今はなくなってしまった米国の時計ブランド"セストーマス(SETH THOMAS)"だが、その製品の人気は今も失われていない。同社は1800年台から1900年台後半にかけて操業しており、現存するコレクションは1世紀を超えるものも珍しくはない。置き時計や仕掛け時計などが日本でも見あたるが、これらの情報も多くはなく困っている方もいるだろう。
そこで、今回はセストーマスのコレクションについての買取情報を詳しく見ていくことにしよう。
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セストーマスの経歴
同社の創業者であるセストーマスは、1785年に米国コネチカット州のウォルコットという街で誕生した。当時のアメリカは独立戦争に勝利した直後で、イギリスから勝ち取った広大な領土の開発に着手していた時期でもある。いわばアメリカの勢いが増しつつある時代に生まれたといえるが、彼は後に超大国となった同国において、その歴史に名を刻むことになる。
成長したトーマスは、最初は大工の弟子として働きはじめ、家を建てたり家具をつくったりして暮らしていたようだ。その後にEli Terryと邂逅を果たすのだが、これがトーマスの運命を大きく変えることになる。
Eli Terryはアメリカでは名の知れた時計職人であり、発明家でもあった。彼は伝統的な時計製造の工程に大量生産の仕組みを導入し、庶民にとって買い求めやすい製品をつくったという功績がある。その発明は多岐にわたっており、特許も幾つか取得していたようだ。このような人物のもとで働いたトーマスは、その技術を吸収していったのだが、それだけにとどまらない。
1810年にEli Terryの事業を取得したトーマスは、1813年にコネチカット州プリマスホロウで時計用ムーブメントの製造を開始する。この事業は軌道に乗り、1853年には時計会社”セストーマス”を設立するに至った。これが同社の誕生の瞬間である。
セストーマス社は壁掛け時計や卓上時計などの多彩なラインナップをそろえ、アメリカ市場に受け入れられていった。経営は順調だったが、1859年にセストーマスが死去。その後は息子が引き継いで数々の変革をもたらしたものの、1980年代に廃業するに至り、同社の歴史は幕を閉じた。
ただ、会社自体は失われても、その輝かしい功績は失われてはいない。今でもニューヨークにあるグランドセントラルターミナルには、同社の手がけた時計が設置され、人々に愛されている。また、家庭向けに製造されたコレクションも現存しており、熱心な愛好家も見られるほどだ。
日本とセストーマスの関係
アメリカにおける古時計7大メーカーの一角を占めるだけあって、そのビジネスは世界的にも大規模なものであった。このために同社の製品は日本にも流通し馴染みの深いものとなっているのだが、その付き合いは長く、輸入されはじめたのは文明開化前後である。特に明治の時代に多く入ってきたようで、今でも当時の製品が査定や修理に出されているケースが見あたる。
また、こちらはかなりレアな事例だが、幕末期に国内に持ち込まれたセストーマスも見られることがあるようだ。時計自体の魅力も当然高いが、歴史的な価値のある品も少なくはないだろう。
日本においては特に、壁掛け時計が浸透している傾向にある。かつては広く親しまれていた、昔懐かしいボンボン時計と呼ばれるアイテムだ。これは振り子仕掛けが用いられた時計で、一定の時刻になると"ボーン・ボーン”というような音を発する仕組みを持っているのが特徴である。若い世代には馴染みがないかも知れないが、昭和中期の家庭では一般的に浸透していたものだ。
このボンボン時計だが、国内最古のものとして現存しているのが、セストーマス社の製品だといわれている。どうやら江戸時代に通商交渉のために来日していた海外の商人が、持ち込んだ商品のうちの1つと考えられているらしい。この振り子時計は新潟県にて保存されている。
このようなアンティークな製品が国内には多数現存しており、根強い人気を誇る。壁掛け時計のほかに、懐中時計に関してもファンが見られる。もしも、セストーマスの時計が実家にあったり、相続などで引き継いだときには、査定に出してみることがおすすめできそうだ。
セストーマスを高値で売るには
古い時計になるので保存状態が最も重要なポイントになる。汚損や故障があればマイナス評価に繋がるが、人気のモデルや希少な品であれば、多少の難があっても高額査定は見込めるはずだ。多少の汚れであればクリーニングをしてきれいにしておくのが一手だが、セストーマスのアンティーク時計は、下手なことをすると逆効果になりえる。
繊細な仕上げが用いられている可能性があるため、一歩間違うと価値が大きく損なわれるリスクがあるのだ。したがって、本体に関しては自分で下手にいじらず、修理業者に任せるのが得策だろう。これを踏まえて、自分でできる範囲で、高値で売るコツを見ていくことにしよう。
保証書や付属品、コンディション
まず、保証書が現存していれば査定価格に好影響が期待できる。古い製品が多いので保証書は期待できないが、もしも保存していたような場合には好材料だ。同じように元箱や付属品が残っていたら、これも査定の際には考慮される。コンディションは新品未使用が最も有利なのは当然だが、セストーマスの製品では買ったまま保存しているケースは稀だろう。
したがって、できるだけコンディションに注意する必要がある。ムーブメントの動作に問題がないかなどを確認しておこう。ここで注意したいのが、ムーブメントの交換である。動きが悪いからと交換してしまうと、アンティーク価値を大きく下げるデメリットがあるのだ。
売却のタイミング
売却の際にはタイミングも重要だろう。製品の相場の変動と共に、買取店のキャンペーンなども考えていく必要がある。相場に関してはいろいろな要素で変化が出てくるので、これは要チェック。もちろん高値で売れるタイミングを見計らって売るべきだろう。セストーマスに関しては保存状態が良ければ価値はあるため、今すぐに売る必要性は高くはない。
ショップも買取に際してはキャンペーンをおこなったり、一定のジャンルやメーカーのアイテムの査定額をアップしていたりするので、これを上手く活用していくと良いだろう。上手に売りどきを見極めることで、有利な査定額を引き出すことができる。
まとめ売り
意外かも知れないが、まとめ売りには効果が見られることがしばしばある。セストーマスと一緒に、幾つかのコレクションを査定に出すと良いだろう。このような複数を売ってくれる客というのは、ショップからすると上手く付き合いたい相手なのである。今後も良い製品を売ってくれるだろうという期待があるため、査定額をサービスしてくれる可能性があるわけだ。
売る手段を考えることが大切
高額で売却するには、どのような手段を使うかを検討することも大切だ。いろいろな方法があるので、それぞれの長所・短所を見極めていくようにしたい。特にポピュラーな売却手段としては、買取業者の利用があげられる。これは自身ではほとんど手間をかけずに売却できるのがメリットだ。
相手もプロなので信頼感もあるだろう。多数の業者が利用できるようになっているが、選ぶ際には業者を比較して検討していくことが大切といえる。一社だけを調べても、相場もわかりにくいこともあり、失敗に終わる可能性が否定できない。業者の比較ポイントは幾つかある。専門性の高さや買取実績の多さなどだが、一番気になるのは査定額だろう。
同じアイテムでも業者によって金額に差がでるので、これは複数の査定を利用するのがおすすめできる。これで見比べて相場を判断していくのだが、査定自体は無料のケースが多いので、気軽に利用できるわけだ。
ちなみに、相場のチェックではフリマアプリも便利である。過去の取引事例などを調べると、どれくらいで売れたのかわかるのだ。ネットオークションも同じように使える。ただし、セストーマスに関しては知名度の問題で、売れにくいかも知れない。
こうやって査定額を複数出してもらうと、業者に対して交渉する余地もでてくる。ある業者に対して「他社のほうが高く買い取ってくれる」と交渉するわけだ。こうしていくと競争心理が働くので、相場以上の査定を引き出せる可能性も出てくる。
複数の業者に依頼するのは面倒に感じるかもしれないが、オンラインやLINEで査定をしてくれるサービスが増えてきた。これなら店頭に持ち込まないで良いため、簡単に使える。加えて、このようなサービスを用意している場合には、宅配買取にも対応していることが多い。このために、オンラインで査定した遠方の業者が高値をつけてくれたような場合でも、宅配を使って気軽に買い取ってもらえるのだ。
おすすめの買取業者
セストーマスをはじめとするアンティーク時計の買取をおこなっているショップを紹介していこう。セストーマスを売るときには、アンティーク時計の扱いに慣れた業者を選ぶのもおすすめだ。このジャンルの専門性が高く、実績もあるほうが正確な査定が期待できるため、買い叩かれるリスクも少なくなると期待できる。
おたからや
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
おたからやはブランド時計の買取で実績がある業者であるが、アンティーク製品にも対応している。セストーマスに関して明記はされていないが、可能性は考えられるので声をかけてみよう。多数の店舗を展開しているほか、無料での宅配買取サービスも手がけており、使い勝手は上々である。フリーダイアルの電話が用意されているため、困ったときには相談してみるのがおすすめだ。
古響堂
古響堂はアンティーク時計の専門性が高いショップである。販売実績が豊富なうえに買取にも対応しており、オンラインで査定を依頼できるのがメリットだ。セストーマスに関しての査定額自体は公表されていないが、取り扱いはあるので相談してみると良いだろう。不動品でも買い取ってくれる可能性もあるようなので、故障していても諦める必要はない。
買取業者を探す際には、ほかにも骨董品を買い取っている業者を探してみると良いだろう。骨董・アンティークを得意とする場合には、セストーマスの取り扱いも可能なケースが多いようだ。
セストーマスの相場情報
セストーマスは多数の買取業者で取り扱いがあるものの、査定事例について公開されている例は見あたらない。そこで、ネットオークションで相場を確認してみたところ、5,000円~30,000円程度で売れているケースが多かった。中には10万円を超えるものもあり、モデルや年式によっては相当なプレミアム価値がついているといえる。
ただし、買取業者に持ち込んだ場合には、ネットオークションでの相場に対して前後する可能性が高い。オンライン経由で個人から買う仕組みのため信用度は高いとはいえず、入札者も高値をつけにくい傾向があることも理由だ。結論としては、手数料の問題もあるネットオークションは最終手段に留めて、まずは専門性の高い業者に相談してみるのがおすすめできる。
まとめ
セストーマスはアンティーク時計の中でも割と人気があるため、悩んだときには気軽に業者に相談していくのが良いだろう。アンティーク品や骨董品を買い取っている業者なら、対応してくれるはずだ。何分、古い製品なのでネットで調べても情報量は少ない。したがって、買取スタッフに相談して、いろいろな情報を引き出していくのがおすすめできる。