スニーカーの二次流通市場で問題視されるのが、蔓延する偽造品だ。ブームによりスニーカーが投機の対象となったために、偽物のスニーカーが大量に流通していると言われている。その偽造品に、AIやブロックチェーンを活用した真贋技術で立ち向かうベンチャー企業が活躍している。今回はこちらの話題についてみていきたい。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
スニーカーのCtoCフリマ ブロックチェーンの保証書付
スニーカーのリセールアプリ「KCKC(キクシー)」を運営する株式会社シティーデジタルは、ブロックチェーン技術を活用している。スニーカーの二次流通は、コレクターや転売業者により熱を帯びている。キクシーは19年6月から開始したスニーカー特化のフリマアプリで、偽造品の売買を防ぐためブロックチェーン上に鑑定情報を関連付けし、RFIDタグにして靴に添付する仕組みが特徴だ。 購入希望者が販売額と3%の鑑定料を支払い購入すると、出品者はキクシー事務局に発送する。真贋を済ませ、本物であれば購入者の手元に届き、出品者に売上金が入金される。現在は未使用品のみの対応だが、将来的にユーズド対応も検討中とのことだ。
AIでスニーカー真贋
IVA株式会社は、AIを用いたスニーカーやアパレルの鑑定サービス「フェイクバスターズ」を19年より運営している。AIによる画像鑑定を行う"クイック鑑定"に加え、1月から"コンプリート鑑定"という名称でより精密な真贋サービスを開始した。新品、中古品の両方に対応している。同社の"クイック鑑定"は、毎月1.5万品の真贋を行っており、48時間以内に結果を出せるのが強みだ。個人法人共に1点550円~でサービスを受けられる。ナイキ、アディダス、イージーブースト、シュプリーム、コンバース、プーマ、ニューバランスに対応しており、10枚程度の製品写真を送り、画像をもとに判定する。最も多い鑑定依頼はナイキ製のスニーカーだという。
依頼のあった約8割はAIのみで処理できる。AIが判別できない依頼品は、各ブランド専任のスタッフがチェックを行っている。ただし、証明書の発行や保証は行わないようだ。また、1月からは、更に確実な真贋を行うため"コンプリート鑑定"を開始している。依頼者が現物を郵送し、鑑定を行う。基準内であれば保証書を発行し、万が一鑑定が間違っていた場合は鑑定料を返金する対応を行う。 同社は既にスニーカーのCtoCフリマアプリ「スニーカーダンク」の真贋を引き受けており、今後も更にリユース事業者との提携を進める考えだ。
まとめ
スニーカーにおいても、偽物がのさばることで、本物のブランドにダメージを与えてしまう。本来であれば本物が売れたはずなのに、偽物が販売されることでブランド本家の利益を潰す形になるのだ。また、偽ブランド品は品質が低いという問題も大きい。こうした問題を解決するために、真贋が重要であるが、技術を持った査定員が確保しにくいのも現状だろう。AIやブロックチェーンなどの最新技術がこうした問題をカバーし、より良い商品流通の手助けになっていくことに期待したい。今後もテクノロジーの進化と、活用に注目していきたい。
参考: https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_4448.php