブラン1988年の買取相場は、50,000円前後であると考えておけば大きく外れることはないだろう。当然ながら、シャンパンの価値は銘柄だけでなく、保存状態によっても大きく変わってくることから、将来的に売却するかもしれないシャンパンを所有しているということであれば、日ごろからワインセラーに入れて保管するなど徹底した管理が求められる。
オークションにおける落札価格
インターネットの普及によって買取業者以外にもシャンパンを買い取ってもらうことができる場所は増えている。代表的がインターネットオークションであり、なかでも国内有数の利用者数を誇っているのがヤフオクである。そこで、ここではヤフオクにおいて過去にブラン・ド・ブラン1988年がどれくらいの金額で落札されているかを確認しておくことにしよう。
ヤフオクは、過去に出品された案件の落札金額をインターネット上で検索できるようになっているため、非常に便利である。当該機能を用いて1988年が過去に出品されていたケースを調べたところ、ヒットしたのはわずかに1件であった。
シャンパンという品質や保存状態が評価に直結する商品であることから、写真などでしか状態を知ることができないネットオークションで売るにはあまりなじまないということかもしれない。
ちなみに、当該案件の落札金額は63,700円となっており、これは買取業者に買い取ってもらう際の金額よりもやや高めの水準である。オークションの落札者は、多くの場合再販売を前提とする業者ではないため、マージン分だけ金額が高くなっているのであろう。
少しでも高く買い取ってもらうためには
サロン ブラン・ド・ブラン1988年の買取相場は、買取業者に買い取ってもらう場合には50,000円前後、インターネットオークションだと60,000円以上で落札されることも期待できるということが分かったが、最後に少しでも高く売るためにどういった点に注意すればよいのかを見ておくことにしよう。
まず、シャンパンの査定にあたって銘柄の次に重要な要素となるのが保存状態である。開封されているのは論外として、未開封でも内部が劣化していたり、蒸発して分量が減ってしまっているような場合には、買取金額は大幅にディスカウントされてしまうかもしれない。そのようなことのないように、しっかりとした環境で保管することがポイントとなる。
また、欠品がある場合にも買取金額は低くなってしまう可能性がある。たとえば、箱が無くなっている場合などがその最たる例である。
箱に入れて保管していると場所を取るということで、箱から出してボトルだけを保管するという人がいるようだが、そうすると買い取ってもらいたい際に希望する金額に達しない可能性が高まるため、なるべくであれば入手時にあった全てのものは残しておいた方が良いであろう。
まとめ
今回はサロンのブラン・ド・ブラン1988年について買取相場や買取店について紹介した。買取店はそれぞれ独自の経営スタイルや方針があるので、サロンのブラン・ド・ブランの査定を受ける際には、買取価格や買取方法を比較することをおすすめする。その際、ホームページ上で公表している買取金額を参考にするとよい。
宅配買取が選べるお店なら、コストをかけずにブラン・ド・ブランを売りやすい。このような買取方法を設けるお店は、全国から利用ができるのがメリットだ。
シャンパンは年齢を重ねても長く楽しめる趣味なので、歴を重ねるごとにアイテムが増えていくもの。ぜひ買取をうまく利用しながら、コレクションを楽しんでいただきたい。