先日、ブログにて「スマホの液晶画面が割れたらどうすべき?!誰もが知っておくべき対応策をご紹介」というコラムを掲載した。そんな脆弱な液晶画面であったが、それを改善すべく、ゴリラガラスというものが普及しつつある。今回は「ゴリラガラス」というのが何なのか、ほかにどういった液晶画面の種類があるのかを紹介しよう。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
ゴリラガラスとは何か
最近、丈夫な画面の代名詞としてよく見かけるようになったゴリラガラス。ゴリラガラスはすでにかなり普及してきていると言えるだろう。
ゴリラガラスとは、アメリカ国内に本社を置き、材料科学に関連した事業を展開するコーニング(Corning)社が開発した強化ガラスの商品名だ。原料を組成の工夫、そして特殊な形成方法を採用することで、一般的なガラスと比較した際に剛性があり、強度の高いガラスを実現した。
もともとiPhoneの画面を守るために開発され、その後、SONYやNOKIAなど多くのメーカーのスマートフォンに採用されていった。素材にアルカリアルミノ珪酸塩を利用した化学強化ガラスで、プラスチックの数十倍ともいわれる強度を持つ。つまり原子構造レベルでの革新によって実現したガラスである。
なぜ、普通のガラスが割れてゴリラガラスが割れないのだろうか。本来、ガラスは理論的には強度が高いはずのものであるが、実際には鋭利な物に当たったりすることで簡単に割れてしまう。これは、ガラスの表面には目に見えない微細な割れ目やすき間があり、物が当たると、その部分を起点にして一気に破壊が進んでしまうためだと考えられている。一方でゴリラガラスが、高い所から落ちても割れにくいとされているのは、表面に微細な割れ目やすき間ができるのをさまざまなな工夫で防いでいるためである。
また、一般的なガラス板は、作るときに一定の厚みになるよう、ローラーを使った圧延という工程を経ている。これを行うことにより、ガラス表面にはローラーの跡が残るためにガラス表面を磨き上げる作業を行う。しかし、この磨き上げる工程によって、ガラスの見た目はきれいにすることができるが、ミクロレベルで確認すると微細な割れやヒビを入れてしまうことになる。これがゴリラガラスの場合では、融解した材料がミクロン単位の板になるまで他のものに触れないよう工夫されている。こうした工夫によって、見た目はただの薄いガラスでも、衝撃や力に強い強くなり、スマートフォンやウエアラブルデバイスのディスプレイの保護に役立つようになっているのだ。
2013年の情報によると、ゴリラガラスは非常に売れており、スマートフォン向け強化ガラス市場では、現状一人勝ちと言っていいほどの大成功を収めているようだ。正確なシェアは製造元であるコーニング社が公表していないため分からないが、大半のスマートフォンやタブレットにゴリラガラスが採用されているという。
名前の由来はやはり屈強なイメージのある動物の「ゴリラ」から取られた名前になっている。また、採用されることはなかったが、「ゴジラよりも強い」ということで、ゴジラガラスという名前も案として出ていたそう。
他の有力なガラス
他の化学強化ガラスとしては、旭硝子が製造する「Dragontrail」や、日本電気硝子の「CX-01」、独ショット社の「Xensation Cover」があげられるが、いずれもゴリラガラスほど普及していない。
注目されるサファイアガラス
そして最近、大変注目されているのが「サファイアガラス」だ。サファイアガラスは酸化アルミニウムに微小量のチタンと鉄を混ぜた状態で結晶化し、人工的に巨大結晶に成長させたものである。最大のメリットは硬度であり、ゴリラガラスの約3倍とも言われている。
サファイアは、物質の硬さを示す硬度がダイヤモンドに次ぐ2番目となっており、これは一般的なガラスのほぼ2倍。加えて、壊れにくさを示す強度はステンレスの10倍といわれている。硬いためにそれ自体にキズがつきにくく、かつ壊れにくいということから、高級腕時計の風防や防弾ガラスなどに用いられていることが多い。
一方で、ゴリラガラスと比べた際のデメリットとして「製造コストが高い」「重い」といったことが挙げられる。スマートフォンサイズの製品価格が約30ドル(iPhoneのゴリラガラスが3ドル)と非常に高価であったため、背面カメラレンズのカバーやTouch ID搭載のホームボタン部など限られた部分にしか使われてこなかった。現在でも下がったとはいえ、ゴリラガラスの7倍ほどの生産コストがかかる。また、薄く加工することも難しいとされているため、採用は見送りになっている。
Appleも興味津々?
この技術の利用にアップルは高い関心を示しており、「Apple Watch」の画面がサファイアガラスになるとか、次のiPhoneにサファイアガラスが採用されるといったうわさは絶えない。2014年10月にAppleのサファイアガラス製造パートナーが破産申請したという悪いニュースが流れた。iPhone6にサファイアガラスが使われなかったことで株価が大きく値下がりしたことが破産の原因と言われているが、これも市場がAppleにサファイアガラスを使ってほしいという期待の裏返しだろう。
ゴリラガラスがあっても液晶保護フィルムは貼るべき
ゴリラガラスは割れにくく、傷もつきにくいため、液晶保護フィルムは必要がないように感じるかもしれない。液晶保護フィルムを貼るとどうしても画面が見づらくなってしまったり、ホコリや気泡が入ると見た目が汚くなってしまうため、あまり好ましくないと思う人もいるだろう。しかし、ゴリラガラスであっても液晶保護フィルムは貼っておくことをおすすめする。
確かにゴリラガラスはかなりの強度を持っているが、それでも液晶がひび割れてしまうことがあるのも事実だ。ゴリラガラスは落下などによる衝撃には弱い面もある。もしうっかり落下させてしまい、ガラスが割れたときに液晶保護フィルムを貼っておくことで、ガラスが飛び散らず、少しくらいのひび割れならそのまま使うことができるのだ。また、安全でもあるだろう。液晶保護フィルムは、傷を防止するためだけに貼るのではなく、万が一ひび割れてしまった時のことを考えれば貼っておくべきものなのである。
また、ゴリラガラスを採用してるからと言って傷も全くつかないわけではなく、砂ぼこりなどがついた状態でスマホの画面を拭いてしまえば傷が入ってしまうこともある。液晶保護フィルムは傷が入っても簡単に交換することができるが、ゴリラガラスのみを交換というのは難しいため、気になる方は液晶保護フィルムを貼っておくことが望ましいだろう。
番外編
ヒカカク!ではスマートフォンやパソコン、カメラなどの買取価格を一覧化し、より高く売ることのできるお店を発見できるようにしている。家に不要なスマホは無いだろうか?以下より、最適な買取サービスを探してみよう。