ソフトバンクのiPhoneは、docomoやauと異なり、これまで格安SIMを使うことができなかった。しかし、2017年に入り状況が変わってきており、ソフトバンクの端末でも格安SIMを使えるようになってきた。
ここでは、ソフトバンクの格安SIM利用について紹介したい。
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格安SIMとは
格安SIMとは、自社で回線設備を持っていないMVNOという事業者が大手キャリアの回線を借りて通信を提供するサービスのことである。スマホ本体と、格安SIMを合わせて「格安スマホ」と呼ぶ。
近年、格安スマホは大手キャリアと比べて月額料金を抑えられることから話題になってきており、多くの企業が参入しはじめている。格安SIMのメリットとしては、やはり月額料金を大幅に下げられることが挙げられるが、通信速度が大手キャリアに比べて遅くなったり、デザリングが一部機能ではできないなどデメリットも多くあるのが現状だ。
ソフトバンクも格安SIMを使えるようになった
専用の格安SIMを差し込めば本体を格安スマホとして使えるdocomoやauと違い、ソフトバンクのiPhoneは格安SIMを差し込んで使えないというのが常識だった。しかし、2015年5月に入って携帯電話やスマートフォンのSIMロック解除の義務化がスタートし状況が変化したのである。
ここで、そもそもSIMロック解除とは何なのかに関して簡単に触れておこう。携帯電話にはSIMカードと呼ばれるICカードが入っている。通信事業者がこのSIMにロックをかけて、特定のキャリアしか使えないようにすることを「SIMロック」と言う。こうすることで、例えばソフトバンクの携帯に格安SIMカードを入れても使えないようになっていたのである。
この「SIMロック」は日本独自のシステムだったが、海外ではSIMフリー端末が当たり前であったこともあり、SIMフリーになることが国内でも期待されていた。
この流れを受けて総務省はSIMロック解除の義務化を実行。現在ではソフトバンクでもiPhone6sとiPhone6s Plus以降なら、購入日から181日目以降であればSIMロック解除が可能となっている。
ただし、それ以前の機種では残念ながら格安SIMを活用することはほぼ出来ないので注意しよう。
また、2017年に入ってやっとソフトバンク回線の格安SIMも登場し、ソフトバンクユーザーにとっては吉報となっている。
ソフトバンクのiPhoneで格安SIMを使う方法
大きく分けると3つの方法がある。それぞれ詳しく見ていこう。
SIMロックを解除して格安SIMを使う
iPhone6s以降なら、SIMロック解除をすれば格安SIMを使うことができる。つまり、ソフトバンクのiPhoneを格安スマホとして活用することが可能だ。SIMロックを解除するなら、自分でMy Softbankから手続きする方法をおすすめする。
ソフトバンクショップに赴き店員にSIMロック解除をお願いする方法もあるが、それだと「SIMロック解除手数料」として3000円が必要になる。自分で手続きする場合は無料だ。
解除方法もとても簡単である。まず、My Softbank にログインし「契約・オプション管理」タブをクリックする。その後「SIMロック解除対象機種の手続き」メニューを選択し、画面の一番下に製造番号(IMEI番号)を入力すれば、解除キーを取得することができる。後は、格安SIMを差し込み、SIMロック解除キーの入力を行えば完了である。
ただし、購入日により注意点が存在する。2015年5月以降に発売されたものは購入日より181日目以降からSIMロック解除が可能となる。2015年4月迄に発売された機種の場合はSIMロック解除機能を搭載した機種においてのみ購入日からSIMロック解除が可能となっている。
もし、中古で買ったソフトバンクのiPhoneでSIMロックを解除したい時は要注意だ。解約済み端末のSIMロック解除の手続きの場合は、契約者本人に限り解約後90日以内のみ可能となっているので、気をつけよう。
SIMロック解除アダプターを使う
SIMロック解除アダプターとは、iPhone本体を改造しなくても専用アダプターに載せてSIMカードを挿しなおすだけでシムフリー化できるアダプターのことである。「SIM専用下駄」や「SIM下駄」と別名で呼ばれることもある。通称で「ゲタ」とも呼ばれる。
非常に便利なアイテムではあるものの、iOSのアップデートでSIMロック解除ができなくなる場合がある、再起動などをするとSIMロック解除が外れてしまうことがある、全機能が使えなくなる場合がある、などデメリットもあるので使用前に認識しておいたほうが良い。デメリットを認識した上で使用することをおすすめする。
ソフトバンク回線の格安SIMを使う
2017年3月より、ソフトバンク回線の格安SIMが発売され話題を呼んだ。iPhone6s以降においてもSIMロック解除しなければ使えなかった格安SIMだが、ソフトバンク回線の格安SIMなら、ただSIMカードを付け替えるだけで手持ちのソフトバンクiPhoneを格安スマホとして使えるようになる。
これは、iPhone6sより前のソフトバンクのiPhoneユーザーにとっても朗報と言えるだろう。これまでは古い機種を処分するしかなかったが、今後はソフトバンク回線の格安SIMを差せばメインやサブ機としても使えるのである。
ただし、2017年3月に発売が開始されたのは、データ通信専用SIMだけなので注意が必要だ。音声通話付きSIMはまだ登場していない。少し時間がかかっているが、いずれ販売予定となっている。
現実的には、SIMロック解除をしてdocomoなどの格安SIMを差し込んだソフトバンクのiPhoneを使うほうが、まだ有用性が高いと言えるだろう。
格安SIMの回線はdocomoが多い?
MVNOが販売している格安SIMにはdocomoの回線を使っている業者が多いことにお気づきだろうか?auが2社程度であるのに対して、docomoは20社近い業者がある。
これは、安い料金で回線を貸し出している背景がある。一説によると、docomoが設定している接続料は、毎秒10Mbpsに対して月額123万に対して、auは2倍、ソフトバンクは3倍の設定をしていると言われている。MVNO業者側とすればdocomoを選ぶのが自然だろう。
docomoがこのように安く設定している背景には、電気通信事業者として最前線で活躍し一定以上のシェアを誇っている為に、独占しすぎないようにという旨の法律が適応されていることが影響している。
ソフトバンク回線の格安SIMが登場しているように、今後はソフトバンクもMVNOに対して独自の路線を打ち出してくるだろう。音声通話付きのソフトバンク回線の格安SIMが登場するまでは、色々選べるdocomoの格安SIMをSIMロックを解除して使うほうが使い勝手が良いと言えるのではないだろうか。
ソフトバンク回線を使った格安SIM
docomoやauと比べるとまだ料金設定は高めではあるが、ソフトバンク回線を使った格安SIMも増えてきている。データ容量繰り越しや高速通信のON/OFF機能がないなど、性能的にはまだまだ劣るところが多いため、今後改善されていくと予想される。
ここでは、ソフトバンク回線を使った格安SIMをいくつか紹介したい。
U-mobile S
U-mobileから出たSoftbank回線を使用した格安SIMが、「U-mobile S」である。U-mobileは、株式会社U-NEXTが提供しているMVNOサービスで、バリエーションの多さが特徴でいち早くソフトバンク回線を使用した格安SIMを展開している。
現状料金設定は他キャリアと比べて高めではあり、音声通話及びSMSオプションはなく、余ったデータ容量の繰り越しも不可な点が難点である。
b-mobile S
日本通信が提供しているMVNOサービスである。「b-mobile S スマホ電話SIM」というプランでは、音声通話も可能である。
「b-mobile電話」というアプリを用いると、通話料金を通常の半額にできたり、月額500円で5分以内の通話がかけ放題になる「通話定額オプション」がつけられるなど、docomoやauの機能に近づいてきている。
ワイモバイル
ソフトバンク株式会社が提供しているMVNOサービス。他の格安SIMにはない最も大きなメリットが、通話無料サービスがある点である。通話無料サービスは、1回につき10分以内の通話を無制限にかけることができる。
キャンペーンや割引制度が充実しているため、お得感がある格安SIMと言えるだろう。速度についても、docomoやauよりも速いと言われている。
スマモバ
プランのバリエーションが多く、自分に合ったプランを選択しやすい格安SIMである。iPhone5以降のiPhone、iPadをSIMロック解除することなく使用できる点も強みだ。ただし、月額料金については他社と比べて時に500~1000円ほど高いと言われている。
Hitスマホ
飛騨高山ケーブルネットワーク株式会社が提供しているMVNOサービスである。データ通信はできず、音声通話のみの提供となり、音声通話SIMの中では料金設定は安いと言えるだろう。最低利用期間は1年間で解約金が10000円とやや高めなので、注意したい。
ANA Phone
データ通信は提供しておらず、音声通話のみ可能である。一番のポイントは、契約しているだけで毎月ANAのマイルが貯まる点である。旅行や出張が多い人にはおすすめできる。
格安スマホは性能が劣るのか?
ソフトバンクのiPhoneを格安SIMを使い格安スマホとして活用する方法などを紹介してきたが、格安スマホそのものを疑問視している人も少なからずいることだろう。結論から言うと、格安スマホと言えど性能がイマイチということはほぼない。
もちろん、高性能な大手キャリアの機種と比べれば性能やデザイン面で見劣りすることがあるが、普段使いをする分には、格安スマホに切り替えたが影響はほとんどなかったという人が多いという事実がある。しいてあげれば、通信速度の面ではまだ劣る部分があるとは言えるだろう。
各個人のスマホの利用状況などによっても異なるが、近年めざましく進化している格安スマホ、格安SIMなので、切り替えても損がないと言うことができるだろう。月々の携帯料金も1万円台から2千円以内に抑えられるなど、コストパフォーマンスが非常に良いという大きなメリットもある。切り替えを検討しても良いのではないだろうか。
まとめ
ソフトバンクのiPhoneを格安スマホとして活用したいなら、iPhone6s以降ならSIMロック解除を行えば格安SIMカードを使うことで利用できる。それ以前はソフトバンク回線の格安SIMカードの機能が充実してからでないと難しいと言える。ソフトバンクの格安スマホ市場への進出は始まったばかりなので、今後の動向に注目が集まっている。
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